夏の詩
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第三章
3.赤い花
町に出てうだる様な暑さに参っていた その暑さの中で
僕は花屋の前に来た 花屋からの香りに誘われて振り向くと
花屋の外にも中にも花が咲き誇っていた その花の中に
赤い花があった それは日本の花ではなかった
南国から来た花 その花が一輪あった
僕はその花のところに来た けれど花は何も言わない
暑い夏の中で咲いている ただ咲いているだけだ
その咲いているだけの赤い花を見て その香りの中にも身を置いて
僕は自然と微笑みになってその花にさらに近付いてに微笑んだ
微笑みを向けても花は何も言わない 何も語ってくれない
けれどその花を見ているだけで僕は笑顔になった そうして
赤い花を買って家でその花を飾った
暑い中でもその花を見ていると笑顔になれた 赤い一輪の花を
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