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第四幕その七

「そろそろ恵梨香達も起きてくるから」
「うん、恵梨香達も起きてくる時間だね」
 ジョージも言います。
「そろそろ」
「もうとっくに起きていてね」
 つぎはぎ娘が言うには。
「着替えたり髪の毛を整えているのよ」
「身だしなみをなんだ」
「そう、きちんとしてるの」
「女の子だからね」
「女の子は大変なのよ」
 何かと、というのです。
「朝起きてすぐに皆の前には出られないの」
「男の子より時間がかかるね」
「オズマもよ」
 その彼女もというのです。
「もう起きて今はね」
「身支度を整えてるんだね」
「早起きしたジュリアに手伝ってもらってね」
「ああ、ジュリアさんは凄い早起きだからね」
「メイドさんは早く起きるのもお仕事よ」
 ガラスの猫fが言いました。
「早く起きてお仕事をはじめることもね」
「そしてだね」
「オズマの身支度を手伝ってるのよ」
「そうだね」
「あとエリカは」
 馬は彼女のことをお話します。
「生身の猫だから」
「猫はよく寝るよね」
「あの娘はお寝坊さんだよ」
「王様と一緒で」
「とにかくよく寝るからね」
 本当に猫はよく寝る生きものです、何でも日本語の『猫』という名前は『寝る子』という言葉から来たとさえ言われている位です。
「あの娘は」
「じゃあ何時起きて来るかは」
「わからないよ」
 彼女の場合はというのです。
「だからあの娘と王様はね」
「起きてこないってだね」
「思っていた方がいいかもね」
「そうなんだね」
「まあとにかくオズマ達がこっちに来てからだね」
「ボタンを探すのは」
「それまで待っていよう」
 こうカルロス達に言う馬でした。
「待つのも探すうちだよ」
「すぐに動くんじゃなくて」
「そう、必要な人が待つのもね」
「誰かを探すうちなんだね」
「さっきもお話に出たね」
「あっ、探すには人が多い方がいい」
「そういうことだよ」
 まさにというのです、こうお話してでした。
 カルロス達はまずは女の子達を待ちました、するとすぐにでした。
 オズマとジュリア、それに恵梨香とナターシャが来ました。そして皆で事情をお話するとです。
 恵梨香は特に驚かずにです、こう言いました。
「あの子らしいわね」
「そうね」
 ナターシャも同じでした。
「いつもだから」
「あの子が起きたらいないっていうのは」
「私もひょっとしたら思ってたわ」
「私もよ」
「あの子はそうした子よ」
 オズマはもっとあっさりしています、二人よりも。
「気付いたらいない子よ」
「そうですね、僕達も知ってましたけれど」
「驚いてはいないでしょ」
「またかと思ってます」
 カルロスは正直にです、自分の気持ちを述べました。 
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