| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

最初はお菓子

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

3部分:第三章


第三章

「多いわよね」
「まあそんなところだよな」
「見た感じじゃな」
「そうだよな」
 男組は三十パーセントと聞いて納得した顔でそれぞれ言った。
 そしてだ。そのうえでこうも言い合った。
「まあ少し太ってるって感じか?」
「太ってるってことは事実だけれどな」
「それでもな。滅茶苦茶って程でもないし」
「いいか?」
「それ位ならな」
「だからいいのよ。女の子は少し太ってる方がいいのよ」
 自分でだ。笑いながら言う恭子だった。
「誰にも迷惑はかけてないし。死ぬ訳じゃないし」
「まあそれ以上太るなよ」
「太り過ぎは確かにやばいけれどな」
「それでもそれ位だったらな」
「身体にも問題ないしな」
「だからこれからもね」
 話が落ち着いたらだ。恭子は笑いながら話していく。
「お菓子作って食べるわよ」
「俺達にもくれよ」
「お菓子な、いいな」
「気が向いたらね」
 彼等の言葉には笑って返す。こんな風だった。
 恭子は相変わらずお菓子ばかり作ってそうして食べていてだ。太ったままだった。だがそんな彼女を誰も嫌わずにだ。男組もこうした感じでだ。女組もだった。
 何だかんだでだ。彼女の周りにいてこう言うのであった。
「で、今度はそれ?」
「アイスクリームなの」
「それ作ったの」
「そう、アイスも好きだから」
 恭子はこう言ってだ。薄いオレンジ色のそのアイスをニコニコとしながら見てだ。そのうえで彼女達に対して話をするのだった。
「だから作ってみたの」
「またお菓子ね」
「本当にお菓子ばかりね」
「アイスってカロリー高いわよ」
「それでもいいの?」
「いいのよ」
 ニコニコとしたまま話す恭子だった。
「じゃあこれからね」
「食べるの?」
「そうするのね」
「そうよ。今日は皆の分も作ったから」
 それをしたというのである。
「だからね。一緒に食べよう」
「やれやれ。仕方ないわね」
「本当に。そう言うのならね」
「頂戴、それでね」
「一緒に食べましょう」 
 彼女達は本当にやれやれといった苦笑いになってだ。そのうえで恭子の言葉に頷いてだ。
 そのうえでだ。彼女を囲んでだ。そのアイスを一緒に食べるのだった。
 そのアイスの味はだ。食べてみると。
「あっ、パイナップルなの」
「美味しいわね、それを作ったのね」
「冷たいし甘いし」
「硬過ぎないし。いいわね」
「アイスも勉強してみたの」
 恭子もだ。そのアイスを食べながら話す。
「それで作ってみたけれど。美味しいわね」
「ええ。この味ならね」
「お店にも出せるんじゃないの?」
「そうよね。このアイスならね」
「いけるわ」
「それどころか」
 ここでだ。女の子の一人がこう言った。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