英雄伝説~光と闇の軌跡~(零篇)
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
外伝~古戦場の激闘~
同日、26:30――――
ロイド達がガルシアを倒したその頃、ロイド達の背中を守る為に悪魔やマフィアの軍団と戦うセルゲイ達は激しい戦闘を繰り広げていた。
~古戦場~
「雷光!紅燐剣!!」
「デヤ――――ッ!!」
「―――――!!」
「クー――――ッ!!
セリカは広範囲を攻撃する魔法剣で、ラテンニールはクラフト―――白露の鎌撃で、パテル=マテルは異空間から2丁の大型のライフルを召喚した後クラフト―――ダブル・ファイアドレイクで、クーはクラフト―――ハイアクアブレスで地上にいるマフィアや軍用犬、悪魔達を怯ませ
「業火の洗礼ぞ!狐炎術―――『八焔尾』!!まだあるぞ!フレアバタフライ!!」
「七英雄たるわらわの力、思い知れ!メルカーナの轟炎!!こいつはおまけじゃ!フレアバタフライ!!」
狐伯蓮とレシェンテは魔術とアーツですざましい業火を放って大勢の敵達を怯ませた!
「よし、敵は怯んでいるぞ!一気にたたみかけろ!」
それを見たセルゲイは号令をかけ
「「「はいっ!!」」」
「ガルッ!!」
セルゲイの号令に頷いたセティ達とツァイトはそれぞれ武器を構えてセルゲイと共に向かい
「グルルルルッ!!」
(行くぞ―――空牙!!)
ツァイトと永恒はクラフト―――鳳凰牙とクラフト――空牙でマフィア達を蹂躙し
「烈風斬!!」
「雷光閃!!」
「きーっく!!」
シャマーラとエリナ、アトがクラフトを放って追撃してマフィア達を戦闘不能にした。それを見た銃や機関銃を持つマフィア達はシャマーラ達に向かって銃撃を放とうとしたが
「これでも喰らえ!二連制圧射撃!!」
「好きにはさせない!制圧射撃!!」
「大地よ、我が矢に力を!大地の制圧射撃!!」
「水よ………凝固し、降り注げ!氷垢螺の氷針!!」
クレール、クレアンヌ、テトリ、水那が放った矢や氷の雨によって怯み
「―――――!!」
パテル=マテルが放ったクラフト―――ダブルクラッシャーパンチを受けて吹っ飛ばされると共に戦闘不能になった!そこに援軍のマフィア達が現れた。するとその時
「さっきの攻撃でそこら中に散った火を竜巻に巻き込め!エニグマ駆動!エアリアル!!」
「風の精霊よ、力を貸して!大竜巻!!そこです!エアリアル!!」
「風よ、荒れろ!大竜巻!!」
指示をしたセルゲイとセティ、セリカは竜巻のアーツや魔術を放った。すると狐伯蓮とレシェンテが放った魔術やアーツによって発生し、戦場に残っていた火が竜巻と同化して炎の竜巻と化して援軍のマフィア達に大ダメージを与え
「クーッ!!」
「ドけェッ!!」
クーはクラフト―――薙ぎ払いで、ラテンニールはクラフト―――玄武の地走りでマフィア達を吹っ飛ばし
「消え去るがよい!エル=アウエラ!!」
「雑魚はとっとと消えるのじゃ!ケルト=ルーン!!」
狐伯蓮とレシェンテは魔術で多くの軍用犬達を絶命させた!セルゲイ達の怒涛の攻撃によってマフィア達は次々と倒れ、軍用犬や魔獣達は滅されたが敵の数は多く、倒してもすぐに新手がセルゲイ達に向かい、セルゲイを含めた遠距離攻撃をする者達は身体の大きいクーやパテル=マテル、戦場の周りにある壁に隠れながら援護を行い、近接武器を主体にした者達は超越した力を持つセリカとラテンニールを主力に他の者達は2人を補佐する形で戦い、魔術を主に使う者達は後方で仲間達の援護や高火力や広範囲の魔術で一気に敵の数を減らしていた。一方空中でも激しい戦いが繰り広げられていた。
「光よ!悪しき者達の刃から我等を守れ!聖光障壁!!」
ルファディエルはアーツを放とうとしている悪魔達の行動を見た後魔術で最前線の者達に反射の障壁を放つと共に自分も効果範囲に入り、悪魔達のアーツによる一斉攻撃を跳ね返してダメージを与え
「エニグマ駆動!アヴァロンゲート!!」
さらに広範囲を攻撃するアーツを放って多くの悪魔達にダメージを与えたり滅したりした!
