世界をめぐる、銀白の翼
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
ディケイド ~新たな旅、コンプリート~
「士、調べるってどうすんだよ」
「手始めに、あいつだ」
先ほどの戦闘の後。
その場を後にしたダークキバの変身者・紅音也を追ってきた蒔風と士。
その士が指差した方に、紅音也が立っていた。
「あいつが?」
「ああ、さっきのライダーだ。おい!結局、この世界は救われてなかったのか?」
士の言葉に足を止め、音也が振り返り答えた。
「ん?あはははははは!!lこの世界は救われる必要などない!!」
「どういうことだ?おい!!」
「なるほど・・・そういうことか。わかったぞ士」
蒔風が前に出て言い放った
「つまり、この形でこの世界は正常、ということだな?これがこの世界のあるべき形。そうだな?」
「な・・じゃあここはやはり、ナツミカンの世界じゃない!?」
「となると・・・夏海さんが危ない!?」
蒔風と士が駆けだそうとする。
その背中に音也が叫んだ。
「お前は!!この世界にふさわしい!お前はいずれこの世界の宝を受け継ぐことになるだろう」
その言葉に士が足を止め、反論する。
「気に入らないな。人の人生勝手に決めんな!!行くぞ、蒔風」
「おう」
その場に音也を置いて、二人が駆けだした。
その姿を見て、音也が笑う。
歓喜と狂気が程よく混ざった声が響いた。
----------------------------------------------------
士と蒔風が駆けだしてすぐ、二人の目の前に一人の男が現れた。
「お前・・・」
「やあ士。それにしても間違ってるよな、あの男。お宝を受け継ぐなら、この僕しかいないのに」
「海東・・・」
この青年は海東大樹。
仮面ライダーディエンドに変身し、士たちと同じように世界を回っている。
彼の各世界での目的はその世界のお宝を手に入れること。
今までの世界でも様々なものをいただいてきている。
まさに「怪盗」海東大樹だ。
「あんたがディエンドか?」
「・・・君がこの世界にやってきた翼人って奴かい?」
「翼人?なんだそれは」
「あとで説明してやる。知ってんのか?光栄だね」
蒔風がわざとらしく大きな態度をとって接する。
「君もたいしたお宝を持ってるみたいだけど、それはあとででもいい」
「盗れるかな?」
「それが僕の目的だからね」
蒔風と海東がお互いに挑戦的な目でお互いの目を見る。
その顔は楽しんでいるようにうっすらと笑っている。
「そんなことは今はいい。海東、この世界はなんだ?」
「なんだ士、知らなかったのかい?ここはネガの世界さ」
「ネガの・・・世界?」
海東が言葉を進める。
「そう、写真にポジとネガがあるように、世界にも裏と表の世界があるんだ。ここはその世界さ」
「つまりは一種のパラレルワールドってことか?」
「そうだね。さすがに理解が早い」
「そりゃもう」
「ええい、話を逸らすなお前ら!!」
勝手に二人でバチバチ言わしてるのに業を煮やし士が叫んだ。
「とにかく、ここはナツミカンの世界じゃないことは確かなんだな?」
「そう。この世界ではライダー・・・といってもダークライダーが怪人たちを統率しているんだ」
「オレが狙われたのはそういうことか」
「そういうことさ」
「そういえば蒔風、ユウスケはどうした?」
士が蒔風にユウスケの事を聞く。
「ああ、あの見合い相手がバケモンになってな。それで逃げる途中に分かれたんだが・・・・あいつはライダーだから大丈夫だろ。ダークライダーじゃなくても、ライダーならギリギリセーフみたいらしいし」
「それもそうだな」
三人は薄情にもユウスケを思考の外に押しやった。
大丈夫だと信頼してると言ってもいいのだが・・・・・
---------------------------------------------------------------------
一方夏海はと言うと、いまだに森の中で「千夏」を待っていた
一応士にも電話をかけてみたのだが、何かあったのか出てくれない
そこに三人の男性が現れる。
青柳、佐藤、坂田という名の彼らは、夏海の同級生「TGクラブ」の仲間だ。
彼らこそさっきまで士と戦闘を繰り広げたライダーたちだったのだが、彼女はそんなことは露とも知らない。
