英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルート
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第67話
その後探索を再開したリィン達が最奥に向けて探索を続けていると、突如声が聞こえて来た。
~ジュライロッジ~
フフ、ようやく来たか。
「え…………ど、どこにいるの!?」
「それよりも今の声に聞き覚えがありませんか………!?」
「ええ……私達がこの手で討ち取ったのに、何故……!?」
声を聞いたアリサは呆けた後不安そうな表情で周囲を見回し、ツーヤとプリネはそれぞれ信じられない表情をし
「――――どうやらお前もヨアヒム・ギュンター同様この世に未練を残していたようだな、”怪盗紳士”。」
「”怪盗紳士”ですって!?」
レーヴェは警戒の表情で周囲を見回して呟き、レーヴェの言葉を聞いたクロチルダが驚いたその時、何とリィン達の目の前にユミルでプリネ達に討ち取られたはずの”執行者”――――”怪盗紳士”ブルブランが現れた!
「お前は……!」
「結社の”執行者”―――”怪盗紳士”ブルブラン……!まさか貴方もユミルで討ち取られたアルティナさんのように亡霊と化して、この世に留まっていたのですか!?」
ブルブランの登場にリィンは驚き、エマは信じられない表情で尋ねた。
「フフ、その通り。そしてそれは他の者達も同じ事。」
「ほ、”他の者達”という事は、まさか……!?」
「……ユミルでリウイ陛下達に討ち取られた方達が全て亡霊と化して、この世に留まっているという事になりますわね。」
「ゼノ……レオ…………」
「チィッ、厄介な事になったわね……!」
ブルブランの答えを聞いたセレーネは信じられない表情をし、真剣な表情をしているシャロンの推測を聞いたフィーは複雑そうな表情をし、セリーヌは舌打ちをして厳しい表情をした。
「……しかし解せませんわね。何故貴方がヨアヒム・ギュンターと手を組み、私達の前を阻むのですか?確か”結社”と”D∴G教団”は相容れない仲と聞いていますが。」
その時クロチルダに一瞬視線を向けたシグルーンは真剣な表情でブルブランを見つめて問いかけ
「フフッ……君達が見事メンフィル・クロスベル連合との戦争を回避したお蔭で、亡霊となった私達が輝ける場所を用意してくれようとしていたとある御仁の”計画”が惜しくも破綻してしまってね。そこに”真のグノーシス”を完成させたことによって、絶大なる”力”を手に入れたヨアヒムによってその御仁が取りこまれてしまってね。そして目的を失った私達にかの”教団”の司祭殿がその取りこんだ御仁の代わりに、私達が輝ける場所を用意してくれる代わりに彼の傘下となるという取引を出され、その取引に応じたという事さ。」
(一体誰がどんな”計画”を実行しようとしていたのかしら……?)