「光よ、邪悪なる者達を焼き払え!贖罪の聖炎!!まだよっ!サンダーシクリオン!!」
「あっははははっ!景気良く行くよ!エル=アウエラ!!シャドーアポカリフ!!」
「こっちも負けてられませんわ!爆裂光弾!!アヴァロンゲート!!」
「フフ、私も”神殺し”に仕えし者として遅れる訳には行きません。我と共にありし聖槍よ……天に昇りて煉獄を照らす光の柱と化せ………走れ!空の聖槍!!……まだですっ!リーンカルナシオン!!」
ルファディエルに続くようにパズモとエルンスト、ニルとリタも高火力のアーツや魔術、奥義を放って多くの悪魔達の傷を増やしたり滅したりした!
「耐えてみよっ!枢孔!紅燐剣!!」
最前線で戦うハイシェラは効果範囲、威力共に高い高速剣で多くの敵達をズタズタに斬り裂くと共に滅し
「消し飛べぇっ!ルン=アウエラ!!ラストディザスター!!」
さらに片手に溜めておいた膨大な魔力を放った後アーツも放ち、さらに多くの敵達を薙ぎ払った!
「グオオオオオオッ!!」
「オオオオオッ!!」
カファルーとガプタールはそれぞれ灼熱や轟雷が宿ったブレスで多くの敵達を苦しめ
「グオオオッ!!」
カファルーはクラフト――――爆炎スマッシュで苦しめた敵達の一部を滅し
「フン!!」
ガプタールは鋭く巨大な爪で残りの敵達を斬り裂いた!最前線はハイシェラとカファルー、ガプタールで多くの敵達を葬り
「くかかかかっ!我輩も負けてられないなっ!ヒャッハ―――ッ!!」
「行くぞ………斬!!」
「オォォォォ………!爆裂拳!!」
ハイシェラ達に続くような形でギレゼル、メヒーシャ、ラグタスも範囲攻撃を放つクラフトで多くの敵達を葬り
「エニグマ駆動だぁっ!シャドーアポカリフ!!」
「ハアッ!ダークマター!!」
「ムン!ダークマター!!]
さらに次々とアーツを放って多くの敵達を苦しめたり滅したりしていた。
「あっははははっ!本当に”あの時”みたいに楽しい戦いになってきたねぇ、ラグタス!」
しばらく戦っているとラグタスの傍に転移して来たエルンストは好戦的な笑みを浮かべながら片手に溜めた魔力を発動して、魔術――――イオ=ルーンを放って敵達を爆散させ
「フッ……勘違いするな?この戦いは”あの時”と違い、我等も生還する為の戦い!己の命を捨て、思いを託す戦いではない!」
エルンストの言葉にラグタスは静かな笑みを浮かべて叫び
「クク………そうだね!それにもう2度とあたい以外の奴に殺やせはしないよ、ラグタ―――――――――スッ!!」
「それはこちらの台詞だ………エルンスト―――――――ッ!!」
2人はそれぞれ好戦的な笑みを浮かべて叫んだ後、多くの敵達を挟み込むような位置に移動し
「あっははははっ!雑魚は邪魔だ!とっとと消えな―――――――――ッ!!」
エルンストは魔力を纏わせた両手をそれぞれ順番に突き出して爆発を起こす動作を何度も繰り返し
「オォォォォ―――――――――ッ!!」
ラグタスは闘気を纏わせた拳を怒涛に振るって衝撃波を放ち、怒涛の連続攻撃を終えた2人はそれぞれの片手に膨大な魔力や闘気を溜めこんだ後、すれ違うと共に解放した!すると闘気と魔力による無属性の超越した大爆発が起こった!
「「アルテマ………レイジ!!」」
”聖”と”魔”の好敵手同士が放つ究極の連携奥義――――アルテマレイジによる爆発に呑みこまれた敵は塵も残さず消滅していた!
