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英雄伝説~光と闇の軌跡~(零篇)

作者:sorano
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第24話

~特務支援課~



「え……………て、天使!?」

3人の娘の中で一人だけ白い翼を背に生やし、頭の上に光の輪がある娘を見たエリィは驚き

「おおっ!?全員レベルが高い上、スタイルもすげぇぜ♪」

ランディは3人の娘達のそれぞれの整った容姿や優れたスタイルを見て嬉しそうな表情をし

「あれ?あの人………どこかで見たような………?」

ティオは3人の中でエルフの特徴を持つ娘を見て首を傾げ

「課長、まさか彼女達が………?」

ロイドは驚きの表情で3人の娘達を見回した後、セルゲイに尋ね

「ああ。―――特務支援課課長、セルゲイ・ロウだ。お前達が今日から支援課(ウチ)で短期間だけ働くユイドラ領主の娘達だな?」

尋ねられたセルゲイは頷いた後、自分の名前を名乗り、3人の娘達を見回して尋ねた。

「はい。―――――セルヴァンティティ・ディオンと申します。親しい方達からは”セティ”と呼んで貰っているので、よければ皆さんも私の事は”セティ”と呼んで下さい。これからよろしくお願いします。」

エルフの特徴を持つ娘――――セティは頷いた後自己紹介をし、ロイド達に会釈をし

「じゃ、次はあたしの番だね!あたしの名前はシャマーラ。シャマーラ・ディオン!セティ姉さんの妹の一人でーす!みんな、これからよろしくね♪」

セティに続くように胸や足を大胆に見せている衣装を着ている娘――――シャマーラは元気よく挨拶をした後、ウインクをし

「………同じくセティ姉様のもう一人の妹のエリナ・ディオンと申します。短期間にはなりますが、よろしくお願いします。姉妹共々皆さんの足を引っ張らないように精一杯頑張らせて頂きます。」

最後に天使の姿をした娘――――エリナは会釈をして丁寧な口調で自己紹介をした。

「ほれ、お前達も自己紹介。」

セティ達の自己紹介を聞いたセルゲイはロイド達を促した。

「あ、はい。――――ロイド・バニングスです。現在、このメンバーのリーダーをしています。」

「エリィ・マクダエルです。同じ女性同士、よろしくお願いしますね。」

セルゲイに促されたロイド、エリィは自己紹介をし

「ランディ・オルランドだ。いや~、まさか君達みたいなレベルが高い娘達と一緒だなんて光栄だな~!わからない事があれば何でも俺に聞いてくれ♪先輩としてドーンと答えてやろう!」

2人の後に自己紹介をしたランディは嬉しそうな表情でセティ達を見回し

「………ティオ・プラトーです。よろしく………(この人達がウィルさんとセラウィさんの……姉妹って言ってましたけど全然似てないですね………?………あ。そう言えば腹違いのご息女達がいるって言ってましたね………)」