「意味不明よ……」
「元々彼は意味不明な存在でしたが、今までとは比べものにならないくらい意味不明ですね……」
「ええ……まあ、オリヴァルト皇子ならわかるかもしれないけど。」
ブルブランの説明を聞いたレンは真剣な表情で考え込み、アリサは疲れた表情で呟き、呆れた表情で呟いたツーヤの話にプリネは苦笑しながら同意した。
「ですが、色々と気になる情報がありますわね。」
「ああ……―――”怪盗紳士”。”とある御仁”とは何者で、その”計画”とやらはどんな内容だ?」
シャロンの言葉に頷いたレーヴェは目を細めてブルブランに問いかけたが
「フフ、それは君達が司祭殿の元に辿り着く事ができれば、わかる事さ。それにしても……”剣帝”や”死線”はともかく、まさか貴女まで彼らと共にいる事は正直驚いたよ、”蒼の深淵”殿。一体どんな心境の変化があったのやら。」
ブルブランは答えを誤魔化した後興味ありげな様子でクロチルダを見つめた。
「……今私が彼らと共にいるのは”蛇の使徒”としてではなく、”蒼の騎神”の”起動者”を導いた”魔女”としての責任を取る為よ。」
「姉さん……」
「フン……確かに反省はしているみたいね。」
クロチルダの答えを聞いたエマは微笑み、セリーヌは鼻を鳴らした後静かな笑みを浮かべていた。
「フフ、なるほど。しかし死してなお、こうして邂逅できるとは、これもまた”運命”という事だな、”姫君の中の姫君”よ……!」
「そんな”運命”はこちらから願い下げです。」
「それに例えそれが”運命”であろうと、貴方にあたしのパートナーであるマスターに指一本触れさせません……!」
「そのまま”冥き途”へと向かい、次なる生を受けていればいいものを……―――2度と貴様が転生しないように魂ごと滅してやろう。」
「クスクス、”ストーカー”はさっさと退治しなくちゃね♪」
「ええ。亡霊になってもなお、偉大なるメンフィル皇家の方をつけ狙う愚か者は魂ごと滅するべきですわ。」
「うふふ、この戦力差ならば楽勝ですわね♪」
「リィン君やレオン達に加えて”蛇の使徒”であるこの私相手に、”執行者”としての実力は中の下の貴方一人で私達に勝てると思っているのが、どれだけ愚かな事か思い知らせてあげるわ。」
酔いしれた様子のブルブランに視線を向けられたプリネは疲れた表情で答え、ツーヤとレーヴェはそれぞれ厳しい表情で答え、小悪魔な笑みを浮かべるレンの言葉にシグルーンは頷き、シャロンは微笑みながら答え、クロチルダは厳しい表情で答えた後それぞれ武器を構え、リィン達も続くように武器を構えた!
「まあ、待ちたまえ。私は私一人で君達とやり合うとは言っていないよ?」
「……どういう事、それ。」
「ま、まさか他にも亡霊がいるの!?」
ブルブランの言葉が気になったフィーは警戒の表情で周囲を見回し、アリサは不安そうな表情で尋ねた。するとその時
「!前から誰か来るぞ……!」
「ええ……!しかもこの霊圧は……!」
気配を感じたリィンが仲間達に警告し、ある事に気付いたセリーヌが目を細めた。そしてリィン達が前方を見つめると、何とまだ見つかっていなかった貴族連合に誘拐された貴族生徒――――エーデル・ブルーメがリィン達に近づいてきた!
「ええっ!?あ、あの人は……!」
「エーデル部長……!」
「よかった、見つかって……エーデル部長!助けに来ましたわ!」
エーデルの登場にツーヤは驚き、フィーは目を見開き、セレーネが明るい表情で声を掛けたが
「ま、待ってください!エーデル先輩から感じるこの霊圧は……!」
「…………やっぱり、レンの思っていた通り”既に人じゃなくなっているわね。”」
ある事に気付いたエマがリィン達に警告し、レンが複雑そうな表情で呟いた。
「ウゥゥ…………ッ!」
するとその時エーデルは頭を抱えて唸り声を上げ
「エーデル部長!?大丈夫ですか!?」
「もしかして頭が痛いの?」
エーデルの様子を見たセレーネとフィーは心配そうな表情で声を掛け
「!!まさか……!?」
「いけない……!魔人と化しますわ……!」
ある事に気付いたリィンとシャロンが血相を変えたその時!
「アアアアアアアァァァァァ―――――ッ!!」
何とエーデルは魔人化したレンやティオのように髪は銀色に、瞳は真紅へと変わった!”グノーシス”による”魔人化”で魔人と化したエーデルからは膨大な瘴気がさらけ出され、エーデルの真紅の瞳は狂気を宿しており、膨大な殺気をリィン達に向けていた!
