英雄伝説~光と闇の軌跡~(零篇)
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第94話
悪魔や不死者、幽霊の軍勢に対し、ロイド達はわずかな数で挑まないといけないという本来なら絶望的な状況であったが、実際はその逆であった。
~夜・ウルスラ病院~
「燃え尽きろ!フレインバル!!」
「グギャアアアアアアアアッ!?」
リウイが放った炎の魔法剣によって多くの不死者や幽霊達が焼き払われ
「遅いっ!冷却剣舞!!」
「ガッ!?………」
エクリアが連接剣に氷の魔力を纏わせて剣舞を放つ魔法剣技―――冷却剣舞をその身に受けた悪魔達は一撃で滅されるか凍結し
「光よ、降り注げ!爆裂光弾!!」
「魔王ケシェスよ………我が呼びかけに応え、我等に仇名す者達を焼き払え!ケシェスの聖炎!!」
「オオオオオオオオオオオ―――――ッ!?」
イリーナとペテレーネが放った魔術によって多くの悪魔や不死者達が断末魔を上げながら消滅し
「荒ぶる神の神槍よ、今ここに!ラグナドリオン!!」
「氷の魔王よ、その息吹にて全ての命に永遠の眠りを!エンドオブワールド!!」
「全てを呑みこめっ!リーンカルナシオン!!」
「覇王竜よ………今こそ戦場に来たりて戦場を焼き尽くせ!ロードインフェルノ!!」
「グガアアアアアアアアアアア―――――ッ!?」
さらに攻撃前に駆動させていたオーブメントで最高威力を秘めるアーツを発動したリウイ達の攻撃によって、大量の敵達が滅された!リウイ達の怒涛の攻撃によって多くの敵達は滅されたが、それでも敵の数は多く、リウイやエクリアの横を通り抜けてセシル達に攻撃しようとした敵達がいたが
「させるか!スタンブレイク!!」
「ハァァァァァ………パワースマッシュ!!」
ロイドとランディが放ったクラフトによって足を止められ
「そこよ!シュート!!」
「デミガンナー起動………トールサンダー!!」
エリィとティオが放った銃弾によって止めを刺され
「砕け散れっ!!爆雷符!!」
さらに銀が放ったクラフト―――崩月輪によって身体を真っ二つにされたり、その後すぐに放った符によって消滅する敵達もいた!
「みんな、頑張って!銀耀よ…………戦場に向かう者達に加護を!ゾディアック!!」
一方ティアが強力な結界を展開をし始めた為、自分の手が空いたセシルは結界の中でオーブメントを駆動させてリウイやロイド達にアーツによる身体能力の向上を付与させた!
「セ、セシル姉!?」
「嘘…………セシルさん、オーブメントを持っていたんですか!?」
セシルの行動に気付いたロイドは驚き、エリィは信じられない表情でセシルが持つオーブメントを見つめ
「イーリュンの信徒である私は攻撃はできないけれど、みんなの援護ぐらいはできるわ!水の壁よ、今ここに!アクアミラージュ!!」
セシルは答えた後、オーブメントを再び駆動させて最前線で戦うリウイにアーツによる水の防護壁を付与し
「イーリュンよ………戦場に向かう者達にご加護を!アルテミスの祝福!!エニグマ駆動………!」
さらに強く祈りを捧げた後、魔術を発動してリウイ達の身体能力を大幅に上げ、そして再びオーブメントを駆動させ
「金耀よ……彼の者達に汝の祝福を!フォルトゥナ!!」
魔法能力を上昇させるアーツを魔術の詠唱をしているイリーナとペテレーネに放って、2人の魔法能力を上昇させた!
「聖なる光よ……邪を焼き払え!贖罪の聖炎!!」
そしてセシルのアーツによって魔法能力上昇付与の効果がついたイリーナは光の高位魔術で一撃で亡霊や不死者達を浄化させ
「大いなる闇よ………今ここにっ!ティルワンの死磔!!」
ペテレーネは闇の高位魔術で一撃で悪魔達を滅した!
「風よ!ウィンディング!!」
さらにリウイは暴風が宿った魔法剣で敵達を滅したり吹き飛ばし
「セアッ!!」
クラフト―――フェヒテンケニヒで襲い掛かって来た悪魔の頭を消滅させて滅し
「オォォォォォォ………!!」
紅き魔剣を振るって、襲い掛かって来る敵達を次々と一撃で斬り伏せた!リウイを脅威に思ったのか、敵達はリウイを包囲して一斉に襲いかかったが
「我が血に眠る優しき”母”の力……思い知るがいい!ブライトロア!!」
「グギャアアアアアアアア―――――ッ!?」
リウイが放ったクラフト―――ブライトロアによって一瞬で滅した!