「千夏さん、もうすぐ来るそうですよ」
「本当ですか!?楽しみだなぁ~」
「久しぶりだもんな」
「そうだ!あのときみんなで埋めた宝物、見に行ってみません?」
あのとき、とは「TGクラブ」が解散した時のことだ。
つまりは未来に向けたタイムカプセルだ。
「あ・・・あそこは・・・」
「え?」
「コンクリ敷き詰められて、マンションの駐車場になってんだ」
「でも大丈夫です。千夏さんがどこかに「宝」を隠していますから」
「じゃあ、早く千夏に合わないとですね!」
「ええ・・・・本当に。どこに隠したんでしょうね・・・・「宝物」」
千夏から連絡があるまで、夏海は久々の町を歩いてみることにした。
(町もみ~んな元通り。これで千夏が揃えば~~♪)
「夏海さん!!」
「おい、ナツミカン!!」
そこに蒔風と士が夏海を見つけて駆け寄ってきた。
「どうしたんですか?二人とも。ユウスケは?」
夏海がユウスケのことを案じるが、二人にその気はない。
全くない。
「夏海、この世界は危険だ。ここはお前の世界じゃない」
「さっき怪人にも襲われた。写真館に戻るんだ」
士と蒔風がやいのやいのと夏海に言うが、本人は不服そうな顔をする。
無理もない。
久々に帰ってきた世界に、久々の友人たち。
それらを否定されて、いい気分ではいられないだろう。
「やめてください!ここは私の世界です。絶対にそうです!!」
「夏海!!」「夏海さん!!」
夏海が駆けだしていってしまい、士と蒔風はその場に立ち尽くしてしまう。
(酷いです・・・せっかく帰ってこれたのに・・・蒔風さんはあったばかりなのに馴れ馴れしいですし、士君も)
ドスッ!!
しっかり前を向いてなかったので、夏海が誰かにぶつかってしまった。
「す、すみません!!」
夏海が謝るが、ぶつかった女性は不機嫌な顔をして睨んできた。
「なに?あんた。人間のくせに」
ブーーーン
「!!!!!そんな・・・そんな!!!」
目の前で女性の顔がトンボのように変わり、怪人になってしまう。
その光景から逃げ出すように夏海は元の秘密基地まで戻ってきていた。
「そ・・・そうです。みんな!みんなは!?千夏!!」
夏海が仲間を探しだす。
彼らだけが、この世界が彼女の世界であるという証明だからだ。
みんなの記憶は確かに本物だ。
だからここは私の世界だ、と。
ガサガサガサ!!!
背後で何かがうごめく音がした。
それが千夏だと思い、夏海は音のほうに向かい覗いた。
だが、そこにいたのは
「え?・・・・そんな・・・・」
「落ち着いて聞いて。ここはあなたの世界じゃないわ」
そこにいたのは自分と同じ顔をした「光夏海」だった。
------------------------------------------------------------
「・・・ということなの。ここはネガの世界。あなたの世界じゃない」
この世界の夏海(以後、ネガ夏海)が説明を終えた。
夏海はそれを聞いて愕然としていた。
「で、でも、みんなの思い出は同じでした!!」
「思い出はある。でも、それだけ。彼らは知ってるだけなの」
「嘘・・・・嘘です!」
「彼らはダークライダーなの。殺したみんなの姿をとってるだけの偽物よ」
「そんな・・・じゃあ千夏は?千夏はどうしたんですか!!」
「千夏は・・・死んだわ。奴らから、宝を盗んで」
「嘘です!!そんなことありえません!!」
「じゃあ私の存在はどうなの?ここは危険なの。早く逃げなさい!!!」
「夏海!!そいつから離れろ!!」
そこに同級生三人が走ってきた。
ネガ夏海が止めるが、夏海がそちらに駆けて行ってしまう。
「みんな!!」
「夏海・・・フン!!」
グイッ、と佐藤の顔が醜悪なそれに代わり、夏海の腕を捻りあげた。
「佐藤君!?なんで・・・」
「お前は餌だったんだよ。こいつをおびき寄せるための、な」
青柳がネガ夏海を指さしてバカにしたように言った。
さらに言葉と続ける。
「さあ、我々から盗んだ宝を返してもらおうか」
「・・・・・・・・・」
ネガ夏海が悔しそうに俯く。
人質を取られては、案内するしかなかった。
---------------------------------------------------
やってきたのは土管が大量に、あちらこちらに積まれている土石場。
