英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第20話
~クロスベル大聖堂~
「あれっ?」
「どうしたの?」
日曜学校の教室に入ろうとし、不思議そうな表情をしたロイドを見たエリィは尋ね
「いや、まだ授業をやってるみたいだけど―――」
尋ねられたロイドは教室の中を見つめながら答えた。
「えっと、ここの式がこうなって、こうなるから……………………」
ロイドが教室の中を見つめていたその頃、キーアは年長の生徒と教師役のシスターが見守る中、黒板に何かの数式を書き
「はいっ、答えは512平方セルジュでーす!」
嬉しそう表情で答えた。
「おお~っ!」
キーアの答えを聞いた年長の生徒たちは驚き
「はい、正解です。式の展開がユニークでしたけど今、自分で考えたのですか?」
シスターは頷いた後キーアに尋ねた。
「えへへ、こっちのやり方のほうが何となく気持ちよかったからー。キーア、まちがってた?」
「いえいえ。とても素晴らしい解法でした。―――皆さん、公式というのはあくまで正解を導き出すための指針の一つでしかありません。時には工夫して、楽しみながら問題に挑戦してみてください。」
「はいっ!」
キーアに尋ねられ、答えた後自分達に言ったシスターの言葉に生徒たちは元気よく返事した。
「あ、あれって……」
「日曜学校の年長クラスの授業よね……」
「キーアちゃん、凄い……あの問題、あたしだったら結構手こずりそうですけど……」
その様子を教室の出入口で見ていたロイド、エリィ、ノエルは驚き
「いわゆる中等数学だね。ふーん、なかなか見事な解法じゃないか。」
「ああ、さすがはうちのキーアだよな……」
「そうね、キーアちゃんならあのくらいできても……」
(…………………………)
感心した様子で呟いたワジの言葉にロイドとエリィは嬉しそう表情をして呟き、ルファディエルは目を細めて考え込んでいた。するとその時
「「―――じゃなくて!」」
ロイドとエリィは我に返ったて声を上げた。
「やれやれ。少しは落ち着きなよ。」
「と、とりあえず授業が終わるのを待ちましょう。」
2人の様子を見たワジは溜息を吐き、ノエルは苦笑しながら言った。そして10分ほどすると授業は終わり、生徒達が帰りだしている中、キーアはシスターと会話をしていた。
「えっと、キーア?」
2人が会話をしているとロイドが声をかけ
「あら、あなたたち………」
「あれれ……みんなどーしたの?」
声に気付き、ロイド達が出入口付近にいる事を見たシスターは驚き、キーアは不思議そうな表情をした。そしてロイド達は2人に近づいた。
「いや、キーアが遅いから迎えに来たんだけど……」
「そ、それよりキーアちゃん。どうして年長クラスの授業を?」
「あ……えっと、そのぅ。」
エリィに尋ねられたキーアは驚いた後言い辛そうな表情になった。
「ひょっとしてロイド達に事情を話していないのですか?」
キーアの様子を見たシスターは尋ね
「…………………………」
尋ねられたキーアは頷いた。
「察するに、彼女の学力はかなり高いみたいだね?年長クラスの授業についていけるくらいに。」
「ええ、本人の希望もあって少し前から年長クラスにも参加してもらっているんです。と言っても、数学などの自然科学に限ってですけど。」
ワジの質問にシスターは答えた。
「そうだったんですか…………」
「まさかキーアちゃんがここまで頭がよかったなんて……」
「えっと……だまっててゴメンね……?キーア、まだコドモなのに数学なんか勉強しちゃって……」
驚いているロイドとエリィにキーアは申し訳なさそうな表情で言ったが
「はは、謝ることないだろ?キーアが興味あるんだったら俺は反対しないよ。」
