転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1373話
火星にて行われる会談については、思いの外とんとん拍子に決まった。
それこそ、この会談の件を聞いた時に感じていた不安は何だったのかと言いたくなるくらいにだ。
……あのプライドの高そうなグリューノが、よくもまぁ、この会談をこうも簡単に引き受けたものだ。
そして……ヨシサダが地球へと会談の話を通してから一週間後の今日、いよいよ会談の日がやって来た。
本来であれば、一国の代表が……それも戦争で敵対してる国の代表が会談をするんだから、一週間程度で話が纏まる筈はない。
それが可能になったのは、言うまでもなく俺達シャドウミラーという存在だろう。
『アクセル代表、ではよろしく頼みます』
シロガネへと通信を送ってきたのは、木連代表の草壁。
その草壁の後ろには、白鳥や月臣、秋山、高杉といった者達の姿もある。
護衛という事なのだろう。
幾ら俺達シャドウミラーが今回の件に責任を持っているとはいえ、木連側にしてみれば以前自分達が送った使者が殺されているのだから無理もない。
そして何より驚いたのは、草壁が乗っている艦の姿だ。
カトンボでも、ましてやヤンマでもない。
これまで俺が見てきた木連の戦艦とは違い、明らかに新型と呼べる戦艦だった。
木連としても、カトンボやヤンマのような量産型の戦艦しか作れないという訳ではないらしい。……もしかして、この艦も実は生産プラントが存在する艦だったりしないだろうな?
木連だと、その辺が普通に有り得るのが怖いところだ。
まぁ、この新型艦……みなづきとか言ったか? そのみなづきは見た感じ、カトンボやヤンマに比べて随分と武装が減っているように見える。
恐らく空母的な性能を強く持たせた艦なのだろう。
それともこの辺りは試験艦という扱いだからで、このまま進めばもっと強力な武装を施される……のか?
ともあれ、恐らくこの戦艦は木連にとって極めて機密度の高い戦艦なのだろう。
そんな機密度の高い戦艦を何故出してきたかと言えば……まぁ、ぶっちゃけ示威行為以外のなにものでもない。
自分達はまだこれだけの戦力を持っている。
このまま戦えば勝つのは木連だと、そう示したいのだろう。
戦時中に敵対している勢力のトップが会談をするのだから、このくらいは当然といったところか。
「分かった。転移に関しては、木連よりもシャドウミラーの方が一日の長がある。それに、そっちの転移には色々と問題もあるらしいしな」
『助かります』
木連が使う、チューリップを使った転移。
それには決定的なまでの欠点が存在していた。
何故なら人間が転移出来ないのだから。
どうやら人間が転移をすれば、基本的には死んでしまうらしい。
火星に転移したクロッカスに生存者がいなかったのは、つまりそういう事か。
……死んだとしても、死体くらいは残っていてもいいと思うんだが……その辺はチューリップを使った転移の謎といったところなのだろう。
木連が無人兵器のみを地球に送り込んでいたのは、つまりそういう理由もあった訳だ。
勿論木連の軍人が死なないようにしているというのが最大の理由なのだろうが、それでも1人や2人は的確に指示をするために地球に向かっても良かった筈だ。
その辺に関しては、俺も純粋に疑問に思っていたんだが……まさかそんな理由があるとは思わなかった。
もし木連の人間が火星や地球に行くのだとすれば、転移等を使わないで普通に宇宙空間を移動する必要がある。
それでも片道数年とか、そんな馬鹿げた時間が掛かる訳ではない以上、そのくらいはやっていそうではあるが……ともあれ、今回の火星で行われる会談にはどうあっても間に合わないのは確定している。
それを解決するのが、シロガネのシステムXNな訳だ。
この世界の転移システムとは違い、何の制限もなく安全に転移出来る。
まぁ、この世界の転移システムは時間移動の要素も兼ね備えているから、純粋な転移システムとは呼べないのかもしれないが。
そういう意味では、この世界の転移技術も色々と技術班にとっては興味深い代物ではある……という事か。
そんな事を考えてる間にもナタルは次々に指示を出していた。
そしてシロガネのシステムXNにより光の繭のような転移フィールドが生成され、みなづきとシロガネを包み込み……
「転移」
その言葉と共に、2つの艦は気が付けば火星に存在していた。
『なっ、こ、これは!?』
草壁の驚愕の声が通信モニタ越しに聞こえてくる。
いやまぁ、その気持ちは分からないでもない。先程まで木星にいたのが、気が付けば火星にいたのだから。
それとも、ここが火星だと気が付いていなかったりするのか?
