英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルート
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第68話
~ジュライロッジ~
「さあ、行きますわよ!!」
「風よ、我らに疾風の加護を―――加速・広範囲!!」
戦闘を始めたシグルーンは号令をかけて仲間達の闘志を高め、レンは魔術で仲間達の身体能力を上昇させた。
「美しく舞いなさい―――天紅!!」
その時短い魔術の詠唱を終えたクロチルダが杖から魔力によって発生した鳳凰を敵に解き放った。
「――――!」
対する敵は拳から電撃を飛ばすクラフト―――紫電掌で相殺した。
「行きますわよ……!―――シャドウステッチ!!」
「!?」
敵がクロチルダの攻撃に気を取られている隙を狙ったシャロンは一瞬で敵に詰め寄ってダガーを叩き込んだ後鋼糸で締め付けて追撃し
「旋月槍!!」
「せ~の……!パワフルスイング!!」
そこにシグルーンとレンが詰め寄り、敵の左右からそれぞれ同時に攻撃を叩き込んだ!
「―――!」
「ハッ!」
「っと!」
攻撃を受けた敵は持っている剣で薙ぎ払い攻撃を放って二人を自分から離れさせ
「―――!!」
更に拳に炎を纏わせてクロチルダに襲い掛かった!
「その程度の攻撃、私がさばけないとでも思って!?」
クロチルダは一瞬で簡易結界を展開して敵のクラフト―――バーニングフィンガーを受け止め
「―――吹き飛びなさい!!」
「!?」
続けて自身の周囲に衝撃波を発生させる魔術―――幻衝で敵を吹き飛ばした。
「出でよ、聖なる槍よ!―――神槍!!」
「―――!?」
吹き飛ばされた敵にシグルーンはすかさず魔術で追撃をして敵を怯ませ
「うふふ、凍らせてあ・げ・る♪―――氷垢螺の吹雪!!」
レンは魔術による猛吹雪を発生させ、猛吹雪によって敵は動きが制限された。
「うふふ、これに耐えられますか……!?」
その時シャロンが鋼糸で敵を拘束した後縦横無尽にかけながら敵に何度もダガーを叩き込み
「ブラッディクロス!!」
最後にダガーで十字を刻み込む斬撃を叩き込んだ!
「―――下がりなさい、”死線”!!」
「!!」
「踊れ、剣よ!!」
そして自分の警告でシャロンが下がった瞬間、クロチルダは魔術―――魔剣舞踏を発動し、敵はクロチルダが発動した魔剣の雨に串刺しにされた!
「――――!!」
レン達の攻撃によって多くの傷を負った敵は咆哮をあげた後、持っている剣を地面に突き刺した。すると敵の足元を中心に魔法陣が描かれ、何とレン達の体力を吸い取り始めた!
「ッ……!これは……!?」
「私達の体力を吸っているようね……!結界を展開するわ!私の近くに退避しなさい!」
自分達の体力が吸い取られている事に気付いたシャロンは驚き、クロチルダは結界を展開して敵が放ったSクラフト―――闇神楽による自分達のダメージを最小限に抑えた。
「―――!」
Sクラフトを放ち終えた敵はクロチルダ達に襲い掛かり、クラフト―――ダブルザンバーを放った。
「―――させません。三散華!秋雨の如く――――そこっ!!」
「!?」
しかしシグルーンが敵が繰り出す斬撃を槍で全て防いだ後反撃をして敵にダメージを与え、シグルーンが持つ退魔の効果を秘めた聖槍による連携攻撃を受けた敵は怯んだ。
「うふふ、レン達から取った体力、返してもらうわね♪――――クブリエ!!これはオマケよ♪」
「―――――!!??」
そしてレンが発動した魔術によって凄まじい勢いで体力を奪われ始めた敵は悲鳴を上げ、更にレンはクラフト―――魔眼を発動して敵の動きを拘束し
「聖なる炎よ、悪しき者達を焼き尽くせ―――贖罪の聖炎!!」
「全て燃やし尽くしてあげるわ……!舞うは灼炎!焔舞――――煉撃波!!」
「―――――――!!??」
そこにシグルーンとクロチルダが放った高火力の魔術が命中し、聖なる炎と灼熱の炎という二つの炎による攻撃を受けた敵は辺りを響き渡せる程の咆哮を上げた。そして二人の魔術が終わると全身が黒こげになった敵が現れた。
「これで止めですわ。”死線”の奥義、とくとご覧あれ――――ハッ!!」
そしてシャロンは跳躍して両手から鋼糸を放って敵を拘束した。
「失礼――――ですが、もう逃げられませんわ!」
凄まじい速さで縦横無尽にかけながら敵に何度もダガーで斬りつけ
「秘技――――死縛葬送!!」
最後に指をならした。すると鋼糸による無数の斬撃が敵に刻み込まれ、敵は全身から大量の血を噴出し
「―――――――!!」
受けたダメージに耐えきれなかった敵は咆哮を上げながら消滅した!