「そうね………知的好奇心はそのまま延ばしてあげたいし。うん、私も賛成かな。」
「ホントー!?」
2人の反応を見て嬉しそう表情をした。
「ただし、リュウたちと一緒の授業もちゃんと受けるんだぞ?日曜学校で得られるのは何も勉強だけじゃないんだし。」
「うんっ、わかってる!リュウとモモに、わからない所を教えてあげるのもたのしーし!」
「そ、そっか。」
「キーアちゃん……本当に頭がいいんですね。」
「ふふ、おかげで私も助けられているくらいです。年長クラスへの参加は週に一度くらいですし……私も見ていますからどうか安心してください。」
感心しているノエルの言葉にシスターは微笑みながら頷いた後説明した。
「ええ、もちろん。」
「よろしくお願いします。」
「フフ……話がまとまったようで何より。それじゃ、日が暮れる前にとっとと支援課に戻ろうか?」
「ああ、そうしよう。マーブル先生。それでは失礼します。」
「どうもお疲れ様でした。」
「センセー、さよーなら!」
「ふふっ、さようなら。気をつけて帰るのですよ。」
その後キーアを連れたロイド達は車が止めてある所まで戻った。
~マインツ山道~
「わあ、クルマだぁ!すごくキレイだねー!誰が乗って来たんだろ~?」
山道に戻り、車を見つけたキーアは表情を輝かしながら車に走って近づき、車の周囲を移動しながら興味深そうな表情で見つめていた。
「あはは……」
「フフ、これは確かに喜んでもらえそうだね。」
キーアの反応を見守りながら近付いたノエルは苦笑し、ワジは静かな笑みを浮かべていた。
「んー、どうしたのー?」
2人の反応を見たキーアは可愛らしく首を傾げ
「キーア、聞いて驚け。何を隠そう、この車は俺達が乗って来たんだよ。」
「ホ、ホントー!?宝クジが当たったのー!?それともカブでもうけたとか!?もしくはキョクチョーがお金モチの女の人と仲良くなったとか!?」
ロイドの話を聞いて驚いて尋ねた。
「キーア……いつの間にそんな知識を。」
「まあ、クロスベルにいれば聞くことも多いでしょうし……ただ、局長の場合、冗談にならないかもしれないから怖いわね……」
キーアに尋ねられたロイドは冷や汗をかき、エリィは苦笑した後溜息を吐き
「ううっ……何でフランがあんなだらしない男性と……」
エリィの言葉を聞いたノエルは疲れた表情で溜息を吐いた。
「あ、あはは………………キーアちゃん、この車はお仕事用に支給されたものなの。だから正確には私達のものじゃないわ。」
ノエルの様子を苦笑しながら見つめていたエリィは気を取り直して説明した。
「へー、そうなんだー。でもいいカオしてる!すごくカッコイイね!」
「そ、そうか?」
「ふふ、キーアちゃん、わかってるみたいだね~。さっそく乗ってみる?」
「うんっ、乗りたい―!」
ノエルに尋ねられたキーアは嬉しそう表情で頷いた。
「はは、大喜びだな。」
「ああ、せっかくだから別のルートで帰らないか?僕としては港湾区を通って東通りに抜けてみたいかな。」
「あら、いいかもしれないわね。」
「よし、そのコースで支援課に帰ろうか。ノエル、お願いできるか?」
「ええ、お安い御用です。」
「それじゃあ、レッツ・ゴー!」
その後車に乗り込んだロイド達は遠回りをして支援課に戻り、車を車庫に止めて車から降りた。
~夜・西通り~
「ふう……広い市内も車を使えばあっという間か。」
「フフ、なかなか悪くないね。」
「えへへー、楽しかったー!おんなじ街なのに違った感じにみえたー!」
「ふふっ、確かにそうね。まるで街明かりの中を泳いでいるみたいな気分だったわ。」
キーアの感想にエリィは頷いた。
「わあー、クルマがもう一台あるー!これも支援課のクルマなの?」
一方もう一台の車を見たキーアははしゃぎ
「ええ。局長のおかげで2台手に入れられたのよ。」
