英雄伝説~光と闇の軌跡~(零篇)
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第114話
下に向かって階段を降り、時折襲い掛かって来る魔獣や魔物達を撃退していたロイド達は近代的な設備がある区画に入った。
~太陽の砦~
「このあたりは近代的な設備が入っているわね………」
周囲を見回したエリィは呟き
「そのヨアヒムって人が改築させたのかしら?」
エステルはロイド達に尋ねた。
「………多分そうだろう。”グノーシス”を完成させるための研究設備かもしれない。」
「なるほど………病院にその設備が無かった以上、可能性は高いかもしれないね―――」
エステルの疑問に答えたロイドの推測にヨシュアは頷いたが
「………っ……!」
「誰か来ます………!」
何かの気配を感じて双剣を構え、ティオは警告した。するとマフィアが5人、奥から現れてロイド達の前に立ちふさがった。
「あんたたち………」
「チッ、ここにもいやがったか。」
マフィア達を見たロイドとランディは仲間達と共に武器を構えて厳しい表情をし
「あなたたち!大人しく投降しなさい!いくら薬で強くなったってこの人数相手に―――」
エステルはマフィア達に警告しようとしたが
「ま、待って下さい……!様子が………何か変です………!」
「!この気配は………!」
「……………どうやら完全に”魔”に墜ちてしまったようですわね………」
ティオが制止し、エクリアは驚き、フェミリンスは静かな表情で呟き
「えっ………」
3人の言葉にエステルが呆けたその時
「「………ァアアアア………」」
「「…………ギギギギギ………」」
「………グギギギギ………」
マフィア達は頭を抱えて唸り、さらに全身から瘴気をさらけ出した。
「な、なんなの………?」
「こ、これは……」
「…………………」
その様子を見たエリィは戸惑い、ヨシュアは驚き、レンは真剣な表情でマフィア達を見つめていた。すると
「「「オオオオオオオオオオッ!」」」
「「ガアアアアアアアッ!」」
なんとマフィア達は異形の怪物に変化した!
「なああっ………!?」
「あ、悪魔みたいな姿になっちゃった………!」
「肉体変異………!?」
それを見たエステルとミント、ティオは驚き
「迷ってる暇はない………!」
「とにかくブチ倒すぞ!」
ロイドとランディは警告した。すると異形の怪物と化したマフィア達は一斉に襲い掛かり、ロイド達は散開して回避した!
「チッ………ばらけちまったか!」
ランディは散開した際、それぞれの相手と対峙しているエステルとヨシュア、レンとミント、エクリア、フェミリンスを見つめて舌打ちし
「各自、各個撃破を!」
ロイドは指示をだし
「わかったわ!レン!ミントの援護をお願いね!」
エステルは頷いた後レンに指示をし
「うふふ、仕方ないわね。」
指示をされたレンは口元に笑みを浮かべて呟き
「エクリアお姉様とフェミリンス様は一人ですが………大丈夫ですか!?」
エリィは一人で対峙しているエクリアとフェミリンスに気付いて声を上げ
「私達の心配は無用よ!」
「ええ!このような者、すぐにひれ伏せて見せましょう!」
名指しされた2人はそれぞれ頷いた後戦闘を開始し、ロイドやエステル達も戦闘を開始した!
「うおおおおお………だあああああっ!!」
戦闘開始時ロイドはクラフト―――バーニングハートで自らの身体能力を上げ
「オオオッ!!」
「させるか………!」
襲い掛かった敵の攻撃を受け止めていた。
「分析を開始します………弱点属性は空!他属性は全て100%です!エニグマ駆動……」
そこにティオがクラフト――アナライザーで敵を分析した後オーブメントを駆動させ
「予想通りの弱点だな!うおおおおおおっ!!」
ティオの助言を聞いたランディは声をあげた後敵の側面からクラフト―――ファイアドレイクを放った!
