英雄伝説~光と闇の軌跡~(零篇)
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外伝~クロスベル防衛戦~後篇
~IBC~
キーアがいるIBCはやはりキーアが狙いなのか、市内に侵入できた警備隊員や悪魔、魔獣達が次々とIBCのビルに向かって行った。しかし
「八葉一刀流、二の型―――”疾風”!!」
アリオスが目にも止まらぬ速さで次々と警備隊員達を一撃で戦闘不能にし
「風巻く光よ、我が剣に集え!………おおおおおっ!奥義!風神烈破!!」
さらにSクラフトを放ってより多くの警備隊員達を戦闘不能にした!
「裁きを受けろ………!」
ダドリーは街中での使用を禁じられた超強力なマグナム弾を発射するクラフト―――ジャッジバレットを次々と放って警備隊員達を一撃で戦闘不能にし、ダドリーに続くように警官隊は次々と銃で警備隊員達を攻撃して怯ませ
「クソッ!局長め………今回の件が終わったら必ず締め上げてくれる………!オォォォォォ………!」
怒りの表情で呟いた後スーツを脱いで拳に闘気を込め
「喰らうがいい………!ジャスティスハンマー!!」
怯んでいる敵達の前に拳を叩き付けた!するとすざましい衝撃波が舞い上がり、それらを受けた警備隊員達は気絶した!頂点に達した悪への怒りを爆発させる、正義の鉄拳制裁にしてSクラフト―――ジャスティスハンマーによって戦闘不能にされた警備隊員達を見た銃を持った警備隊員はダドリーに向けて銃で攻撃した!
「チッ!?ええい!貴様らも貴様らで何の疑いもせず、”グノーシス”を服用するとは………!その情けない性根を叩き直してくれる!ハァァァァァ………!!」
ダメージを受けたダドリーは警備隊員達を睨んだ後全身に闘気を込め
「耐えてみろ…………!ジャスティスチャージ!!」
闘気を込めた全身で突撃した!
「!?」
ダドリーが放った悪への怒りを全身に込めて装甲をも貫く突撃をする、正義の体当たり制裁にしてSクラフト―――ジャスティスチャージを受けた警備隊員達は大きく吹っ飛んだ!地上の警備隊員達はアリオスやダドリー、警官隊の活躍で次々と戦闘不能になっていた時、空より悪魔や魔獣が降りたって警官隊を攻撃しようとする敵もいたが
「セラウィ、行くよ!」
「はい、ウィル!」
「「メイルアクス!!」」
ウィルとセラウィの協力技によって怯んだり滅されたりし
「全員、突撃!絶対にビルに侵入させるな!」
「オオオォォォォォオオ――――――ッ!!」
技を放ち終わったウィルの号令に雄たけびを上げて突撃して来たメンフィル兵達によって止めを刺された。一方空からビルに侵入をしようとした悪魔や魔獣もいたが
「させません!エル=アウエラ!!」
「光の精霊よ、邪悪なる者達に裁きを!贖罪の聖炎!!」
ペテレーネとシルフィエッタの魔術によって大幅に滅され
「参ります―――雷光撃!!――逃がしません!フォトンシュート!!」
「超!ねこ、パ~ンチ!!まだだよっ!ダークマター!!」
さらにメロディアーナとシャルティの攻撃やアーツによってペテレーネとシルフィエッタの魔術から逃れて生き残った敵達も滅された!
