新妹魔王の契約者~龍剣使いの神皇帝~
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2巻
決戦日までの修行×主従契約魔法によるパワーアップ
一方地下二階にて俺達の鍛錬をしていたが、澪は魔法に対する座学を鈴音から学び近中距離での相手を刀花が一から勉強させていた。万理亜は近距離戦を得意とするグレンデル相手で、主にパワータイプなので力を上げていたと共に速度も上がる事もなる。最初は俺が動きの動作に無駄があると指導させてから、己がまずする事を鍛錬メニューに組んでいるからだ。
「そうそう、そんな感じでやってくれたらお父様の援護が出来ますよ」
「なるほどね。魔法攻撃には遠距離から近距離の攻撃バリエーションがあるのかー」
「澪は澪がやれる時がありますけど、今回はお父様と私が戦いますから一応との事です」
「確かに今回は一真と深雪姉さんが相手だけど、毎日のように鍛錬やってれば戦闘訓練にはなるのか~」
澪の魔法攻撃は日付が変わる事で、徐々に力が付いて来るようだ。一真は一真で胡桃との相手を想定した模擬戦をし、エレメントメモリを使った蒼太を相手にして色々と戦闘パターンを考えていた。一番は風の斬撃だが、風刃の舞とかを使ったとしても相手の攻撃によって攻撃威力が違うからな。深雪はティアの力を使った禁手化により、蒼い鎧を纏って高志の相手をするが今は澪の鍛錬相手をしていた。
「深雪姉さんは模擬戦しなくていいの?」
「ホントはそっちを優先的ではありますが、お父様からの指示なので優先順位を澪の指導にしています。さて・・・・そろそろ魔法攻撃練習もいいですが、今度は私が剣を使って模擬戦をしてみますか」
「ええ。近距離での剣術や槍術を使う相手に対する有効手段を身に着けないとね」
「今回は剣ですけど、紙一重で剣を寸止めしますが体力も魔力も前よりも大丈夫かと」
と言う事で現在澪対深雪による剣対魔法による模擬戦をしていたが、前よりマシになっている事を見ていた一真と蒼太だった。現在休憩中であり、高志と柚希と胡桃との相手をするが、主に相手をするのは高志と胡桃だろう。戦闘スタイルにより実戦形式での鍛錬を毎日のようにしていたが、この街には人除けの結界が張れる場所があるけど自宅の地下二階を使ってる事で毎日のように鍛錬が出来る。
「ふむ。澪も徐々にだが、魔力も攻撃に関して覚えてきたな」
「澪様は私と一緒に居た時より一層上がっている事は確かなようですね。一真さんに蒼太さん、ミネラル入りのスポーツドリンクをどうぞ」
「ありがとう万理亜」
「助かります。これで水分補給をしてから、また鍛錬出来ますね」
スポーツドリンクを受け取って飲んでいたが、遠くから澪を見守る万理亜であり過去より今の方が覚えがいいので一安心。万理亜の相手はクロウなので、この後の鍛錬でも徒手空拳を使う怪力万理亜と剣や槍を使ったクロウによる接近戦が俺らの目の前でやっている。今は休憩だが、澪が深雪と鍛錬中でもこちらに視線を感じるから気になるらしい。
「サキュバスでパワータイプの万理亜は、元々身体能力が高いからクロウ相手でも平然としてるもんな」
「私としては最近一真さんによる事で力を付けていますし、行為後に浄化をされても力が下がる事はありませんから」
「浄化に関しては知ってると思うが、俺の本妻である奏に対する事だと言うのは知ってるだろうに。澪の知らない間にやってるから気付いてなさそうだ」
「淫魔でもありますからね、行為をする事で力を上がりますしね」
俺らの事はいいとして、最近の澪は心の中では焦っているように思えた。恐らく己の力が如何に不足しているかを痛感していると知った深雪により、強力な魔法を唱えなくても出来た事で成長スピードとしては早い。実戦経験が足りていないけど、幸い深雪による鍛錬での実戦形式をする事で戦闘の緊張やプレッシャーに最初に慣れさせてから追い込まれないようにメニューを熟しているようだ。
「肉体的・精神的にも消耗しにくくなっているし、実際の戦闘をしたとしても勇者の一族と同等でなくとも実力が出せるようにしてる」
「ま、深雪さんの教え方は私よりも上手ですしね。逃亡生活よりかはマシです」
「さてと休憩は終わり次第、明日の朝から学校があるから俺達は先に上がるわ。万理亜は深雪達の模擬戦が終わったら、声を掛けて今夜の修業は終了だと伝えておいてくれ」