ここの電信柱の下の砂利の中に、「宝」は埋められていた。
ネガ夏海がそれを差し出す。
するとどこからともなく現れた音也がそれを奪うように取り上げた。
「んーーー。これで我々の宝が戻ってきたぞ・・・そしてこれを受け継ぐのは・・・・出て来い!!士!!」
その声に応じて土管の陰から士が出てきた。
その顔は厳しく険しい。
「士君・・・」
「これはお前のものだ、士。お前は最高のライダーとしてこの世界に生きるがいい。お前は、影の世界の住人だ」
「なるほど・・・いろいろと楽しかったけどな・・・・」
士がその先を言う前に、周囲を紙飛行機が飛んできた。
皆の視線がそちらに奪われる。
その隙を突き、海東が音也の手から「宝」をかすめ取っていった。
「へぇ~。これはたいしたお宝だ」
「宝」を見まわし、感心の声をあげる海東。
周囲から向けられる敵意の眼差しなど、気にも留めてない。
「貴様・・・・変身!」
音也がダークキバに変身し、海東に迫る。
それに合わせて海東も変身する。
ガシュウ、ガチィ
カードをディエンドライバーに装填し、
[Kamen Ride---]
その銃口を上に向けて
「変身!!」
引き金を引く
[DIEND!!]
幾重にも影が海東を覆い、仮面ライダーディエンドに変身した。
さらに夏海をとらえていた三人も、彼女を放りだし、変身する。
「(ウィン)変身」
「(000、standing by)変身」
「(バッ)変身」
ガシュゥウウ・・・・
そこにダークカブト、オーガ、リュウガのダークライダーが現れる。
「手加減なしだ」
「「「オオオオオオオオオ!!!!」」」
音也の言葉を合図に、三人が一斉にディエンドに駆け出す。
その様子を士が流した目で見る。
交戦するディエンドだが、さすがに三人相手に対応しきれるはずもない。
徐々に押されていく。
「海東君。手助けはどうかにゃ~~~?」
「「「「!?」」」」
そこに声が響く。
一瞬にして四人の間を駆け抜け、ダークライダーの三人の装甲から火花が散る。
そしてそこに立つのは・・・・
「こりゃすげえな。確かに宝だ。でももっと神秘的なものかと思ってたからにゃー」
「君は・・・蒔風!!」
「相手になろうか?み~~んなまとめてでもいいぞ?」
「なめるな!!」
蒔風に三人が向かう。
その背中にディエンドが弾丸を放った。
「僕を・・・無視するな!!!」
ドンドンドンドン!!!
ディエンドがさらに弾丸を放ちながら戦闘に飛びこむ。
「士!!」
蒔風が戦闘の合間に「宝」を投げる。
ディエンドがそれを妨害しようと「宝」に向かって撃つ。
軌道が逸れ、「宝」は夏海のほうへと転がっていった。
それを拾った夏海を庇うように、士がそこに近づいた。
「この世界で生きろ士。お前の旅は終わったんだ」
思わず夏海のほうへ向かった士に、こちらの世界にくるよう音也が誘う。
お前は表の世界じゃなく、裏の世界にいるべきだと。
「どうだ?このネガの世界なら何でも好きなものを与えよう!!あらゆる快楽を、幸福を!!」
その素晴らしい誘い。
きっと多くの人間ならそちらを選んでしまうかもしれない。
だが、ここにいる男は、そんなものに縋るほど弱くはない
「違うな」
断固とした決意で士が言った。
「人は誰でも、自分の居るべき世界を探している。そこは偽りのない、陽のあたる場所そこに行くために人は旅を続ける。そして旅を恐れない!!そうだよな・・・ナツミカン」
「士君・・・」
士は言ったのだ。
自分の世界は自分で見つける。
こんな上っ面な世界じゃない、本当の自分の世界を見つけ出すと。
「その旅を穢したり、利用したりする権利は誰にもない!!」
「士・・・・」
戦いながら蒔風もその言葉を聞いていた。
彼らの旅は世界を探す旅。
しかし、蒔風の世界はすでに崩壊寸前。
帰ることなどできない。
だが・・・・
蒔風が士に近寄り、問いかけた。
「見つけられるかな・・・オレの、帰る場所」
「見つかるさ。そのために世界を回ってるんだ!!」
「ありがとう・・・・少し・・・救われた」
士と蒔風が互いに見つめ合う。
そこに一つの絆が生まれた。
自覚しなくても、彼らは仲間となる。
「貴様は・・・何者だ?」
ダークキバの問いに士が答える。
今までも言ってきたその言葉。
自分の世界を見つけるまで、何度でも言い続ける!!!
