世界をめぐる、銀白の翼
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
なのはA's ~夢で逢えたら~
一人の青年が立つ。
「ここ・・・・は・・・・」
蒔風が人ごみの中にポツンと一人で立って周囲を見渡している。
「どこだ・・・・■■■の中にしては・・・・」
と、そこに声が唐突と掛けられた。
「おい!蒔風、どうした?」
その声にハッとすると、周囲はいつの間にか大きな駅のホールになっていた。
「あ、ああ・・・・揃ったのか?」
「おう!じゃあ、行こうぜ!」
そう言って蒔風は五人くらいのグループの中に入り、駅から出発した。
「最初の曲なに歌う?」
「ばっか初原、最初はモチ「Butter-Fly」だろ!」
「いいか?サビはみんなで一斉歌唱すんだぞ!!わかってんな!?」
「おい蒔風!なんかテンション高いな!!」
「ああ!!なんだろう・・・凄くうれしいんだ!!!テンションあがってきた!!」
そしてカラオケボックスに入り、曲を歌い上げる。
「「「「むげぇんだぁいなぁああああああ!!!!」」」」
「いええええええええええ!!!!!!!」
「「ほーーーーッ!!!ほぉおおおおおおおう!!!!」
「にしても俺らバカなことしかしてねえ!!!!」
「ツッコミが追いつかねえぞ大谷木!!!あっはっはっは!!!」
「バカやろう!!俺たちは突っ込まれるために馬鹿やってんじゃねえんだよぉ!!なあ佳景山!!」
「そうだ。我々はバカなことやるためにバカなことやってんだよ。目的のあるテロじゃない。テロりたいからテロしてんだ!!!」
「うわあ!!こいつらマジキチ(笑)」
「今更だな本田。俺たちにそれは」
「「「誉め言葉!!!!」」」
「はじまって十分なのにこのテンションはヤベエ!!!」
そしてその後に水風船を買い、みんなで投げ合う。
「くたばれぇ!!!」
「よっしゃ来い!!!(グバァ!!)」
バチィン!!
「バカな!!!当たっても割れない!?」
「気合がちがぁう!!!」
「おい!お前携帯大丈夫かよ!?」
「This is BOUSUI!!」
「「「な、なんだってーーー!?」」」
「じゃあいいな(ザパァ)」
「うひおおおおお!?ばっかお前ばっかお前!もっかい言っとく?ばっかお前!?」
「「初原がヌレヌレだーーーーー!!!!」」
「変なこと大声で騒ぐな!!!」
「まあこのカンカン照りだし、すぐに乾くべ」
「まあねーーー。だが許さん(ベチャ)」
「濡れる!!」
「よし、みんな。逃げんぞ。鬼は初原。全滅鬼だぁ!!!」
「「「いええええええ!!!!!」」」
「え?なに?はじまってんの!?」
「当然だ!!」
「範囲は公園内な?」
「捕まえてみろい!!!」
「上等だーーーー!!!!」
そして夕暮れ。
皆の服も乾き、これからどうするかを話しながら繁華街を歩く。
「飯食ってくか?」
「どーするよ」
「・・・・・」
「大谷木、どうした?」
「あーーー。なんかガラの悪いあんちゃんがおっちゃんにイチャモンつけてんなと」
「なにぃ!?」
「よぉし」
「行くぜぇ!!」
「「「おぉおう!!!」」」
みんなでそこに突撃していく。
相手は五人、こっちも五人。
相手はナイフとか持っていたけど、余裕だった。
みんなで戦った。
みんなで勝った。
ヤンキーたちが逃げ、荷物を置いていく。
おっちゃんの荷物を払い、返すとお礼をと言ってきたから断った。
「俺たちはやりたいからやっただけですから」
「そーそー。事実おっちゃんは怪我しちったし」
だったらせめて名前ぐらいは、と聞いてきたのでこう答えた。
「名乗る必要はないですな」
「そ、俺たちゃ変人集団さ」
「騒ぎがあればそこにいる」
「だから、あんま俺らと関わらない方がいいかも」
「ま、今日は助かったってだけでいいじゃない」
「「「でわ!!」」」
「おい!警官来たぞ!!」
「めんどいから逃げよー!!」
「おあっはっは!!こりゃスリル!!」
「しっかり話せば感謝状くらいは貰えんじゃねえ!?」
「いーよいーよそんなけったいなもんもらったってしょうがねえ!!」
そういってその場から逃げる五人。
そして気付くとまた昼ごろだった。
「俺たち彼女いねーよなー」
「ま、変な奴らだしねーーーー」
「同感」
「おいそこ、悲しいこと言うなーーー」
「はいこれ」
「おう・・・ブーーーーーー!!!!」
「どした?」
「これ何入れた!?」
「コーラにメロンソーダと紅茶。あとシロップ三個」
「お前自分じゃ処理なんてしないんだからこういうのやめいよ!?」
「ほい」
「あぁッ!サキイカ入れやがった!!!」
「やめんか!!(スパァン!!!)」
「アたっ!?」
ファミレスのドリンクバーで騒ぐ。
そのまま街に繰り出し、そこでもまた大いに遊んだ。
ゲーセン、カラオケ、ボウリング、公園、海、山、テーマパーク!!!
