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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1381話

 木連のバッタとの戦いよりも尚厳しく……それでいながら、天上の快楽とでも呼べる日を向かえた日の翌日。俺の姿はナデシコ世界の火星にあった。
 ……ちなみに昨夜の戦いは最終的に俺が勝ち、あやかを含む恋人達は皆が体力を限界まで消耗して今朝も起きるのが辛かったらしい。
 ただし、マリューは連合軍を地球に送る必要がある以上、魔法球の中に入ってゆっくりと休んで寝不足を解決してきたらしいが。
 そのマリューが、映像モニタの向こうで少し拗ねた様子を見せている。

『じゃあ、アクセル。私はそろそろ行くわね。アクセルもあまり木連で問題を起こさないようにしなさいね』
「問題ってな。いやまぁ、俺がトラブルに巻き込まれやすいのは否定しないが」

 マリューへとそう言葉を返すと、ようやく機嫌を直したのだろう。小さく笑みを浮かべて口を開く。

『実際アクセルは今まで多くのトラブルに巻き込まれてきたものね。……本当に気をつけてよ?』
「分かってる。どのみち木連での件が終われば地球のニヴルヘイムに戻るんだから、そこまで心配するなって」
『……まぁ、アクセル自身の事は何も心配してないんだけど。寧ろ、アクセルを心配しても全く意味がないというのは、骨身に染みて分かっているし』

 俺がどれだけの修羅場を潜り抜けてきたのかを知っているマリューだけに、俺の心配はあまりしてくれないらしい。

「そっちも気をつけろよ。今の状況で連合軍が何かしてくるとは思えないけど、それも確実じゃない。何より、連合軍やネルガル以外の存在が出てこないとも限らない」
『ふふっ、そうね。その辺は十分に気をつけるわ。でも、ニヴルヘイムにいればこの世界の兵器が全て纏まって襲ってきても何とかなりそうよね』
「それは否定しない」

 ニヴルヘイムは、ニーズヘッグと並ぶシャドウミラーの象徴の1つだ。
 当然その強さは普通の相手にどうこう出来る存在ではなく、ナデシコ世界の戦力では戦いを挑んでも何も出来ないだろう。
 それこそ砂上の楼閣……って、それだとニヴルヘイムがピンチだな。

『気をつけて』

 最後にそれだけ言葉を交わし、通信が切れる。
 そんなやり取りを見ていた美砂が、溜息を吐きながら口を開く。

「あーあ。全く、私達の前で見せつけてくれるわね。きっとニヴルヘイムの方でもあやかや千鶴がマリューに抗議してるわよ?」
「そうそう。こっちに来れば良かったーって言ってそうよね」

 円の言葉通り、現在あやかと千鶴はニヴルヘイムへと残っている。
 当然その2人だけだと何かあった時に対応出来るかどうか不明なので、レオンもニヴルヘイムに乗ってるのだが。
 結局こっちに乗っている政治班の人員はエザリアだけだが、能力的には全く問題はない。

「そう言われてもな……」
「ほら、無駄話もいい加減にしろ! アクセルも」

 言い訳を口にしようとした俺の言葉を遮るように、ナタルが告げる。
 少し前までは俺が代表という立場にある事もあって、丁寧な口調で喋ろうとしつつ、何とか普段の口調に戻すといったような事を繰り返していたんだが。
 ……考えてみれば、俺とナタルの付き合いも何だかんだと長いんだよな。しかも二転三転して。
 最初はSEED世界のヘリオポリスで、俺がアークエンジェルの傭兵として、いわゆる上司という扱いだった。
 その後アラスカでナタルがアークエンジェルから降りて、ドミニオンの艦長として実質的にアズラエルの実働部隊という事で俺達と敵対。
 ムウの頼みでドミニオンに乗り込んで、アズラエルに殺されそうになっていたナタルを救助。その後はシャドウミラーの同盟国であるオーブの軍人となってアークエンジェルの艦長として活動。
 最終的にはムウとの結婚を機にオーブの軍人を辞めてシャドウミラーの所属となり、シロガネの艦長に……まさに波瀾万丈というのは、こういう事を言うんじゃないかってくらいの流れだ。
 まぁ、波瀾万丈という意味だと俺も十分に波瀾万丈なのだが。
 ともあれ、そんなナタルの言葉に美砂と円は素早くオペレーターとしての仕事へと戻っていく。
 この辺り、既に慣れていると言ってもいい。
 既にそれなりに付き合いは長いんだから、当然だろうけど。
 以前は堅物だったナタルも、ムウと結婚したのが影響しているのか大分柔らかくなってきている。