「わあー、キョクチョー、すごーい!やっぱりお金モチの女の人と仲良くなったのかなー?」
「え、えっと…………」
「あの人の場合だとそんな風に見られて当然なところが冗談になっていませんね……」
キーアがはしゃぎながら言った言葉を聞いたエリィは冷や汗をかき、ノエルは疲れた表情で溜息を吐いた。
「これからは、遠出する時はこれらに頼る事になりそうだな。」
「ええ、耐久性も高そうですし、色々な場所に行けそうですね。」
「ふふ……おじさまと局長に感謝しないと。」
その後ロイド達が支援課のビルに戻ると既に戻っていたヴァイスやリィン達が見守っている中セルゲイが通信器で誰かと通信をしていた。
~特務支援課~
「ふむ、ふむ……そうだな。そろそろ戻ってくると―――」
通信相手にセルゲイが何かを言いかけたその時
「ウォン。」
ツァイトが吠えた。
「……おっと。ちょうど戻ってきやがった。」
「ただいま帰りました。」
するとロイド達が階段から降りてきた。
「かちょー、ただいまー。」
「あら、通信中ですか?」
「いや、もう問題ない。」
エリィに尋ねられたセルゲイは答えた後通信器を置き、端末に視線を向けて言った。
「そら、とっととそこの端末を起動してみろ。」
「え、はい……?」
「警察本部から連絡が入っているんですか?」
「起動すればわかる。ほら、新人どもとキーアもこっちに来い。それとついでに局長達もお願いします。」
「んー?」
「は、はい。」
「何かあるみたいだね。」
セルゲイの言葉にキーアは首を傾げながらロイド達と共に端末に近づき
「フッ……俺達を”ついで”扱いとはセルゲイも言うようになったな。」
「ええ、おかげさまで。貴方達の無茶苦茶さにこっちもある程度柔軟な対応で行かないとやってられませんので。」
静かな笑みを浮かべて言ったヴァイスの言葉を聞いたセルゲイは疲れた表情で溜息を吐き
「確かに柔軟な対応をしていかないとその内心労で倒れますね。」
「まあ、真面目にヴァイスと付き合っていたら絶対そうなるだろうしね~。」
「ハハ……」
アルは納得した様子で頷き、エルファティシアは口元に笑みを浮かべ、リィンは苦笑しながら端末に近づいた。
「えっと……」
そしてロイドが端末の正面に立ったその時、端末の画面にティオの顔が写った。
「!!」
「ティオちゃん!」
「あー、ティオだぁ!」
「フッ、久しぶりだな。」
ティオの顔を見たロイドとエリィは驚き、キーアははしゃぎ、ヴァイスは静かな笑みを浮かべていた。
「……こんばんは。どうもお久しぶりです。」
「ティオ……!いったいどうして……ひょっとしてクロスベルに帰ってきているのか!?」
「……まだレマン自治州のエプスタイン財団の研究所にいます。予定よりも帰るのが少し遅くなりそうなので……わがままを言って回線を使わせてもらいました。」
「そっか……」
「ティオちゃん……顔を見られて嬉しいわ。あら、でも導力ネットって自治州外のネットワークにはつなげられないんじゃ……?」
ティオの言葉にロイドは頷き、エリィは笑顔になった後ある事に気付いて不思議そうな表情をした。
「はい、本来なら有線で繋がないと膨大な情報量を処理できません。ですが今、財団とIBCの間で遠隔接続の実験が進められています。まあ、強力なブースターがレマン自治州とクロスベル自治州の間に10基ほど設置されているんですが……それで一応、映像と音声もこうして送れている訳です。」
「そうだったの……」
「技術の進歩は凄いんだな……」
「ねえねえ、ティオ!遅くなるって言ってたけどいつ帰ってくるのー?」
「月末か、来月の始めにはそちらに戻れると思います。それまでの間は、この通信で溜めたキーア分でしのがせてもらおうかと。だからキーア、もっとよく顔を見せてください。」