「エ、エーデル部長がお兄様やレン姫のように……!」
「戦闘能力未知数…………!しかもエーデル部長から感じるこの”力”、団長クラス……!?」
「……ッ!」
「よりにもよってレンやティオさんと同じ魔人化ですか……!」
「それもただの魔人化じゃないわ!彼女から感じるこの膨大な霊力はもはや”魔王”クラスと言ってもおかしくないわよ!?」
「……確かにな。エヴリーヌ程ではないとはいえ、目の前のブルーメは”魔神”同等の力を秘めているな。」
「ええ……そうなるとヨアヒムが”グノーシス”で目の前のお姉さんをレンやティオ以上に仕立て上げたって事は、ヨアヒム自身も前とは比べものにならないくらい相当強化されているのでしょうね。」
魔人化したエーデルを見たセレーネとフィーは信じられない表情をし、エーデルから感じる凄まじい霊圧を感じたアリサは息を呑み、プリネはそれぞれ真剣な表情で声をあげ、クロチルダとレーヴェ、レンは厳しい表情で推測した。そしてエーデルは短い詠唱で上位悪魔―――魔人ドラクロワを召喚した!
「―――――!!」
「あ、悪魔の召喚まで……!?」
「しかもただの悪魔ではありません!この霊圧からすると、上級悪魔です……!」
「ええ……!アンタ達が今まで戦ってきた魔族達とは比べものにならないわ……!」
ドラクロワの登場にアリサは信じられない表情をし、エマとセリーヌは厳しい表情で仲間達に警告した。
「部長!わたくし達は敵ではありません!わたくし達は貴族連合に誘拐された部長を助けに来たのです!どうか、目を覚ましてください!」
「ウ……アアアアアアアァァ―――――ッ!!敵……センメツ……!」
セレーネは必死にエーデルに呼びかけたが、エーデルは咆哮をあげた後魔導杖を構えてリィン達を睨み
「……ッ!ここに来るまでに戦った”帝国解放戦線”同様戦って無力化するしかないみたいだね……!」
「クッ……!仕方ない、戦ってエーデル先輩を気絶させるぞ……!神気―――合一!!―――来い、ベルフェゴール!!」
「お願い―――ミルモ!!」
「力を貸してください―――ヴァレフォルさん!!」
エーデルの様子を見て辛そうな表情で呟いたフィーの言葉を聞いたリィンは号令をかけた後自身に秘められし”力”を解放し、更にベルフェゴールを召喚し、アリサとエマも続くように自身が契約している心強き味方を召喚した。
「ハハハハハハッ!舞台は整った!さあ、私達も美しき因縁の再戦を始めようではないか、麗しの姫君と彼女を守る騎士達よ……!」
「戯言を……!ユミルの時同様返り討ちにして差し上げます!」
「貴様の執念、ここで断ち切る!」
「―――来世に現れて、未来の方達に害を為させない為にも今ここで貴方を滅します!――――来て、アムドシアス!!」
「我が好敵手よ!かつての好敵手として、今度こそ安らかなるレクイエムを捧げてやろう……!」
ツーヤとレーヴェと共にブルブランと対峙したプリネはアムドシアスを召喚した後ブルブランとの戦闘を開始し
「――――!!」
「うふふ、レン達で可憐な女の子達の力を見せてあげましょう、シグルーンお姉さん♪」
「フフ、レン姫やシャロン殿はともかく、私とクロチルダ殿はそんな年ではありませんが……」
「ちょっと!?私はまだ20代前半よ!というかどうして、私より一つ年下なだけの”死線”は含まないのよ!?貴女の”女の子”の基準は一体どうなっているのよ!?」
「ふふっ、今はそんな細かい事を気にしている場合ではありませんよ、クロチルダ様♪」
ドラクロワに対してはレン、シグルーン、クロチルダ、シャロンが対峙して戦闘を開始し
「絶対にエーデル先輩を助けるぞ!」
「当然……!」
「すみません、エーデル部長……!絶対に助けますから、少しだけ耐えてください……!」
アリサ達と共にエーデルと対峙しているリィンの言葉にフィーは力強く頷き、セレーネは辛そうな表情をした後戦闘を開始した!
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