「今、治療します!イーリュンよ、傷つきし者達に慈悲を!大いなる癒しの風!!」
ティアは後方から治癒魔術を放って戦闘によって傷ついた者達の傷を治療し
「イーリュンよ、彼の者達に守りの加護を………!防護の聖域!!エニグマ駆動!アダマスガード!!」
さらに魔術やアーツで味方を援護していた。
~行政区~
警察本部がある行政区はヨアヒムにとって最優先に落とすべき所として狙われたのか悪魔や警備隊員達の数が多く、最初は応戦していた警官隊だったが、悪魔の強さや警備隊の装備には叶わず、次々と負傷して戦闘ができなくなっていた。
「あわわ………そんな……!さっきまで互角に戦えたのに………!」
レイモンドは次々と負傷し、本部内に運ばれて行く警官隊を見て慌てながら銃を警備隊員や悪魔達に向けて発砲し続け
「クソッ!警備隊員は倒せても、悪魔には導力銃がほとんど効かねぇ!ライフルやショットガンなら少しは効くと思うのによ………!援軍のメンフィル兵達が来るまで何としても持ちこたえろ!!連中が来ればこの状況も一転できる!」
ドノバンは舌打ちをして、警官隊を鼓舞しながら襲い掛かって来る警備隊員達に銃弾を放って戦闘不能にしていた。その時、警察本部からフランが出てきた。
「武器庫よりショットガン並びにライフルを全て持ち出しました!現在、受付に全てある状態です!」
「おお………!よし、なら一旦本部の中に避難して――――」
フランの言葉を聞いたドノバンが振り向いて明るい表情をして言ったその時、悪魔達がドノバンとレインズに詰め寄り、剛腕を振るった!
「ガッ!?」
「うわっ!?」
悪魔達の攻撃によってドノバンとレインズは吹っ飛ばされ、ドノバン達を吹っ飛ばした悪魔達はゆっくりとフランに詰め寄って腕を振り上げ
「お姉ちゃん―――」
悪魔達に攻撃されようとしていたフランは恐怖で身体が動かず、不安げな表情で姉―――ノエルの姿を思い浮かべ、悪魔達が剛腕を振り下ろしたその時!
「させるか!!」
なんとヴァイスがフランの前に飛び込んで黒き魔剣――――”ダーンウィン”で悪魔達の剛腕を受け止め
「炸裂せよ!イオ=ルーン!!」
さらにメンフィル兵達と共に現れたアルが悪魔達の中心地に純粋属性の爆発を起こして悪魔達を怯ませた!
「よくやった、アル!ロードケニヒ!!」
それを見たヴァイスは口元に笑みを浮かべて声をあげた後、魔剣に闘気を込めて斬撃を放った!強靭な肉体を持つ悪魔に普通の武器によるは通しにくかったが、ヴァイスの持つ魔剣は”神”をも殺す程のすざましい威力を秘めている為、ヴァイスが攻撃した悪魔は易々と真っ二つに斬られて絶命した!
「目標、捕捉!連携攻撃、開始!」
一方アルはもう一体の悪魔にアサルトマシンガンを連射して集中攻撃しながら突撃し、さらに敵に近づくと片手で剣を振るって悪魔を攻撃した後、悪魔の周囲を回るように移動しながら剣やアサルトマシンガンで集中攻撃をし続けた。アルの怒涛の攻撃により悪魔は肉体の再生速度は追いつかなかった。
「止め(フィニッシュ)!!」
そしてアルは最後に悪魔の身体の中心部にゼロ距離でアサルトマシンガンを連射して悪魔の身体に大きな風穴を空けた後、風穴が出来た部分から剣を袈裟斬りに放って、悪魔の身体を斜めに真っ二つに斬って絶命させた!剣とアサルトマシンガンで敵一体を蹂躙するアルのSクラフト―――アサルトコンビネーションが終わると、メンフィル兵達がアルの背後から次々と現れ
「総員、これより行政区の敵を殲滅する!戦闘開始!!」
「オオオォォォォォオオ――――――ッ!!」
ヴァイスの号令によって雄たけびを上げた後、散開して悪魔や警備隊員達との戦闘を開始した。
「エニグマ駆動………ティアラ!!光の精霊よ、彼の者に慈悲を!癒しの息吹!!」
そしてアルはオーブメントを駆動させて回復アーツをレイモンドに放ち、さらに治癒魔術をドノバンに放って2人の傷を回復し、そしてメンフィル兵達と共に戦闘を開始した。
「メ、メンフィル兵………!おおっ、やっと来たか………!」
「た、助かった~。」
悪魔達との戦闘をしているメンフィル兵達を見たドノバンは驚いた後明るい表情をし、レイモンドは安堵の溜息を吐いた。