「分かりました。今回は一真さん達が一番風呂で構いませんから」
と言う事で俺と蒼太にクロウ達の一番風呂となるが、そろそろ出ようかと思った所で深雪達が入ってきた。で、俺達の生活は変わらんが朝起きて鍛錬後に学校へ行って放課後になれば自宅へ真っ直ぐ帰宅後に修業する。
途中休憩として夕食を食ってから、皆それぞれの時間を保ちつつ自宅周辺に来たはぐれ悪魔を葬る俺とクロウ達。そんで模擬戦をしてから風呂入って寝ると言う事を繰り返すと、すぐに数日経過していたが確実に澪と万理亜のパワーアップしていた。
「決戦まであと二日か『ご主人様、お電話です』お、やっと来たか」
現在俺と万理亜がここにいて、深雪と澪はまだ風呂の最中に電話が来た事で銀のトレーにある子機を取った。相手は予想通り高志で、戦いの舞台が決定し場所と時間を告げられて電話は切れた。子機を銀のトレーに置いてメイドは立ち去ると万理亜が聞いてきた。
「・・・・決まりましたか?」
「ああ。なるべく人が来ないように、夜でやろうと言う事になった。俺ら的にも独立蒼翼黒鮫課もその方がいいと考えていたがな」
「結界は構成や空間内部に細工の余地がないように、戦闘直前で向こうとこちらの共同で張るようですが私なら人除け以外にも空間式の結界も使えますよ」
「確かにラードゥンさんの結界は様々使えますので大丈夫かと思いますが、こちらとしても誰かと共同で結界を張った事はありません。ですけどラードゥンさんが言ってる事は間違いなさそうですね」
何時の間にかいたラードゥンであるけど、正確には電話を取り出した時にはもういたからな。しばらく話し合っていたが、澪と深雪らが上がるまでの間に対策を練っていたけどね。本来だと万理亜のバスタオル姿だが、ここは外史であり既に知っていた情報だったので普通のパジャマを着てもらった。そんで万理亜から相談があると言う事で、俺らは聞いていた。
一方深雪と澪は万理亜よりも遅く浴室から出たようで、少々長風呂だったが最近朝鍛錬以外にも魔法による修業の疲れを翌日に残さない対策である。深雪も一緒だったが、何時もだと深雪も出ている時間帯で今日使用した入浴剤の好みのようで。
幸い俺らが先に入ったお陰でゆっくりと芯から温まる事が出来た。桜色に染まった身体に付着した水滴をバスタオルと深雪による翼からのドライヤーですぐに乾いた。
「相変わらず深雪姉さんの翼は温かいのね」
「ふふふ、確かにそうですけど普通に乾かすより早めの方がいいと思いましてね。それにそろそろ連絡が入ったと思いますし」
「私の力も向上したけど、深雪姉さんの力がどこまで本気かは分からないわ」
「それはそうよ、深雪が本気になれば止められるのは一真しかいないしね」
ティアがそう言うと着替え用のショーツを尻まで引き上げ、伸縮性の生地が小さく鳴ってからパジャマを袖に通してボタンを留めていく。上からではなく下からなのは、寝苦しくないように胸の前を開けておく。これだと谷間=胸元が見えてしまうが見られて困る相手はこの家にはいない。深雪とティアと万理亜は同じ女で、一真には既に恥ずかしい姿や処女をあげている。
「澪、お父様と主従契約をしたからと言って一緒にお風呂入って乱れてしまうぐらいでは呪いは発動しない」
「うん・・・・分かってるつもり何だけど」
「今更恥ずかし合っても一真は気にしないし、主従契約を結んで弱みを握られたとしても主導権を握ってはいないから安心しなさい」
「例えそうであっても、私としては改良してくれた事で助かってるしね」
女子トークがあったけど、澪の心配はあっという間に消えた事で三人は濡れた髪を乾かしてから脱衣所を出てショートワープでリビングへ行くと万理亜と一真の声が聞こえてきた。
「一真さん・・・・もっと澪様を服従させてもらえませんか?」
「服従か、今のままでも充分だが何故そうまでしてレベルアップさせる必要がある」
「現状は大丈夫ですが、如何なる時に力が足りない時になれば私や澪様は深雪さんと足手纏いとなってしまいます」
「ふむ・・・・確かにそうだがその分析が正しくとも実力差と戦力差が分かってるなら必要ないのでは?現に俺の力はブランク無し、高志が使う霊槍を使ったとしても実力はこちらの方が上」