「オオオッ!?」
退魔の効果が秘められ、さらに弱点である光の魔力弾の連射攻撃に敵は声をあげて怯んだ。
「ロイド、下がって!」
「!!」
その時エリィは警告し、警告を聞いたロイドが敵から離れたその時
「光よ、降り注げ!爆裂光弾!!」
エリィが放った魔術によって敵の上空から無数の光の魔力弾が降り注いで敵に大ダメージを与え
「やあっ!ダークマター!!」
さらにティオが弱点属性のアーツを放ってさらにダメージを与えると共に怯ませた。
「2人とも、今よ!………シュート!!」
それを見たエリィはクラフト―――3点バーストで敵に追撃しながら助言し
「ああ!行くぞ……せいっ、はっ、そこだっ!!」
エリィの助言に頷いたロイドは敵に向かってクラフト―――ホーリーラッシュで攻撃した。
「ガアアアアアッ!?」
エリィが放つ退魔の効果が秘められた銃弾やロイドの持つ退魔の効果が秘められたトンファーに加え、弱点属性の光によって威力が相乗された攻撃を受けた敵は悲鳴を上げ
「こいつで………終わりだ。ハァァァァァ………!」
そこに闘気を纏ったランディがブレードライフルの刃の部分で敵に襲いかかった後敵を滅多斬りにし
「あばよっ!!」
敵を滅多斬りにした後ランディが叫ぶと敵の地面から闘気によって発生した刃が飛び出て敵を襲い掛かった!
「ガアアアアアアアアア―――ッ!?」
強襲で体制を崩した敵を闘気の刃で突き上げる赤き技――――ブラッディパニッシャーを受けた敵は全身から血を噴出させながら断末魔を上げ、そして人間の姿に戻った後地面に倒れた!
「朧っ!!」
エステルと共に敵と対峙したヨシュアは一瞬で敵の背後に現れて背後から斬り付けた。
「ガアッ!!」
背後からの奇襲でダメージを受けた敵はヨシュアに目にも止まらぬ速さで剛腕を何度も振るって攻撃したが
「フッ!!」
ヨシュアは回避をし続けた。
「裁きの槍よ……邪悪なる者に裁きをっ!神槍!!」
「ガアッ!?」
そこにエステルが放った光の魔術によって発生した槍が命中すると共に大爆発を起こし、弱点属性でもある光の槍と大爆発をを受けた敵は悲鳴を上げながら大ダメージを受けた後
「オオオオッ!!」
エステルに飛び掛かった!
「っと!」
飛び掛かって来た敵を見たエステルは側面に跳躍して回避をし
「はぁぁぁぁ……せいっ!!」
クラフト―――金剛撃を敵の頭めがけて放った!
「オオオオオ!?」
棒による強烈な一撃を頭に受けた敵は怯んだ。そこにヨシュアが敵に向かって走り
「紅燐………舞華斬!!」
敵に近づくと双剣による強烈な打撃を敵の首筋に命中させた!
「アアアアアアッ!?」
それを受けた敵は悲鳴を上げながら人間の姿に戻った後地面に倒れた!
「オオオオッ!!」
ミントとレンと対峙した敵はレン目掛けて飛び掛かったが
「うふふ。しつこい男性は嫌われるわよ!!」
「ガアアアアッ!?」
攻撃した後回避し、すぐに反撃代わりに放ったクラフト―――羅刹刃を受けて身体のさまざまな場所から血を噴出させると共に悲鳴を上げ
「せーの!裂甲断!!」
「ガッ!?」
続くように放ったミントのクラフトを受けて怯んだ。
「カラミティクロウ!!」
そこにレンが発動したアーツによって発生した闇よの爪が敵の地面から現れて敵を捕らえて敵の動きを遅くした。そしてレンとミントは魔術の詠唱をし
「光よ、邪悪なる者を裁きたまえ!聖の十字架!!」
レンが魔術の詠唱を終えると敵の背後から光の十字架が現れて敵を拘束し
「大地に降り注ぐ光よ!矢となり、敵を貫け!シャインアロー!!」
ミントが魔術の詠唱を終えると敵の頭上から無数の光の矢が降り注ぎ、十字架によって拘束された敵は逃げる事もできず光の矢を浴び続け、光の矢が無くなると十字架が光の大爆発を起こした!