「………………」
一方フランは呆けて黙り込み
「怪我はないか?」
「………!は、はい!危ない所を助けてくれてありがとうございます。」
振り向いたヴァイスの言葉に我に返った後ヴァイスに頭を下げた後ヴァイスに微笑み
「フッ………君のような可愛い女性を守れて何よりだ。」
微笑まれたヴァイスは静かな笑みを浮かべてフランを見つめた。
「………!(き、急に胸がドキドキしてきた………!も、もしかしてこれって………!)あれれ~?もしかして私、ナンパされているんですかー?」
ヴァイスに見つめられたフランは顔を真っ赤にした後、気を取り直して無邪気な笑顔を浮かべてヴァイスに尋ね
「ハッハッハッ。ナンパとは人聞きの悪い。俺は当然の事を言ったまでだ。だが………君さえよければ、今回の件が終わって時間ができたらクロスベル市の案内を頼んでもいいか?知り合いの様子からして、これからしばらくクロスベル市に滞在する事になりそうだしな。」
尋ねられたヴァイスは声をあげて笑った後、静かな笑みを浮かべてフランに言い
「フフ、それぐらいでしたらいいですよー?助けて貰った恩もあるのですから。」
ヴァイスの言葉にフランは微笑みながら答えた。
「フッ、そうか………なら、一刻も早く今回の騒動を終わらせないとな。」
フランの答えを聞いたヴァイスは口元に笑みを浮かべて言った後戦場となっている行政区に振り向いて自分も戦闘に参加する為に走り出そうとしたが
「あ、待って下さい。お名前を聞いてもいいですかー?」
「………ヴァイスハイト。ヴァイスハイト・ツェリンダーだ。君の名前は?」
呼び止めるフランの言葉に行動を中断した後フランに振り向いて口元に笑みを浮かべて答えた後フランに尋ね
「ヴァイスハイトさんですかー。私の名前はフラン・シーカーです。クロスベルを守る為に一緒に頑張りましょうね。」
尋ねられたフランは微笑みながら答えてヴァイスに言い
「ああ。………それと市内の案内の件、忘れないでくれよ。」
「フフ、言われなくても勿論、覚えておきますよー。第一こんな強烈な出会い、絶対に忘れられませんし。」
「フッ、それは俺も同感だ。」
フランの言葉にヴァイスは頷いた後戦場に向かって戦闘を開始した。
「………ヴァイスハイトさん、お姉ちゃんみたいに素敵な人だなぁ………えへへ………私、初めて男の人に恋しちゃったよ、お姉ちゃん………」
ヴァイスが戦闘を開始すると、フランは悪魔と戦っているヴァイスを見つめながら頬を赤らめて嬉しそうな表情で呟いた後、気を取り直し、警察本部の中に入って行った。
~東通り~
東通りには遊撃士協会がある事と、一番激しい戦闘区画である東クロスベル街道が近い事によって激戦区となり、アリオスやエステル達以外の遊撃士達は街中に入り込んだ悪魔や軍用犬の始末に苦戦していた。
「菩薩拳!!チッ!倒しても倒してもキリがないねぇ!」
軍用犬の一体をクラフトで葬ったリンは舌打ちをし
「軍用犬はまだいいが、厄介なのは悪魔だ!奴等は固くて攻撃が通りにくい上、再生能力もあるからな!」
スコットはライフルで自分達に近づいて来る悪魔達に攻撃して悪魔達の足を止め
「ハアッ!!他の区画が心配だな………」
ヴェンツェルは斧で襲い掛かって来た軍用犬を真っ二つにした後厳しい表情をし
「ラストディザスター!!せめて東クロスベル街道で戦っているメンフィル兵達を少しでもこちらに回して欲しい所ですけど……向こうは向こうでこちらより激しい戦闘だから難しいでしょう………ね!!」
エオリアは悪魔の弱点である空属性のアーツの中でも高火力のアーツを放ってスコットが足止めした悪魔達に大ダメージを与えて真剣な表情で呟いた後、クラフト―――トキシックナイフを悪魔達の喉元目掛けて放って絶命させた。そしてリン達が少しの間、協力して戦っていたその時
「ガッハハハハハッ!ここにもいたか……!オラアッ!!」
中央広場方面からメンフィル兵達とルイーネと共にやって来たギュランドロスは大声で笑った後好戦的な笑みを浮かべて自分に襲い掛かった軍用犬をクラフト―――延髄砕きによる拳の一撃で軍用犬の頭を装甲ごと破壊して絶命させた!