「謳え!奏でよ!我等の凱旋ぞ!」
「月よ、あたしに大切な人を守る力を――――ハッ!!」
プリネ達と共にブルブランとの戦闘を開始したアムドシアスはクラフト――戦いのメロディを奏で、自分やプリネ達の身体能力を上げ、ツーヤはクラフト―――十六夜”舞”で自身の様々な能力を上昇させた。
「フフ……見切れるかな?」
一方ブルブランは自身の分け身を発生させるクラフト―――シャドウキャストで自分そっくりの分け身を2体現させた。
「!分け身……!」
「奴の分け身は俺や”神速”の分け身程耐久性を持っていない。一度攻撃を当てれば消える。」
分け身を作ったブルブランを警戒するプリネにレーヴェは助言をした。
「「「ハハハ、攻撃を当てられたらの話だ!それっ!!」」」
そしてブルブランはプリネ達を包囲した後それぞれクラフト―――ワイルドカードを放ち
「十六夜―――“円舞”!!」
全方位から放たれた無数のカードをツーヤは抜刀の回転斬りで全て斬りおとした!
「空を断つ!!」
「我が剣に集え、破邪の光よ!―――エクステンケニヒ!!」
ツーヤがブルブランの攻撃を無効化するとレーヴェとプリネがそれぞれ別方向にいるブルブランに攻撃したが、2体とも分け身だった為攻撃を受けるとまるで煙が消えるかのように消滅した。
「そこかっ!美しき我が魔力、受けるがいい―――――旋風爆雷閃!!」
二人の攻撃によって分け身達が消えた事で本体のブルブランを特定したアムドシアスは本体のブルブラン目掛けて強烈な雷を放った。
「フフ、これでどうかな?」
しかしブルブランに雷が当たる寸前でブルブランが自分の目の前に発生させた鏡に命中すると何と雷は跳ね返ってアムドシアスを襲った!
「何!?チッ……!」
魔法攻撃を反射させる鏡を発生させるブルブランの奇術――――マジックミラーによって反射された自分の魔術に驚いたアムドシアスは結界で自身の攻撃を防いだ。
「十六夜――――”燐”!!」
「ハハハハハハッ!!」
ツーヤが放った無数の斬撃の衝撃波に対し、ブルブランは高笑いをしながら上空へと跳躍して回避した。
「―――そこだっ!!」
「グッ!?」
しかしレーヴェが放ったクラフト―――零ストームを受けると怯み
「神聖なる光よ、邪悪なる者に裁きの鉄槌を――――純聖光!!」
「グアアアアアアア―――――ッ!?」
プリネの魔術によって、幽霊の為弱点属性である神聖属性の魔術を受けると悲鳴を上げた。
「我が裁きの雷、受けるがよい!――――二つ回廊の轟雷!!」
「うお……っ!?」
そしてアムドシアスが放った電撃魔術による凄まじい爆発を受けたブルブランは地面に叩きつけられ
「集え、邪を焼き払う炎よ!―――集炎!!」
「全て、打ち砕く!十六夜―――”破”!!」
「風を断つ!旋風斬!!」
「グウッ……!?」
そこにプリネとツーヤ、レーヴェがそれぞれ一撃をブルブランに叩きつけて追撃し、ダメージを受けたブルブランはすぐにプリネ達から距離を取った。
「フフ、やるではないか……!だが、忘れていないか?彼の教団の司祭殿を同志としている私が無策で君達に挑むとでも?――我が最高の奇術、お見せしよう!」
プリネ達から距離を取ったブルブランは口元に笑みを浮かべた後ステッキを振るった。するとブルブランの目の前に巨大な竜が現れた!
