暗闇を照らす白き日差し【影に身を委ねた一夏】
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IS学園入学
第1話 クラスメイトは全員女 Ⅰ
前書き
IS学園へ入学、そして昔馴染みとの再会
白夜SIDE
鬱だ……幾ら不祥事で時の人扱いされて雇われる形で女子校同然のIS学園に入らされたとはいえ……教室の最前列、しかもそのど真ん中の席とは、運命とは理不尽にも程がある……否…あり過ぎると言っても過言じゃない……
≪パシュッ……タッタッタッタッ……≫
ん、ここの担任か?にしてもなんか歳が変わらん気がすんのは気のせいか?
「どうやら全員揃ってますね、それではSHR(ショートホームルーム)を始めます。
私はこのクラスの副担任を務めます山田 真耶です。皆さん、これから1年間宜しくお願いしますね」
『……』
全員緊張してるのか静かだな、本当シーンって効果音が似合う雰囲気だ。女子校って大体そんなモンかね?
オマケに周りからの視線がまた強烈だな。まあ良いか、どうやらこのクラスにはマドカも居るようだしな。とはいえ、問題は一番向こうの……
箒「……」
俺の幼馴染…いや、今は昔馴染みにしかならない篠ノ之 箒だ。
あいつだな……あいつの視線が最も強烈だ……たく…身体に悪いぜ……
「__くん?」
白夜「ん?」
真耶「自己紹介ですけど、次は白夜くんの番ですよ。
もしかして怒ってます?織斑先生から“彼の扱いは気を付けるように”っと言われてましたけど、気に触りましたか?怒らせたのならすみません。
ですが自己紹介して頂かない以上は__」
白夜「ああ~、解りましたよ。自己紹介しますから、落ち着いて下さい」
真耶「本当ですか、本当に怒りませんね?」
白夜「そこは契約の範囲内ですから勘弁して下さい」
全く…幾ら依頼で入ったとはいえ、“扱いに気を付けろ”とは…厄介な事を吹き込んでくれたな雇い主は…まあいいや、サッサと自己紹介済ませっか……
白夜「俺は白夜。本名はずっと前に捨てたから“白夜”って名は本名でも何でもない、ただ好きで名乗ってるだけだ。俺をどう呼ぼうかは勝手だが、“一夏”って名で呼ばれるのは一番嫌いだ、そこは肝に命じておいてもらいたい。
後俺は、織斑先生からの依頼でここに入学したから、ここでの俺の立場は一介の傭兵に等しい。オマケに仕事柄の都合で人付き合いも悪いから、そこのところは宜しく」
『……』
おいこら……誰でもいいから意見の一つぐらい言えよ。何だよこのスベった感は、俺何か言い間違えたか?
クソッ!馬鹿な!この俺がっ!
真耶「あ…あの……白夜くん、依頼って何ですか?確か白夜くんは政府からの__」
白夜「依頼ですよ。“学園の警備・警戒を兼ねて学園に入って欲しい。”って訳で。織斑先生から聞いてませんか?」
真耶「いえ、全く……」
おいおい、聞いてないって何だよ?そのくらい伝えといてくれよ雇い主、あんたの頭は節穴かよ……
≪パシュッ≫
千冬「山田先生。そいつが言ってる通り、彼はここでは表向きには学園の生徒となっているが、実際は傭兵みたいな立場に置かれてる。詳しいことは後で説明する」
誰かと思えば雇い主のご登場かよ……
真耶「あ…織斑先生、職員会議は終わられたんですか?」
千冬「どうにかな、クラス挨拶を押し付けて悪かったな」
全く……厄介事は他人任せかよ……
千冬「ところで白夜、お前はもう少しまともな挨拶は出来んのか?」
白夜「これでも限界を越えてる方ですよ。これ以上は心臓に悪くて仕方ないんですから」
千冬「たく……本当なら鉄拳制裁といきたいが、お前は立場上が厄介だからな。今回はこの辺にしといてやろう」
白夜「そうですか」
ハア……全く……本当に鬱だ、最悪だ、運命とは皮肉過ぎる……
ーーーーーーーーーーーーーーー
千冬「申し遅れたが、私がこのクラスの担任の織斑 千冬だ。
君らヒヨッコの新米を1年で使い物に仕立て上げるのが役目だ。
私の言う事には従い、よく聴き、よく理解しろ。いいな?出来ない輩は出来るまで鍛え上げるから覚悟しておけ。