「えへへ……うんっ!ほらほら、ツァイトもティオに顔を見せてあげてー。」
「ウルルル……ウォン。」
「ええ、大丈夫。元気でやってますから。」
「はは……」
「ふふ……導力ネットにはこんな恩恵もあるのね。」
「そういえばランディさんやセティさん達もまだ戻ってないそうですが……ノエルさんとワジさん、それと新顔の方はもう、参加したみたいですね?」
「ああ、ちょうど今日から仕事を始めてもらってるんだ。」
「ふふっ……ティオちゃん、お久しぶり!」
「やあ。お邪魔させてもらってるよ。」
「初めまして。リィン・シュバルツァーだ。君の事はロイド達から聞いているよ。帰ってきたらよろしくお願いするよ。」
ティオの言葉を聞いたノエル達はそれぞれ端末に顔を見せて言った。
「ふふ……皆さんお久しぶりです。それとリィンさん、こんな形で挨拶するのは申し訳ないですが今後は同じ支援課のメンバーとしてよろしくお願いします。……それにしても、ノエルさんが出向してきたのは納得ですが……ワジさんがそこにいつのはちょっと不思議な光景ですね。」
「アハハ、僕もそう思うよ。」
「もう……笑いごとじゃないでしょ。」
ティオの言葉に笑っているワジを見たノエルは呆れ
「ふふ……というかさっきから気になっていたんですが何でアル警視とヴァイスさん……いえ、局長がロイドさん達と一緒にいるんですか?」
その様子を見ていたティオは静かな笑みを浮かべた後尋ね
「以前通りの呼び方でいいぞ、ティオ。」
「そうですか?じゃあ改めて……どうしてヴァイスさんがロイドさん達と一緒にいるんですか?」
そしてヴァイスはティオに自分の一時的だが支援課に所属する事を説明した。
「………………本当に一体何を考えているんですか、局長自らが支援課に所属するなんて…………やっぱり類は友を呼ぶと言うんですかね?やっている事があのオリヴァルト皇子と大して変わらないですよ?」
説明を聞いたティオは呆れた後ジト目になって言い
「まあ、それは否定しない。オリビエと俺は境遇や性格、考えも結構似ているからな。」
ヴァイスは静かな笑みを浮かべて言い
(い、一体どんな方なんだ、オリヴァルト皇子って……?)
(局長と同じって……とてもあのエレボニアの皇子とは思えないわよね……お姉様の結婚式で見かけた事はあるけど、皇族らしい態度で様々な貴族の方と会話していたから、とてもそうには思えないけど……)
2人の会話を聞いていたロイドとエリィは戸惑っていた。
「……まあいいです。そっちに戻ったら、同じ支援課のメンバーとしてよろしくお願いします。」
「ああ。」
そしてティオと会話を終えたヴァイスは端末から離れ、再びロイドが端末の正面に立った。
「そういう訳だから当面は何とかこのメンツでやっていくよ。だけどティオ……早く戻ってきてくれよな!」
「ええ、ティオちゃんがいないと本当の支援課じゃないものね。」
「うんうん!」
「クス……では早めに戻れるようわたしの方も頑張ってみます。本当はヨナも、この通信に呼ぼうと思ったんですけど……徹夜続きだったみたいでコールしても起きてこなくて。」
「そうか……あいつも頑張ってるみたいだな。まあ、財団に与えた損害を取り戻しているらしいからなぁ。」
「あんまり無理をしないように気を配ってあげて。もちろんティオちゃんも無理はしないようにね?」
「はい、わかりました。」
エリィの言葉にティオが答えたその時何かの音が聞こえてきた。
「……すみません。そろそろ時間みたいです。無理を言って実験用の回線を使わせてもらっているので……」
「そっか……」
「もっと話していたいのに残念ね……」
「まあ、また機会はあるだろ。ティオ、そちらの予定が付いたらまた連絡してくれ。」
「了解しました。」
「……じゃあな、ティオ。戻ってきたら今度こそあの時の約束を守るから。」
