英雄伝説~光と闇の軌跡~(零篇)
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第96話
ロイド達が研究棟内に入るとモヤが棟内を包み込んでいた。
~ウルスラ病院・研究棟~
「なんだ、このモヤは………」
「な、なんだか空気が淀んでるような……」
「「………………………」」
「これは………!」
「一体何故………!」
「どうしてこんな事に……」
モヤを見たロイドとエリィは戸惑い、リウイとエクリアは真剣な表情で黙り込み、ペテレーネとティアは驚き、イリーナは不安そうな表情をし
「おいおい、まさか危険なガスとかじゃねえだろうな?」
「いえ………人体に影響するものではなさそうですが………精神には影響がありそうですね………」
「恐らく邪気や瘴気の類だろう。クク、どうやら思っていた以上に厄介な相手がいるらしいな。」
目を細めて呟いたランディの言葉に銀はティオと共に答えた後、不敵な笑みを浮かべた。
「くっ、いったい誰が………」
そしてロイドが唇をかみしめたその時、なんと僧院で現れた”悪魔”に似た姿の悪魔が4体現れた!
「また………!」
「チッ……4体か!1体でも厄介だってのに………!」
それを見たエリィは厳しい表情をし、ランディは舌打ちをし
「―――2体は俺とエクリアが相手してやる。お前達は協力して2体を滅せよ!―――イリーナ、ペテレーネ、ティア!お前達は特務支援課を援護してやれ!」
「「「はいっ!」」」
リウイはロイド達とイリーナ達に指示をし、指示をされたイリーナ達は頷いた後詠唱を開始し
「一体は私一人で相手してやる。お前達はお前達で残りの一体を滅してみろ。」
「わかった!ランディ、エリィ、行くぞ!ティオ!君は銀の援護をしてくれ!」
「おう!」
「わかったわ!」
「わかりました!」
銀の申し出を聞いたロイドはランディ達に指示をした後、それぞれ分散して戦闘を開始した!
「………………………」
悪魔の一体は巨体とは思えぬスピードでリウイに近づいて剛腕を振るった!
「フッ!」
しかしリウイは余裕の笑みを浮かべて回避し
「ハアッ!!」
紅き魔剣―――『エドラム』を振るった!
「―――!?」
本来装甲車なみの固さを持っていた悪魔だったが、リウイが振るった魔剣によって簡単に斬りおとされて驚き
「………………」
残る一本の腕をリウイに放った!
「くだらん!!」
しかしリウイはクラフト―――フェヒテンケニヒを放って、自分を襲い掛かる腕を破壊し
「邪は光に還るがいい!エクステンケニヒ!!」
止めに悪魔の弱点である光属性の魔法剣で敵に断末魔を上げさせる時間も許さず、消滅させた!
「エニグマ駆動………………」
悪魔の一体と対峙したエクリアはオーブメントの駆動と魔術の詠唱を開始し
「………………………」
対する悪魔はエクリアに接近して剛腕を振るった!
「ハッ!」
しかしエクリアは攻撃が当たる瞬間に回避をし
「炸裂せよ!イオ=ルーン!!」
純粋魔術を放った!
「!?」
エクリアが発動した純粋の爆発の魔術を受けた敵はダメージを受けると共にのけ反り
「ハアッ!ダークマター!!」
「―――――――!!」
さらにエクリアが放った弱点属性である空属性のアーツを受けて悲鳴を上げた!エクリアに一方的に攻撃された敵だったが、傷ついた部分は次々と泡を立てて回復して行った。しかし!
「ハァァァァァ………!!」
エクリアが連接剣で放ったクラフト―――剣舞を受け、回復して行く部分は追いつかず、さらに傷を増やして行った!
「凍り付け!氷垢螺の吹雪!!」
そしてエクリアが放った絶対零度の吹雪を発生させる魔術をその身に受けた敵は氷の中に閉じ込められ
「止め!!」
エクリアが振るった連接剣によって氷ごと横に真っ二つに斬られて消滅した!