「やはりオレは・・・通りすがりの仮面ライダーだ!!」
「と、ただの世界最強さ」
「覚えておけ!!変身!!!!」
[Kamen Ride---DECADE!!]
「ってか、蒔風!!オレの台詞に割り込むな!!」
「いーじゃんいーじゃん。ほら、カードが」
ファアアン・・・・
失われていたカードが蘇り、新たなカードが現れた。
「準備はいいな?」
「ああ、いくぞ!!」
ディエンドの相手を呼び寄せた怪人に任せ、三人のダークライダーが二人に迫る。
「おらおら!!こっちだこっち!!カブトムシにドラゴン野郎が!!」
蒔風の挑発にダークカブトが乗るが、リュウガはオーガとともにディケイドに向かう。
「ちっ。うおっ。力を!!」
蒔風が槌を取り出し、ダークカブトに振るう。
「(こいつの残りもあと五分くらいってとこか・・・)よっし、使い切るか!!来いよ駄ブト!!!いや?堕ブトか?」
「貴っ様ぁ!!!」
蒔風とダークカブトが交戦する中、ディケイドは二人に押されていた。
右から左から、休むことなく剣が向かってくる。
ディケイドもそれを受けはするが、ダークライダーの地力は凄まじく、受けることもできなくなっていく。
そして二人同時に剣を振るって来たのを直撃してしまい、ディケイドが吹っ飛んだ。
いくつもの土管を粉々にし、ディケイドが地面に伏せる。
「士君!!」
夏海がディケイドを案じ、叫ぶ。
彼にゆっくりと迫るリュウガとオーガ。
「どうすれは・・・・そ、そうだ、士君!!これ!」
そこで夏海が自分の手にあるものに気付き、それを士に投げた。
ディケイドがそれをキャッチする。
そして先ほど現れた新たなカードを挿入し、そこに映ったマークをなぞっていく。
[KUUGA AGITO RYUKI FAIZ BLADE HIBIKI KABUTO DEN-O KIVA]
そして最後にディケイドのマークをタッチし、それが・・・「ケータッチ」が起動した。
[Final Kamen Ride---DECADE!!]
その姿がディケイドコンプリートフォームへと変わる。
胸には各ライダーのカードが収められており、額部分にはそれらよりも上位であることを示すかのように、ディケイドのカードが嵌まっていた。
バォオウ!!!
全身からエネルギーが噴き出し、その力強さをあらわしていた。
「・・・・!!!!」
二人のライダーがその姿に驚くが、ディケイドはそんなことは気にしない。
ライドブッカーソードモードの刃を撫で、二人に迫る。
二人は猛然とディケイドに斬りかかるが、出力が違い過ぎる。
一薙ぎ二薙ぎされただけで、四肢からは力が抜けていく。
ディケイドがオーガの腹部に剣を突き刺し、ケータッチを操作する。
[RYUKI-Kamen Ride-SURVIVE]
すると、ディケイドの隣に龍騎サバイブが突如として現れた。
ディケイドがオーガから剣を引き抜き、腰に移動させたバックルにカードを装填させる。
-Final Vent-
リュウガがディケイドに最終技を繰り出そうとし、宙に浮いていく。
[Final Attack Ride---RYU RYU RYU RYUKI!!]
ディケイドと龍騎サバイブが全く同じ動作をとる。
空中で×の字を書くように剣を振るうと、その形に炎の斬撃が作られ
「おおおおあああああ!!!!」
リュウガがドラグブラッカーの炎を受け、キックで迫ってくる。
ディケイドは龍騎サバイブとともに斬撃を飛ばし、迫りくるリュウガを粉砕する!!