「なっ!?あの竜は確か……!」
「古竜レグナート!まさか……幻術!?以前戦った時はあのような幻術はしてこなかったのに、何故……!?」
「……恐らく”グノーシス”で自身を強化した事によって、奴の奇術にも影響が出たのだろう。」
見覚えのある竜を見たツーヤとプリネは驚き、レーヴェは目を細めてブルブランの術を分析した。
「さあ、美しく灰になるがいい!ハハハハハハッ!!」
「――――――!!」
ブルブランのSクラフト―――マジックドラゴンによって召喚された竜はプリネ達目掛けて灼熱の炎を解き放った!
「―――アムドシアス!」
「わかっている!!」
自分達の襲い掛かる炎を見たプリネとアムドシアスはそれぞれ結界を展開して襲い掛かる炎から、自分や仲間達を守り始めた。
「ハハハハハハッ!いつまで持つかな!?」
「絶対に防ぎきって見せます……!」
「我が美しき魔力を甘く見ないでもらおう!」
その様子を見ていたブルブランは高々と笑い、プリネとアムドシアスは結界の維持に集中していた。
「――――竜には竜です!本物の”竜の息吹”、見せてあげましょう!ハァァァァァァ…………――――グオオオオオオオオ――――ッ!!」
するとその時ツーヤが竜化し
「女王氷金剛破砕撃 (クイーンダイヤモンドアイスバースト)!!」
猛吹雪のドラゴンブレスを放ち、ブルブランが召喚した竜のドラゴンブレスを圧し始めた!
「何ッ!?フフッ、いいだろう……!偽物と本物の対決と行こうではないか……!」
「――――――!」
それを見たブルブランは驚いた後口元に笑みを浮かべて召喚している竜に自身の力を送り続け、竜が放ち続けるブレスの威力を高めた。
「ハァァァァァ―――――ッ!!」
そしてツーヤは自身が放ち続けるブレスの威力を高めた。すると徐々にツーヤが放ち続けるブレスが圧し、ついには圧し勝ち、竜とブルブランに命中した!
「―――――!?」
「うおおおおおおおおおっ!?」
ツーヤが放ち続ける竜の息吹を受けたブルブランによって具現化した竜は消滅し、更にブルブランは大ダメージを受けて怯むと共に、猛吹雪のブレスを受けた事によって全身が凍結した!
「行くわよ、レーヴェ!」
「ああ!心の痛みを知れっ………!ハァッ!」
するとその瞬間、プリネの呼びかけに頷いたレーヴェが一瞬でブルブランに詰め寄って無数の斬撃を叩き込むと同時にブルブランの背後へと駆け抜け
「闇に呑まれなさい!」
レーヴェが駆け抜けるとプリネはブルブランを魔術による暗黒の球体で包み込み、その後武器を構え、そしてレーヴェと共に突撃し、プリネは左上から右下に、レーヴェは右上から左下にクロスに斬った!
「「奥義!ヴェンジェンス・エッジ!!」」
「グアアアアアアア―――――ッ!?う、美しい……!」
プリネとレーヴェによる協力技が命中したブルブランは悲鳴を上げた後地面に跪いた。するとその時!