「うぉおお…………はぁああっ!!」
悪魔の一体と対峙した銀はクラフト―――麒麟功で自らの身体能力を上昇させ
「セイッ!!」
自分に突撃して来て、振るった悪魔の剛腕を回避し、反撃に大剣を振るって敵の身体に傷つけ
「炸力符!!」
懐から符を出して、傷をつけた部分目掛けて投擲した!
「!?」
すると敵はさらにダメージを受けると共に符の起爆によってのけ反った!
「出でよ!烈輝の陣!レイ=ルーン!!」
「炸裂せよ!イオ=ルーン!!」
そこに後方のティオとペテレーネが放った魔術が命中した!高い魔力をその身に秘める2人の魔術を受けた敵の身体はボロボロだったが、再生をし始め、自分を攻撃したティオ達に突撃しようと動き出した!しかし
「蛇拘符!!」
銀が懐から出して放った呪いがかけられた符―――蛇拘符を受けて身体の動きが遅くなり
「エニグマ駆動!ダークマター!!」
「時の牢獄に囚われよ!カラミティクロウ!!」
さらにオーブメントの駆動を終えて放ったティオとペテレーネのアーツを受けてダメージを受けると共に身体の動きがかなり鈍くなった。
「爆雷符!!」
そこに銀が懐から起爆するクナイを投擲して、爆発によって敵を怯ませ
「終わりだ――――五月雨!!」
一瞬で敵に詰め寄り、目にも止まらぬ速さで次々と武器や暗器、符を繰り出し
「―――――!!」
銀の猛攻を受けた敵は断末魔を上げながら消滅した!
「イーリュンよ、戦場に向かう者達にご加護を!アルテミスの祝福!!」
ロイド達と共に悪魔の一体と対峙したティアは魔術でロイド達の身体能力を上昇させ
「熱き炎よ、我等に加護を!ラ・フォルテ!!」
エリィはアーツでロイドとランディの筋力を上昇させた!
「………………………」
一方悪魔はロイド達に突進し、剛腕を震ったが
「させるかよ!!」
エリィのアーツによって筋力が上昇しているランディがスタンハルバードで敵の攻撃を受け止め
「せいっ、はっ、たぁっ!まだだっ!は、せいっ、そこだっ!!」
身体能力が上昇したロイドが悪魔の背後からクラフト―――アクセルラッシュ、ホーリーラッシュを続けて放ち続けた!
「―――――!!」
攻撃を受け続けた悪魔は呪いの叫び声をあげ
「グッ!?」
「チッ!?」
近距離で悪魔の叫び声を聞いたロイドとランディは身体が動かなくなった。
「…………………」
「ぐっ!?」
「うおっ!?」
そして身体が動かなくなった2人に次々と剛腕を振るってダメージを与えると共に吹っ飛ばして後方のエリィ達に向かおうとしたが
「光よ………邪を焼き払え!贖罪の聖炎!!」
「――――――!!」
ロイド達の攻撃の間に魔術の詠唱を終えたイリーナの光の高位魔術を受けて、怯んだ。
「気高き女神の息吹よ………力となりて我が銃に集え……」
その時、エリィが導力銃にエネルギーを集束し
「エアリアルカノン!!」
集束したエネルギーを解き放った!
「―――――!?」
大気に満ちたエネルギーを収束して放つ高密度の光弾にしてエリィのSクラフト――――エアリアルカノンを受けた悪魔は大ダメージを受けたのか、悲鳴を上げた!
「イーリュンよ、傷ついた者達に癒しを!大いなる癒しの風!!」
そしてティアは強く祈って、悪魔によって攻撃されたロイドとランディの傷を癒し
「はぁああ……………だぁあああっ!!」
ロイドはクラフト――――バーニングハートで自分の身体能力を大幅に上昇させ
「はぁぁぁぁ………うおぉぉぉぉぉっ!!」
ランディは闘気と引き換えに爆発的に筋力と身体能力を一時的に上昇させる戦場の死神の咆哮―――デスクライで自分の能力を大幅に上昇させ
「ロイド、行くぞ!!」
「ああ!!」
「「バーニング……レイジ!!」」
ロイドと共に敵を挟み撃ちにして怒涛の連続攻撃を放った!
