英雄伝説~光と闇の軌跡~(零篇)
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第104話
~夜・IBC~
「みんな、一気に行くぞ!!」
戦闘開始早々ロイドはクラフト―――鼓舞で全員の闘志を高め
「お願いします……魔法領域の付術!!」
「光よ、戦士達に加護を!防護の聖域!!」
ティオとルファディエルは魔術でロイド達にさまざまな能力上昇を付与した。
「…………………」
「くっ!?」
「おあっ!?」
「おノれ!?」
一方警備隊員の一人は最前衛のロイドとランディ、ラテンニールに突撃銃から炎の弾丸を放つクラフト―――ナパームグレネードを放ってダメージを与え
「……………」
もう一人の警備隊員はオーブメントの駆動を始めた。
「させない………ヤアッ!!」
「!?」
しかしエリィはクラフト―――ワイルドスワンでオーブメントの駆動を妨害し
「喰らえ………サラマンダー!!」
ランディは遠距離攻撃を放つクラフトでもう一人の警備隊員を攻撃してのけ反らせ
「そこだ………ハアッ!」
ロイドはクラフト―――スタンブレイクでオーブメントの駆動を妨害された警備隊員を攻撃して気絶させ
「吹ッ飛ベ!!」
ラテンニールはクラフト―――玄武の地走りで警備隊員達を豪快に吹っ飛ばし
「リカバーモード起動………これで大丈夫です。」
ティオがクラフト―――エナジーサークルでダメージを受けたロイド達の傷を回復した。
「おおっ………!」
「やるじゃねえか!」
吹っ飛ばされた警備隊員達を見たIBCの警備員は驚き、武器や防具の改造を行っているジャンクショップの店主は感心していた。
「よし………!」
「油断すんな!すぐ次が来るぞ!」
「まだ爆弾は起動前です………!」
「中に運び込んで解体してしまってください!」
「任せとけ!」
「運び込むぞ!」
「ひええっ………!」
そしてエリィの指示に頷いた警備員達はそれぞれ協力して爆弾をIBCの中に運び込んだ。するとその時、新手の警備隊員達や、空を飛んでいる悪魔や翼竜達が同時に突撃して来た。
「来たか………!」
「喰い止めるぞ!」
それを見たロイドとランディは叫び
「私達もいくわよ!」
「はい!」
「うむ!」
「おう!」
「あっははははっ!待ってたよ!さあ………”死神”エルンストの力、とくと味わいなぁっ!!」
ルファディエルは翼を羽ばたかせてメヒーシャ達と共に飛び上がり、エルンストは凶悪な笑みを浮かべた後空中に転移して、戦闘を開始した!
「――――!」
悪魔や翼竜達は雄たけびを上げながらルファディエル達に突撃したが
「こいつで開幕の合図だ!イオ=ルーン!!」
「炸裂せよ!イオ=ルーン!!」
「!?」
エルンストとルファディエルが放った純粋属性の爆発に巻き込まれて怯み
「そらっ!」
「ハアッ!」
「遅い!」
ギレゼル、メヒーシャ、ラグタスのクラフト―――加速襲撃によってダメージを受けると共にのけ反り
「ハァァァァァ………!流星の光槍!!」
「オォォォォ……!爆裂拳!!」
続けて放つメヒーシャの槍とラグタスの拳によって大ダメージを受け
「どきなあっ!止めは我輩がもらう!」
「「!!」」
槍を構えて突撃するギレゼルの言葉を聞いた2人はいったん下がり
「そらあっ!!」
「熱き炎よ、彼の者に加護を!フォルテ!!」
2人と入れ違いになるかのように飛行して敵達に突撃したギレゼルは後方のルファディエルからの援護アーツを受け、筋力が上昇したその身でクラフト―――薙ぎ払いを放って、強靭の肉体を持つ敵達を真っ二つに斬って絶命させた!
「……………」
一方地上ではスタンハルバードを装備した警備隊員が襲い掛かって来た!
「どケッ!!」
「!?」
しかしラテンニールが迎え撃って、襲い掛かって来た警備隊員を吹っ飛ばし
「やっ、はっ、せいっ!!」
「フン!!」
吹っ飛ばされた警備隊員にロイドとランディはそれぞれ強襲してダメージを与えて気絶させた。
「「………………」」
「ぐっ!?」
「チッ!?」
それを見た突撃銃を持った警備隊員達はロイドとランディに貫通する電撃のエネルギーを放つクラフト―――ロングスタンガンを放ってダメージを与えたが
「闇に呑みこまれなさい!ティルワンの闇界!!」
ティオが放った高火力の魔術を受けて大ダメージを受けると共に怯み
「ブレイブスマッシュ!!」
「これで終わりだ………喰らえっ!!」
ロイドのクラフト――――ブレイブスマッシュとランディのクラフト―――デスストームをその身に受けて地面に膝をついた。
「みんな、頑張って!」
そしてエリィはクラフト―――ホーリーバレットでロイド達の傷や失った闘気を回復し
「フン!!」
ラテンニールは豪快に大剣を振るって、戦闘不能になった警備隊員達を吹っ飛ばした!