「オオオオオオオオオ――――ッ!?」
立て続けに弱点属性の攻撃を受けた敵は悲鳴を上げた後人間の姿に戻り、地面に倒れた!
「ガアッ!!」
エクリアと対峙した敵はエクリアに飛び掛かったが
「ハッ!」
エクリアは回避してオーブメントの駆動を始めた後魔術の詠唱を始めた。
「オオオオオッ!!」
それを見た敵はエクリアに襲い掛かって何度も剛腕を振るったが
「…………………」
エクリアは魔術の詠唱をしながら最小限の動きで回避をし
「闇の爪よ、我が敵を捕えろ!カラミティクロウ!!」
駆動を終えたオーブメントでアーツを放って敵の動きを遅くし
「最高の位置!ルン=アウエラ!!」
さらに高火力の魔術を放った!
「ガアアアアアアアアア―――ッ!?」
高火力の大爆発をその身に受けた敵は悲鳴を上げながら爆発に巻き込まれ、爆発が消えるとそこには地面に倒れたマフィアの姿があった!
「オオオオッ!!」
フェミリンスと対峙した敵はフェミリンスに飛び掛かったが
「甘い!!」
正面から迎え撃ったフェミリンスの槍によって受け流され
「耐えられるかしら!?」
「ガッ………!?」
フェミリンスが放った魔術―――嵐光弾による無数の光の魔力弾を受けて怯んだ。そこにフェミリンスが敵に詰め寄り
「参ります―――五連聖印突!!」
光の魔力を込めた槍で敵の四肢と腹を攻撃し
「終わりです―――闘聖の滅燐撃!!」
連続攻撃を終えると強烈な一撃を敵に命中させ
「ラストディザスター!!」
さらに敵の至近距離で高火力のアーツを発動した!
「オオオオオオオオオオオオ―――――ッ!?」
弱点属性攻撃を受け続けた敵は悲鳴を上げた後人間の姿に戻り地面に倒れた!
「こ、これって………」
「悪夢でも見てるみたい……」
戦闘を終えたエステルとエリィは信じられない表情で呟き
「魔人化……そんな現象があるのは聞いたことがあるけれど……」
「………ルファディエルさんが恐れていた事が現実化してしまいましたね……」
ヨシュアは静かな表情で呟き、ティオは疲れた表情で言った。そしてロイドは倒れたマフィア達に近づいてマフィア達の状態を確かめ
「―――気絶している。かなり衰弱してるけど命に別状はなさそうだな。」
静かな表情でマフィア達の状態を報告した。
「ほっ………良かった。」
「殺さなくて済んで良かったよ~。」
ロイドの報告を聞いたエステルとミントは安堵の溜息を吐いた後仲間達と共にロイドに近づいた。
「………恐らくこれも”グノーシス”の力かと………精神の変容が肉体まで影響したのかもしれません。」
「おいおい……メチャクチャすぎんだろ………いくらロクデナシどもとはいえ、こんな目に遭わせるたぁ……」
ティオの推測を聞いたランディは溜息を吐いた後怒りの表情になった。
「そのヨアヒムってヤツ、絶対に許せないわね……!」
「うふふ、相変わらずエステルは甘いわね。犯罪者が酷い事をされても怒るなんて。」
「………それがその娘の弱点であると同時に長所でもあるのです。」
「ええ………エステルさんのその性格のお蔭で救われた人達も多いのですから………」
そして怒りの表情で呟いたエステルの言葉を聞いたレンは口元に笑みを浮かべ、フェミリンスとエクリアは静かな笑みを浮かべて言った。
「ああ………―――とりあえず、この一帯を調べてみよう。教団に関する情報が手に入るかもしれない。」
一方エステルの言葉に頷いたロイドは仲間達を見つめて提案し
「ええ………!」
「わかった……!」
ロイドの提案にエリィとヨシュアは頷いた。
その後探索を再開したロイド達はある部屋に入ると端末を見つけ、端末に近づいた………
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