「なっ………拳で装甲ごと破壊だって!?一体、どんな馬鹿力をしてんだよっ!?」
それを見たリンは驚いた。するとその時、ギュランドロスを脅威に思ったのか軍用犬達が数匹で一斉にギュランドロスに襲い掛かったが
「甘いぜっ!!」
ギュランドロスはクラフト―――天震撃で軍用犬の一匹を真っ二つに斬って絶命させると共に周囲の軍用犬達を大剣を地面に叩きつけた衝撃波で怯ませ
「フン!!」
続けてクラフト―――豪薙ぎ払いで怯んだ軍用犬達を真っ二つに斬って絶命させた!一方1体の悪魔が空よりギュランドロスに強襲したが
「あらあら、中々考えているわね?カラミティクロウ!!」
微笑みながら放ったルイーネのアーツによってギュランドロスに襲い掛かる瞬間、身体の動きが遅くなってしまい
「こいつでも喰らいなっ!玄武の滅燐撃!!」
そこにギュランドロスが闘気を纏った武器を叩き付けて衝撃波を発生させて広範囲の敵達を攻撃するクラフト―――玄武の滅燐撃で悪魔を叩き落とすと共にダメージを与え
「ルイーネ!景気づけに”アレ”を放つぜ!」
「う~ん、悪魔一体に対してちょっともったいない気もしますけど、ギュランドロス様の命令なら仕方ありませんね。行きます―――ハァァァァァ………!!」
ギュランドロスの呼びかけに微笑みながら答えたルイーネが地面に叩きつけられた悪魔に目にも止まらぬ早さの突きを連続で放ち
「ギュランドロス様!」
連続攻撃を放った後一端後退してギュランドロスと肩を並べてギュランドロスに呼びかけ
「おうよ!行くぜ、ルイーネ!!」
呼びかけられたギュランドロスは膨大な闘気を込めた大剣を構えて、細剣で突きの構えで闘気を溜め終わったルイーネと共に悪魔に向かって強襲して同時攻撃を放ち、闘気による大爆発を起こした!すると大地も揺れ、地面からは衝撃波が発生した!それは暴君と心から愛する暴君を支え、愛する暴君を勝利へと導く為に恐るべき策略も考える謀略の魔女が放つ協力技!その技の名は……!
「「暴魔の協撃!!」」
ギュランドロスとルイーネが放った協力技―――暴魔の協撃が終わると、悪魔がいた周囲は浅いクレーターとなっており、悪魔は木端微塵に消滅していた!
「す、凄いですわ……鎧を着ている男性が放つ攻撃の威力も凄いですが、あの女性のサポートも絶妙ですわ………!」
「一体何者だ、あの2人………メンフィル兵達を引き連れているという事はメンフィル軍の将なのか………?」
2人の攻撃を見ていたエオリアは驚きの表情で呟き、スコットは不思議そうな表情でギュランドロス達を見つめた。
「!!あの男性と女性は………”六銃士”の”紅き暴君”ギュランドロスと”微笑みの剣妃”ルイーネ!」
その時ヴェンツェルは目を見開いてギュランドロス達の名前と異名を叫び
「何だって!?」
「”六銃士”……!各地を周りながらある時は手配魔獣を狩り、ある時は猟兵達と戦って市民を守って報酬を得て、またある時は市民達の依頼や自分達が気に入らない”猟兵団”や盗賊団の拠点を襲撃して猟兵や盗賊達を殲滅もしくは無力化した後、彼らの財産を強奪して猟兵団や盗賊団によって奪われた財産を市民達に分け与え、傭兵兼義賊紛いの事をして、市民達から慕われている六人の凄腕達………!何故彼らがクロスベルに………」
「噂によれば彼ら一人一人の戦闘能力はA級正遊撃士をも超えると言われているが………確かにそう言われてもおかしくない強さだな………」
ヴェンツェルの言葉を聞いたリンは驚き、エオリアは目を見開いて呟き、スコットは真剣な表情で呟き
「ああ………彼らによって壊滅した”猟兵団”や盗賊団は20は下らないと言われているが……………彼らがいるという事は残りの4人――――”鋼鉄の剣姫”エルミナや”暴風の戦姫”パティルナ、”黄金の戦王”ヴァイスハイトと”蒼銀の魔剣姫”アルもクロスベルにいるのか………?」
スコットの言葉にヴェンツェルは頷いた後考え込んだ。
「進めぇっ!テメエらの恐ろしさを雑魚共に教えてやれっ!!」
「オオオオォォォォォオオオ――――ッ!!」
その時ギュランドロスは号令をかけ、ギュランドロスの号令によってメンフィル兵達は雄たけびを上げながら戦闘を開始し、ギュランドロスとルイーネも戦闘を開始した!ギュランドロスが大暴れをして多くの敵達を葬っている中、ルイーネはギュランドロスを補佐するかのようにギュランドロスが創った敵の傷口を広げたり止めを刺し、さらにギュランドロスの攻撃の最中に襲い掛かって来る敵を優先的に滅していた!
