カードファイト!!ヴァンガードG ネクステージジェネレーション
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turn:3 新導ミライ
前書き
不思議な出会いの果てにヴァンガードファイトの楽しさを知ったタイガ
そんな彼に新たな出会いが
ショップで出会った少女とファイトすることになったタイガ
だが少女の戦術に序盤から押されてしまい………
少しずつ、だが確実に動き始めていく物語
この出会いの果てにタイガは何を見るのか
カードキャピタル3号店の程近くにある公園で行われていたファイト
「アタック」
赤い髪の少女の攻撃が決まり決着した
「お姉ちゃん凄く強いね」
「ありがとう」
サインしてもらったファイトを受け取りながら相手の少年の言葉に礼を述べる少女
デッキをしまいながらふと
「そうだ、この近くだったよね、せっかくだから行ってみようかな」
タイガは今日もカードキャピタル3号店を訪れていた
だが………
「あれっ?」
来てみれば誰の姿もなく閑散としていた
Turn;3 新導ミライ
不思議に思いあたりを見回すタイガ、すると奥からエミが出てきた
「あ、いらっしゃい、ごめんね、ちょっと奥で売上表のチェックをしていたの」
タイガに気付いたエミは慌てて声をかけた
「まだちょっと時間が早いかな?もう少ししたら常連のお客さんが来始めるころなんだけど、うちの旦那は商店街の集まりでいないし」
「葛木は今日日直だったから遅くなるか………それならクエストを………」
とここで自動ドアが開き誰かが入ってきた
「いらっしゃい、あれ?」
エミは入ってきた人物を見て目を丸くしていた
それに気づいたタイガが見ると赤い髪の少女がこちらに笑いかけていた
「こんにちは」
「あっ、どうも………」
いきなりのあいさつに戸惑うタイガ
少女は黙ってファイトテーブルの前に立つ
「あなたもヴァンガードファイターでしょ」
そう言って自分のデッキを見せる少女
「ほかに誰もいないようだし、私とファイトしない?」
「あっ、じゃあ………」
戸惑いながらファイトスペースに向かうタイガ
「近くでクエストでもやってたのかな?うちにはめったに来ないんだけど………」
それを見ていたエミは不思議そうに首を傾げていた
ファーストヴァンガードをセットして手札を確認しながら目の前の少女を見るタイガ
「(なんか………変な感じだな)」
見知らぬ相手とファイトするのは初めてではない
だがタイガは目の前の少女に対し違和感のようなものを感じていた
「フィールドは惑星クレイ、ズーの花園、妖精たちの住む美しき花の世界」
互いにファーストヴァンガードに手をかける
「スタンドアップ!ヴァンガード!」
惑星クレイ、ズーの花園
絨毯の様に所狭しと咲く綺麗な花
花弁が舞う中に降り立った二人のファイターの体を光が包み込む
「ガンナーギア・ドラコキッド!」
「メイデン・オブ・ノワゼット」
タイガの見据える先には白を基調とした衣装を身に纏う少女の姿
「ギアクロニクルを使うのね」
「あ、あぁ、そっちは………」
少女のユニットはどこか植物の妖精を連想させる
「フフッ、ネオネクタール、自然を愛し、自然と共に生きるユニットたち」
手を広げたノワゼットの周りに光が集まる
「ライド!メイデン・オブ・ランブラー!」
紫を基調とした服に身を包んだ水瓶を抱えた少女のユニット
カードでは服と同じ紫色の髪、だが今は少女と同じ赤い髪をしていた
「スタンドアンドドロー」
その可愛らしい容姿に戸惑いながらもファイトを進めるタイガ
「ライド!メーザーギア・ドラゴン」
「ちぃーっす」
青い髪の少年がファイカを片手に店に入ってきた
「いらっしゃい、ハジメ君、結構久しぶりじゃない?」
「家の事とか剣道の練習で忙しかったんで………ん?」
エミの問いかけに答えながらファイトテーブルの方を見るハジメ
「珍しいっすね、あいつが来てるなんて、相手のやつも見かけない顔ですけど」
「うん、本城タイガ君、最近ヴァンガードを始めた子なんだって」
「ガンナーギアのブーストしたメーザーギア・ドラゴンでヴァンガードにアタック」