ティオは軽く頭を下げた後、興味深そうな様子でセティ達を見回し

「―――ルファディエルよ。私はロイドの契約天使だけど、警察官としての立場もあるから、警察官として必要な事も色々と指導してあげるわ。」

ルファディエルはセティ達に微笑んだ。



「あの………私達、ティオさんを除けば皆さんより年下ですからそんな丁寧に接してもらわなくてもいいですよ?」

「そうだよ~!あたしとエリナはティオと同い年なんだから!」

「………どうか、気軽に呼び捨てにしてもらって構いません。」

一方ロイド達の言葉遣いに違和感を感じたセティは苦笑しながら指摘し、シャマーラは笑顔で言い、エリナは静かな表情で言った。

「へっ!?」

「はあっ!?」

「ちょ、ちょっと待って!ティオちゃんと同い年って事はまさか………!」

セティ達の指摘を聞いたロイドとランディは驚き、エリィは驚いた後信じられない表情でセティ達を見つめ

「2人の姉である私は今年で15です。」

「あたしとエリナは14だよ~。」

「はい。ですので年下に対する接し方でよろしくお願いします。」

見つめられたセティとシャマーラは微笑み、エリナは2人の言葉に静かに頷いてロイド達を見回した。

「「「「………………………」」」」

セティ達の話を聞いたセルゲイとルファディエルを抜いたロイド達は全員固まり

「あら………これは驚いたわね………まさかそんな見た目で14,5だなんて………」

ルファディエルは意外そうな表情でセティ達を見つめていた。するとその時

「ええええええええ~~~~~~~っ!?」

固まっていたロイド達全員は同時に大声で驚いた。

「クク………何を驚いている?3人の年齢は3人が来る前に教えてあっただろ?」

一方セルゲイは口元に笑みを浮かべながらロイド達を見回した。

「いやいやいやっ!?どう見ても14,5の子供には見えませんよ!?」

「最低でも私達と同い年に見えますし………彼女達の容姿や背なら20代と言われても信じますよ…………」

セルゲイの言葉を聞いたロイドは突っ込み、エリィは疲れた表情で溜息を吐き

「マ、マジで14,5歳でこの容姿にスタイルだと………!?なんて、恐ろしい娘達だ………!14,5でこの状態なら将来は一体どんな美女になるんだ………!」

ランディは驚きの表情で言った後、真剣な表情でセティ達を見つめて叫び

「………あのスタイルや背で私と同い年か一つ上だなんて詐欺としか言いようがないです………………そういえばセラウィさんもぐらまーでしたね…………エルフの遺伝子が関係しているのでしょうか?同じエルフのシルフィエッタ姫やセオビットさんも胸が大きかったですし………でも、それなら母親が違う他の2人について説明できませんし………それとも他の2人の母親もぐらまーなんでしょうか?……………だったら私だって胸はそれなりにあるはず………母親の胸はそれなりにあるのですから………いえ、もしかすると母親の種族の関係?………ぶつぶつ………………」

ティオはショックを受けて溜息を吐いた後、暗い雰囲気を纏って独り言を呟いていた。



「フフ、年齢通りに見えない事はよく言われますよ。」

「別に意図してこんなに早く成長した訳ではないんですけどね………」

ロイド達の様子を見ていたセティは微笑み、エリナは苦笑していた。

「………ちなみに3人のスリーサイズはいくつ?」

そしてランディは真剣な表情でセティ達を見つめて尋ね

「お、おい、ランディ!」

「私達を目の前によくそんな事が尋ねられるわね………」

「最低です………」

ランディの質問を聞いたロイドは慌て、エリィとティオは蔑みの視線でランディを睨んだ。

「え~とね。あたしは上から87、57、86でエリナは確か上からはち………」

一方シャマーラは少しの間考え込んだ後、答え始めたが

「シャマーラ!」

「むぐっ!?」

顔を赤らめたエリナが両手でシャマーラの口を閉じた。

「勝手に人の身体の特徴を口にしないで下さい!」

「ぷはっ。別にそんなに大した事じゃないと思うんだけどな~。」

エリナに注意されたシャマーラはエリナの両手をどけた後、首を傾げ

「貴女がよくても私はよくありません!」

エリナはシャマーラを睨んで怒鳴った。

「な………ん………だと………!?………シャマーラちゃん。セティちゃんのスタイルはどうなんだ?見た感じ、シャマーラちゃんより大きく見えるけど。」

一方ランディは驚いた後、真剣な表情で一瞬セティの豊満な胸に視線をやった後シャマーラを見つめて尋ね

「セティ姉さん?セティ姉さんは上からきゅう………」

尋ねられたシャマーラは首を傾げた後答えようとしたが

「シャマーラ?」

「は、はい!」

笑顔ながらも威圧感を纏ったセティに見つめられ、すぐに姿勢を正し

「自分のスリーサイズを教えるのは貴女の自由ですが、許可もなく知っている人のスリーサイズを教えてはいけません。睡魔族のシャルお母さんの血を引く貴女はそういう事を話すのは平気だと理解していますが、私達まで貴女と一緒にしないで下さい。いいですね?」

「あわわ………ご、ごめんなさい!」

笑顔のセティに言われたシャマーラは冷や汗をかきながら慌てた後、セティに頭を下げた。

(今、きゅうって言いかけた………という事はセティちゃんの胸は90超え………)

一方ランディは真剣な表情で小声で呟いたが

「………何か言いましたか?ランディさん。」

「いえ、何でもないッス。」

シャマーラに向けられた威圧感を纏った笑顔のセティに見つめられ、セティの笑顔に圧されながら答えた。



「まったく……………それにしても3人共、姉妹なのに容姿が全然似ていないな………?」

「そ、そうよね………エリナちゃんなんか天使に見えるし………」

ランディの様子に呆れたロイドは不思議そうな表情で苦笑しているエリィと共にセティ達を見つめて呟くと

「ええ。私は母親が天使……………所謂ハーフエンジェルですから、天使族に入ると思います。」

「それにあたし達3人共、産んだ母親が違うから似ていなくて、当然だよ?」

エリナはエリィの言葉に頷き、シャマーラは不思議そうな表情で言った。

「ええっ!?」

「は、母親が違うって…………」

(………ウィルさんもリウイ陛下やセリカさんと大して変わらない人ですね………)