ああ・・・・
なんて最高な世界だ!!!
漫画とかゲームみたいなことは全然起こんないけど、それに対してクソつまんねェとか思っても、それも込みでなんて素晴らしい!!!
最高の仲間、最高の時間。
それがなにも起こらずこのまま続く、こんな「なにもない」世界が大好きだ!!!
きっとこんな時間はずっとずっと続いていく!!!
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・・・・・・
・・・・・・・・
本当に?
「ここは・・・・本当なのか?」
「え?」
「何か忘れてるんだ・・・・・」
「蒔風・・・・・」
「そうだ・・・・忘れてる・・・・・なんで忘れてんだ・・・・」
「ふ・・・・」
「そうだよ・・・なんで忘れてたんだ?」
「へ、さすがだな」
「忘れるわけもないはずなのに・・・・な」
「やっぱこうなるか」
「俺の現実は・・・・・こっちだ」
ズゴオッ!!!!!
蒔風が自覚する。
その瞬間に、周りの景色が崩壊した街に塗り潰された。
「思い出したのか?」
「ああ・・・・完璧にな・・・・」
「そっか・・・・」
振り返るとみんながいた。
頭に包帯を巻き、煤が頬につき、服は所々千切れている。
崩壊した街、ひび割れた空。
それは「奴」の襲撃の悲惨な爪痕だった。
「ゲームとかマンガみたいなこと・・・・起きちまったんだな・・・・」
「そうだな・・・・」
「なあ、今ここってどうなってんだ?」
「ここは闇の書に蒐集されたお前の情報から得た世界だ」
「じゃあ・・・・幻想なんだな?」
「そうとも言えないさ」
「え?」
「お前と言う情報をもとに数多の世界に検索をかけて見つけ出した世界の情景がここにある」
「つまり、ここは幻想でありながらもお前のいた、元の世界なんだよ」
「なあ・・・・・このまま一緒に遊んでようぜ」
「そうだよ。おまえ、このお話には本来登場してないキャラじゃないか」
「お前がいなくても「高町なのは」や「フェイト・テスタロッサ」はどうにかしてくれる」
「この世界ではあいつらアニメになってんのも、思い出してんだろ?」
「ああ・・・どうなるかもな・・・・」
「だったら・・・このままいようぜ・・・・」
そんな友の誘い。
たしかにそうだ。
蒔風はいなくても物語は回る。
だったらここで幸せな世界にいてもいいじゃないか。
今まで散々つらかったんんだ。
何度だって死にかけたんだ。
ここで幸せなままでいても、いいじゃないか。
しかし
「仲間が・・・待ってるんだ」
蒔風が言った。
「俺が戻ると信じて、外で戦ってる子がいるんだよ・・・それを見捨てるなんてできない」
その言葉にみんなが黙った。
そして口を開いた。
「だぁーーー。やっぱダメかぁ!!」
「そりゃそうだ。ここでそうだな、なんて言われてたらぶん殴ってるよ」
「早く行って来い」
「ケリ、つけて来いよ」
「・・・・・・・は?」
「ま、どっちにしろ俺たちはお前を蹴りだしてでも行かせるつもりだったよ」
「ちょ、お前ら闇の書の・・・」
「そうだけどほら、今は「俺」だから」
「それと、一つ言っとく。お前の世界は修繕に向かっている」
「何年かかるかわからない。もしかしたら生きてる間には直らないかもしれない」
「でも、いつかお前の帰る場所はちゃんとあるんだ」
「それは・・・ほんとうか?」
「マジマジ。だから行って来い」
「救うんだろ?」
「ああ・・・・そうか・・・・俺の世界は・・・・まだ・・・」
「世界は強い」
「砕かれても、こんなにもボロボロになっても、まだ生きている」
「死を恐れないで戦う男。覚悟とか乗り越えたとかそんなんじゃなく、死に恐れない男」
「てめえはそんなバカなこと言ってたけど、そのおかげで俺たちは元の世界で生きている」
「だから、全部の世界救いきって早く戻れよ」
「オリジナルのオレっちだって待ってんだからな」
「ああ・・・・・ああ!!!」
そして蒔風が決意する。
「蒔風、こっから戻ったらここで思い出した「原典」に関する知識は失うぞ?」
「いいよ・・・今までもそうだったし」
「そうか・・・」
「十五天帝・・・・・」
その剣をくみ上げ、一つの巨剣とする。
「さあ・・・夢の時間は終わりだよ」
ブゥン
「ここからは・・・・・・」
ゴォオ!!