うん、それは普通にありそうだ。
『ア、アクセル代表。ここはもしかして……』
「ああ、お前の予想通り火星だ。ただ、会談相手の連合軍と連合政府の連中はまだ来ていないな」
ニヴルヘイムのような機動要塞が姿を現せば、すぐにでも理解出来るだろう。
……まぁ、ミラージュコロイドやASRS辺りを使えば、見つけるのは難しいかもしれないが。
けど、俺達に対してそんな真似をする必要があるとは思えない以上、純粋にまだ到着してないんだろう。
ちなみに、今回の会談自体は火星のネルガル研究所……いや、元ネルガル研究所にシャドウミラーが作っている基地の中で行われる事になっている。
まさか、こんな事でこの基地を使うとは思ってなかったけど、エザリアの狙いを聞かされては断る訳にもいかない。
『アクセル代表、あの建物が……?』
シャドウミラーの基地を見たのだろう。草壁の疑問の声に、頷きを返す。
「そうだ。あそこが会談の場所となっている。見ての通り、メギロートやイルメヤ、シャドウといった機体が警備をしているから、警備についての心配はいらない。少なくても、お前達が以前経験したように使者を殺す……なんて真似はまずないから安心しろ」
『だと、いいのですがね』
そう告げる草壁の様子は、色々と思うところがあるように見える。
実際に一度経験しているだけに、警戒心が強くなるのは当然か。
「レーダーに転移反応! この転移反応は、システムXNのものよ!」
タイミング良く美砂の言葉が周囲に響く。
どうやらニヴルヘイムの登場らしい。
そんな俺の予想通り、次の瞬間には少し離れた場所にニヴルヘイムが姿を現す。
離れた位置からでも理解出来るだけの大きさを持つその姿に、映像モニタの向こうで草壁が……そして白鳥を始めとする、草壁の側近とも言える者達全員が息を呑んでいるのが理解出来た。
まぁ、ニヴルヘイムはニーズヘッグとは違う、もう1つのシャドウミラーの象徴の機動要塞なのだから、その気持ちは分からないでもない。
基本的に、1つの街がそのまま動いているようなもの……といった感じなのだから。
『アクセル代表、その、あの巨大な代物が……』
信じられないといった様子の口調で尋ねてくる草壁に、頷いて口を開く。
「そうだ。あれがシャドウミラーの機動要塞、自由に移動出来る前線基地。ニヴルヘイムだ」
『……何と……』
そんな風に唖然としている草壁を余所に、ナタルの指示に従って円はニヴルヘイムへと通信を送る。
映像モニタに映し出されたのは、ニヴルヘイムの司令をしているマリュー。
……そのマリューの姿に、草壁を始めとした木連の者達全員が衝撃を受けていた。
まぁ、円や美砂、それにナタルといった風に軍に女がいる時点で色々と驚いていたんだ。それが、ニヴルヘイムのような存在の司令までもが女……それもマリューのような若い女だとは思いも寄らなかったのだろう。
特にマリューは木連に好みが多そうな、優しさを前面に押し出しながらもしっかりと一本芯の通った女だ。
今はともかく、将来的に木連でマリューが知られるようになれば、間違いなく大人気になる可能性は高い。
『アクセル、そっちは随分と早かったわね』
笑みを浮かべながら告げてくるマリューの様子に、再びみなづき側でざわめきが起きる。
そんなみなづき側を少し気にする様子を見せたマリューだったが、今はそっちに関わっている暇はないと判断したのか、スルーして言葉を続ける。
『それでこれからだけど……こっちからはグリューノ総司令達をシャトルに乗せて基地へと向かわせるけど、そういう事でいい?』
「ああ。こっちもシロガネで周囲を警戒しているから、何かあったらすぐに対応出来ると思う」
この会話は当然木連側でも聞いているし、恐らくニヴルヘイムの方でもグリューノ達に聞かせている筈だ。
つまり、半ば牽制の意味合いが強い。そして……
『あら? どうやら援軍のお出ましね』
マリューの言葉と共に、何機もの機体がシロガネのレーダーでも確認出来た。
だが、シロガネのブリッジにも、そしてニヴルヘイムのブリッジにも緊張感はない。