逆らおうか逆らわないかは勝手だが、逆らう輩には容赦はしない。さしずめ、2度とここから生きて帰れないと思え。解ったな、ヒヨッコ共?」
やれやれ、なんて自己紹介だけでも威嚇的紹介って、幾ら何でも印象が__
「きゃー!」
「千冬様!本物の千冬様よ‼︎」
「わたし、ずっとあなたのファンでした!」
「お姉様に憧れて、遠く北海道からはるばるやって参りました!」
「私は埼玉!」
「あの千冬様にご指導して頂けるとは!」
「私、死んでも千冬様について行きます!」
案外……印象良かったな……流石は名高いブリュンヒルデだな……
千冬「全く…毎年毎年よくも馬鹿共が集まるものだ。
私が受け持つクラスには馬鹿共を集中させてるのか、お偉方は?」
あんたが高名過ぎるからだと思うがな……
千冬「さあ。これ以上は埒が明かないからSHRは終わりだ。
君らには半月でISの基礎知識を頭ん中に叩き込んでもらう。その後は実習になるが、基本操作は半月で身体の中に叩き込め。
解ったか?解ったのなら返事をしろ、よくなくとも返事をしろよ、そして私の言葉にも否応無く返事しろ。解ったな?」
『はい!』
たく……この世に鬼が居んならそれは正に目の前の雇い主(織斑先生)だな……
千冬「何か不服でもあるか?白夜」≪キッ≫
白夜「雇い主相手に不服でも言うと思ってますか?」≪シラッ≫
千冬「だろうな。まっ、依頼という理由でのその言い分は気に入らんけどな」
白夜「そりゃどうも」
フン……俺が雇い主にどんな態度をとるかは俺の勝手だ。だが、あんたとは学園の生徒って感じで契約を交わしたから、別に逆らう義理は無いっつうの……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それから授業を挟んだ放課……
「あの子よ、世界で唯一ISを使える男性って」
「確か入試でIS起動させちゃたらしいって」
「“世界に名高いダークヒーローがISを起動させた。”って大ニュースだったもんね」
「それから消息不明だったらしいけど、やっぱ入って来たんだ」
廊下には他の教室から湧いて来たのか女子の大群が……
「ねえあなた話し掛けなさいよ?」
「わたしいっちゃおうかしら?」
「待ってよ!まさか抜け駆けする気⁉︎」
オマケに教室にはクラスメイトが俺の話ばっかり。
今他の依頼を片付けるのに忙しいから、ちょっとは静かにしてくれ……
箒「おい」
白夜「ん?」
何だよ、ほu…いや篠ノ之かよ……てか何の用だ一体?
箒「ちょっといいか?」
全然よくねぇよ、今忙しんだから……
白夜「悪いが取り込み中だ。てか話ならここでもいいだろ?
あと言っとくが、話は手短にしてくれ」
箒「駄目だ、廊下に来い!」
うぜえ…マジうぜえ……
箒「何故本名を捨てたんだ“一夏”!そしてお前は何故暫く行方知れずになっ__」
≪ダアンッ!≫
箒「!」
気付いた頃にはすっかり右手に拳銃を握って発砲していた。
本当にウザいな……この女……
白夜「言ったよな、俺は白夜だって?そんなんも解らんとはテメェの耳は節穴か?
ちょっとは耳掃除でもしろよ、このあばずれ女」
箒「何だと⁉︎一夏、貴様‼︎」
≪ダアンッ!≫
白夜「何度言えば解るんだあばずれ女。俺は白夜だっつってるだろ?
これ以上俺をその名で呼ぼうものなら、今度はテメェの喉が心臓を撃ち抜くぞ?」≪ガチャッ!≫
箒「くっ!」
無論これは脅しだが、同時に本気でもある……
≪キーンコーンカーンコーン……≫
白夜「チッ」
もう次の授業かよ……しゃあねぇか……
白夜「今回はこの辺で勘弁しといてやろう。だが今度またその名で呼ぼうものなら、時と場所構わず撃ち殺すからな。
それを肝に命じておけ!いいな‼︎」
箒「くっ…クソ……」
フン……たくな。
こりゃ後でお仕置きものだな……だがこの落とし前は後でキッチリ払ってもらうからな。覚悟してろよ、篠ノ之 箒……
後書き
喜びの再会と思いきや最悪の再会。
箒……これが現実ってヤツだ……(白夜)
次回はあの縦巻きロールとのご対面。そしてクラス代表へ……
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