暗闇を照らす白き日差し【影に身を委ねた一夏】
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IS学園入学
第4話 クラス代表決定戦 Ⅱ
前書き
白夜の専用機のご登場と対戦。一体どうなるのかやら……(他人事)
白夜SIDE
試合当日
試合が行われるアリーナは観戦する生徒で満員になり、ピットにもその声が聞こえる始末だった。
マドカ「ついにこの日が来たね」
白夜「だな。やれるだけの事はした、後は相手を破るまでだ」
意気込みは充分だけど……
マドカ「肝心のISはどうなるのかな?」
そこだな……
まあ無くとも叩き落とせばいい話だしな……
白夜「てかなんで篠ノ之が居んだよ?」
箒「わ…私は一(いち)…白夜の背中を押そうと__」
要らねぇよ、てか目障りだよ……魔○煉○殺でもお見舞いされたいのか?
ーーーー
≪タタタッ……≫
真耶「白夜くん白夜くん白夜くん!」
何だよ一体……俺を何度も呼ぶ必要あるか?
てか落ち着けよ……
白夜「なんですか一体?」
真耶「来ましたよ!白夜くんの専用IS‼︎」
遂にか……
千冬「白夜、早速準備しろ。
アリーナを使える時間は限られてるからな、ぶっつけ本番でやってみせろ。
私やマドカおろか更識を圧倒するくらいなら、オルコット程度は敵でもないだろ?」
白夜「生身で相手にしても問題はありませんね」
千冬「ふん……その減らず口が達者なら、なに一つ心配はないな」
だろうな……
≪パシューー……≫
山田先生と織斑先生に案内されてコンテナの扉が開いたその中にあったのは……
箒「これが一(いち)…白夜のIS……」
マドカ「しかも、真っ白なラファール・リヴァイヴ……」
リクエスト通りに白く塗り替えられたラファール・リヴァイヴ。
これが俺のISか……まあ悪くないな……
真耶「あれが白夜くんの専用IS、“宵闇(よいやみ)”です!」
宵闇……宵のうち月が出なくて暗いことを意味する言葉だな……
フン……まっ…俺に最も似合う名かな?
千冬「ISスーツを着用次第、すぐに装着しろ。
フォーマットとフィッティングは試合中にやれ」
白夜「了解」
ほんじゃサッサと着替えて装着すっか……
それからISに着替えた俺は、相棒の“宵闇”の装着に取り掛かった。
≪ズボッ……プシュー……≫
両手両足を入れて、マドカに教わった通り座る様に身体を預ける。
千冬「流石は織斑から指導を受けてただけの事はあるな、装着が早い」
≪カチャッ≫
最後に頭にカチューシャみたいなヤツを付けて装着完了。
その直後……
【初期化と最適化が完了致しました、確認ボタンを押して下さい】
イキナリ画面にそんな表示が出たと同時に、機体両端のシールドが本体から切り離されて俺の目の前を浮遊する状態に、更に機体後部に鷹の翼を彷彿させる白くて大きな翼が姿を現した。
これがマドカの言ってた“一次移行”ってヤツなのか?
真耶「お…織斑先生、これは……?」
千冬「間違いない、明らかに一次移行だ。だが装着してすぐにこうなる例は見たことが無いな」
オイオイ、それって大丈夫なのか?
まあ装着したからには後戻り出来んしな……
真耶「突然一次移行したのは驚きでしたが、システムに異常はありませんね。宵闇のリンクも正常ですし」
ああ〜そうですか……なら安心ですわ……
千冬「無事に稼動してるようだな。
白夜、気分はどうだ?」
白夜「窮屈な気がしますが、至って問題ありません」
千冬「よし」
準備万端……いつでもどうぞ、織斑先生……
マドカ「兄さん」
箒「一(いち)…いや白夜」
何だ一体、激励か?
マドカ「絶対に、勝ってくれ」
箒「私も同じだ」
やっぱか……
白夜「心配すんな、間違ってもヘマはしないさ」
もしドジっても"白夜-雨夜"か"白夜-霜夜(しもよ)"で動きを封じるだけだからな……
白夜「宵闇、出撃します!」
≪バシュウッ≫
そう言って俺ピットを出てアリーナへ出た。
ーーーーーーーーーーーーーーー
既にアリーナにはセシリアがISを纏って待機、俺と対峙する形になった。
セシリア「あら、逃げずに来ましたのね。手ほどきの時間くらい与えても宜しかったのに」
白夜「フン、残念だが…そんならマドカからとっくに受けたよ。アンタと同じBT兵器搭載のIS使ってる奴だから良いデモンストレーションにはなったぜ」
セシリア「なっ、あの織斑先生の妹に⁉︎
なら、手ほどきは要りませんね。
では、最後に慈悲を与えましょう。今ここであなたが謝ると言えばすぐ__」
千冬『オルコット、まだ減らず口が治らんのならば、白夜に“お前を真っ二つにしてでも黙らせろ”っと命ずるがどうする?