「よし、これで―――」
それを見たロイドが安堵の溜息を吐いたが
「第二波、来ます!」
「くっ………」
ティオの警告を聞いた後、走って近づいて来る警備隊員や空を飛んで来る悪魔達を見て表情を歪めた。するとその時!
「行きます――――天翔残光槍!!」
警備隊員達の背後からエリナが空から強襲して、警備隊員達を怯ませ
「行っくよ~!それっ!!」
「参ります―――雷光撃!!」
シャマーラによく似た容姿の睡魔の女性が回転しながら警備隊員達に突撃してさらにダメージを与え、続くように現れたエリナの容姿によく似た女性の天使が強襲して警備隊員達を戦闘不能にし
「せーの!ジャンピングスマッシュ!!」
警備隊員達の背後から跳躍して現れたシャマーラが膝をついている警備隊員達の目の前で大剣を叩き付けて衝撃波を発生させ、吹っ飛ばした!
「目覚めろ、聖なる光よ!」
そしてシャマーラの背後から現れた茶髪の青年が絵札を掲げた。すると光の大爆発が悪魔達を襲い
「光の精霊よ、邪を焼き払え!贖罪の聖炎!!」
「消し飛ぶがいい!エル=アウエラ!!」
さらに青年の後からセティによく似たルーンエルフの女性達と共に現れたエルファティシアと着物を着た女性が高位魔術を放って、空中にいる悪魔達を滅した!
「皆さん、ご無事ですか!?」
悪魔達が滅されると青年の背後から弓を持ったセティがロイド達に青年達と共に走って近づいた。
「あ………!」
「セティ!シャマーラ!エリナ!エルファティシアさん!」
自分に近づいてきたセティ達を見たエリィとロイドは明るい表情になり
「それにウィルさんやセラウィさんも……!」
ティオは青年―――セティ達の父親であるユイドラ領主ウィルフレド・ディオン―――ウィルと、ルーンエルフの女性―――ウィルの妻の一人にして正妻―――セラヴァルウィ・ディオン―――セラウィを見つめて明るい表情をした。
「やあ、久しぶりだね、ティオ。」
「フフ、まさか戦場で再会する事になるとは思いませんでしたけど………」
ティオに見つめられたウィルは軽く手を上げ、セラウィは苦笑していた。
「え………じゃあ、まさか貴方達が………!」
ティオの言葉を聞いたロイドは目を見開いてウィル達を見つめ
「初めまして。俺はセティ達の父親のウィルフレド・ディオンさ。皆からは”ウィル”って呼ばれているからよければ、君達もそう呼んでくれ。」
「セティの母親のセラヴァルウィ・ディオンです。皆さんからは”セラウィ”と呼ばれています。今後私の事はそう呼んで下さい。」
「あたしはシャマーラの母親のシャルティ!よろしくね♪」
「………エリナの母親の”権天使”メロディアーナと申します。エリナ達がいつもお世話になっています。」
「わらわは狐伯蓮。ウィルフレドの護衛として着いてきた”仙狐”じゃ。」
見つめられたウィル、セラウィは自己紹介をし、シャマーラによく似た容姿の睡魔の女性―――シャマーラの母、シャルティはウインクをし、エリナによく似た容姿の天使の女性―――エリナの母、メロディアーナはロイド達に会釈をし、9つの尾がある女性―――狐伯蓮は口元に笑みを浮かべて自分達の名を名乗った。
「は、初めまして!特務支援課のリーダーをしているロイド・バニングスといいます!それでどうして皆さんがセティ達と一緒にこの場に……」
ウィル達が名乗り終えるとロイドは姿勢を正して自己紹介をした後、驚きの表情で尋ねた。
「私達は最初、歓楽街で現れた悪魔や襲い掛かって来た警備隊員達と戦っていたのですが………」
「戦っていた悪魔や警備隊員達が次々とここに向かい始めてね。何かあると思って、ここに来たって訳。」
「それで父さん達にも手伝ってもらうよう、お願いして一緒に来てもらったんだ!」
「へっ!?じゃ、じゃあまさか………!」
「もしかして一緒に戦ってくれるんですか………!?」
セティ、エルファティシア、シャマーラの説明を聞いたロイドは驚き、ティオは明るい表情で尋ねた。
「ああ。それと空を飛んで移動していたメロディアーナ達の話では行政区でリウイ達がマクダエル市長達を守りながら戦っていたから、リウイ達も戦闘を終わらせ次第、来ると思うよ。エニグマの通信機能はなぜか使えなかったから、緊急用の魔導技術を使った通信機で彼らに状況を伝えておいたから。」
「マジッスか!?」
「じゃあ、リウイお義兄様達も戦闘を終わらせれば来るんですね………!おじいさまも無事でよかった………!」
そしてウィルの答えを聞いたランディは明るい表情になり、エリィも明るい表情をした後安堵の溜息を吐いた。
「さてと。敵が来ない内に、創り終えたこれらも渡しておくよ。はい。」
話し終えたウィルはロイドに真新しいトンファーを、エリィに銃を渡した。
「これは一体………」
「まさか………ウィル様が創った武器なのですか……!?」
渡された武器を見たロイドは驚き、エリィは驚きの表情で尋ねた。
