高校生エレクトローター
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三十八話 新鮮(フレッシュ)
前書き
どうも、久しぶりに小説を更新しました、たつやTVです。
最初に書いたのが2年前で、最後に書いたのは1年前になりました。
いまは陸上をやっていて、そこそこ結果を出せています。
思い入れのある作品なので、よろしくお願いします。
〜〜〜〜〜〜〜〜
まだ1時30分。
広翔は家の鍵をもっていなかったので、姉の帰りを待ち、街をぶらぶらすることにした。
現在でも鍵を使用しているのはハッキングによる空き巣を防止しているからである。10年くらい前は指紋認証システムが導入されたが、ハッキングや故障が相次いだため、また物理的ロックの「鍵」に戻されたのだった。
こういう時に不便だが・・・
姉の帰りはもう2.3時間遅いはずなので、軽く時間を潰せるくらいでいい。
商店街エリアの電化ショップ、ショッピングモール、ゲームセンター、ブックストアなど歩いてみた。全く知識のない広翔は、何が売られているのか、わからなかった。
只、人が賑わっていたり、カップルで楽しそうに歩いていたり、そんなものを見て楽しんだり、ベンチに座りボーとしたりしていた。
少し疲れた。
商店街の道をぶらぶらと歩いていると、どこからか声がしてきた。
・・・?
「ひろと〜」
向かいの歩道を見てみると加奈が大きく手を振っているのが見えた。一緒に2人の同じ制服を着た生徒がいる。
近くの歩道橋を渡り、少し急ぎ足で向かった。
・・・
「これが私の弟です!」
加奈が自慢気にこう紹介してくれた。
「どうも、1年の美咲広翔です。」
上級生だと思ったので、控えめの挨拶をする。
「わ〜噂のひろとくんかぁ、よろしくね」
と、容姿の整った女性が反応してくれた。どちらかというと、かわいい、よりも美人という言葉が似合う人柄だ。
「ひろとは、風紀委員に入るんだっけ?」
とわざとらしく、加奈が聞きつけてきた。
ということは、もう2人の生徒も風紀委員なのか・・・
「・・・まだ、考え中です。」
焦りながら、忠実にどちらに転んでも良いように答えた。
「えぇ〜、ぜったい風紀委員に入るべきだよ。ていうか、ぜったい推薦されちゃうよ!」
ゆるい?へんな口調なのが慣れない。
一つ気になった。
「風紀委員って推薦があるんですか?」
「あるんだよー。学年から四人。」
と美人な女性は指を一本出しながらそう答えた。
意外と少ない事に驚きだが、その中で選ばれるのは強い能力の持ち主であるはずだ。
「誰が推薦するんですか?」
広翔は連続で質問した。
「校長先生だけど、一次選出は担任のカウンセラーが行うんだよ」
加奈が答えた。委員長という立場を押さえておきたかったんだろう。
どうやら、クラスルームの担任が生徒を2.3人推薦して、校長先生が選ばれた中から決定する。風紀委員は能力行使についての取り締まりなどを行うため、高いランクを持ち、判断力が問われる。
萩ノ下中学校は人数が少なめだが、能力ランクが高い人がほとんどなので、なるのは難しいそうだ。ちなみに1学年150人なので、倍率は50倍になる。
・・・
両面車(バイリンガルカー)がどんどんと通る街中でたわいもない会話が続いた。いろいろと質問攻めにあったが、風紀委員など、めんどう事はやりたくない。高校の勉強についていけるようにしなくては。
美人なのに口調がゆっくりな女子は田口万理、
もう1人の背の高いボーイッシュな女子は利原みづきという。
どちらとも2年生で風紀委員で活動終わりの付き合いだったらしい。
話が終わり、解散となった。
「帰ろっか。」
加奈は優しい声でそう言った。
何故だろう。何故こんなに姉っぽいのか。
いや、なんでこんなに優しいのか。と思った。
加奈が母親のように見えてくる自分が恥ずかしく思えた。
ようやく人生が始まった気がした。
あの薄暗い兵舎の中で馬のように暮らす日々、そんな生活とは裏腹に自分だけに太陽の光が降り注ぐような感じだ。
大変になるのは十分承知だが、今は身体中に空気が透き通る気分であった。
商店街エリアから家まで結構な距離があるが、歩いて帰る事にした。
愉快が今後続くかは分からない。
後書き
〜〜〜〜〜〜
ご閲覧ありがとうございました。
まだはっきりと復帰したわけではないともいますが、楽しく書いていきたいと思います!
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