メーザーギア・ドラゴンが力を籠めると胸の赤い部分に光が集まっていく
「ドライブチェック」
【スモークギア・ドラゴン】トリガーなし
メーザーギア・ドラゴンの集めた光が一直線にメイデン・オブ・ランブラーに向かっていく
光に貫かれよろけるランブラー
「ダメージチェック」
【フェアリーライト・ドラゴン】ヒールトリガー
だが回復するダメージがないためこのトリガーは無駄となった
「スタンドアンドドロー、メイデン・オブ・ダマスクローズにライド」
続いて少女がライドしたのは茨の杖を持った女性のユニット
「メイデン・オブ・チェリーブルームをコール」
鉄扇を持ったサクラのようなユニット、チェリーブルームがメーザーギアを見据える
「チェリーブルームでアタック」
チェリーブルームの鉄扇に真一文字に切り付けられるメーザーギア・ドラゴン
「ダメージチェック」
【スチームバトラー・マシュダ】クリティカルトリガー
トリガーの効果でパワーアップしたメーザーギアは立ち上がると力を誇示するかのように吠えた
「チェリーブルームのスキル、カウンターブラスト、ソウルブラスト」
ランブラーがソウルからドロップゾーンに置かれフェアリーライト・ドラゴンが裏になる
「山札からメイデン・オブ・チェリーストーンを“レスト状態”でスペリオルコール」
チェリーブルームの後ろに幼い印象を受けるチェリーストーンがコールされる
「ダマスクローズでアタック」
ノワゼットのブーストを受けたダマスクローズが突っ込んできたため考える暇がなかった
「ドライブチェック」
【メイデン・オブ・ディモルフォーゼ】クリティカルトリガー
ダマスクローズの持つ茨の杖から放たれた花弁がメーザーギアに襲い掛かった
「ダメージチェック」
【キラキラ・ワーカー】ヒールトリガー
「よし、ダメージ回復、セカンドチェック」
【キラキラ・ワーカー】ヒールトリガー
「よっしゃ!もう一度回復だ」
3回の攻撃を手札を使わず1ダメージでしのいだ
一見するといい傾向に見えるが
「最初にあれだけ出ると残りのトリガー枚数が心配になるな」
それを観戦していたハジメが呟いた
ヴァンガードのデッキ構築において投入できるトリガーの枚数は決まっている
今のターンだけで3枚、デッキからトリガーが失われたことになる
特に重要な役割を持つヒールトリガーが2枚失われたのは今後の展開に響いてくる可能性があった
タイガはそのことに気付いていない
「ヒストリーメイカー・ドラゴンでダマスクローズにアタック」
時計の針のようなその剣でダマスクローズを切り裂くヒストリーメイカー
「ダメージチェック」
【メイデン・オブ・チェリーストーン】トリガーなし
「ガンナーギアでブーストしたスモークギア・ドラゴンで攻撃、ドライブチェック」
【アップストリーム・ドラゴン】トリガーなし
ヒストリーメイカーの攻撃でふらついていたダマスクローズを大きな前足で斬りつけるスモークギア
「ダメージチェック」
【メイデン・オブ・ディモルフォーゼ】トリガーなし
「(これで3対1………)」
「スタンドアンドドロー」
自身の有利を信じて疑わないタイガ
それを気にも留めず少女は自身のターンを進める
「咲き誇れ、煌く大輪の花、ライド!」
手札の一枚を手に取ってかざす少女
「メイデン・オブ・トレイリングローズ!」
光に包まれてフィールドに姿を現す大きなカールを巻いた髪が特徴のユニット
メイデン・オブ・トレイリングローズが目を見開くと赤い花弁が舞った
「薔薇の花………」
ローズの名が指すようにそのユニットの頭についている赤い薔薇の髪飾り
「ノワゼットのスキル発動、カウンターブラストして自身をソウルへ、トレイリングローズとチェリーブルームにスキルを与えます、そしてダマスクローズをコール」
ノワゼットの体が光の粒へと変わったかと思うとそれらがトレイリングローズとチェリーブルームを包み込む
続けて現れたダマスクローズがやる気満々で茨を構えた
「ネオネクタールの妖精………植物の妖精のユニットたちか」
チェリーブルームは桜、チェリーストーンはサクランボ
トレイリングローズとダマスクローズはその名のとおり薔薇を指している
