オズのボタン=ブライト
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第五幕その六
「本当にね」
「私のガラスの身体も」
「そして私の毛並みも」
「どっちもなの」
「最高なのね」
「それで言い合いなんて何の意味もないわよ」
ジュリアは冷静にです、二匹にお話します。そしてでした。
どちらにもです、あらためて言いました。
「身体を磨くこともブラッシングもしないとどうなるの?」
「ええ、確かに」
「そうなるとね」
「そうでしょ、わかったわね」
「ええ、よくね」
「それならね」
二匹もです、ジュリアの言葉に納得しました。
そしてでした、二匹であらためてジュリアに言いました。
「それじゃあね」
「それでわかったわ」
「私もエリカもどっちも」
「最高ってことね」
「そうよ、わかったわね」
「よくね」
「言い合ったのが馬鹿らしくなったわ」
こう二匹でジュリアに言うのでした、そしてです。
そのことをお話しつつ一行は自然公園に向かいます、その自然公園はカドリングの赤い木々や草原でとても奇麗です。
アスレチックもあります、ですが。
皆はその公園の中にあるものを見てです、まずは目を瞬かせました。
それで王子がです、それについて王様に言いました。
「これは」
「ブロックじゃな」
「はい、そうですね」
ブロックのおもちゃです、はめ込んでいって色々なものを作っていく。赤や青、黄色に白に緑と色々な色があります。
「これは」
「そうじゃな、しかしな」
「大きさが違いますね」
「これは両手に持つ位の大きさじゃな」
「普通のブロックは指で摘む位ですが」
「このブロックはな」
「どれもですね」
王子は実際にそのブロックの大きさを見て言いました。
「普通のブロックの百倍位です」
「大きいのう」
「そのブロックの大きさなので」
「またどうしてこんなものがあるのじゃ」
「あっ、王様」
ここで自然公園の管理人さんが来ました、中年のカドリングの赤い服を着た人です。
「来られたのですか」
「遊びでな、それでじゃが」
「このブロック達ですね」
「うむ、何じゃこれは」
「はい、実は調達してきまして」
「何処からじゃ?」
「パズルの国からです」
オズの国、それもカドリングの国の中にある国です。人も何もかもがジグゾーパズルになっている不思議な国です。
「送ってもらいました」
「ああ、あの国からか」
「こうしたブロックもですよね」
「うむ、はっきり言えばな」
「パズルの一種ですから」
「だからあの国でか」
「造っていたもので」
「それをか」
「ここに送ってくれました」
そうだというのです。
「お願いしましたら」
「そうだったのじゃな」
「先日首相にはお話していましたが」
「それでわしもか」
「お聞きになったのでは」
「そういえばそうだったかのう」
この辺りはどうも忘れっぽい王様です、時々そうしたことを聞いてもついつい忘れてしまったりしてしまうのです。
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