「みなづきとの連絡はどうなっている?」

 ナタルの言葉を聞きながら、俺は視線を映像モニタへと映し出されている木連の新型試験艦のみなづきへと向ける。
 シャドウミラーが警備をしていたのだから当然だが、連合軍が何かちょっかいを掛けるような真似はなかったらしい。
 いや、元々グリューノはニヴルヘイムに乗って火星までやって来たのを考えれば、手駒がなかっただけという可能性もあるのだが。
 だが……純粋に手駒という意味なら、前もって火星に戦力を派遣しておけばいいだけだしな。
 ナデシコなら、地球から2週間で火星まで到着する。
 ナデシコを使えないとしても、戦艦だけは大量に存在するのだから。……まぁ、そんな事をすれば、確実にシャドウミラーとの敵対という未来が待ってるんだろうけど。
 シャドウミラーの力を知っている以上、そんな真似をするとは思えない。
 それをしてしまえば誤魔化しようがないしな。
 この世界にシャドウミラー、連合軍、木連以外に大きな勢力がいれば話は別だが。
 うん? いや、クリムゾングループやネルガルといった企業が戦争を長引かせて特需を得る為に……という可能性は考えられるか?
 まぁ、どのみちシャドウミラーが警戒している以上、何も出来ないというのは間違いないだろうが。
 そんな風に考えている間にみなづきとの連絡は完了したのだろう。
 ナタルが周囲の警戒をしながら指示を出していく。
 転移する際に周囲の安全を確保するってのは、非常に大事だ。
 そもそも、システムXNの場合は転移フィールドを生成する際にかなり無防備になる。
 いや、その状況でも攻撃出来ない事はないんだろうが……
 転移フィールドが光の繭である以上、こちらの行動を阻害するというのは間違いのない事実だ。
 それ故に、転移フィールドを生成する際には周囲の状況を確認する必要があった。

「よし、周囲に敵影は存在しないな? では、改めてみなづきに連絡。これよりシステムXNを展開して木星へと転移を開始する」
「了解。みなづきに通信を送るわ」

 美砂の声が周囲に響き、映像モニタにみなづきのブリッジが映し出される。
 当然そこにいるのは、木連の中でも実質的な指導者という立場の草壁だ。

「草壁中将、これよりシステムXNを使用して木星へと転移をしたいのですが、構いませんか?」
『頼みます』

 木星から火星に転移する時にも経験したからか……それとも、転移は木連にとっても重要な技術だと理解している為か。
 ともあれ、草壁はナタルの言葉に特に緊張した様子も見せず頷きを返す。
 ……ちなみに、昨夜は地球組とも短時間ではあるが会話をしたらしい。
 やるべき事があまりなかったとは言っても、こっちとしては予想外の事だった。
 いや、勿論最初からそれを狙ってはいたんだけど。
 それでもここまで上手くいくとは思ってなかった。
 ……まぁ、地球と木連の間にあった蟠りが一朝一夕でなくなるとは思わない。
 けど、今回の件が和平への第一歩となってくれればいいんだがな。
 そうして転移フィールドが消えると……既に俺達の姿は木星の近く、木連の首都とも言えるれいげつが遠くに見える場所へと転移が完了していた。

「周囲の状況は?」
「敵影なし、木連の攻撃も確認されていないわ」

 ナタルの声に円が素早く答えるが、この状況で攻撃されたりしたら、色々と面白い事になっていたよな。
 草壁を木連が追放したとか、そんな流れになっていたら……第3勢力を築き上げる事が出来たかもしれない。
 まぁ、草壁の側近と言えるのは白鳥、月臣、秋山、高杉の4人以外にも当然いて、そいつは今回俺達が火星に行っている間にも当然木連に残って行動してたんだろうし。

『アクセル代表、今回の件は色々と……そう、本当に色々と為になる時間でした』

 映像モニタに映し出された草壁が、俺の方へとそう言いながら頭を下げてくる。
 どうやら草壁も今回の一件で色々と思うところがあったらしい。
 出来ればこのまま地球との和平に向かって進んで欲しいところだが、それは難しいだろうな。
 草壁自身がそう望んでも、木連の民意がそれを許さない。
 悪の地球という言葉が示す通り、木連の中では地球=悪という認識と……いや、常識となっているのだから。
 それを覆して地球との和平を成功させるには、色々と面倒な出来事がかなり多い筈だ。
 もっとも、草壁がそれを行えば最善なのは間違いないんだが。