だが万理亜が行為によってパワーアップしているなら、澪は主従契約を結んだ同士は互いの信頼が深まれば主側と配下側の力が強まる傾向。俺と澪がやれば増々勝機は見えてくるだろうが、これは保険として澪を服従させて想いの強さで強くなる事も。こちらが冷静じゃなかったら澪はもっと恥ずかしくなり、俺が澪を少しでも屈服するよう冷静に見せる必要性もある。
「ま、それが年頃のガキだと理性が保たれなくなり苦労する事もあるが、主従契約にはサキュバスの特性である催淫が付加されている。呪いを解く為やら強くなれるとかでの免罪符にし、恥ずかしい思いをさせるのは卑怯な大人がやるような事だろう。だが幸いにも俺は大人であり、血と繋がった娘と嫁らもいる事で理性が飛ぶ事は今までなかったな」
「澪様の極上の外見とプロモーションは、普通の男子なら悩殺ではあります。呪いの催淫効果で乱れて、一真さんはどうすれば澪様をより己に屈服させられるかを考えていた。下心があっても澪様を助ける為だと間違いであり、一真さんがやりたいのであれば問題無くやれますからね」
「そう言う事。夢魔であり淫魔であるサキュバスの万理亜であれば理解するだろう、男がこの手の欲求にどれだけ弱いかを知っているし腹の底で女と言う生き物を汚く卑怯な事を考えているかもな。だが俺は俺であり、人間の前に創造神黒鐵だから欲求不満になれば何をするかも知ってるだろう」
「サキュバスである私を強くするには欲望や興奮を吸収して、己の力にする事が出来ますけど既に行為を何回かやってる事で先週よりかは強くなってる事は確実です。いくら私でも一真さんを落とす事は出来ない事をね」
そうしてからそこで隠れていた深雪と澪を呼んで、今後について話合う事にしたが万理亜は何時からそこにいたのか聞くと最初からだそうで。ま、俺は最初から知っていたがワザと気付かないフリをしていたからな。勝つ為の秘策とした事による保険だったけど、深雪には澪が考えている事が丸分かりのようだ。澪を快楽で屈服し、主従契約の関係強化をする為なのか澪自身が妖艶な瞳で見てくる。
「・・・・あたしやるわ、一真お願い。あたしにやらせて、一番強くならないのはこのあたしだから屈服させて」
「お父様に進言致しますが、澪の主従契約についての行為させた方が良いと思います」
「このままでは足手纏いになるからか?『うん、今後の事を考えた結果あたしや万理亜も強くならなくてはいけない。でも今までやってきた修業では現状維持のままだから』ま、そうだと思ったし主従契約に効果があるならやってみて損はないだろう」
「澪様や私もですけど、修業によるパワーアップもそうですが主従契約の効果を使った方がよりパワーアップに繋がりますしね」
現状維持でもいいが、今の澪はそれよりも主従契約の効果によっての方が良さそうだなと俺は無言で頷いた。今のままでは確実に足手纏いになるが、今後の事を思えば主従契約の効果を使って強くなれば今後の鍛錬メニューを増やす事も可能。あの快楽により頭の中が可笑しくなろうとしても、屈服されてより強く忠誠を誓う事でなれる。互いが了承した事で、リビングから地下二階にある所へ向かう。
「さてと、これからやる事に関してどうやって堕とそうかな?」
「あの触手を使い、胸だけでイかせたらどうですかお父様」
「そうだな~今回はコイツを使ってイかせてから、俺ので出させるとしようか」
「お父様は加減が出来るとしても、澪を壊してはいけませんよ?」
分かってると言って準備完了との事で、深雪は万が一魔族が見ていた場合を備えてリビングから様子見をする事となる。地下二階には様々な部屋があるけど、一番奥にある部屋は夫婦の営み専用となって色々な道具も揃っている。今回は触手を使うが、ここが15禁だと知っているので行為に関して詳細は語れない。万理亜も近くにいるが、俺と澪との様子見と言う事でいるけどな。
「では早速やるぞ」
「う、うん。・・・・や・・・・ああっ!?ふぁんっ、ふああああぁぁんっ!」
「おやおや澪様。まだ主従契約の催淫は発動してませんよ?」
「予想以上に反応したな、まだ服の上からなのに淫乱な義妹だ。胸が弱い事を知っているし、直接胸を揉まれた事で何度もイったからな」
呪いが発動している訳ではないが、主従契約を結んだ時に強情な澪様が中々屈服出来なかったあの時の快感は普通の人間では滅多に得られないようなレベル。それを溜めさせて一気に解放する事により、快楽の味を知った事で澪の躯は以前と比べ物にならない程敏感となった。性的快楽を得る程、性感が開発されて行く事で俺専用にと開発された事を知る澪は頭の中が真っ白になるぐらい感じていた。