「ハァァァァァ………!」
一方エクリアは連接剣を巧みに振るって、次々と敵達を斬殺し
「させない!!」
魔術の詠唱をしていた敵に気付くとクラフト――――連接剣伸長を放って敵の身体の真ん中に巨大な風穴をあけて滅し
「魔力放出!ユン=ステリナル!!」
「グガアアアアアアアアア――――ッ!?」
最高位の冷却魔術を放って、多くの敵達を薙ぎ払った!リウイ達の猛攻により魔物の軍勢は一気に数を減らしていたが、いくつもの瘴気を纏った渦から次々と新手が現れた!
「”魔物の渦”か!―――ならば渦ごと滅してくれる!ペテレーネ、エクリア!2つの渦はお前達に任せる!――――イリーナ!」
それを見たリウイはペテレーネ達に指示をした後、イリーナに呼びかけ
「はい、あなた!」
呼びかけられたイリーナは頷いた後
「「ロイヤルブラスト!!」」
膨大な光の魔力を纏った協力技を放って瘴気を纏った渦ごと滅し
「アーライナ様!今こそ私に力を!ルナ=アーライナ!!」
ペテレーネは膨大な暗黒の奔流を放って、瘴気を纏った渦を消滅させ
「最高の位置!ルン=アウエラ!!」
エクリアは病院中を轟かせるような轟音を立てる大爆発を渦を中心とした場所に放って、消滅させた!
「………………!」
「あれだけいた悪魔達が一瞬で……………」
「なんつー力だよ……俺達とはあまりにも”格”が違いすぎんだろ………………」
「フフ…………もはや一人一人兵器をも超える力だな………」
リウイ達の戦闘を見ていたロイドは目を見開いて絶句して口をパクパクさせ、エリィは呆けた表情で呟き、ランディは驚いた後疲れた表情で溜息を吐き、銀は不敵な笑みを浮かべて呟き
(…………これが噂の”覇王”達の力………どうやら彼らは”英雄の器”を持つ者達の中でもさらに選ばれた”器”を持つ者達のようね………)
(おおおおおおおおおおおっ!?なんて力だっ!くかかかかかかっ!)
(あっはははははっ!いいね、いいね!最高だったよ、今の戦闘!)
ルファディエルは真剣な表情で呟いた後考え込み、ギレゼルは興奮し、エルンストは大声で笑っていた。
「………無事か、セシル。」
そして紅き魔剣――――『エドラム』を鞘に収めたリウイはセシルに近づいて話しかけ
「はい………!ありがとう、リウイさん………!ロイドやみんなも助けに来てくれてありがとう………!何てお礼を言ったらいいのか。」
話しかけられたセシルは微笑みながら答えた後、ロイド達に視線を向け
「いやいや!お礼なんて水臭いッスよ!つーか、俺達はほとんど何もしてないようなもんですし………」
「ご無事で何よりです……」
「…………間に合ってよかったです。」
「…………………………」
視線を向けられたランディは笑顔で答えた後苦笑し、エリィとティオは安堵の溜息を吐き、銀は黙り込んでいた。
「本当に………無事でよかった。セシル姉に何かあったら俺、兄貴に何て詫びたらいいのか……………リウイ陛下………セシル姉を助けてくれてありがとうございます……」
「………………………………」
一方ロイドは安堵の表情で呟いた後、リウイに振り向いて頭を下げ、ロイドに頭を下げられたリウイは黙ってロイドを見つめ続け
「ロイド……………」
ロイドの言葉と行動にセシルは驚きの表情で見つめ続けていた。
「コホッ、コホコホッ………」
するとその時セシルの傍にいた男の子が咳をしていた。
「だ、大丈夫か………!?」
それを見たロイドは心配し
「発作が出ちゃったのね……………ミハイル君、部屋に戻ってお薬を飲みましょう。」
セシルは静かな表情で答えた後、男の子に優しい口調で話しかけ
「う、うんっ…………コホコホ………ごめんね、セシルお姉ちゃん……ボクがわがまま言わなかったらこんなことに……コホコホッ……」
話しかけられた男の子は咳をしながらセシルに謝り
「大丈夫、大丈夫だからね…………」
謝られたセシルは優しげな表情で頭を撫でていた。
「セシル姉、俺が運ぶよ。」
「とっとと中に運ぶとするか。」
その後ロイド達は男の子を病室に運んで、セシルが男の子に薬を呑ませて、安静にさせて男の子が眠りはじめると、セシルはロイド達から事情を聞いた………
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