デュエル・マスターズ~龍を使役する少年の物語~
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第5話:ドラゴンを超えたドラゴンっ!? 燃える革命 ドキラゴンっ!!
前書き
ついにライバル対決、決着!
それでは第5話どうぞ!
―――終わった。
モルトと龍牙の対決を見て生徒達は心の中でそう思った。
だが、モルトは諦めていなかった。
何故なら二人の対決を見ていた少年―――日伍 勝がいたからだ。
一方勝は『モルトは龍牙に負ける』と生徒達と同じ気持ちでいたが、モルトが未だに諦めていないことに気づいていた。
対するモルトは勝がいつからいたのか?最初はいなかった筈だ?そもそも見ていたのか?等と、疑問に思い考えるもそこで思考を制止させ、バトルゾーンを見る。
龍牙のバトルゾーンにはタップ状態の《極・魔壊王 デスゴロス》、《呪英雄 ウラミハデス》とアンタップ状態の《西部人形ザビ・バレル》の3体。シールドは2枚。手札は1枚。マナは7枚。
対するモルトのバトルゾーンは何もなし。シールドは2枚。手札は《ドキラゴン・エントリー》、《デュアルショック・ドラゴン》、《永久のリュウセイ・カイザー》の3枚。マナは5枚。
状況から見れば、モルトの方が不利だが、この状況を打開する策をモルトは知っている。
問題なのは、それを引き当てることができるのか、だ。
(……引けるのか?俺に?)
―――否、引くんだッ!そう心に叫び、右手をゆっくり山札の上に置く。
「このドローは激しく重い!だが、俺は引くッ!例えこの指がピッチリ、折れようともなッ!いくぜ!俺の熱血、デュエ魂!ドロドロドロドロドロドロ、ドロォォォッ!」
勢いよく引くと、そこに現れたのは正しく一発逆転の“切り札”―――
「来たぜ!オレの切り札!勝ったァァァ!」
―――ドラゴンを超えたドラゴン、《燃える革命 ドキラゴン》。
「呪文、《ドキラゴン・エントリー》!」
モルトはマナチャージせず、《ドキラゴン》を呼び出す呪文、《ドキラゴン・エントリー》を発動。
その能力は自分のシールドを1枚手札に加える能力と火のコスト7以下のコマンド・ドラゴンを1体、手札からバトルゾーンに出す能力の二つ。
またに、《ドキラゴン》を呼び出す為の呪文である。
「その能力で自分のシールドを1枚、手札に加えるッ!」
自分のシールドを1枚、手札に加えるモルト。だが、手札に加えたカードを直接墓地に置いた。
『なッ!?』
それを見た生徒達は驚く。何故加えたカードを墓地に置いたのか?
その理由は―――
「“S(ストライク)・バック”!《デュアルショック・ドラゴン》をバトルゾーンに!」
―――手札にいる《デュアルショック・ドラゴン》の能力―――“S・バック”を発動する為だからだ。
「《デュアルショック》の登場時効果!自分のシールドを1枚、墓地へ!」
次に《デュアルショック・ドラゴン》の能力で今度はシールドを直接墓地に置く。
(この流れ……まさか!?)
モルトのその行動に龍牙はすぐに理解した。
「自分のシールドを墓地に!?」
「一体何をするつもりなんだ!?」
対する生徒達はモルトのその言葉に驚いていた。
「まだだ!《ドキラゴン・エントリー》のもう一つの能力!手札から火のコスト7以下のコマンド・ドラゴンを1体バトルゾーンに呼び出せるッ!」
そこまで言うと、先程引き当てた《ドキラゴン》のカードを右手に持ち、上に揚げる。
「ドラゴンを超えたドラゴンよ!今こそ、オレのもとに現れよ!《デュアルショック・ドラゴン》を《燃える革命 ドキラゴン》に進化ッ!」
勢いよく《燃える革命 ドキラゴン》を《デュアルショック・ドラゴン》の上に重ねる。
「あ、あれは…!?」
「れ、レジェンドカードッ!?」
「しかも、《ドキラゴン》って…!?」
それを見た拓斗、拓真、勝の順に三人は驚いてしまった。
「これがオレの切り札、《燃える革命 ドキラゴン》だッ!」
(やはり来たか…!)