「主従契約は普段なら九回発動する事で、学校や自宅で味わう所を改良によりそのスイッチを持つ一真さんだから今まで学校では大丈夫だったのですよ。契約を結んで一ヶ月経過してますが、前にした行為以上にしないと精神的に耐性が付いています」
「それは承知しているが、前戯としてやらないと後々どうなるか分からんだろう?」
「・・・・え?一真は一体何をするの・・・・胸のボタンを外して一体何をするの」
直接胸を揉んだとしても、今の澪は以前よりも敏感だったとしても感じる快楽が増幅するには趣向を変えた方がいい。今回触手プレイとなるが、十分に解してやらないと後々どうなるか万理亜が一番よく分かっている。経験豊富な俺と万理亜であるし、サキュバスと神聖魔族の力を持つ俺だからか本気の洗礼は早いからな。で、実際充分に揉んでから召喚した触手によって胸をイかされ続けた。
「先程澪は俺達の会話をずっと盗み聞きしてただろ?」
「え・・・・そ、それは・・・・んぅっ!?」
澪を屈服する為に使った主従契約の呪いスイッチを起動させた事で、サキュバスの特性である催淫効果と神聖魔族の力でメロメロにさせていく。そんで触手によって何度もイかされてから俺の洗礼により、中出しをしてから何度も澪の膣内に熱い液体が感じ取り激しい快楽の渦により澪を飲み込んだ。何もかも真っ白に染まったが、浄化により胸や膣内にあった液体を浄化させてからやっと気付いた。
「お、全身が光出したと言う事は成功か?」
「おめでとうございます・・・・その光は主従契約がお二人の関係が一段落進んだに認めた証です」
「あ・・・・首の、痣が・・・・」
「首に浮かび上がった首輪状の痣が変化した事で、澪自身もさっきよりも強くなっただろう」
身体能力から魔力まで全体的なベースアップが起きて、この光が収まる頃には俺らと言うより澪と万理亜は強くなった。万理亜は澪の興奮を吸収させた事でもあるし、パワーアップにて維持されたままだろう。
澪を抱えてベッドに寝かせてから、地下二階で行われていた官能的な行為を外から視ていた者らを気配を消して監視していた深雪。彼らがいるのは、隣の家の屋根上にいたが既に深雪の相棒であるティアとクロウが気配消して様子見していた。
『普段なら地下を視れないけど、一真の策により魔法で中での出来事を見ているわ』
『うむ。そうだな、確か男がラースで女がゼストだった気がする』
『内容が内容だけに、どんなに過激になってもラースの隣にいるゼストは平然と視ているね』
『ゼストの態度がラースにとって余計にその場の空気を気まずい感じのようだな』
ラース=滝川がここに来たのは澪を監視するのが任務であり、ゼストもまたゾルギアから現在の澪周辺を確認するよう命を受けてやって来た。滝川達はここ数日で一真達が置かれている状況をある程度把握しているし、澪を滅ぼす為にやってきた勇者の一族と戦う羽目になったとしてどのように動くかをずっと見てきた。
任務による監視対象とはいえ、滝川にとって一真と深雪と澪はクラスメイトでもあるのか。知り合いの濡れ場を見ている事が、気まずくなっている。
『よう滝川、何やらそちらの空気が悪そうだな』
『一真っちか。ゼストがそちらを見ているが、こちらにとれば念話が出来る機器を貸してくれたお陰だ』
『まあな。そちらで倒したヴァルガ三兄弟なら兎も角、ゼストは女でありここ数日学校を休んでゼストを接待していたからな』
『それはお疲れさんとでも言っておこう。どうせここに来たのもゼストの要望によって来たのだろう、だから責任は無くとも親しくも無い接待相手の女と知り合いの濡れ場を見る事が拷問だよなー』
滝川と会話してるのは地下二階で行為している一真ではなく、ゼロが代わりに会話をしているが相手である滝川はいつもの一真だと思って念話をしている。とはいえ行為中なのに出来ると言う事は、流石は神とも言えるようだけど焼肉屋で主従関係を強める事も一真側は分かっていた。
で、一真と澪との絆はこれまでより一段階深くなったので増々勝率が上がる事だろうと思っていた。ゼストも一真の事を魔族でも神族でも見ていないと思っていた。
「そろそろ行こうぜ。成瀬澪の自宅での様子が見たいって話だったが、あっちはどうやら一区切りしたみたいだしアンタも気は済んだだろ」