「ダマスクローズでヒストリーメイカー・ドラゴンにアタック」
ダマスクローズの振るった茨がヒストリーメイカーに向かっていくが
「ガード!」
スモークギア・ドラゴンがそれを阻んだ
「トレイリングローズでアタック」
タイガは迷った、この攻撃を防ぎに行くことは可能だが手札の重要なユニットを何枚か使ってしまうことになる
ノワゼットの与えたスキルを危惧したがここは通すことに
「ツインドライブ」
【メイデン・オブ・チェリーブルーム】トリガーなし
【花園の乙女マイリス】クリティカルトリガー
「ゲット、パワーはチェリーブルーム、クリティカルはトレイリングローズに!」
トレイリングローズが両腕を高々と掲げると赤い花弁がスモークギア・ドラゴンを包み込んだ
「ダメージチェック」
【スチームファイター・ナンネア】トリガーなし
【スチームスカラー カー・ランマ】クリティカルトリガー
「効果はスモークギア・ドラゴンに」
傷だらけになりながらも何とか立ち上がるスモークギアだが
「ノワゼットの与えたスキルで一枚ドロー」
引いたカードを見て小さく笑う少女
「そしてトレイリングローズのスキル、ペルソナブラスト発動!」
ダメージゾーンに唯一残った表のカード、チェリーストーンを裏にすると手札からトレイリングローズを掲げた
ペルソナブラストはその能力を持ったユニットと同じカードを手札から捨てることで発動できる効果
「トレイリングローズの効果で山札の上から5枚を確認、その中の2枚をスペリオルコール」
チェリーストーンが2枚、トレイリングローズとダマスクローズの後ろにコールされた
「これは………」
ここでタイガは気づいた、フィールドの“違い”に
タイガのフィールドには2枚のユニット、手札は5枚
一方少女は既にリアガードサークルが埋まってる上手札も7枚
先にツインドライブを行ったアドバンテージがあるにしてもあまりに違いすぎる
それを可能にしたのが山札からユニットを呼ぶ能力
「なるほど、これが“ネオネクタールの”戦い方か」
「!?」
タイガのその言葉に少女は一瞬目を見開いた
だが、驚いたのは自分のデッキの戦い方を見抜かれたことではなく、タイガの言葉に
「その程度しか見えていないのね」
「?」
少女の言葉に首を傾げるタイガ
残ったチェリーブルームの攻撃もシールドが足りず通すしかない
ピンク色の花弁がスモークギアを切り裂いた
「ダメージチェック」
【アップストリーム・ドラゴン】トリガーなし
「ターン終了よ」
「スタンドアンドドロー、我が望む世界へ導け!ライド!」
現れたクロノファング・タイガーが雄たけびを上げる
すかさずタイガは手札の変革を呼ぶギアイーグルをデッキの横、“バインドゾーン”に置いた
「クロノファングのスキル、チェリーストーンのグレードをマイナス2」
クロノファングの装甲の一部が開くとそこに現れた装置が稼働し時空の渦が現れる
チェリーブルームの後ろにいたチェリーストーンがそれに飲み込まれる
本来ならこのスキルでデッキに戻したカードよりグレードの2つ低いユニットをコールできる
だがグレード1のチェリーストーンより2つ低いユニットなど存在しないためデッキに戻るだけとなった
「ストライドジェネレーション!」
回り続ける歯車を玉座のようにして杖を持つギアドラゴンがその姿を現した
「時空竜クロノスコマンド・ドラゴン!」
「クロノスコマンド・ドラゴンを呼んだってことは………」
「目的はリアガードの一掃、だね、ただそれもスキルを発動できればの話」
それを見たハジメとエミはタイガの狙いにすぐさま気づいた
タイガはさらに手札からスチームブレス・ドラゴンとアップストリーム・ドラゴンをコール
ガンナーギアのスキルで変革を呼ぶギアイーグルを手札に加えた
「クロノスコマンド・ドラゴンでアタック!」
クロノスコマンド・ドラゴンが杖を軽く振って鳴らすと上空からトレイリングローズに向かって大きな光が降ってくるが
「完全ガード」
メイデン・オブ・パッションフラワーがトレイリングローズの肩を借りて飛びあがりそれを白い花で出来た盾で受け止めた
「くっ!」