「そうだよ。娘達がいつもお世話になっている恩返しにね。事情はある程度わかっているセティ達から聞いたよ。時間や材料があまりなかったからそんなに良い物は創れなかったけど………威力は普通の武器よりは結構強力だし、それらの武器には退魔の効果も付与しているから、悪魔達に対してかなり効果があるから、今後の戦いで役立てると思う。―――ちなみにトンファーの名は”セイクリッドドライバー”。銃の名は”聖銃アルケー”さ。」
「あ、ありがとうございます………!ご好意に甘えさせて使わさせていただきます………!」
「応援に来てくださった事といい、本当にありがとうございます………!」
ウィルの説明を聞いたロイドはお礼を言った後ウィルが創った退魔の効果が秘められるトンファー――――『セイクリッドドライバー』に装備し直し、エリィは明るい表情でお礼を言った後ウィルが創った”権天使”の力が宿った銃―――『聖銃アルケー』に装備し直した。
「ティオの分も創ってあげたかったんだけど、生憎ティオが今持っている”ケイオスハート”を超える魔導杖を創れる材料がなくてね。ティオの分は創れなくて、すまない。」
「いえ……というか”ケイオスハート”は他の魔導杖とは比べものにならないくらいの出鱈目な威力がある上、広範囲を攻撃できますから、これ以上の物はさすがにいいですよ。」
ウィルの話を聞いたティオは苦笑しながら答えたが
「その代わり、退魔用の魔法弾を放つデータは創っておいたから、ケイオスハートを貸してくれ。すぐにアップデートする。」
「え………は、はい。」
ウィルに言われて、ティオはケイオスハートを渡し、渡されたケイオスハートをウィルは少しの間いじった後、ティオに返した。
「はい。これで退魔の力が込められた光の魔法弾―――『ホーリーバースト』が撃てるよ。」
「………ありがとうございます。」
ウィルの説明を聞いたティオは静かな笑みを浮かべてお礼を言った。
「あの~………ちなみに俺の分は?」
そこにランディが期待が籠った表情でウィルに尋ね
「勿論あるよ。はい。」
尋ねられたウィルは背負っていた巨大な”何か”から布を取り払って、ランディに渡した。
「!こいつは………!」
「ライフル………!?いや、でも………」
「普通のライフルじゃないわよね……?普通のライフルよりかなり大きいし、銃口の部分に刃までついているし……」
手渡された武器――――ブレードライフルを見たランディは驚き、ロイドは驚いた後戸惑い、エリィは不思議そうな表情で武器を見つめていた。
「………何で俺がコイツを使っていたって事を知っていたんスか?」
「………リウイからもらった情報で君の事は知っていたよ。だからスタンハルバードより本来の得物の方がいいと思って創ったんだけど……もしかして必要なかったかな?」
「いや………助かったッスよ。ちなみにコイツの名は何て言うんスか?」
ウィルに尋ねられたランディは静かな笑みを浮かべた後スタンハルバードからブレードライフルに装備し直して尋ね
「武器の名は”バルディッシュ”。ちなみに弾丸は火薬式の弾丸ではなく、退魔用に改造しておいた光の魔力弾だから、弾切れの心配はいらないよ。もちろん刃の部分も退魔の効果を付与してあるから、悪魔達に効果はあるよ。」
「そッスか………ありがたく使わせてもらいます。」
ウィルの説明を聞いて頷いた。
「!第三波、来ます!」
その時、再び走って近づいて来る警備隊員達に気付いたティオは警告し、警告を聞いたロイド達がそれぞれの武器を構えたその時!
「さあ……始めるとするか………うおおおおおおおおおおっ!!」
ランディが”バルディッシュ”から怒涛の銃撃を放ちながら突撃し
「喰らえ………ベルセルガー!!」
怒涛の銃撃で怯んでいる警備隊員達に一瞬で近づいて斬撃を放った!すると、警備隊員達は全員、全身から血を流しながら地面に倒れた!
「悪いな………急所は外してあるから、それで勘弁してくれ………」
大型ライフルで戦場を狩る赤き奥義――――ベルセルガーを放ち終えたランディは静かに呟いた。
「………!!」
「グノーシスで強化された警備隊員達を一撃で……」
「す、凄い………」
ランディのSクラフト―――ベルセルガーを見たロイドは目を見開き、ティオとエリィは驚いていた。
「ボーっとすんな!次が来やがるぞ!」
一方ランディは走って近づいて来る新手の警備隊員や飛行して近づいて来る悪魔達を見てロイド達に警告し
「!ああ!」
警告されたロイドは頷いて仲間達と共に武器を構え直し
「よし―――”特務支援課”の人達と共に戦うぞ!メロディアーナ、シャルティ!君達は空中戦で悪魔達に対抗してくれ!狐伯蓮とセラウィは後方から援護を頼む!」
「「はいっ!!」」
「了解!」
「うむ!」
ウィルは仲間達に指示をした後、ロイド達と共に戦闘を開始した…………!
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