オズのボタン=ブライト
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第六幕その五
「あたしだからね」
「それでよね」
「出来たのよね」
「やれやれよ」
「本当にね」
「まあ今回はあたしが一番だけれど」
少し落ち着いてです、つぎはぎ娘は言いました。
「次はわからないわね」
「次にやる遊びの時は」
「その時はなのね」
「だってあたしにも得意じゃないことはあるから」
だからというのです。
「そうしたものをする時は一番じゃないよ」
「一番になれるものとなれないものがある、じゃな」
王様はお顔の汗をジュリアに拭いてもらいながら言います。
「そういうことじゃな」
「そうよ、あたしは何でも出来るかっていうと」
「違うのう」
「そんな人いるの?」
こうも言ったつぎはぎ娘でした。
「そもそも」
「まずいないわね」
オズマがつぎはぎ娘に答えます。
「それこそね」
「オズマでもよね」
「何でも出来るのは神様よ」
「オズマも神様じゃないから」
「そう、不得意なものはあるわ」
オズの国の国家元首でしかも魔法も使えるこの娘でもです。
「色々とね」
「出来ないこともよね」
「あるわよ」
「そういうことよね」
「だからそうしたことはね」
「わかっておくのね」
「得意不得意はあって」
そしてというのです。
「出来ないこともね」
「あるのね」
「そう、人はね」
「あたしも身体はこうだけれどね」
「人でしょ」
「心が人間だからだよね」
「皆人なのよ」
綿の身体でもというのです。
「だから得意不得意もなのね」
「あるのよ、だからアスレチックが得意でも苦手でもね」
「それでもなのね」
「いいのよ、けれど一番になったことはね」
そのこと自体はというのです。
「素直に喜んでいいわ」
「そうしたことを楽しんでもいいのね」
「楽しみ方はそれぞれだから」
「アスレチックをすること自体も一番になることも」
「どうした楽しみ方でもいいのよ」
「そういうことね」
「そう、とにかく皆もう終わったわね」
「わしが最後だったかのう」
王様はもう汗を拭き終えて満足したお顔になっています。
「そういえば」
「ボタンはどうしました?」
王子は王様に彼のことを尋ねました。
「王様と一緒でしたか?」
「僕はここだよ」
ここでボタンの声がしてきました、見ればです。
王様の横にです、ボタンがしっかりといます。汗はジュリアが手渡したタオルでしっかりと拭いています。
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