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オズのボタン=ブライト

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第六幕その十一

「これからね」
「うん、そうしよう」
「さて、ボタンよいか?」
 王様がボタンに声をかけます。
「起きて帰るぞ」
「あれっ、その声は」
「わしじゃよ」
 寝ぼけ眼をこすりつつ起き上がるボタンにまた言いました。
「御前さんはまた寝ておったのじゃ」
「そうだったんだ」
「左様、では帰ろうぞ」
「宮殿までだね」
「そして夜も楽しもうぞ」
「それじゃあね」
「それでだけれど」
 王子がカルロスに尋ねました。
「どうしてここにいたのかは」
「わかんなーーい」
 いつも通りの返事でした。
「皆に起こしてもらったらね」
「それでだね」
「ここにいたんだ」
「そこはいつも通りだね」
「うん、とにかくだよね」
「宮殿に帰ろう」
 王子もこう言うのでした。
「これからね」
「わかったよ、じゃあね」
 こうしてでした、ボタンを見つけた皆はです。宮殿にまで帰ることにしました。そしてです。
 そのうえで、皆は帰る中ででした。
 夕陽を見てです、王様はここでもにこにことして言いました。
「奇麗じゃな」
「この夕陽もですね」
「うむ、実にな」
「王様って夕陽もですか」
「好きじゃ」
 カルロスに笑顔で答えるのでした。
「見るのがな」
「朝やお昼のお日様もですね」
「好きでな」
「それで、ですね」
「夕陽もじゃ」
 今皆で見ているそれもというのです。
「好きなのじゃ、そしてお月様もな」
「お好きですか」
「そうじゃ、太陽は時間によって変わるな」
「はい、場所も」
「それを見ているのも楽しい」
 こう言うのでした。
「お月様は日によって形が変わるが」
「それもですね」
「見ていて楽しいからのう」
「だからそちらもですね」
「好きじゃ」
「王様は月見も好きだからね」
 王子もお話します。
「満月も半月も三日月もね」
「どれもですね」
「そうなんだ」
「そしてこの夕陽も見て」
「この通り楽しんでおる」
 実際にと言う王様でした。 
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