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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  ひぐらしのなく頃に ~鬼倒し編~


蒔風は現在裏山のなかをプラプラ歩いている。

さっきまで一緒にいたメンバーとは、沙都子がついに正解を叫びながら追っかけてきたのでバラけた。

「さってと、どこにいようかな」

蒔風がベストプレイスを探す。
こういう場合、若干開けた場所で待つのが蒔風のパターンだ。
そうすれば鬼が来たのも察知でき、開けてるから逃げやすい。

いい感じの切り株が蒔風の目の前に現れる。
周りも開けているし、調度いいと蒔風はそこに腰を下ろそうと歩を進める。


そこでなにがスイッチだったのか、ぶっとい丸太が縄に吊されてブランコのように蒔風に向かってきた。

「フンッ!(ゴッ!)」

蒔風が拳でそれを殴り止める。
更に蒔風が調度丸太を止めた瞬間にそれを吊っていた木が倒れてきた。


「は?おぅっ!?」

拳を打ち出した直後で体勢が危うかったが、それを廻し蹴りで粉砕する。
そして蹴りきった足が地に着く前に、下から竹槍が突き出してきた。
それらは幸運にも蒔風を突くことはなかったが、あと少しズレていたら、蒔風に尻の穴がもう一つできていただろう。


「・・・・トラップって、もっと子供じみたもんかと・・・実戦レベルだぞ。これ」

「見ぃつけましたわ!!覚悟してくださいまし!!」

茂みから沙都子が飛び出し、蒔風を捕まえようとしてくる。

それをヒラリとかわし、蒔風が再び逃げる。

「魅音さん!行きましたわよ!!」

「あいよ、沙都子!!」

その行き先に魅音が現れる。
どうやら木の上にいたらしい。

迫る魅音の手を、うまく手首を払うことで弾き、右に曲がる。

「舜さん!」

「お?レナ!」

その先にレナがいた。
そちらに駆けながら蒔風が叫んだ。

「お前は大丈夫か!?」

「うん!」

レナが笑顔で答える。

だったら合流しようと蒔風がそちらに行こうとして。
ゾワッ!!!!とした寒気がした。


蒔風がとっさに身を翻してレナを避ける。

「・・・レナさん?嘘言わないで正直に言ってみよう。鬼かい?」

「・・・あっはははははははは!!!!!」

「畜生、やっぱりか!!(ダッ)」

蒔風が逃げる。
途中に様々なトラップがあったがそれを次々と避ける。
その様子を簡単に紹介しよう。

落ちるタライ→アッパー
足元をすくう縄→引っ掛かったがそのまま引きちぎる
転がる岩→わずかな隙間を縫ってかわし、最後の一個に玉乗りする
落とし穴→乗ってた岩を落として回避
飛んでくる竹槍→拾った木の棒で弾く
転んでみーみー泣いてる梨花ちゃん→鬼だったので手に触れないように包帯巻き付けて魅音にパス


こんなそんなで何気に余裕の蒔風。
ちなみに魅音は実は鬼ではなかったらしく、梨花をキャッチしてアウトになった。

「みんな!!あと二人だ。絶対にぶっ潰すよ!!」

「「「「おーーーーー!!!(です)(なのです)(ですわよ)」」」」



「ん?二人?おわっ!!」


蒔風が魅音の言葉に不思議がってると裾を掴まれて茂みに引っ張り込まれた。

そこには縮こまって隠れている圭一がいた。

「圭一も生き残ってたのか」

「舜さんやりますね。沙都子のトラップは特殊部隊だって撃退した代物なのに」

「そんなんじゃ駄目さ。オレを潰したきゃ殺る気で来ないと」

いや、結構あのトラップも死亡率高いと思う。

「そういえば時間制限は?」

「えっと・・・大体夕暮れになってからです」

「まだあるな・・・よし、鬼の殲滅にかかるか」

「え?」

「手伝ってくれ。さすがにここの地形とかはまだわからないからね」

「は、はい」


蒔風が動き出す。
その口はギチギチと笑っていた。


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「見つからないねぇ・・・もう一度あっちの方を探そう!!」