「なんつーか………色々ととんでもない嬢ちゃん達だな………」

エリナ達の話を聞いたエリィは驚き、ロイドは表情を引き攣らせ、ティオは小声で呟き、ランディは疲れた表情で溜息を吐いた。

「フフ、確かに私達は腹違いの娘同士ですがそんな事は全然気にしていませんから、気を使ってもらわなくても大丈夫ですよ?」

「あ、ああ……3人共、よろしくな。」

そして微笑みながら言ったセティの言葉に戸惑いながら頷いたロイドはセティ達に微笑み

「「「はい!」」」

セティ達はそれぞれ力強く頷いた。

「ティオさん、お父さんとお母さん、エリザお母さんに貴女の事は聞いています………”影の国”ではお父さん達がお世話になりました。」

そしてセティはティオに近づいて会釈をし

「いえ………どちらかというとお世話になったのはわたしの方なのですが………という事は貴女がセラウィさんの?」

「はい。これからお世話になりますのでよろしくお願いします。」

「………どうも。それと私の事は呼び捨てで構いませんよ。セティさんの方が年上なのですから。」

「そうですか?でしたらお言葉に甘えて………これからよろしくお願いしますね、ティオ。」

「………ええ、こちらこそ。(見た目もそうですが口調も母親であるセラウィさん似ですね………)」

「えっ………ティオちゃん、ユイドラ領主夫妻と知り合いなの?」

セティ達の会話を聞いていたエリィは驚いた様子でティオに尋ね

「それに”影の国”って聞こえたけど………一体どこの事を言っているんだ?」

ある事が気になったロイドは尋ねたが

「それも全て”特殊な事情”です。」

「ま~た、その答えかよ………いい加減、俺達にも教えて欲しいぜ。」

ティオは誤魔化し、ランディは溜息を吐いた。



「あ、そうだ。セティ姉さん、あたし達の工房は?」

「後は自室も聞いておかないと駄目ですね。荷物もそちらに送ってありますし………」

「今、聞きます。………セルゲイ課長。私達の工房と自室はどちらにあるのでしょうか?」

そしてある事を思い出したシャマーラとエリナに尋ねられたセティは頷いた後、セルゲイに尋ねた。

「”工房”………?」

セティの言葉を聞いたロイドは不思議そうな表情をし

「ちょっと待ってろ。今、案内してやる。………こっちだ。」

セルゲイは頷いた後階段に向かい、ロイドやセティ達はセルゲイに付いて行った。そして階段に到着したセルゲイは地下へと降りた後、鍵を取り出して扉にかかっている鍵を開けた。

「その扉は………」

「鍵がかかっていて、ずっと気になっていましたけど………まさかセティさん達の自室だったなんて。」

その様子を見ていたロイドは驚き、ティオは呟いた。そして扉の中に入って行くセルゲイにロイド達がついていき、部屋に入るとそこは広い空間となっており、何かを創る為に用意された色々な道具が置かれていた。

「わあ……!」

「ここが今日からしばらくの間、私達の工房となる部屋ですね………!」

部屋の設備を見たシャマーラとエリナは目を輝かせ

「私達の自室はあの3つの扉の先ですか?」

セティは部屋の奥にある3つの扉に気付いてセルゲイに尋ね

「ああ。部屋の割り振りはお前達で勝手に決めな。お前達が送った荷物に関しては中央の部屋に全て纏めて入れてある。」

尋ねられたセルゲイは頷いて答えた。

「な、な、なっ……!?」

一方ロイドは部屋を見回して口をパクパクさせ

「この施設は一体………?それにこれほどの空間がこのビルの地下にあったなんて………」

エリィは驚きの表情で部屋を見回し

「………導力機構を調整する設備までありますね………確かこの設備は財団の工房でも見た事があります………」

ティオは部屋内に備え付けてある施設を見て驚き

「何なんッスか、この部屋?見た感じ、職人の施設みたいに見えるッスけど………」

ランディは部屋を見回しながらセルゲイに尋ねた。

「この部屋は今日から支援課(ウチ)に所属する事になったこの3人の為だけに予め作られた地下室でな。この3人の”工房”兼自室だ。」

「へっ!?その言い方だとセティ達は何かを創る職人なのですか??」

セルゲイの説明を聞いたロイドは驚きの表情で尋ねた。

「はい。私達は”工匠”ですから、ここでなんでも創ります。」

「”工匠”………………」

そしてセティの答えを聞いたロイドは呆け

「ちなみに工事費やここにある施設を用意する為の金は全額ユイドラ領主が出しているんだぜ。後、現在この空間はユイドラ領だ。なんせ、この空間はユイドラ領主によって購入されているからな。この空間は治外法権になるから、今後部屋に入る時はセティ達の許可を貰っておけよ?」