「――――――!!」
2人の強力な怒涛の攻撃を受けた悪魔は叫び声を上げながら消滅した………………!
「どうしてここにも”悪魔”が………それも”僧院”で戦ったのと似ていたような気がするし………」
「上位三属性もあの”悪魔”達に働いていましたね………ひょっとしたら………」
戦闘を終えたロイドとティオは静かに呟き
「マフィア達と同じく例の”グノーシス”なる魔薬が投与された可能性がある……つまり、そういう事だな?」
銀がティオの説明を続けて、ティオに確認し
「………はい。」
確認されたティオは頷いた。
「チッ、そういう事かよ。」
「以前よりも手強いのも頷けるわね……」
ティオと銀の話を聞いたランディは舌打ちをし、エリィは真剣な表情で呟き
「……そういえばあの”教団”共のロッジを襲撃した時にも”悪魔”達がいたな………」
「ええ………それに以前より強くなっていたと思います………」
ある事を思い出したリウイは呟き、リウイの言葉にペテレーネは頷いた。
「…………あの、リウイ陛下、ペテレーネ神官長。お二人の話からすると”教団”のロッジにもやはり先程のような”悪魔”が………?」
2人の会話を聞いていてある事が気になったロイドはリウイとペテレーネに尋ね
「先程の”悪魔”共より”格”は下だったが、いたな。」
「………それと教団員達が”グノーシス”らしき薬を呑んで魔人化も行いました。」
「なっ………!?」
「という事は服用した教団員達は”悪魔”になったのですか!?」
2人の答えを聞いたロイドは驚き、エリィは厳しい表情で尋ねた。
「ああ。………ただ奴等が呑んだ薬は蒼い錠剤ではなく紅い錠剤だったと思うが。」
「そうですか…………………」
「下手すりゃ、ルバーチェどころか失踪者達も”悪魔”になっている可能性があるってか………」
「クク………噂に聞いていた以上の教団だったようだな…………」
リウイの答えを聞いたロイドは頷いた後考え込み、ランディは目を細め、銀は不敵な笑みを浮かべていた。
「……とにかく探索を始めよう。セシル姉によれば、まだ教授達が取り残されている可能性が高い。ヨアヒム先生共々、見つけ出すんだ。」
「ええ……!」
「手遅れになる前に急ぐ必要がありそうだな………!」
その後ロイド達は研究棟内の探索を開始し、時折襲ってくる悪魔や幽霊達を撃退しながら、ある部屋に入った。
「き、来ました~!」
ロイド達が部屋に入ると女性の声が聞こえ
「ええい、これでも喰らえ!」
「くたばれ、化物があっ!」
さらに男性達の声が聞こえてきた。
「え…………」
声を聞いたロイドが呆けたその時、白衣を纏った男性達が物陰から跳躍して何かをロイド達に投擲し、投擲された物に気付いたロイド達は散開した。すると何かはロイド達がいた所に落ちた後、煙を上げた!
