Ｔｈｒｅｅ　Ｒｏｓｅｓ

「既に縁戚にあるのだからな」
「では」
「その様にしていきましょう」
「それでは」
「敵は王国に絞りましょう」
「あの国は我が国よりも国力が高い」
　長年の宿敵であるこの国はというのだ。
「その国に対するには帝国と結ぶと共にだ」
「周辺諸国も抑え」
「出来れば取り込んでいく」
「そのうえで対する」
「そうしていきますか」
「王にもこう申し上げよう」
　政策として、というのだ。
「ここはな」
「わかりました、それでは」
「その様にしていきましょう」
「ここはです」
「そうしていきましょう」
「では」
　側近達も応える、そして実際にだった。
　大公は王にその政策を話した、すると王は一瞬驚きそれから晴れやかな顔になりこう大公に述べたのだった。
「確かに。それならば」
「周辺諸国とはですね」
「戦わずに済みますね」
「そしてです」
「それ等の国々を」
「我が国に取り入れられます」
　王に対して言う。
「婚姻政策は執るべきです」
「まさにですね」
「そうです、王家との縁組を進めていきましょう」
「では具体的にはどうしていきますか」
　王は大公にだ、身を乗り出す様にして問うた。
「誰を嫁がせていきますか」
「既に王とマイラ様はロートリンゲン家に嫁がれていますね」
「はい」
「我が娘マリーを西の島国に」
「あの国にですか」
「嫁がせましょう、そしてセーラは」
　続いてはこの娘だった。
「半島の国に」
「あの国に」
「それぞれです」
「そうすべきですね」
「戦をするよりも」　
　遥かにというのだった、ここでまた。
「よいですから」
「戦は、ですね」
「多くのものを失います」
「例え勝とうとも」
「人も金も必要であり戦った場所は荒れます」
「それで負けてはどうにもならないですね」
「はい、ですから」
　戦いのこの負の部分を何よりも考慮してというのだ、大公は王に話した。
「ここはです」
「マリア姉様とセーラ公女を」
「はい、婚姻を結んでもらいましょう」
「わかりました、では」
　王も頷いた、こうしてだった。　
　王は二人の婚姻政策を認めた、そのうえで大公と側近達にそれからのことを任せた。そして王自身もだった。
　ロートリンゲン家との婚姻を正式に結んだ、それは順調に進んだが。
　王は自身のことについてはだ、マリー達と食事の時も深刻な面持ちで述べた。