……いや、ニヴルヘイムのブリッジにいるのはマリューだけだから、緊張感も何もないと思うんだけどな。
ともあれ、こちらに近づいてくる機体についてはみなづきの方でも当然確認出来ていたのだろう。マリューとは違う映像モニタの方から、草壁が説明を求める視線を向けていた。
「落ち着け。こちらに向かってくる機体は、火星で活動していたシャドウミラーの機体だ。今回の会談に際して、護衛という事で呼んでおいただけだ。……それに」
チラリ、と改めて映像モニタの方へと……具体的には、草壁の後ろで待機している白鳥、月臣、秋山、高杉の方へと視線を向けて口を開く。
「ゲキガンガー好きのお前達にとっては、結構嬉しい事かもしれないぞ?」
その言葉の意味を一瞬理解出来ないような様子を見せた草壁達だったが……
『これは……これは、この機体はっ! 草壁中将、これをご覧下さい!』
タイミング良くみなづきのオペレーターだろう木連兵士の声がモニタの向こう側に響き渡る。
やっぱりな。木連にとってゲキガンガーは聖典。であれば、当然特機の類には大きく反応する筈だと思っていた。
『なぁっ! こ、これは……』
白鳥の声が周囲に響き、続いて他の面々もそれぞれが驚愕の声を上げる。
そこに混ざっているのは、間違いなく喜びの色。
まぁ、ゲキガンガー好きにとって特機というのは色々と込み上げてくる思いがあるのだろう。
もっとも、シャドウミラーの特機というのはどれも悪役顔に近い。
角や棘が多いというか……
それでも喜んでいるのは、それだけ特機に対する思いが……いや、想いが強いのだろう。
ちなみにこうして見た感じでは、一番人気がないのがヴァルシオン改。……実際この機体は、DC戦争におけるラスボスのビアン・ゾルダークが開発した機体だしな。
改ってなってるわりにはデチューンというか、量産型というか、そんな感じだが。
それでもビアンが使っていたヴァルシオンを見ていなければ、これがデチューン版だと分からないくらいの迫力がある。
そして可もなく不可もなく……人気の真ん中なのが、エキドナの乗るヴァイサーガ。
ちなみに、本来であればエキドナは火星担当じゃなくてホワイトスター担当……具体的には、技術班の鎮圧とか監視とかそっち担当だったのだが、今回はこの為だけにこのナデシコ世界にやって来て貰っている。
ヴァイサーガもヴァルシオン改に負けず劣らず角とか棘とかが多いんだが、それでもマントを背負っていたりするのが影響するのか、一応主人公側の機体に見えなくもない。
そして一番人気は予想外な事にトリニティゲイン。……いや、トリニティゲインも十分過ぎる程に悪役っぽい顔付きをしてると思うんだが……やっぱり二刀流が受けてるのか?
木連はその名前から日本人の末裔が多いし、そう考えれば不思議じゃないか。
視線をシロガネのブリッジ内へと向けると、そこでは皆がどこか呆れたような表情を浮かべてみなづきのブリッジを見ている。
その気持ちは分からないでもないが、出来ればあまり表に出さないで欲しい。
完全に予想外だったって訳でもないんだし。
そもそも、この計画は木連のメンタリティを調べる為にゲキガンガーを見たエザリアからの提案だった。
エザリアもゲキガンガーを見るのは結構厳しいものがあったみたいだけど、木連の聖典とも呼ばれているゲキガンガーだけに、見ておく必要があると思ったのだろう。
ともあれ、疲れ切った様子のエザリアから提案された時は上手くいくとは思えず、半ば駄目元に近い感じすらしてたのだが……正直ここまで成功するとは思えなかった。
結局木連のメンバーが落ち着いて火星にあるシャドウミラーの基地へと俺達がヨシサダを伴い、みなづきから発進したシャトルと共に移動したのは、それから20分程が経ってからの事だった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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