「お気遣いなく。この半年での成瀬澪の変化を確認するのが私の仕事です」
「あのな・・・・こっちはこれ以上気まずくなる前に、さっさと寝たいんだが。それにだ、どうせあちらにはこちらを監視している者もいるだろうよ」
「監視者ですか?そちらを見ても気配もなく、誰もいないように思えますがあの青年は中々面白い素材のようですね。成瀬澪を屈服させる事に抵抗感など全く無く、サキュバスの催淫特性の呪いを利用させて的確に服従させるとは。主従契約にサキュバスの特性を付加している事は報告で聞いていましたが、あの感じ方を見るにやはりゾルギア閣下の見立て通り成瀬澪は相当敏感な躯の持ち主のようですね。成瀬澪は随分と快楽に酔いしれていたようですが、本番前であそこまで感じられるのであれば、ゾルギア閣下ならばあれ以上の快楽を幾らでも与えられます。彼女の心を上書きし、忠誠心を奪う事は容易いでしょう」
「あーそうかい。仕事熱心で実に結構な事だな。しかしアレを見て眉一つ動かさない所か、性感チェックまでするとは。流石はゾルギア候の懐刀、目の付け所が違う」
あれだけのものを見ても何も感じないようにしているが、実はゼストらが見ているのは偽の情報であり本物は本番行為をしている。一真が神族だと言う事を知ってるのはここにいる滝川だけなので、ゼストから見ると元勇者かそれ関連の人間しか思っていなさそうだ。滝川が肩を竦めて口にした皮肉にゼストはこちらを向いた。
「・・・・それは皮肉のつもりですか、ラース?もし今の発言に閣下を侮辱する意図があったのなら、こちらも相応の対処をさせて頂きますが」
「いやいや、まさか・・・・そんなつもりは微塵もない。ただ俺は感心してただけだし、そろそろあちらさんも出てくるだろうと思っただけさ」
「そうですね、男を知らない癖に言う事だけは一人前とは大したもんだと言いたいね。ゾルギアの傍にいれば、それだけでその手の行為を見る機会が山程ありそうだわ」
「男を知らない女の匂いだけで分かっちまうが、根拠があるんだよな」
あちらさんと言った滝川が指を差した所には、様子見をしていたクロウとティアが出て来た事で警戒したゼスト。クロウ達の指摘通り事実であり、主従契約魔法の呪いにサキュバスの催淫効果を付ける遊びを考案し、性愛玩用の女配下が山程いるゾルギアでその懐刀を務めているのがゼスト。普通に考えればすぐにゾルギアの相手をするだろうが、滝川や鈴音の情報と一致した事があったからだ。
「私達には情報収集する者が多くてね、半分噂だろうと思ってたけどゾルギアが最も頼りにする懐刀は彼のどの配下よりも美しいが男を知らないからでゾルギアが決して手を付けられない理由でもあるとね」
「淫魔であるサキュバスやインキュバス、真祖の吸血鬼でもない俺達は匂いで処女かどうか判別不能であるが、わざとカマを掛けて仕入れた情報と一致させるため」
「貴方達は何者です?私達魔族でも無ければ勇者の一族でもありませんが」
「私達はドラゴンよ、こっちのクロウもだけどね。盗み見をこれ以上するのであれば、攻撃許可もらっているわ」
ゼストがクロウとティアがドラゴンだと確信したら、虚空に溶けるようにその場から姿を消した。残ったのはラースとクロウとティアであるが、周囲からゼストの気配が消えた事で一応結界を張った事だからか滝川から話し掛けてきた。
「そろそろ俺も帰ろうと思うが、今まで一真っちがやって来た事は偽りの映像なのか?」
「そうだ、ゼストとラースだったか。お前達が見ていたのは偽りであり、真実は本番を行っている頃だろう」
「本番行為後、深雪と万理亜と共に浴室へ向うでしょう。我が主はここには来れませんが、後程報告させてもらいます」
「やはり一真っちはバレバレのようだな、だがゼストやゾルギア候はまだ一真っちが神族なのは知らない。伝えておいてくれ、決戦の日の昼に学校の屋上で話があるとな」
そう話した後、夜の闇に姿を消したがクロウとティアは静かに自宅の部屋にいた一真に報告した。二度目の風呂に入っている深雪と万理亜だが、一真は疲労していない状態でラースとゼストが俺達を見ていた事を事前に知っていたから偽り情報を与えたからだ。
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