「さらばだ、我が好敵手よ!ソロモンの一柱たる我の名……その魂に刻むがよい!我が名は……アムドシアス!!」
プリネ達の攻撃の間に大魔術の詠唱を終えたアムドシアスが大魔術を発動した!
「我招く、訃音の焦熱に是非は無く!」
大魔術によって召喚された複数の小さな隕石はブルブラン目掛けて次々と襲い掛かり――――
「汝にあまねく厄を逃れる術も無し!!」
小さな隕石達による攻撃が終わると、ブルブランの頭上から巨大な隕石がブルブラン目掛けて落下して来た!
「メテオスウォーム!!」
「うおおおおおおおおお――――――っ!?ハハハハハハッ!我が生涯に悔いはなし!さらばだ、我が麗しの……と……好敵手よ…………!」
そしてブルブランは高々と笑いながら巨大な隕石に押し潰され、最後は隕石が爆裂した瞬間に魂ごと消滅した!
「みんな、一気に行くぞ!!」
「月よ、災厄を退けよ――――クレシェントシェル!!」
戦闘を開始したリィンは号令をかけて仲間達の闘志を高め、エマはクラフトで自分達の防御能力を高めた。
「妖の型―――沙綾身妖舞!!」
「部長、ごめん――――シュッ!!」
「そこよッ!!」
リィンとフィー、ヴァレフォルの電光石火の速さでエーデルに攻撃した後、エーデルから離れ
「燃え尽きなさい……!ファイアッ!!」
「風よ、力を!―――旋風の精密射撃!!」
アリサとミルモはそれぞれ肩を並べて矢を放ち、二人の放った矢は合わさった後炎の竜巻の矢と化してエーデルを襲った。
「魔ノ雷ヨ……!」
「危なっ!?」
「わわっ!?」
しかしエーデルは魔導杖からクラフト―――雷招メ・ベルデを放ち、襲い掛かる魔の雷を見た二人は慌てた様子で回避し
「出でよ、烈輝の陣―――レイ=ルーン!!」
「雷光よ、我が右腕に宿れ!――――サンダーストライク!!」
「アアアアッ!!」
ベルフェゴールが放った純粋魔力が集束したエネルギーとセレーネが放った雷光が集束したエネルギーを魔導杖に光の導力を込めて光の刃と化させるクラフト―――ライトザンバーで斬り、相殺した!
「排除する。」
「逃がさない―――メルトストーム!!」
「行っくよ~!雷光の制圧射撃!!」
「フフッ、これは避けられないでしょう!?」
フィーは銃撃で、アリサとミルモは矢の雨を、ヴァレフォルはナイフの雨を降り注がせてエーデルを牽制し
「白き剣よ―――お願い!!」
「出でよ、冥界の魔槍よ――――死愛の魔槍!!」!