「はい……楽しみにしています。」
ロイドの言葉を聞いたティオは笑顔になり
「ヤクソク~?」
「何だか気になるけど……まあ、いいでしょう。ティオちゃん、また連絡してちょうだい。」
キーアは首を傾げ、エリィは顔に青筋を立てた後気を取り直して言った。
「元気でね!身体には気を付けて!」
「アディオス、よい夜を。」
「君と一緒に仕事を出来る日を楽しみに待っているよ。」
「フフ、待っているわよ。」
「おやすみなさい、ティオ。」
「またな、ティオ。」
「グルル……ウォン!」
「またね~、ティオ!」
「ええ、それではまた。おやすみなさい。」
ノエル達に声をかけられたティオは静かな笑みを浮かべた後、通信を止め、ティオの画像は消えた。
「消えちゃった……」
「ああ……」
「……何だか顔を見たらますます会いたくなったわね。」
「フフ、青春だねぇ。」
「ふふっ、支援課って本当に仲がいいんですね。」
「はは、最初は縁もゆかりもない関係だったんだけどね。そうだ、課長。遅くなってすみませんでした。」
「ま、いいだろ。今日の報告については後で聞かせてもらうとして……晩飯はどうなってるんだ?」
「そ、そうだ、忘れてた!」
「そういえば、このメンバーでまだ当番は決めてなかったわね……」
セルゲイに言われたロイドは声を上げ、エリィは考え込み
「そっか、特務支援課って食事が当番制なんですよね。」
「食事も自分達の手で作るのか……フウ、軍人として生活していて助かったな……おかげで料理もある程度ならできるし。(手料理か…………エリゼの手料理が少し恋しいな……)」
「なんだ、そうなのか。……ふむ。ちょっとメンドクサイねぇ。」
ある事に気付いたノエルは呟き、リィンは驚いた後安堵の溜息を吐いた後静かな笑み浮かべ、それを聞いたワジは溜息を吐いた。
「ワジも支援課に入ったからにはちゃんと分担してもらうからな。苦手だったら教えるからさ。」
「それは嬉しいけど、僕、そこそこ料理は出来るよ。面倒だからアッバスあたりに作ってもらう事が多かったけど。」
「ええい、だったら文句を言うんじゃない!……って、そう言えば局長とアル警視はどうしますか……?お二人は忙しい時もあるでしょうし、無理にする必要はありませんが……」
笑顔で言ったワジの言葉を聞いたロイドはワジを睨んだ後ある事に気づいてヴァイスとアルを見つめ
「大丈夫だ。局長とはいえ俺も支援課の一員。当然、食事当番に入れてもらって構わない。勿論、アルもな。…………ちなみに俺の料理は絶品だぞ?」
見つめられたヴァイスは静かな笑みを浮かべて答えた。
「そうね♪特にヴァイスハイトが作るお菓子は宮廷料理人クラスよ♪」
「い、意外な特技をお持ちなんですね……」
そしてエルファティシアの言葉を聞いたエリィは驚きの表情でヴァイスを見つめ
「リセルが夢中になった理由も生まれ変わってヴァイスの料理を味わってようやくわかりました…………私もヴァイス程ではないですが料理はできますので、遠慮なく食事当番に入れて下さい。」
「フフ、アルの手料理を食べられる日が来るなんて…………その日が来るのがとっても楽しみね♪」
アルが呟いた言葉を聞いたエルファティシアは嬉しそう表情をした。
「フフ、まあ今日のところはみんなで手分けしましょうか。」
「それじゃあ、手っ取り早く作れるものがよさそうですね。
「キーアも手伝うー!」
「……やれやれ。一服しながら待つとするか。」
「グルル……ウォン。」
その後ロイド達は手分けして夕食を作り、体を休め、翌日、支援要請をこなした後、街道で出会った大男の情報を集める為に裏情報に詳しい人物―――旧市街にいる交換屋の女主人、アシュリーに話を聞く為に旧市街の交換屋に向かった…………
ページ上へ戻る