「おおっ!?まさかエルンストとラグタスが協力して戦うなんてな♪ならば我輩達も協力しようか、メヒーシャちゃん♪なんせ、我輩達はこれからずっと一緒に行動する事になるしな♪」
2人の攻撃を見たギレゼルは驚いた後からかいの表情でメヒーシャに話しかけ
「おぞましい事を言うな、堕天使が!」
話しかけられたメヒーシャはギレゼルを睨んで叫び
「そうは言ってもそれぞれの契約している者達がくっついたんだぜぇ~?そうなると我輩達も今後もずっと一緒って事だぜ?」
「グッ………フン!例えそうなったとしても貴様と共闘するなぞ絶対にせん!」
ギレゼルの言葉を聞いて唸った後敵達に突撃し
「我が奥義……受けて見よっ!聖槍乱舞!!」
斧槍に膨大な聖気を纏わせた後乱舞を行い、多くの敵達を滅した!
「くかかか………既にこうして同じ敵がいて、共に戦っている時点で共闘しているんだぜぇ~?さてさて………ロイドならメヒーシャちゃんすらも落とすかもしれねぇな。くかかかっ!」
メヒーシャの攻撃を見たギレゼルは陽気に笑いながら呟いた後口元に笑みを浮かべ、そして敵達に突撃し
「我輩も負けていられないぜぇっ!ヒャッハ―――ッ!!狂気乱舞!!」
魔槍で怒涛の乱舞攻撃を行って多くの敵達を滅した!
そしてルファディエル達もラグタス達の活躍に負けないかのように次々と敵達を滅し続けていた!
「ワオ――――――ン!!」
「ウオオオオオオオオオ――――――――ッ!!」
地上でセルゲイ達と共に激闘を繰り広げているツァイトはクラフト―――遠吠えで、永恒はクラフト――――拡散咆哮で多くの敵を怯ませ
「ガルルルッ!!」
怯んだ敵にツァイトはクラフト―――鳳凰牙で次々とダメージを与え
(フンッ!!)
永恒がクラフト―――炎狐強襲で止めを刺した。2匹が攻撃を終えるとセルゲイ達も攻撃を終え、次の援軍に備えて休憩と共に武器を構えていた。そして永恒はツァイトと並び
(………先程から思っていたが何者だ、お前は。かつてエステル達が対峙したリベールの”古代竜”――――レグナートと同じ気配をさらけ出しているぞ。)
ツァイトに念話を送った。
「………………………」
永恒の念話にツァイトは黙り込んでいたが
(言っておくが誤魔化そうと思っても無駄だぞ。………我とて自分の世界では”聖獣”として崇められ、”伝説の存在”である仙狐様の傍にいた我は”そういう気配”はわかる。)
(フッ………やはり”同類”を知る者には誤魔化せんか………)
永恒の念話を聞き、なんと念話で返した。
(………やはりお前もレグナートと同じ女神の”眷属”か?)
(………そうだ。我は女神の”眷属”にして”神狼”。)
(フッ………その割には今までエステルに接触して来なかったようだが………それも女神の意向か?)
(何?それはどういう意味だ?)
永恒の疑問を聞いたツァイトは眉を顰めて尋ね
(”光”………女神の眷属たるお前はこの名に聞き覚えはないのか?)
(”光”………―――――!!なっ!?まさかあの娘が女神の………!)
永恒の確認の念話を聞いた後ある事に気付いて驚き
(………しかしそれを何故異界の者が知っている………?女神は自分の子に自分が女神である事は教えていないはずだ………)
永恒に尋ねた。
(フッ………教えてやっても構わんが我の質問に一つだけ答えろ。お前がこのクロスベルにいるのは”古代竜”と同じように”至宝”を手にした人間達がどのような答えを出し、”至宝”がどうなるのか見守る為か?)
(……………………そうだ。)
そして永恒に尋ねられたツァイトは少しの間黙り込んだ後答え
(そうか…………………)
ツァイトの答えを聞いた永恒は重々しい様子を纏わせた後ツァイトに自分が知る情報を簡略化して説明した。
(……………まさか”影の国”が関係していたとはな…………ティオが持つ女神の聖母と同じ写真に写っていた聖母と”赤き冒険家”とその妻となった”白き騎士”を見た時は驚いたが………まさかそこで聖母達のその後を子孫であるあの娘が知る事になるとはな………)
永恒の説明を聞いたツァイトは驚いた後苦笑し
(それにしても未だ”光”の名と女神の子孫が受け継がれ続けているとは…………遥か昔の事ゆえ、既に子孫は途絶えていると思っていたが…………(フッ、この様子ならウルスラの子孫すらも存在しているかもしれんな………))
静かな笑みを浮かべてある人物を思い浮かべていた。
(異界の獣よ…………こちらからも一つだけ聞いておく。”影の国”であの娘が自分が女神の末裔である事を知り………何を思った?)