「凄い……!あれが噂の”六銃士”の力………!一騎当千とはまさに彼らの事を言うんだろうな……」
「なっ………!メンフィル兵を率いているという事は連中、メンフィルの武将だったのかい!?」
その様子を見ていたスコットとリンは驚き
「………わからん。だが、”六銃士”は決して市民を傷つけず、常に守っていたという話だからな。少なくとも今は味方と考えていいだろう。」
ヴェンツェルは真剣な表情で呟いた。
「でしたらこの場は彼らに任せて、私達は他の区画に放たれた悪魔や軍用犬の殲滅に行った方がいいと思いますわ。」
「ああ、そうだな……!」
そしてエオリアの言葉にスコットは力強く頷いた。その後リン達は二人一組になり、他の区画に向かって街中に放たれた軍用犬や悪魔達を殲滅する為に戦闘を開始し、ギュランドロス達は暴風のように暴れまくって東通りの敵を殲滅した後次なる戦場に向かった。
~港湾区~
キーアがいるIBCの近くの港湾区もまた激戦区となっており、警備隊員相手に互角な戦いをしていたヴァルド率いるサーベルバイパーとワジ率いるテスタメンツだったが、悪魔が現れると苦戦し始めた。
「………まさか”悪魔”まで呼び出すとはね………やれやれ。話には聞いていたけど、相当な狂人の集団のようだったね、”教団”は。」
アッバスと共に悪魔の一体と対峙しているワジは真剣な表情で呟き
「ワジ、どうする…………」
アッバスは静かな表情で問いかけ
「………”アレ”を解放すれば、滅す事は容易いけど………正直な所、こんな公な場所で使いたくないんだよねぇ。大司教の耳にでも入ったら、僕の事もバレてしまう恐れがあるしね………」
問いかけられたワジは真剣な表情で呟いた。その時、悪魔は2人に向かって突撃し
「「!!」」
2人は回避行動を取り
「フッ!!」
「ひゅっ!!」
それぞれ側面から攻撃して悪魔にダメージを与えた。しかし悪魔の身体は傷ついた場所が自動的に再生を始めた。
「攻撃が通っても自己再生……ホント、厄介だね。」
「こうなれば弱点属性である空属性を主体に責める他あるまい……」
それを見たワジは溜息を吐き、アッバスは静かに呟いた。
「グッ!?」
その時、サーベルバイパーやテスタメンツと共に戦っていたヴァルドは悪魔に攻撃されて吹っ飛ばされた!
「ヴァ、ヴァルドさん!?」
「大丈夫ですか!?」
その様子を見たサーベルバイパーは心配そうな表情でヴァルドを見つめ
「るせえっ!ちょっと油断しただけだ!!」
見つめられたヴァルドは立ち上がって怒鳴った。するとその時
「風鎌の剣………見切れるか!?エクスヴェングス!!」
なんとレーヴェが悪魔の背後から強襲し、強襲したレーヴェが悪魔の正面に立つと悪魔は滅された!
