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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  ディケイド ~この世界の謎~

「っは!!ここは!?」

気づいたら蒔風とユウスケはどこかの料亭の和室まで連れてこられていた。
目の前には三人の着物美人がいる。


「おのれ瞬間移動か!?」

「な、何が起きたんだ・・・急展開について行けない!!」

「さぁ、お坊っちゃま。好きな女性を、お選びください」

いつの間にかいた執事のその言葉に、同じくいたのか、士が三人を見る。


「騒がしいぞ二人とも。まあ・・・女性を選ぶというのは失礼というもの。ゆえに、全員だ」

「士、そんなふしだらな」

「節操無しーーー。背中からブスリだぞーーー」


ユウスケと蒔風の咎めるような言葉に、興を削ぐ奴だな、と言って立ち上がり。

「だったら、お前らが選べ。あとは好きにしろ」

と蒔風とユウスケを前に押し出し、自分はとっとと部屋を出ていってしまった。


「おいまて好きにしろって!!」

「おい士!!・・・・・どうする」

「どうするって言っても・・・」

「これは士の未来に関係することだぞ?」

「えっと・・・じゃあとにかく・・・・」


「「ご趣味は?」」


そう二人同時に聞く。
なんともテンプレな行き出しに、ホホホとほくそ笑む着物美人たち。

瞬間、三人の顔がトンボのように変わり、部屋に羽音が響き始めた。


「「!?!?!?!?」」


ブーーーン



「おぉうわ!?」
「嘘だろおい!!!」


蒔風とユウスケが部屋を飛び出す。
怪人という存在には慣れていても、こうもいきなり来られてはビビるわけで。


廊下をどたどたと走り逃げる二人。
その後ろからは羽音が鳴り続け、逃がしてはくれなそうな感じだ。


「ユウスケ!!お前右、オレ左!!」

「オッケィ!!」


外に飛び脱し、蒔風とユウスケが途中の道で左右に分かれる。


よし、これでうまく分断できたはず・・・・



と、思いきや




「なんで!?なんで全部こっち来んだ!?」


そしてなぜか三体中三体が蒔風のほうに向かってきた。


「なん(ブーン)なんだこ(ブーン)の世界(ブーーーーーーン)ダアアアア!!鬱陶しい!!まともに喋らせろ!!」


ゴガッ!!ドォン!!!!


蒔風が振り返りざまに追ってくる三体の内の一体を殴り飛ばして爆破させる。
地面に叩きつけられて爆発した仲間を見て、他の二体が警戒を強めた。


「貴様はライダーでも怪人でもないな」
「貴様はこの世界にいることは許されない!!」

「なんだと?」

「「それがこの世界のルールだ!!」」

バッ、ヴォン


羽音が鋭く鳴り、蒔風に迫る。
二体の怪人、ミラーワールドのレイドラグーンの攻撃を避けながら、蒔風はなおも聞く。


「この世界はなんなんだよ!!」

「貴様に言う必要があると?」

「は!そりゃ正論!!」

バキッ!!


蒔風が後ろ蹴りで二体を押しやり、変身の構えをとる。


「だったら、ライダーならいいんだよな!?力を借りる!!」


パァン!!


蒔風の腰に変身ベルト・トルネードが現れ、かつての世界の、初めて空を制した仮面ライダーへと変身する。


「(バッ、バ!)スカァイ!変、身!!」

ビュオオオオ・・・・バァン!!

「スカイ、ライダー!!」

「なんだと!?」
「変身!?貴様・・・ライダーか?」

「見ての通りだが?・・・フンッ!スカイドリル!!!」


蒔風が二体に近づき、捻りを利かせたパンチ、「スカイドリル」を放つ。

が、二体は空中に飛んでその攻撃から逃げて行く。
トンボのような外見の通り、やはり空中を飛べるようだ。


「ム・・・セイリングジャンプ!!」


蒔風がそれを追って空を飛ぶ。
驚いたのはその二体だ。

「空を・・・飛べるだと!?」

「可笑しいかい?そんなライダーもいるんだよ!!」

蒔風が二体に向かって飛ぶ。
一体が逃れたが、もう一体は逃げられず・・・

「スカァイ、キィック!!!」

ドカッ、ドォン!!!!

一体が吹き飛び、もう一体がその光景に愕然とする。

「さぁて、次はお前だ」

蒔風がもう一体のほうに飛びかかろうとする。
そこで相手が待ったをかけてきた。

「ま、待て!!貴様がライダーならば戦う理由はない!!」

「なに?どういうことだ!!!」

「それは・・・」


ピュン、ビシッ

ドォン!!!