「ぐ、ぐあああああああああ!!!!!」
リュウガをドラグブラッカーもろとも爆散させると、龍騎サバイブは消えてしまう。
さらにオーガがオーガストランザーにエネルギーをチャージし、巨大化したフォトンブラッドの刃を構える。
[FAIZ-Kamen Ride-BLASTER]
それに対し今度はファイズブラスターフォームを召喚し、ファイナルアタックライドを発動させる。
[Final Attack Ride---FA FA FA FAIZ!!]
ディケイドの剣の先と、ファイズの持つファイズブラスターからフォトンブラッドの光線が放たれる。
その光線はオーガの刃、オーガストラッシュを粉々に撃ち砕き、さらにオーガをも撃ち抜き、その体を爆発させる。
さらに蒔風と交戦中のダークカブトのほうを向き、ケータッチを押す。
[KABUTO-Kamen Ride-HYPER]
カブトハイパーフォームを呼び出し、
[Final Attack Ride---KA KA KA KABUTO!!]
ハイパーキックを二人で放つ。
それに気づいたダークカブトが蒔風から離れ、ベルトのボタンを押す。
《1、2、3、RIDER KICK》
「うをおおおおあああああああ!!!!」
空中でキックがぶつかり合うが、敵うはずもなく、ダークカブトがキックの渦に飲み込まれ爆発し、消えた。
「っち・・・・」
変身を解いた音也が忌々しそうに士ら一行を睨み、その場を立ち去る。
こうして、士達の戦いは終わった。
------------------------------------------------
「これから、どうするんだ?」
士がネガ夏海に聞く。
「これからもダークライダーによる圧政は続くだろう。それでも・・・」
「それでも、この世界で生きていく」
ネガ夏海が強い意志を持って蒔風の言葉にかぶせて答えた。
「だから、あなた達も見つけて。自分の世界を」
「・・・・・・」
「私は信じる。この世界の明日を。そこに世界があると。だから、あなた達も」
そう言ってネガ夏海は何処かへと去ってった。
その未来に、絶望ばかりがあると知りながらも、一筋の希望を信じて、歩きだした。
-------------------------------------------------
一行が光写真館に戻ってきた。
そこに栄次郎が士の写真を持ってきて皆驚いた
正常に取れていた士の写真がネガのように色が反転してしまったのだ。
「う~~わ。こりゃひでえ」
「やっぱりこうなったか」
「それにしても、世界はまだあったんだな」
「それは当然だ。オレだってライダー以外の世界を回っているからな」
「ま、オレはライダー限定みたいだけどな」
「でも、その世界に限界はない」
「ああ・・・・世界は九つだけじゃない。オレの回る世界は、まだまだあるってことだ。オレたちの旅は・・・まだ終わってはいない」
士の言葉に、皆閉口する。
「・・・・ま、オレとしては退屈せずにすみそうだ」
「退屈って・・・そうだ、お前ら酷いぞ。オレを置き去りに戦うなんて!!」
「だってユウスケ空気だし」
「諦めろユウスケ。それがお前の宿命だ」
蒔風と士の慰めにならない慰めにユウスケが膝を抱えて拗ねてしまう。
「ユウスケ、気を落とさないでくださいよ」
そう言って夏海が立ちあがり、柱の鎖に手を掛ける。
すると背景ロールが降りてきて、新たな世界へと誘った。
その絵の真ん中にはディエンドのマークとWANTEDの文字が。
「さあ、新しく蒔風も来たことだし、新たな旅の始まりだ」
次の世界・・・そこは・・・
「海東・・・・」
ディエンドの世界だ。
to be continued
後書き
アリス
「長すぎ!!あと蒔風が空気すぎる!!!」
ごめんなさい
長いのは次回からの課題に
蒔風の空気もどうにかします
アリス
「どうやってですか?」
まずは各世界の話にもっと蒔風を突っ込ませます。
今回の話は新たな始まりですから、どうしても蒔風を入れにくかったんですよ
アリス
「次回、ディエンドの世界」
ではまた次回
この手で誰かの手を握ることもできる
その時はオレたちは、弱くても、愚かでも
一人じゃない!!
ページ上へ戻る