モルトの切り札が現れたことに龍牙は驚くも、すぐに見構える。
「ドキラゴンで、龍牙のデスゴロスに攻撃ッ!」
モルトの指示にドキラゴンは駆け出し、巨大な剣をデスゴロスに攻撃するが、デスゴロスはそれを巨大な鎌で防ぎ払い除ける。
そして、ドキラゴンの後ろに回り鎌を振り下ろすもドキラゴンはデスゴロスの攻撃が来る前に尻尾を使ってデスゴロスの腹部に攻撃し、吹き飛ばす。
吹き飛ばされたデスゴロスの後を追い、そのまま右斜め上から左斜め下に剣を振り下ろし、破壊する。
「龍回避!」
だが、デスゴロスはただでは死なず、もとのフォートレスに裏返す。
これでモルトの攻撃は終わった。誰もがそう思った中、その予想は大きく裏切られるのだった。
「“革命0”発動!―――ドキラゴンをアンタップ!」
何と、タップされた筈のドキラゴンがアンタップされた。その理由はドキラゴンの持つ能力―――“革命0”が原因だった。
革命0、これはドキラゴンを始め、革命軍のレジェンドだけが持つ能力。
その能力は文明によって、それぞれ能力が異なるが、一言で言えば、自分のシールドが0枚の時、〝状況をひっくり返す力〟なのだ。
特に、このドキラゴンの場合、ドキラゴンよりパワーの高いクリーチャー、もしくはS・トリガーが出ない限りドキラゴンは何度でも攻撃できるのだ。
「今度は《ウラミハデス》に攻撃ッ!」
「くッ…!」
ドキラゴンの攻撃にウラミハデスは倒され、そのまま墓地に。
「ドキラゴンでシールドブレイクッ!」
そして、ドキラゴンはまたアンタップし、今度は龍牙のシールドに攻撃。
それを見た龍牙はブロッカーのザビ・バレルでブロックせず、あえてシールドで受ける。
(S・トリガーさえ来れば、まだ俺にも勝機がある!)
その理由はS・トリガーで逆転を狙うことだった。
―――だがしかし、2枚のシールドの中にはS・トリガーがなかった。
「………トリガーはない…」
それを聞いたモルトはいつも間にかアンタップしていたドキラゴンをタップする。
「ドキラゴンで、龍牙にダイレクトアタック!」
モルトの指示にドキラゴンは龍牙に近寄り、前方の巨大な右足を龍牙に叩きのめす。
「一発逆転、大勝利ッ!」
龍牙に勝利したことにモルトはそう叫ぶのであった。
それと同時に昼休み終了のチャイムが鳴った。
それから時間は経過し、現在放課後。
「勝!」
「ん?」
突然勝の後ろからモルトが自身に声を掛けた。
「何ですか?紅蓮さん」
「……見たよな…」
「えッ?」
「オレと龍牙のデュエマ、見たよな!」
「え、ええ…」
モルトの突然な叫びに勝は少し後退りそう答える。
「なら、オレをデュエマ部に入れてくれ!」
「嫌です」
「何で!?」
「『何で』って、あんなバクチじみたデュエマ、僕は認めませんッ…!」
「な、何だと!?」
勝のその言葉にモルトは怒りに近い感情を露にだし、勝の顔に近寄り睨み付ける。
それを見た勝はモルトに睨み返す。
「そこまでにしろ、二人共」
それを遠くから見ていた龍牙は二人の間に入る。
「止めるな、龍牙!これは男と男の話し合いだ!」
「話し合いなら、もう少し場所を考えろ」
「そうですよ」
突如龍牙の後ろから拓真と拓斗、そしてアイラの三人が現れ、拓真は龍牙の言葉に肯定する。
「拓真に拓斗?それに白井さん!?」
「お前ら、どうしてここに?」
突然現れた三人に勝とモルトの二人は三人に問い掛ける。
「まぁ、色々ありまして。とりあえず、今はスルーして下さい」
だが、代表として拓真が二人の質問にはぐらかし、無理矢理話の話題を変える。
「それよりも紅蓮さん」
「ん?何だ?」
「俺達の部活に入りたいんですよね?」
「え、あ、あぁ」
「それなら俺に良い考えがあります」
「良い考え…?」
一体何だろうと、疑問に思いモルトは拓真に問い掛けながら期待を高まらせていた。
―――次の瞬間、
「―――――勝とデュエマすることです」
「……えッ!?」
拓真の意外な言葉にモルトは驚いてしまった。
後書き
はい。今回はここまで。
結果はモルトの勝利!
次回は勝とモルトのデュエマ回。
と、その前にとある少年の話を少し書きます。
誤字脱字、ご意見、ご感想、表現のミス等よろしくお願いします。
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