そいつを甘く見たら痛い目に遭うぞ』
セシリア「う……解りましたわ……」≪ガタガタ……≫
あ〜らま、こうも縮こまるとは情けないな…たく……
千冬『では、セシリア・オルコット対白夜!試合開始‼︎』
その一声で試合が開始された。
ーーーーーーーーーー
セシリア「さあ踊りなさい!わたくし、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でる円舞曲(ワルツ)で‼︎」
フン……随分と偉そうだが、その自慢の鼻がいつまで保つかやらだな!
白夜「覆い隠せ 、黒き霧よ!暗闇の如く全てを包み込め!
発動せよ、我が絶対なる領域にして絶対なる力の象徴!"闇夜(やみよ)"‼︎」
早速画面に表示された長剣と短剣を手に取り、右手に握った長剣を振り上げて宵闇の単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)"闇夜"を発動。一瞬で辺り一面…いや一帯は暗闇に閉ざされた。
セシリア「これは一体、周りは真っ暗で何も見えませんわ!」
白夜「これが俺の相棒。宵闇の単一仕様能力"闇夜"、辺り一帯を暗闇に閉ざすのさ。しかも宵闇は真っ白な機体だが暗闇に姿形全て溶け込む能力があるから、並大抵の索敵機器は通用しない」
セシリア「何ですって⁉︎それでは__!」
白夜「IS特有のハイパーセンサーは実質使えなくなった、頼りになるのは自分の目だけだ。だが姿形も闇に溶け込んだコイツを捉えるのは至難の技だがな」
セシリア「そんな……」
こうなればこちとらの独壇場同然だな……さて、サッサと片付けるとすっか!
_______________
千冬SIDE
たく……相変わらず強い奴だな……しかも辺りを闇に閉ざすとはな……恐れ入った……
千冬「山田先生、宵闇の反応は確認出来てるか?」
真耶「いえ、残念ながら全く……
時々光が見えますからそれが白夜くんだと思いますが、それでもシステムに反応がありません」
やれやれ……コッチでもお手上げか…こうなってしまえば、最早奴の勝ちは確定だな……
真耶「織斑先生、もしかして白夜くんのことが心配ですか?」
千冬「そんな訳が無いだろ」
真耶「そうですか?
織斑先生って誰かを心配する時は決まって目線を下に向けるって癖がありますが__」
ウザったらしい……
千冬「山田先生、白夜は私からの命令でしか動かないから、私と模擬戦をやらんか?生徒達ばかりを相手にしてるから身体がなまってるだろう?」
真耶「すみませんもう言いません……」
千冬「適切な判断だな」
このくらい言っておけば流石に収まるだろう……
_______________
白夜SIDE
白夜「"白夜-星月夜(ほしづきよ)"!」
≪ダアンッ……ドカーンッ!≫
セシリア「うわっ!」
ライフルから打ち出した一閃の銃撃が炸裂し、辺りが一瞬明るくなったと同時に無数の光がセシリアに直撃。
あれから一方的にやられてるもんだな。まっ…この暗闇の中ではどうしようもない事だがな……
白夜「どうしたどうした?その様じゃそろそろ決めてやってもいいんだがな」
セシリア「黙りなさい、男の分際で!」
白夜「残念だが、お前じゃ俺を…そしてあの人を越える事も、その上に立つことすら許されんのだよ」
セシリア「あの人、あの人とは一体誰ですの⁉︎」
白夜「俺に力をくれた人さ、俺はどうしてもその人を越えなければならない。その為に俺は立ち止まる事は許されない、ただ前に進み続けなければならない。誰が止めようとな」
セシリア「……」
同情してんのか?まあいい……
白夜「その為に俺は前に進み続け、そして立ちはだかる壁を越え続けねばならない!だからセシリア・オルコット、お前だろうが負けることは許されないんだ!
そろそろ覚悟を決めてもらおうか?」
セシリア「望むところですわ!ですが、そうなればわたくしも負けるわけには行きません!」
さあ……この暗闇の中でどう立ち向かうのかな?セシリア・オルコット!
セシリア「ブルー・ティアーズ!」
ケッ!残念だがそれじゃ俺に背中を向けた姿勢になるぜ、隙だらけだ!
白夜「"白夜-朧夜(おぼろよ)"!」
≪ズガーンッ!≫
セシリア「きゃ〜〜〜〜!!!??」
自分から背中を見せてくれたセシリアに強烈な突撃斬りを見舞った。(ラウラを倒したのもこの技。)
ーーーーーーーーーー
千冬『試合終了!勝者、白夜‼︎』
『きゃ〜〜〜〜♪!!!!』
フン……このくらいは序の口さ……
試合が終わって"闇夜"を解除した俺は真っ直ぐピットに戻った。
後書き
機体の能力とはいえ一方的な勝利。これなら生身での戦いの方が良かったのかもしれません……
さて次回は折角ですから、白夜の専用機の宵闇について紹介します。
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