「トラップの起動条件はさっき言ったとおりですわー!引っかからないでくださいましー!」

そう言って沙都子と魅音は振り返った。
しかしそこには

「あれ?羽入は?」

羽入がいなかった。
レナと梨花も、さっきまではいたのに、という顔をする。

そしてガサッとした音がして、そちらの方の茂みを見る。
魅音が茂みをどかしてみると・・・

「こっ、これは!!!」

そこには簀巻きにされた羽入がいた。
顔には紙が貼られており、「うぐぅ」と書かれていた。

なにがなんだかわからない一向。
とりあえず体勢を立て直そうとそこから移動しようとするが

「うキャぅ!!な、なんですのーー!?」

沙都子が落とし穴にはまり、首から下がすっぽりと埋まってしまった。
まるで生首が転がってるみたいだ。

「どうしたの沙都子!?」

「ト、トラップがいじられてますの!このトラップは一定の場所さえ踏まなければ作動しないのに・・・やられましたわ・・・」

「沙都子ちゃ・・」

「レナ、ダメ!!助けようとしたらそこを狙われるよ!!」

「で、でも・・・」

「蒔風舜、か・・・伊達に戦ってきてないってわけね・・・くぅ~~楽しませてくれるじゃん!!」

「助けてくれませんの!?この穴、梨花用に作ったせいかちょっと胸が苦し」

「(ドカ!!!ボン!!)み、みぃ!!沙都子が!!」

「沙都子!?そんな・・・私たちが目を離した一瞬の隙で!?」

「沙都子ちゃんの特性花火を使ってるのがまたヤラシイやり方だね・・・」

そこには爆破され、アフロになった沙都子がいた。
梨花の表情が「計画通り」な顔になったのは気のせいだろう。


「くっ、みんな!背中合わせになって!!全方位を警戒!!」

魅音が号令を出す。
しかし背中を合わせるのは二人だけ。

ガサリ、と上の方から葉が落ちてきた。
そちらを見ると、足を縄で結ばれ、逆さまに吊るされた梨花が。


「「ぎゃあぁぁあーーーーーーー!!!!」」


その長髪が地面に向かってだらりと下がり、目が半開きになっているのだ。
これはかなりのホラーだ。
ちなみにスカートはめくれないように止められていた。
腹に紙が貼られていて「人を呪わばなんとやら」と書かれている。

「まずい・・・まずいよ・・・これはまずい!!」

「魅ぃちゃん、どうするの?」

「絶対に気を抜かないで!!!そうしたら最後だよ!!レナ!!武器の使用を許可するよ。舜さんに常識は通じない!!」

「まさかこっちが狩られる側になるなんて・・・」

そういってレナがどこからか鉈を取り出し構える(この鉈は刃が潰されているので大丈夫です☆)
そしてグルグルと回りながら警戒し続ける二人。

五分くらいしただろうか。
そこにある男のアクションが入る。

「前原圭一!!参上!!!」

圭一である。
そしてその手にはあるものが握られている。

「レナ!!見るんだ。これを!!」

圭一がそのあるものを出す。
それは、木を星型に掘っただけのものだった。

「あはは。圭一君、それだけじゃレナを誘惑できないよ?」

「じゃあ、これでは?」

くるりとそれの反対側を見せる。
そこには「これはヒトデなんだよ」と彫られていた。

「かぁいい~~~~!?おもちかぇり~~~~~!!!!」

「相変わらずれなのかぁいいポイントがわかんねぇ~~~~!!!!」

そう言って逃げていった圭一をレナが追いかける。
すぐに茂みで見えなくなったが、おそらくやられただろう。

「これは・・・ん?」

そこに紙飛行機が飛んでくる。
そこには何かが書いてあった。


が、それを確認するよりも早く、それに気を取られてしまった魅音の意識はなくなった。


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「「オレたちの勝ち!!!」」

蒔風と圭一がガッツポーズをする。
その前には縄で縛られた女子メンバーたち。

「悔しいのです」
「わたくし、止めは他の誰かに・・・」
「沙都子、考えたら負けなのですよ」
「ヒトデさんかぁいいよ~~」
「一生の不覚!!体験入部者に負けるなんて!!!」

と、各々恨み言(?)を言っている。


「さてさて、罰ゲームは確か、エンジェルモートでウェイトレスさんだったなぁ!!」

「エンジェルモート?なんだそこ?」

「明日行ってみればわかる!!」

「だったら楽しみにしよう」


そして日が落ちる。
みんなの縄をほどき、各々帰宅する。




蒔風は例によって情報の通りに森を進んだらテントがあった。

「ひさしぶりだな・・・ここ」

ちなみにこの山は沙都子のトラップのない山だから安心できる。
とりあえずレトルトに手を伸ばし、カレーを用意する蒔風。
途中、トイレに席を立った。

そして戻ってきて、さあ食べようか、と思ったらそこにはレトルトがなくなっていた。

「・・・・なぜだ・・・・OTL(ガックシ)」



そのカレーを盗んだ女性は後にこう語っている。

「ええ。最初は私の知らないカレーの匂いがしたので行ってみたのです。そしたらそこに「超激辛マグマカレー」と書いてあるではないですか。次の瞬間、私は気づいたらそれを持って自宅にいました。ええ、今では少し後悔しています。まさか自分の服が燃え上がるとは思いませんでした。しかし、カレーの新たなる神秘に気付き、やはりカレーは素晴らしいと・・・・・(この後四時間にわたってカレーの素晴らしさを語った)


蒔風はもう一つあったので用意し直し、それを食べた。
尋常でないほど辛く、服が煤けたが、まあ問題はなかった。





to be continued

 
 

 
後書き

今回の「超激辛マグマカレー」はいつも感想をいただいているリュウガさんからのいただきものです。



アリス「次回、罰ゲーム」

ではまた次回







・・・・東京へ帰れ 
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