「な、に?」


話そうとした怪人を一筋の光線が撃ち抜いた。

蒔風が光線の来た方向を見ると、そこには「Ω」をモチーフとした仮面ライダー、オーガが変身ツールであるオーガフォンをガンタイプにしてこちらに標準を合わせていた。


「なんだあいつは!?」

オーガはファイズの世界のライダーだ。まだめぐっていない世界のライダーでは、当然蒔風は知るはずもない。
とにかく現状打破だ!!と蒔風がオーガに向かって飛んでいき、その距離を詰めにかかる。


チュンチュンチュィン!!!

向かっていく蒔風にオーガフォンの銃撃が襲いかかる。
蒔風は腕で顔をガードするが、一発がベルトの腰に被弾し、セイリングジャンプのための「重力軽減装置」が破損してその効果が切れる。

蒔風が落ち、その場に土煙が上がった。
が、その中から変身が解け、それでもまだ無事な蒔風が出てきた。


「ったく・・・あのライダーなんなんだよ・・・・ん?あれは・・・」

戦闘音が聞こえ、そちらの方を見ると、ディケイドに変身した士と、ダークキバが戦っていた。


「ん・・・ダークキバか・・・そしてあれが・・・ディケイド」


蒔風の頭に情報が来て、とりあえず名前だけでも判明する。
ダークキバ、キバの世界のライダーだ。


そうやってみているとダークキバとディケイドの戦いが終盤に入る。


ここぞというタイミング。
そこでディケイドがバックルにカードを差し込み、起動させた!!


《FINAL ATTACK RIDE―――DE DE DE DECADE!》


「ハァッ!!!」

ディケイドが跳び、キックの構えをとる。
ダークキバとディケイドの間に黄色いホログラムカードが現れ、それをディケイドが通過していく。


一枚通るごとにエネルギーが足に集まり、敵を粉砕する「ディメンションキック」が、ダークキバにむかって突っ込んでいく!!



はずだった


「な・・・」


しかしそうはならず、ディケイドが通過するはずのカードが黒ずんでボロボロと崩れていく。
そのせいかキックの勢いが殺され、勢いを失ったディケイドが体勢を崩してその体が地面に落ちる。

同時にその衝撃で、今まで回ってきた世界のライダーたちのカードが周りに散った。
その光景を見てもう用はすんだのか、ダークキバがその場を去る。



「士!!大丈夫か!!」

蒔風が士に駆け寄り、身体を抱える。
士の変身はすでに解けており、地面のカードを見て愕然としていた。

「な・・・・に・・・」

それはそうだろう。
そのカードに描かれていたはずのライダーの絵が消え、ただの真っ黒なカードになっているのだ。

「これは・・・カードが、死んだ!?」

「どういうことだ・・・・」

失われたカードはすべて他のライダーに関するものばかりだ。
ディケイド自身の能力のカードは失われていない。

ディケイドはカードを使って戦うライダーだ。
それら他のライダーのカードを使うことで、そのライダーに変身でき、能力も使用できる。

最初は使えなかったが、九つの世界を回ってきて、すべて使えるようになったはずなのだが、それが消えた。
それはつまり

「ディケイドの・・・旅の否定?」

「なんなんだこれは!!!」

士が乱暴に絵柄のなくなったカードを回収し、立ちあがる。

「どうするんだ?」

蒔風が士に聞く。
振り返らずに士が答えた。


「この世界について調べる」


そして首だけを蒔風に向け、最後に言った。

「この世界は・・・何かおかしい」


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その頃、林の中

夏海は同級生たちと高校時代の秘密基地に来ていた。
そこに特に仲のよかった「千夏」という少女か来たようなので、彼女を探しているのだ。

「千夏~~。どこですか~~~?」

音を頼りに千夏を探す夏海。
しかしここに来ているのは千夏ではなかった。


茂みの中から、その人物が夏海を覗く。






その顔は、友人を探す少女のものと同じものだった。



「光夏海」が、そこにいた。




一体この世界は・・・・どこなのだろうか。




to be continued

 
 

 
後書き
ここでディケイドの能力解説コーナー!!
ディケイドはカードを使って戦うライダーです。

アリス
「そのカードは基本的にカメンライド、アタックライド、フォームライドに分かれます」

カメンライドは各主人公ライダーに変身
アタックライドは能力や攻撃、防御を発動させる
フォームライドはまんまフォームチェンジするカードです

ア「さらにこれらの頭に「ファイナル」がつくと効果が一気に上がります」

ファイナルアタックライドは必殺技の発動
ファイナルフォームライドは各主人公ライダーを変形させる効果

が、あります。

ア「ファイナルカメンライドはないんですよね?」

あるけど、劇中未使用だからな。
一応説明すると、各ライダーの最強フォームに変身です。

こんなところか?

アリス
「次回、コンプリートフォームって最初は変だったけど動いたらかっこよかったよね?」

ではまた次回






信じる者のために戦える、それが王だ!王の資格だ! 
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