エマとベルフェゴールはそれぞれ後方からクラフトや魔術で攻撃し
「二の型―――大雪斬!!」
「光よ、我が剣に力を!ホーリーインパクト!!」
リィンとセレーネはエーデルに詰め寄ってそれぞれ強烈な一撃を放った。
「風ヨ!!」
「グッっ!?」
「キャアッ!?」
エーデルは魔力が込められた魔導杖で地面を叩いて凄まじい風―――――魔塊烈風を発生させて自身に詰め寄って来たリィンとセレーネを吹き飛ばし
「槍ヨ、貫ケ!!」
「「キャアッ!?」」
「あうっ!?」
「ッ!?」
「っと!」
「効かないわよ!」
続けて地面から魔界の槍を発生させて敵を貫くクラフト―――獄槍スンラスーアでアリサとエマ、ミルモとフィーにダメージを与えると共に怯ませ、ヴァレフォルとベルフェゴールはそれぞれ攻撃が来る寸前でそれぞれ回避した。
「フフッ、これはどうかしら!?」
エーデルの攻撃を回避したベルフェゴールは魔術―――連射暗黒弾・広範囲でエーデルに反撃し
「…………!!」
襲い掛かる無数の暗黒の魔力弾を見たエーデルは結界を展開して防いだ。
「うふふ、よく防いだわね♪」
「!?」
「すごい―――ねこアッパー!!」
「アァッ!?」
しかし転移魔術で一瞬に詰め寄って来た後に放たれたベルフェゴールのアッパーによって結界は破壊され、破壊された衝撃によってエーデルは怯み
「漆黒の闇よ、全てを包み込め――――ティルワンの死磔!!」
「アアアアアアアァァァァ―――――ッ!?」
更にヴァレフォルが発動した高火力の魔術によって大ダメージを受けると共に悲鳴を上げた。
「みんな、今回復するわ!!」
「風よ、癒しの力を……癒しの風!!」
そして二人が攻撃している間にアリサはクラフト―――セントアライブで、ミルモは治癒魔術で仲間達の傷を回復した。
「ポイッと。」
「アァッ!?」
二人の攻撃が終わるとフィーはエーデルの足元にFグレネードを投擲し、強烈な光を至近距離で受けたエーデルは怯み
「行くよ―――シュッ!!」
「秘技―――裏疾風!―――斬!!」
エーデルが怯んだ瞬間フィーはリィンと共に電光石火の速さでエーデルに追撃をした。
「聖なる光よ、敵を貫け!―――ホーリーランス!!」
「聖なる水よ……奔流となり、我が仇名す者達に裁きを!リ・カルナシオン!!」
「アークス駆動―――エクスクルセイド!!」
「光よ、罪深き者達に裁きを!贖罪の光霞!!」
「アアァァァァァ――――ッ!?」
リィン達が攻撃している間に詠唱を終わらせたエマとセレーネ、アリサとミルモはそれぞれ高火力の魔法攻撃を解き放ち、”魔人”の為光が弱点であるエーデルは大ダメージを受け、悲鳴を上げた!
「今のは効いたみたいね……!」
「今ので終わってくれるといいのですけど……」
エーデルの様子を見たセリーヌは声をあげ、セレーネは不安そうな表情をした。そして魔法攻撃によって起きた爆発による煙が晴れると、何とエーデルは未だ立っており、短い詠唱を終えたエーデルは魔術を発動した!
「闇ヨ、力ヲ……!」
「キャアアアアァァァッ!?」
「グッ、ち、力が……!?」
「そ、そんな!?エーデル部長の傷が……!」
「どんどん回復して行ってる……!」
「どうやらこの術は私達の力を吸い取って、自らの力の糧とするみたいです……!」
エーデルが発動した範囲内の敵の力を吸い取り、自らの糧とする魔界の魔導―――魔陣ダークドレインの範囲内にいた事で力が吸い取られ始めたアリサは悲鳴を上げ、リィンは呻き声を上げ、エーデルの傷が回復している様子を見たセレーネとフィーは信じられない表情をし、エーデルが放った術の正体を推測できたエマはリィン達に助言をした。
「止めなさい!」
「アァッ!?」
ヴァレフォルが投擲したナイフが命中したエーデルは怯んだ為、術を中断し
「烈風脚!!」
「ガアッ!?」
更にベルフェゴールによって蹴りで吹っ飛ばされ
「癒しの光よ、我らに力を……キュア・プラムス!!」
その間にセレーネは治癒魔術で仲間達を回復した。
「裁キヨ!!」
吹っ飛ばされた後空中で受け身を取って着地したエーデルは魔導杖を掲げて魔術を発動した。するとエーデルの頭上に無数の流星が現れた後、ベルフェゴールとヴァレフォル目掛けて降り注いだ!