「ええっ!?」

「なんつーか………話のスケールがでかすぎて、理解できないッス。」

セルゲイの話を聞いたエリィは驚き、ランディは疲れた表情で溜息を吐いた。

「………先程なんでも”創る”と言ったけど、具体的にどんな物を創るのかしら?」

一方考え込んでいたルファディエルはセティ達に尋ね

「言葉通りの意味だよ!武器に防具、薬、装飾品………勿論生活必需品や服、食事だって創るよ!」

「ちなみにオーブメント技術も習ってありますのでクオーツの合成やスロットの開封もできますので、オーバルストアでのみ可能だった事もできますから、いつでも言って下さい。本来でしたら報酬を頂くのですが、皆さんは仲間なので材料さえ揃えて頂ければ無料でさせて頂きます。」

「工匠にできる事で不可能はありません。それが私達”工匠”ですから。何でも言って下さい。」

尋ねられたシャマーラは嬉しそうな様子で答え、エリナはシャマーラの説明を補足し、セティはロイド達に微笑んだ。



「そ、そう言われても………」

「何を頼めばいいのか、正直わからないのだけど………」

一方ロイドとエリィは戸惑った様子で答え

「フム………要するにセティちゃん達は武器やオーブメントとかそういうのに拘らず、全種類の物を創る職人なんだな?」

ランディは考え込んだ後、尋ねた。

「はい。そういう風に理解してもらっていいです。」

「ええっ!?」

「”工匠”の事は少しだけ知っていたけど、まさかそんなに幅広い技術力を持っていたなんて………」

ランディの疑問に答えたセティの言葉を聞いたロイドは驚き、エリィは信じられない表情でセティ達を見つめていた。

「………まあ、私達は全てが得意分野の父様と違ってそれぞれいくつかの得意分野に分かれているのですけどね…………ちなみに私は薬や機械、オーブメント技術を得意としています。導力機構が関係する武器の調整や改造、強化、作成が行えますので、導力機構が関係している武器を使う方がいらっしゃったら、私に言って下さい。」

「あたしは鍛冶――――要するに武器と防具だよ!武器や防具の強化や改造はあたしに任せて!」

「私は織物や細工――――服や靴、装飾物を得意としています。ただ、それぞれ得意分野以外の物が創れないという訳ではありませんので、そこは勘違いしないで下さいね?それと私達3人共、材料があれば一から全て創ることもできますので、よければどんどん材料を持ってきてください。私達の勉強にもなりますので。」

「マジか!?だったら材料さえあれば新しい武器や防具、消耗品の金がかからねえじゃねえか♪」

「ざ、材料があればどんな物でも創るって………」

「しょ、正直信じられないんだけど………」

(………まあ普通、そう思いますよね。私は”工匠”の技術力の反則さを”影の国”で思い知りましたけど………)

エリナ達の説明を聞いたランディは驚いた後嬉しそうな表情をし、エリィとロイドは信じられない表情をし、ティオは静かな様子で黙り込んでいた。

「論より証拠!今、見せてあげるよ。みんなの武器を今貸して!お近づきの印に強化してあげるから!」

「もしセピスも持っていたら貸して下さい。創って欲しいクオーツも合成しますので。」

そしてセティ達はわずかな時間でロイドのトンファー、エリィの導力銃、ティオの魔導杖、ランディのスタンハルバードを強化してそれぞれの持ち主に返し、さらにロイド達が持つセピスを使ってクオーツもいくつか創った。

「ほ、本当に俺達の武器を強化するだけでなく………それどころかクオーツも合成するなんて………」

「それも時間もそんなに使っていないし………」

魔導杖(オーバルスタッフ)の強化まで行えるなんて…………さすがはウィルさんのご息女達ですね。」

「ハハ………こりゃ、とんでもない後輩が来たな………」

強化された武器や合成されたクオーツを渡されたロイド達はそれぞれ驚きながらセティ達を見つめていた。



「さてと………改めて――――セルヴァンティティ・ディオン。」

「はい。」

「シャマーラ・ディオン。」

「はーい!」

「エリナ・ディオン。」

「はい。」

「本日10:00をもって以上3名の配属を承認した。ようこそ、特務支援課へ。お前達もロイド達同様、バラエティ豊かな仕事を山ほど回してやるから楽しみにしてるといい。」



こうして新たな仲間、セティ達を仲間に加えたロイド達はセティ達に現在捜査している事件の説明をした後、鉱山町マインツに向かう為にマインツ山道に向かった………




 
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