「そうか、そう言って貰えると助かる。木連としても、地球との和平の道を考えて欲しいところだが……」
『それは難しいでしょうね』

 だろうな。
 草壁の口から出たのは、予想通りの言葉。

『それより、こちらとしてはシャドウミラーと大々的に貿易をしたかったのですが……』
「それは無理だというのは分かってるだろ? 地球と戦争をしている状況であれば、こちらとしても一方に肩入れは出来ない。食料に関しての取引でも随分と譲歩したつもりなんだけどな」

 木星蜥蜴が地球を追放されたという件が判明する前に地球と契約を結んだ相転移エンジンの売買に関しては停止するつもりはないが、契約を結んだ分の相転移エンジンを売ったらそれ以上の契約の延長はしないつもりだ。
 そうでないと、地球に対してだけ依怙贔屓をしていると取られかねないし。
 ……ただ、売った分の相転移エンジンがあれば、ナデシコ級の戦艦は作れるだろうし、そこまでいかなくてもナデシコ級よりも戦闘力の低い相転移エンジン採用艦は大きく作れそうなんだよな。
 そうなれば、これまで一方的だった木連の攻勢もそのままという訳にはいかない。

『そうであって欲しいとは思いますな。……正直、火星についてまだ話したいことはあったのですが、その辺は次の機会に回させて貰います』
「火星に?」

 草壁の言葉に首を傾げる。
 何を言っているのか分からなかった為だ。
 いや、理由は分かる。火星というのは草壁……木連にとっては月に続く第2の故郷と呼ぶべき場所なのだろう。
 それでもここでそんな事を言ってくるというのは、全く予想外だった。
 ……もしかして、火星にはまだ何かあるのか? 俺が知らない何かが……
 そんな俺の表情を見て、草壁は一瞬だけ驚きの表情を浮かべる。
 恐らく俺も知っていると思う事を言ったつもりだったのが、無条件でこちらに情報を渡してきたという風に捉えられたといったところか。
 そんな思いを考えると、果たして草壁は何について言おうとしたんだろうな。
 だが、ここで尋ねてもそれに答える事はないだろう。
 こっちが何か譲歩すれば情報を渡すかもしれないが……そうなれば、基本的に地球と木連の戦争には不干渉の立場を取るというシャドウミラーとしては、いきなりそれを破る事になるのだから。
 それに、情報は手に入れた。
 火星にまだ何かがあると、それが分かっただけでも十分な収穫だろう。
 火星……やっぱり火星古代文明の遺産関係か?
 出来れば生産プラント辺りがあれば、こっちとしても助かるんだが。

『では、私達はこの辺で失礼します。連絡については、今朝貰った通信機を使えば、そちらと連絡を取れる……という事でよろしいのですな?』
「ああ」

 草壁の疑問に短く答える。
 ゲートシステムを使っている通信機である以上、木連からの連絡は容易にホワイトスターまで届く。
 ……火星と木星の間をタイムロスなしで会話出来るってのも、ある意味凄いよな。
 これもまたゲートの機能のおかげだ。
 草壁が映っていた映像モニタが消え、みなづきは木連の首都でもあるれいげつへと向かって進んでいく。
 みなづき、か。あの戦艦もそのうち地球との戦いに参加する事になるんだろう。
 地球がナデシコ型の戦艦を次々に開発するのに合わせて木連も戦力を充実させるという事か。
 昨夜火星の基地で行われただろう地球と木連の会談については、具体的にどんな話をしたのかは分からない。
 だがそれでも、何らかの情報をお互いに得たのは間違いない。
 それをどう使うのか……それは気にならないと言えば嘘になる。
 だが、今回の戦争に無関係である以上、情報を集めることはともかく、実際に戦争に参加するようなことはない……と思う。
 火星に攻撃を仕掛けてくれば話は別だが。
 その心配はいらない筈だ。
 地球にしろ木連にしろ、シャドウミラーの実力はこれ以上ない程に理解しているのだから。

「さて、じゃあそろそろ戻るか。今回の件で得たものを検討する必要もあるだろうしな」

 特に最後に口を滑らせた草壁の言葉。
 火星についての件をもう1度調べる必要がある。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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