「うおっ………!?」
「あ、危な………!」
それを見たランディは驚き、エリィは呟いた。
「馬鹿者、何を外しておるか!まったくこれだから無能な外科医師はっ………!」
「そういうアンタこそ思いっきり外しただろうが!これだから内科医師は口先ばかりで使えんのだ!」
一方男性達の罵り合う会話が聞こえ
「あのぉ………先生方。なんか魔獣じゃなかったみたいですけど。」
さらに男性達の会話をいさめるかのように女性が男性達に話しかける声が聞こえた。そして女性の話を聞いた男性達は女性と共に物陰から現れた。
「おお、君達は………!?」
「たしかクロスベル警察の……!」
男性―――ウルスラ病院の教授達はロイド達を見て驚いたり明るい表情をした。
「………特務支援課の者です。皆さん、ご無事みたいですね。」
「やれやれ………まさか薬品を投げられるとは思いもしなかったぜ。」
「今の薬………酸化液ですよね?」
教授達に話しかけられたロイドとランディは苦笑し、ペテレーネは小さな爆発によって煙を上げている地面の部分を見て、苦笑しながら尋ね
「す、すまん……実験用の酸化液なんだが。」
「た、多少刺激は強いが毒性はないから安心してくれ。」
3人の言葉を聞いた教授達は謝ったり、申し訳なさそうな表情をした。
「まったくお二人とも。軽はずみはいけませんよ~。」
その時の女性の教授が呑気そうな様子で呟き
「『来ました』と言ったのはアーシェラ君じゃないか!?」
「酸化液のビンを見つけたのも君だったと思うが……?」
女性の教授の言葉を聞いた男性の教授達は顔に青筋を立てて、女性の教授を睨み
「あれれ、そうでしたっけ?」
睨まれた女性は呑気そうに呟き、ロイド達を脱力させた。
「と、とにかく内部はまだ魔獣が徘徊しています。」
「護衛しますのでいったんここから出ましょう。」
その後ロイド達は教授達を研究棟の外まで護衛して研究棟の状況を聞いた。
「―――では、ヨアヒム先生は全く見かけていないんですね?」
状況を聞いたロイドは真剣な表情で尋ねた。
「うむ、例の黒服たちが研究棟に乗り込んできた時にはすでに見かけなかったな………」
「てっきり夜釣りにでも行ったのかと思ったが………」
「………そうですか。」
「残念ですが……現時点で相当疑わしいですね。」
「そうね………」
教授達の話を聞いたロイドは疲れた表情で溜息を吐き、ティオは静かに呟き、エリィは静かに頷いた。
「そういえば、研究棟内の魔獣や悪魔達はどこから現れたのですか?………ルバーチェのマフィア達が軍用犬と共に連れて来たのでしょうか?」
「いや、どこからともなく現れたという感じだったが………」
「私も見かけていないな………」
イリーナの質問を聞いた男性達の教授達はそれぞれ首を傾げていたが
「あれれ、あの魔獣達だったら変な人が連れていたような………黒い服じゃなかったからマフィアの人には見えませんでしたけど。」
女性の教授は不思議そうな表情で意外な事を答えた。
「それって……」
「熊みたいな大男とか、ハゲた小太りの人ですか?」
女性の言葉を聞いたエリィは驚き、ティオは尋ねた。
「いえいえ。何だか普通の人でしたけど。エレベーターで4階の方に上がって行っちゃいました。」
「4階………教授達の研究室のあるフロアですか。」
「な、何者なのかしら………」
「ええ………一体どうしてこんな事をしたんでしょうか………」
女性の話を聞いたロイドとエリィは真剣な表情で呟き、ティアは不安そうな表情をした。
「ふむ………中を調べるのならくれぐれも気をつけるがいい。」
「私達は、病棟の空き部屋にひとまず避難していよう。」
「何か困ったことがあればいつでも来て下さいねぇ。」
そして教授達は病棟の方に向かって去って行った。
「魔獣や悪魔を率いた謎の男か………お前達、心当たりはあるか?」
教授達が去った後、銀はロイド達に尋ね
「いや………現時点ではさっぱりだ。どうやらヨアヒム先生とは別人みたいだけど………」
尋ねられたロイドは首を横に振って答えた後考え込んだ。
「何者かは知らねぇが………とッ捕まえる必要があるな。何とか4階に上がってみようぜ。」
「ああ………!」
その後ロイド達は探索してエレベーターの解除キーを見つけ、エレベーターを動かして4階に上がり、さまざまな部屋を探索していて、ある部屋―――ヨアヒムがいた部屋に入ると聞き覚えのある青年の声が聞こえた。
「クク、存外早かったものだ。」
声を聞いたロイド達が驚いて声がした方向を見つめるとそこには
「あなたは………!」
「ア、アーネストさん!?」
なんと市長暗殺未遂の犯人、アーネストが窓の外を見つめ
「…………アーネスト………確かその名前は………!」
「………マクダエル市長を暗殺しようとした元秘書か。」
「確か逮捕されたと聞いていましたが………」
アーネストの名前を聞いたイリーナとリウイは表情を厳しくし、エクリアは真剣な表情でアーネストを睨んでいた。そしてアーネストは振り向いて自分に近づいて来るロイド達を見つめ
「やあ、エリィ……2ヵ月ぶりになるかな?まだ宵の口だが、月の綺麗な晩じゃないか。」
不敵な笑みを浮かべてエリィを見つめた。
「アーネストさん………その瞳の色は………!?」
(もはや人の皮を被った”悪魔”に成り下がったようだな………!)