「クロノスコマンド・ドラゴンの能力は相手のリアガードすべてを山札の下へ、その条件はアタックが成功すること」
「あれだとスキルは発動できない、さてどうするか………」
クロノスコマンド・ドラゴンのようにアタックが成功した時に強大な能力を使えるユニットは総じて警戒されやすい
手札がたくさんあった以上警戒してしかるべきだが………
「ドライブチェック」
【スチームファイター ナンネア】トリガーなし
【スチームバトラー マシュダ】クリティカルトリガー
【スチームメイデン メラム】トリガーなし
「効果はすべてアップストリーム!そのアップストリームでアタック!」
タイガはこの攻撃、ガードしてくると読んでいた
ここで2ダメージ受ければダメージ5、それは避けたいはず、だが
「ダメージチェック」
「えっ!?」
アップストリームの飛ばした2枚の歯車がトレイリングローズに襲い掛かった
【メイデン・オブ・デイブレイク】スタンドトリガー
【メイデン・オブ・ダマスクローズ】トリガーなし
「パワーはトレイリングローズへ、ダマスクローズスタンド」
「アップストリームの効果でナンネアをレストでコール、ヒストリーメイカーで………!」
だがここでタイガは気づいた、本来ならヒストリーメイカーの効果でナンネアをタイムリープ、後続のユニットを呼んで追撃を図るはずがトリガーの効果で追撃のユニットを呼んでもトレイリングローズに届かない
「スキルを使わずにヴァンガードにアタック」
「チェリーブルームでインターセプト」
ヒストリーメイカーの攻撃も容易く防がれてしまいこのターンは終了
「ジェネレーションゾーン開放!」
少女もまた手札からメイデン・オブ・ランブリングローズのカードをドロップ
「今こそ示せ、我が真に望む世界!ストライドジェネレーション!」
胸の前でこぶしを握り、力強く手を広げる少女
そしてヴァンガードサークルには神々しい女性の姿が
「世界樹を守るロータス・メイデン」
更に少女は手札からチェリーブルームをコール
「スキル発動、前列のメイデンのユニットにパワー+5000、更にスキルを与える、このターンアタックが成功した時リアガードのカードと同名のユニットをスペリオルコール」
「なっ!」
先ほどのクロノスコマンドと同じアタックが成功した時に発動する効果
だが今回は勝手が違う、前列すべてにその効果が与えられる、もちろんヴァンガードも
「ダマスクローズでアタック」
「マシュダ!ヒストリーメイカーのインターセプト!!」
「ロータス・メイデンでアタック!」
「完全ガード!」
ロータス・メイデンが手をかざすと大量の花びらが輝きながらクロノファングに襲い掛かる
手札からナンネアをドロップしてアルリムがその攻撃をシャットアウトするが………
「トリプルドライブ」
【メイデン・オブ・カンナ】トリガーなし
【メイデン・オブ・ランブラー】トリガーなし
【メイデン・オブ・ランブリングローズ】トリガーなし
「よしっ」
「チェリーブルームでアタック」
だがタイガ、この攻撃は防ぎきれずノーガード、結局チェリーストーンが再び現れることを許してしまう
ダメージゾーンにはアルリムが置かれた
「スタンドアンドドロー」
タイガの手札はわずかに3枚、それでもタイガはまだあきらめていなかった
「ジェネレーションゾーン開放!切り開け!我が心の示す先へ!ストライドジェネレーション!」
身体に光をほとばしらせながら現れる巨大なギアドラゴン
「時空竜クロノスコマンド・レヴォリューション!」
咆哮を上げながら現れたそのギアドラゴンが腕をかざすと巨大な時空の渦が少女のリアガードをすべて飲み込んだ
「一気に決めるぜ!メラムとムダルをコール!ナンネアのブーストしたメラムで攻撃!」
「デイブレイクでガード」
メラムのスキルでスチームバトラー ウル・ワタルがリアガードへ、ただしレスト状態なのでアタックに参加することはできない
「レヴォリューション!」
手をかざし巨大な光をトレイリングローズに向けて放つレヴォリューションだったが
「遥かなる時の彼方より来たれ、ジェネレーションガード!」
フェアリーライト・ドラゴンが手札からドロップされると新たなユニットが姿を現す