「疾風突!!」
そしてレーヴェはワジ達が対峙している悪魔に強襲してダメージを与え
「我が剣は夢幻の如く!!」
クラフト―――夢幻で悪魔を連続攻撃し
「クロスウェイブ!!」
連続攻撃した後飛び上がって十字に斬りつけた!すると悪魔は十字に斬られて滅された!レーヴェが悪魔を滅し終えるとメンフィル兵達が現れ
「―――総員、これより港湾区の敵の殲滅を開始する!戦闘開始!!」
「オオオオォォォォォオオオ――――ッ!!」
レーヴェの号令によって悪魔達との戦闘を開始した!
「な、何なんだ!?」
「あの紋章はまさか………メンフィル!?」
「な、なんで、メンフィルがク、クロスベルにいるんだ………?」
メンフィル兵達を見たサーベルバイパーやテスタメンツの青年達は戸惑い
「へぇ…………まさか”結社”の”執行者”………それもあの”剣帝”が市民を守る為に戦うなんてね………ハハ、これは驚いたよ。」
ワジは興味深そうな表情でレーヴェを見つめた後笑い
「お前は一体………?――――!!………何故、お前がこのクロスベルにいる?”守護騎士”第九位………”蒼の聖典”ワジ・ヘミスフィア。」
見つめられたレーヴェは眉を顰めたがワジをよく見て何かに気付いて驚いた後、目を細めてワジを見つめて尋ねた。
「フフ、やっぱり”結社”は僕の事を把握済みか。」
レーヴェの言葉を聞いたワジ―――――”星杯騎士団”を統べる十二名の特別な騎士―――”守護騎士”の一人にして”蒼の聖典”の異名を持つワジは口元に笑みを浮かべて言った。
「当然だ。”使徒”や一部の”執行者”は”守護騎士”の全員を把握している。………まあ、例外もいたがな。」
「ああ、”外法狩り”だろ?そう言えば君、”影の国”だっけ?確かそこで彼に手を貸したんだってね?まさか長い歴史の中争い続けた”結社”と教会が共闘する事になるなんて思わなかったよ。」
真剣な表情で語った後静かな笑みを浮かべたレーヴェの話を聞いたワジは口元に笑みを浮かべて言い
「……勘違いするな。俺は既に”結社”を抜けた身だ。結社と教会の関係はこれからも変わらないだろう。」
「………確かにね。まあ、せっかく共闘する事になるようだし、見せてもらうよ。噂の”剣帝”の力を。」
レーヴェの言葉を聞いて頷いた後、不敵な笑みを浮かべてレーヴェを見つめ
「フッ………こちらとしても”蒼の聖典”の戦闘能力を知る良い機会だ。見せてもらうぞ………ケビン・グラハムとは異なる”守護騎士”の力を。」
見つめられたレーヴェも不敵な笑みを浮かべて答えた後、ワジと共に悪魔の一体に向かい
「行くよ………!それっ!はぁぁああ!…………やっ! はっ! せいせいっ!」
ワジは一瞬で悪魔に詰め寄った後蹴り上げて高速の多段蹴りを放ち
「デッドリー……ヘヴン!!」
止めに自分自身に闘気を纏わせ強烈な蹴りを放って悪魔を地面に叩きつけた!
「むんっ! 受けてみよ、剣帝の一撃を………はああああっ!!」
そこにレーヴェがSクラフト―――鬼炎斬を放って悪魔を真っ二つにして滅した!2人を脅威に思ったのか警備隊員達がオーブメントを駆動させてアーツの波状攻撃を仕掛けようとしたが
「無駄だよっ!!」
ワジが放ったクラフト―――トリニティカードにより、オーブメントの駆動は妨害され
「斬!!」
一瞬で詰め寄って放ったレーヴェのクラフト―――旋風斬を受けて一撃で戦闘不能になった!そしてレーヴェはワジと共に戦闘を開始し、ヴァルドやアッバス、サーベルバイパー、テスタメンツも続くように戦闘を再開してメンフィル兵達と共に戦い続けた。
クロスベル市内のさまざまな場所が激戦区となっていたが、兵達を率いる将や警官隊や操られていない警備隊員達を率いるダドリーやソーニャ達によって、戦闘を有利な状況で戦い続けた……………
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