エリィはアーネストの紅い瞳を見つめて驚き、メヒーシャはアーネストを睨み
「フン………どうやら魔性に墜ちたらしいな。」
銀は鼻を鳴らして呟いた。
「ほう、これは………噂の”銀”殿もご一緒だったか。君が余計な事を吹き込まなければ私の立場も安泰だったろうに………どうやらお礼をする機会が巡ってきれてくれたようだね。」
そして銀に気付いたアーネストは不敵な笑みを浮かべた後、銀を睨み
「我が存在は影………人の身で騙るは叶わぬと知れ。たとえ魔性に墜ちようともな。」
睨まれた銀は静かに呟き
「クク………言ってくれる。」
銀の言葉を聞いたアーネストは不気味な笑みを浮かべていた。
「………どうやらあなたが、魔獣や悪魔を率いていたようですね。」
「それ以前に、どうしてあなたがこんな場所にいる!?拘置所にいるはずのあなたが!?」
不気味な笑みを浮かべているアーネストをティオは真剣な表情で睨んで呟き、ロイドは睨みながら叫んだ。
「クク、拘置所か………あの建物なら、この病院と同じく既に”我等”の手に落ちている。」
「なに……!?」
「拘置所の警備はベルガード門の警備隊が担当しているはずだ………そんな場所をマフィアが襲ったってのか!?」
不気味な笑みを浮かべて語るアーネストの話を聞いたロイドは驚き、ランディはアーネストを睨んで尋ねた。
「フフ………そういう訳ではないんだが。ちなみにルバーチェごときを我等と同じに見ないでくれたまえ。彼らは単なる傀儡さ。我等の計画を成就するためのね。」
「やはりそうか………”グノーシス”を服用した者を何らかの方法で操っているんだな?」
「フフ、その通り……………全ては偉大なる我等が”同志”の計画によるもの。大いなる儀式を遂行するための”駒”に過ぎないというわけさ!」
「偉大なる同志…………」
「”D∴G教団”の残党にしてマフィアの背後に潜んでいた人物……つまり――――この部屋の主というわけか。」
不敵な笑みを浮かべて語るアーネストの話を聞いたエリィは真剣な表情で呟き、ロイドはアーネストを睨みながら言った。するとその時
「ククク………ハハハハハハハッ………!!」
アーネストは不気味な笑みを浮かべて大声で笑った後、身体中にすざましい瘴気を纏って剣を構え、さらに自分の周囲には装甲を纏った軍用犬達を現した!
「なっ………」
「この鬼気は………!」
「上位三属性の気配……!?」
「まさか完全に”魔人”となったのですか………!?」
アーネストからさらけ出されている瘴気を見たロイド、銀、ティオ、ティアは驚いた。
「――――それを確かめたければ私を退けてみるがいい………”同志”の導きによって”真なる叡智”に至った私をなァ………!」
そしてアーネストが不敵な笑みを浮かべて呟いたその時!
「―――下らん。”その程度”でそんな戯言をほざくか、小物が。――――エクリア!」
「はい、リウイ様!」
不愉快そうな表情で呟いたリウイがエクリアに呼びかけた後、一瞬でアーネスト達を挟み撃ちにした!
「なっ………!?」
挟み撃ちにされたアーネストは驚き
「「ハァァァァァァ…………!!」」
「グアアアアアアアアアア―――――――――ッ!?」
リウイとエクリアが放つ膨大な魔力や闘気、そして神気が籠った剣撃の嵐をその身に受けて全身から血を噴出させ
「「姫神乱舞!!」」
「ガアアアアアアアアアアア――――――――ッ!?」
リウイとエクリアの協力技によって起こった爆発の連鎖に呑みこまれ、さらにそこから光と闇の柱が上がり、それらを全て受けたアーネストは全身ボロボロの状態で膝をつき、軍用犬達は消滅していた………!
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