(フッ…………最初は驚いていたが………エステルからすれば優先すべき驚く事は自分が女神の末裔ではなく、祖先と出会い、共に戦った事を驚いていたな。)
(……………何?)
自分の疑問に答えた永恒の話を聞いたツァイトは固まった後声を出し
(仲間の者達からも自分達の世界で唯一の神たる”空の女神”の末裔である事に驚かないのかと聞かれていたが……本人からすれば”大した事ではない”そうだ。……まあ、我の世界で神の末裔たる者達と知り合いである事が関係しているとは思うが………)
(………………………………)
永恒の説明を聞いた後黙り込み
(フフ………ハハ………ハハハハハハハッ!永い時を生きてきてここまで笑わされたのは初めてだ……!まさか自分が神の子孫である事を”大した事ではない”と思うとは……!フフ、とても女神の血を引く者とは思えん………女神は自分が神の血を引く者である事に随分悩んでいたのだからな………子孫達に願い続けた女神の願いもまた、未だ受け継がれているようで何よりだ………フフ………)
大声で笑った後静かな笑みを浮かべて呟き
(異界の獣よ………女神の末裔たるあの娘の事をこれからも見守り続けてくれ………我はこのクロスベルの地にて女神の子孫のこれからの人生が幸に溢れた人生になる事を願っておこう………)
自分達に向かって来た軍用犬達を睨みながら永恒に念話を送り
(ほう?女神の眷属たるお前はエステルに仕えなくていいのか?)
ツァイトに念話を聞いた永恒は意外そうな声を出した後尋ね
(フッ………我はあくまであの娘の事は普通の人の子として接するつもりだ……我の使命もあるが、女神の血を引く者達を普通の人の子として見る事………それが女神の願いでもあるのだからな………)
(そうか……………―――さて。どうやら話に夢中になり過ぎていたようだな………)
ツァイトの答えを聞いて頷いた後自分達を包囲した軍用犬達を睨んだ。
(フフ、かつての女神の眷属の”神狼”たる我を失望させるなよ?現代を生きる女神の末裔である娘の眷属たる炎を纏いし異界の獣よ。)
(ほざけ。お前こそあの”古代竜”と同じ存在であるにも関わらず、失望させるような戦いをするなよ?”神狼”………!)
そして2匹は互いに不敵な笑みを浮かべて念話を送った後全身に闘気を纏い
「ガルルルルッ!!」
(オォォォォ…………!!)
目にも止まらぬ速さで次々と軍用犬達を翻弄しながら攻撃した後2匹は軍用犬達を挟み込むような位置で口を大きく開け、口にツァイトは闘気のエネルギーを、永恒は炎の渦を溜め
((神焔の咆哮!!))
同時に口に溜めたエネルギーと炎の渦を放った!すると炎の大爆発が起き、それを受けた軍用犬達は塵も残さず焼き尽くされた!
「ほう……まさか反りが合わない狐と狼の共闘を見れるとは………クク、これもエステルとやらの影響か?」
ツァイトと永恒が放った神狼と炎狐の連携技――――神焔の咆哮を見た狐伯蓮は口元に笑みを浮かべた後再び仲間達と共に戦闘を再開した。地上と空中、それぞれ激しい戦いを繰り広げられていたが、敵の数は徐々に減って行き、ついにマフィアや軍用犬の援軍は現れなくなり、援軍の悪魔の軍勢の数も少なくなって来た。
「どうやらようやく戦力も尽きてきたようだな………――――ルファディエル!お前は飛行できる精鋭を数人連れてロイド達の後を追ってくれ!後は俺達で何とかする!だから絶対に奴等を生還させろ!」
敵の数を見たセルゲイは呟いた後空にいるルファディエルに叫び
「わかったわ!ギレゼル、メヒーシャ、ラグタス将軍、エルンスト!私達はロイド達を追うわよ!」
セルゲイの叫びに頷いたルファディエルはギレゼル達に号令をかけ
「おおっ!!」
ルファディエルの号令に4人は頷いた後飛行して太陽の砦内に潜入し、全速力の飛行で最奥に向かって行った………………
ページ上へ戻る