「輝ける未来へと・・・・・・」
「ああ、待ってるぜ。馬鹿野郎」
カァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア・・・・・・・・
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ドォォォォオオオオオ!!!!!!!!
なのはが闇の書に対し、砲撃を放つ。
それと同時、少年と少女がその場から飛び出し、姿を現した。
「舜君、フェイトちゃん!!!!」
「なのは!!」
「なのは!ってうをお落ちる落ちる!!」
「だ、大丈夫?」
フェイトが蒔風を支える。
そのままなのはに近づいていく。
「舜君、翼は?」
「今管理局がこの光景見てるだろうから、あんまだしたくないンよ。足場とか作れる?」
「僕に任せて」
さらにそこによってきたユーノとアルフ。
ユーノが魔法陣の足場を作り、そこに蒔風が立つ。
「で、なにあれ?」
海上にある巨大な黒いドームを見て蒔風が聞いた。
どうやらなのは達の説明によれば、あれこそが闇の書の暴走プログラムそのものなのだそうだ。
驚くことに八神はやては闇の書覚醒後に、暴走するプログラムから管理者権限を取り戻した。
そして暴走プログラムの切り離しに成功し、権限施行のために表に出ているプログラムをなのはが吹き飛ばしたらしい。
「じゃあそこの黒いのは・・・」
「あれが暴走プログラム。もうはやてちゃんとは切り離されているはず!!!」
「だったらあれぶちのめせば!!!」
「終わる!!!」
と、そこで白い光が発生する。
三角形のベルカ式の魔法陣が回り、そこから現れてきたのはヴォルケンリッター。
そして、騎士甲冑に身を包んだ、完全に闇の書、否、「夜天の書」の主となった八神はやてだった。
「はやて!!!」
「はやてちゃん!!」
「はやて!」
そこにみんなが寄る。
蒔風はユーノの作る足場を跳んでいった。
「なのはちゃん!!フェイトちゃん!!それに・・・・」
「久しぶり。蒔風舜だよ」
「ああ!!舜君!!って、みんな管理局の人やったん?」
「俺ら三人は違うぞー。ま、フェイトは管理局保護下。なのはと俺は協力ってとこ」
「そっか・・・この書の中にいた時に、全部知ったよ。みんな、迷惑かけてごめんな」
「気にしないでよはやてちゃん」
「はやて、髪の色が・・・」
はやての髪を見ると白く、と言うよりクリーム色になっている。
「あ、うん。リィンフォースがいるんよ」
「りぃんふぉーす?」
「この・・・夜天の書にずっといた子。あたしが新しい名前をあげたんや」
すると、融合デバイス・リィンフォースからの声が、はやての中から聞こえた。
『今は主をサポートするために姿を出せません。すみません』
「そうか・・・・この書も救われたということか」
「これが夜天の書・・・・」
と、そこにシグナム達が近寄ってきた。
「その・・・なんだ・・・すまなかった!!」
「あたしたち、勘違いして・・・・それで・・・・」
「わかってるよ」
「でも、なのはちゃん達にひどいこと」
「もういいですってば」
「しかし、我らの気が収まら」
「「「もういいって!!!(困)」」」
なのは、フェイト、蒔風が同時に言った。
「それ以上言われたらこっちが困っちゃうよ」
「あんさんらは主のために最大限動いた。それを誇りに思っとけ」
「あ、ありがとう・・・」
「みんな、こんな時にすまないが、事態は一刻を争うんだ」
「クロノ!!」
そこにクロノがやってきた。
「あれをどうにかしなければならない」
「制御の失われた暴走プログラム・・・・」
「なに、今だけの人数がいるんだ勝てる勝てる!!!」
「そうだね!!!」
「負けないよ!」
「みんな!!!行くで!!!」
「「「「「「「「おう!!!!」」」」」」」」
こうして
逆転劇は始まった。
そして
「やった!!計算オワタ!あっとは機会を待つだけだぁ~~~~♪物語は嫌いじゃないけどな~~~。目的のためだ」
はたしてハッピーエンドになるのだろうか?
to be continued
後書き
アリス
「蒔風の若干の救い」
ですね
アリス
「フェイトとかはやてのほうか書かないのですか?」
書いたところで原作と同じだから、書いてもしょうがないんですよね。
アリス
「次回、VS暴走プログラム」
ではまた次回
我ら、夜天の主のもとに集いし騎士
主ある限り、我らの魂尽きることなし
この身に命ある限り、我らは御身のもとにあり
我らの主、夜天の王、八神はやての名のもとに
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