「聖樹竜レイブレスドラゴン、スキルでメイデン・オブ・ランブリングローズを手札からコール」
「トリプルドライブ」
【スチームメイデン メラム】トリガーなし
【クロノファング・タイガー】トリガーなし
【スチームスカラー エメルアンナ】トリガーなし
トリガーが出ない、しかも全力で攻撃したためにタイガの残りの手札は今めくった三枚のみ
「まだだ、この攻撃で決めれば!行け!ムダル!」
「マイリスでガード!」
小さな少女のユニットが振るったハンマーがムダルの剣を弾き飛ばす
「くっ」
「ここまでね、ジェネレーションゾーン開放」
そう言って少女が見せたのはランブラーとカンナの2枚、どちらもグレード1
だが………
「メイデン・オブ・ランブラーはストライドのコストになる時グレードを一つ上げる、しかも追加の効果でドロップゾーンからリアガードに出てくるうえドローもできる」
険しい表情で盤面を見るハジメ
だが彼にはわかっていた、このファイトの勝敗がすでに決していることに
「今こそ輝け、我が運命!紡ぎ出す光を浴びて!ストライドジェネレーション!」
大きな鍬を持った美しいユニットにライドした少女がクロノファングを見据える
「夢紡ぐラナンキュラス アーシャ」
残った二枚の手札もすべてフィールドに
メイデン・オブ・ランブリングローズ、メイデン・オブ・ディモルフォーゼ
更に………
「夢紡ぐラナンキュラス アーシャのスキル、ランブリングローズを指定、前列のユニットのパワー+5000、更にランブラーをコール」
がら空きだったリアガードをあっという間に立て直した
しかもスキルでそれらがパワーアップしている、タイガにそれを防ぐ術はない
「アタック!」
夢紡ぐラナンキュラス アーシャがクロノファング・タイガーに向けて鍬を振り上げる
「トリプルドライブ」
【花園の乙女マイリス】クリティカルトリガー
【メイデン・オブ・ディモルフォーゼ】クリティカルトリガー
【花園の乙女マイリス】クリティカルトリガー
クロノファング・タイガーに勢いよく鍬が振り下ろされる
「ダメージチェック………」
だが、最初にめくった二枚のヒールトリガー
残ったヒールトリガーはデッキに2枚、夢紡ぐラナンキュラスのクリティカルは4
【スチームスカラー カー・ランマ】クリティカルトリガー
鍬の攻撃を受けその場に倒れるクロノファング・タイガーをアーシャが見下ろしていた
「完全に俺の負けだ………」
「また機会があったら会いましょう」
そう言ってデッキをしまう少女、店を出ていこうとするが
「お前!名前は!」
タイガのその言葉に店の入り口で立ち止まり振り返った
「ミライ、新導ミライ」
「ミライ………本城タイガだ!今度会ったら必ず俺が勝つ!」
そう宣言するタイガにミライはわずかに笑うと自動ドアをくぐり店を出て行った
「忘れるんじゃねーぞ!」
そのあとを追って彼女の背中に向けて叫ぶタイガ
「やばっ、日直の仕事してたらもうこんな時間!」
店への道を急いでいたメグミは途中ミライとすれ違ったことに気付き足を止めた
先ほどのタイガの言葉を思い出し僅かに口元を緩め歩くミライ
その背中を見送るメグミは困惑していた
「今の………ミライ?どうしてあんな表情」
一方のミライはメグミに気付かなかった
彼女の頭の中は既に別の事でいっぱいだったから
「(本城タイガ、あなたはまだ何も見えていない………あなたの運命の歯車は、まだ動き出してすらいない………次会えるのを楽しみにしているわ)」
そう言って懐から先ほどのファイトで使っていたデッキを取り出すミライ
「その時は、私の本気を………“本当のクラン”を見せてあげる」
もう片方の手に握られているミライのファイカ
それを開くとデッキがもう一つ入っていた
「強くなりなさい、あなたはクロノファングに“選ばれた”のだから」
そう呟いてファイカを閉じたミライは再び歩き始めた
後書き
次回予告
敗北を経て強くなることを誓うタイガ
そんな彼にまた新たな出会いが
エースと呼ばれるその少年の実力は
turn:4 綺場ハジメ
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