提督がワンピースの世界に着任しました
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第09話 海域偵察任務
前書き
前回投稿した2月から、4ヶ月経ってしまいました。更新遅くてすみません。
今後は、なるべく期間を空けないで更新できるように頑張りますので、応援をよろしくお願いします。
先の遠征の成果として、神威鎮守府がある島の周辺海域に関しての海図を手に入れた私達。
その手に入れた海図に記された情報の信憑性を確かめるという任務を受けて、妙高さんを旗艦にした、天龍さんと吹雪の三人で編成で方方へ偵察を行うことになった。
私達の任務は、実際に海を見まわって海図の正確度を確かめていき、もしも情報が正しいけれど古くなっているならば、最新の状況に更新していくというもの。今後の航海をより安全にするための情報収集となるので、非常に大事な任務である。
さらに、手に入れた海図によって神威鎮守府のある島から少し離れた所には、同程度の大きさの島や少し大きめの島が点在している事が明らかになった。
それらの島も調べる必要が有るということで、可能なら上陸してみて、島に住んている人間が居た場合にはその人達の事について、生活の様子、その島にある村や街の発展具合を観察して記録し、情報をなるべく収集するようにと提督からの命令だった。
海を縦横無尽に進むので、今度こそ深海棲艦と遭遇して戦闘が起きる可能性があるかも知れない。だけど、その事に関してはあまり心配してはいなかった。
なぜなら、20.3cm連装砲という中口径だけど破壊力のある砲を装備していて、重装甲による優れた防御力もある妙高さんを旗艦にして、激戦をくぐり抜けた経験を記憶に持っていて頼もしい天龍さんが一緒に編成されているので、もし敵と遭遇しても2人が居れば負ける可能性なんて無いと思えるぐらいに頼もしくて、私は安心して偵察任務をこなすことが出来ていた。
偵察任務で海に出ていた私達3人以外で、残りの艦娘である加賀さんと長門さんは、海には出ずに鎮守府内で仕事をしていた。
長門さんは、万が一の備えとして鎮守府に敵襲があったという場合を想定した鎮守府の守備を務めていた。
現在の神威鎮守府に存在している艦娘は、今のところ計5人。その中で、決戦の主力を務める事が可能な戦艦であり、神威鎮守府の現在の最大戦力であるのは、間違いなく長門さん。
神威鎮守府には、不思議な事に今までに一度も深海棲艦による襲撃が無かった。しかし、それだけでは今後も鎮守府に襲撃は無いだろうと安心は出来ない、むしろ敵は戦力を蓄え準備してから一気にやってくるという最悪な状況も考えていた提督は、とりあえず最強戦力を守備に用意しておいて、襲撃に対応できるように、という方針を取った。
単純に長門さんは、戦艦なので海に出るには資源の問題が有って、燃料や弾薬の消費量を考えると何度も海に出て調べるという、回数が必要になる偵察任務には向いていないことは明らかであり、編成から一番最初に外されていたという事実も有る。
そして、鎮守府に留守組であるもう一人の加賀さんは、提督の秘書官に就いていた。秘書官として、提督の色々な雑事を手伝っていた。
提督が仕事を振り分けて、皆が問題解決しようとやる気充分に動けている。順調に進めて行けていると思うのだけれと、心配している事が一つ。
それは、提督が働き過ぎという事。今頃は鎮守府にある工廠で妖精さんたちと一緒になって新たな艦娘を生み出そうと研究を続けていて、ずっと仕事をしている提督の事が心配だった。
私は、提督がいつも熱心に働いている様子を見ていて、休んでいる様子は見たことが無かった。そして、長門さんや加賀さん、妖精さんに聞いた話によると、偵察任務に出ている間も、提督は少しも休憩を取る様子がなくずっと仕事を続けているらしい。
本部と連絡が取れない孤立している今の状況や、資源の安定した補給ルートが確保できずに時間が立つごとに消費されていく資源、色々と積み重なっている問題を解決しなければいけない状況であるために、提督は責任感を持って休まずに問題解決に向けて色々と取り組んでいた。
あまりにも寝ていないようだったので、長門さんが提督に休むように意見を申し述べていて、提督もすぐに聞き入れてくれた事も有ったらしい。ベッドに横になってくれたと聞いて一旦は安心したのだけれど、提督はその後1時間ぐらいでベッドから起きだして、再び仕事場へ向かってしまったらしい。
あまりにも短すぎる睡眠時間に、重ねて長門さんがもっと寝て休むように言ってみた所、二度目のお願いは聞いてもらえないようだった。
「もう十分休めて、身体の疲れも無くなったから大丈夫だよ。ありがとう」
という言葉をスッキリとした顔で言われて、本当に大丈夫な様子を見せられて提督は作業に戻っていってしまった。その後、いくら働いてもつかれた顔を私たちには見せずに少ない睡眠時間で仕事を続けて、今も仕事を続けていてとても心配していた。
「吹雪っ! 少し遅れているぞ! それと、もっと集中して周りの様子に気を配っておけよな。敵がいつ攻めてくるか分からないんだ。攻撃に気づくのに遅れて直撃を受けたからって、後始末させられるのはゴメンだぜ」
「す、すみません!」
考え事していた私に向かって、天龍さんから叱咤の声が飛んできた。
敵襲もない偵察任務の繰り返しに気が抜けて、考え事で頭がいっぱいになっていた。天龍さんの言うとおり、緊張感が無くなっていたかもしれない。
提督の事は心配だけれど、今は与えられた任務をしっかりこなそう! 気を引き締め直して、私は偵察任務に集中した。
こうして、偵察任務を与えられた私達3人の航海はしばらくの間続いた。
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