「っと!小規模とは言え、流星の召喚まで使えるなんて、信じられない程強化されているわね……!」
「こんな可愛い娘をここまで変貌させたヨアヒムって奴、絶対に許せないワ!」
「それには同意ね!唯一の救いはその娘が”処女”である事よ!」
「全くもってその通りね!もしその娘の”処女”まで奪っていたら、あの司祭の魂を微塵斬りにして滅してやるワ!」
エーデルが放った小規模な流星を召喚する魔導――――流星フレアをベルフェゴールとヴァレフォルはそれぞれ回避する為に、回避行動に集中した。
「四の型―――紅葉切りっ!!」
「せーの……!ハアッ!!」
攻撃が二人に集中している間にリィンとフィーはそれぞれエーデルに攻撃をし
「アークス駆動―――ダークマター!!今よ!」
「はい!雷雲よ刃となれ!サンダーブレード!!」
「部長、目を覚ましてください!―――プリズミックミサイル!!」
「行っけ~!―――旋風爆雷閃!!」
更にアリサはアーツでエーデルの動きを一時的に止め、その間にエマとセレーネ、ミルモは魔法攻撃による集中攻撃をエーデルに叩き込んだ!
「アァァァ――――ッ!」
集中攻撃をしたにも関わらず、未だエーデルは倒れず、何とエーデルはクラフト―――魔眼を発動してリィン達の動きを封じ込めた!
「キャアッ!?か、身体が……!」
「動かないよ~!?」
「これは……!?」
「リィンや”殲滅天使”が使っているのと同じ……!」
「く、空間の呪縛……”魔眼”まで使えるなんて……!?」
魔眼によって動きを封じ込められたアリサとミルモは悲鳴を上げ、ある事に気付いたリィンとフィー、エマは信じられない表情をした。
「滅ビヨ……!」
「!エーデル部長から膨大な魔力を感じますわ……!」
「クッ……!あんなのを放たれたら、ひとたまりもないわよ!?」
そして魔導杖を掲げて膨大な魔力を溜め込み始めたエーデルを見たセレーネは声をあげ、セリーヌは厳しい表情で警告した。
「――――ご主人様達を守るわよ、ヴァレフォル!」
「ええ!」
その時ベルフェゴールとヴァレフォルが急いでリィン達の元に戻り、協力してドーム型の結界を展開した!
「マダンテ!!」
ベルフェゴール達が結界を展開した瞬間、エーデルは全ての魔力を解き放ち、超越した大爆発を起こした!
「クッ……!」
「バルディエルの時と比べれば、こんなの軽い方よ……!」
結界越しに伝わる衝撃にヴァレフォルとベルフェゴールは表情を僅かに歪めつつも結界の維持に集中した。そしてエーデルが放った全魔力を解放する究極の魔導であるSクラフト―――マダンテが終わると、結界にいくつかの罅が入った状態でありながらもリィン達は全員無事だった!
「!今ので一時的に大量の霊力を失ったようです!」
「今がチャンスよ!」
「わかった!―――縛!!セレーネ、フィー!!」
エマとセリーヌの助言を聞いたリィンはクラフト―――魔眼を発動して、失った魔力を回復する為に瞑想を始めたエーデルの動きを封じ込めた後セレーネとフィーに呼びかけ
「はい!運命の門、 汝も見るか、高貴なる極光!!」
「これで終わらせる……!アクセル………!」
リィンの号令に力強く頷いたセレーネは詠唱をして自身の背後から門を現させた後門から聖なる光の奔流をエーデル目掛けて解き放ち、フィーは分け身達と共にエーデルに襲い掛かり
「マジェスティ・ゲイト!!」
「シャドウ―――ブリゲイド!!」
そして二人はそれぞれのSクラフトの最後の一撃を同時にエーデルに叩き込んだ!
「ウ……アアァァァァァァ―――――――ッ!?」
ついにダメージに耐えきれなくなったエーデルはまるで頭痛を抑えるかのように頭を抱えながら悲鳴を上げて地面に崩れ落ちた!
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