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歌集「春雪花」

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 言葉なく

  心も見えず

    悲しみを

 堪え更けにし

   夜を眺めたり



 彼からの言葉なんてなく…心は知りようもない…。

 けれど、私を愛してはくれないことは…分かっている…。

 寂しく…悲しく…そんな自分の心に堪えながら、更けてゆく夜の闇を眺める…。

 いっそのこと…全てが夜の闇のようであれば…何も悩まずにいれるものを…。

 何も見ずにいれるものを…。



 静かなれど

  心さざめき

    想い悩む

 虚しき露の

   朝ぼらけかな



 静かに過ぎ行く夜…だが、心は彼を想い苦悩して…静まることを知らない…。

 彼に私は必要ない…そんなことは端から知っていても諦め切れず…自問自答を繰り返す…。

 そんな無意味なことをしているうちに、夜は去り行き…朝になってしまった…。

 彼を想う…虚しい梅雨の雨のそぼ降る朝明け…。



 
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