FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
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突破口
前書き
今週のFAIRYTAIL読んで可哀想と思ったこと。それは・・・アイリーンのせいでブラッドマンのガジル道連れが失敗したことだよね(笑)
まさか仲間の死を無駄にさせてしまうとは・・・意外と間抜けっすね、アイリーンさん。
「な・・・なんだ!?」
「妖精の尻尾が!!」
「爆発した!?」
何の前触れもなく大きな爆発音を残し破裂した妖精の尻尾を見てマグノリアの人々は驚愕していた。
「俺たちが直したってのに・・・」
「最近の評議院爆発事件に、関係しているのか!?」
「ギルドのみんなは無事かしら」
「まさか全滅なんてことに・・・」
「助けにいくぞ!!」
「おい待て!!危ねぇだろ、近付くな!!」
様々な憶測が飛び交い、混乱しているマグノリア。その上空では、四角い形をした浮遊島、冥界島からその様子を眺めているものたちがいた。
「ご覧の通りですわ、キョウカ様」
「よくやった、セイラ」
妖精の尻尾が爆発した理由。それは、ユーリ老師の自宅で遭遇したエルフマンを操ったセイラが、彼にギルドの爆破を命令したからであった。作戦が成功したセイラをキョウカが褒める。
「ゲヘヘヘヘヘ。失ったお命はおいくらか?おいくらか?」
「人間の命なんか、そう大したもんじゃねぇよ」
ギルドの中には大量の魔導士たちが集まっていることはおおいに予想できた。そのため彼らはギルドの爆破で、そのメンバーを一掃できたことに喜んでいる。
「妖精の尻尾を一掃できたのなら、こんな辺境な地まで冥界島を動かす必要はなかったな」
「えぇ」
散々邪魔をしてきた相手が全滅したことに笑みを浮かべているキョウカ。彼女のその笑顔を見れたセイラは嬉しそうに返事をする。
「これより計画を、従来のフェイス計画に一本化する。時は満ちた。人間どもの猜疑心が生み出した白き遺産によって、人間どもは自らを滅ぼすのだ。
フェイスは人間どもからすべての魔力を奪い、我ら、魔族の時代を約束するだろう。すべては、ゼレフの望む世界のために」
すでに封印の解けているフェイス。それが発動するのも時間の問題だった。勝利を確信していた冥府の門。しかし、その制御室に突然警報が鳴り響く。
「おんや?」
「なんだこりゃ」
「どうした?フランマルス、ノーラン」
警報を聞いてすぐさま制御室のレーダーを覗き込むフランマルスとノーラン。そこにはこちらに向かってくる、無数の赤い点が映し出されている。
「いえね、多数の魔力反応が・・・」
フランマルスが答えると、そこに仮面を被った数人の兵の血相を変えてやってきていた。
「大変です。冥界島に向かってくる四体の影を確認しました」
「四体?」
「いやぁ、これはもっと大勢の魔力ですぞ」
「しかし、視認できるのは四体のみです!!」
兵が見た人数とレーダーに映る魔力反応の数が合わない。しかし、兵がウソをついているようにも見えず、ノーランたちは困惑していた。
「何事だ」
「アンダーキューブを映しますわ」
近くのモニターを操作して影の正体が何なのか確認しようとするセイラ。彼女が操作すると、冥界島の下面から見える景色が映し出される。
「これは・・・」
「なーーーーっ!!」
映像を見たと同時に衝撃を受けるセイラとフランマルス。そこに映っている四つの小さな影。それは、ハッピー、シャルル、セシリー、リリーのエクシードたちだった。
「猫?」
「あれは確か、妖精の尻尾の!!」
フランマルスは先頭を飛んでいるハッピーに見覚えがあった。ナツが冥府の門の本拠地に殴り込みに来た際、交戦したのがフランマルスなのだが、その時ハッピーもナツのそばにいたため、フランマルスは覚えていたのだった。
(取り逃がしましたね、シルバーしゃん)
ナツに苦戦を強いられていたフランマルス。彼に代わりナツを捕まえたのはシルバーと呼ばれる男。しかし彼は、ナツは捕らえたものの、ハッピーを運悪く取り逃がしてしまったのであった。しかし、今はそんなことどうでもいい。
「確かに四匹しかいないようだけど・・・」
「あんな小動物から、多数の魔力反応だと?」
報告に来た兵隊たちのいう通り、彼らの本部に迫ってきているのはわずかに四匹。しかし、いまだにレーダーは多数の赤い点を示しており、どういうことなのかわからないキョウカは困惑の表情を浮かべる。
「キョウカ様。手に何かを持っているようですわ」
すると、映し出されている映像からセイラがハッピーたちが持っているものに気付いた。それを拡大して見てみると、トランプのようなカードを四匹の猫たちはそれぞれ持っている。
「カード?」
そのカードこそが多数の魔力反応の正体だった。セイラの命令通り、超濃縮エーテル発光体をギルドに仕掛けたエルフマン。そこに彼の様子がおかしいことに違和感を覚えたカナがやって来て、エルフマンが操られていることを察知。抵抗するエルフマンを以前会った男に教えられた魔法でカードした彼女は、すぐさまギルド内にいる全員をカード化し、翼を持つハッピーたちエクシードに全員を持ってギルドから脱出させたのであった。
「あのカードは妖精の尻尾の魔導士ですぞ!!」
「なんだと?」
「そんな・・・」
「カード化の魔法・・・気転が効く奴がいたもんだな」
慌てるフランマルスに驚くキョウカ。そして、信じられないといった表情のセイラに感心しているノーラン。その間にも、四匹の仲間を引き連れた猫たちは、グングンこちらに向かってくる。
「私の失態・・・」
目を見開き呆けているセイラ。その彼女の後ろに立つ女性は、すぐに兵に指示を出す。
「防衛線を張れ。アンダーキューブに重力場を展開」
「「はっ!!」」
「フロント・リア・サイドキューブは第一戦闘配置!!」
「「はっ!!」」
「トップキューブには近付かせるな!!」
彼らのギルドの中でも最重要拠点であるトップキューブ。そこに敵が来ることを避けるために動くキョウカ。彼女の指示に従い、冥府の門の兵たちはすぐさま動き出した。
ウェンディside
カナさんが異変に気付いてくれたおかげで爆発から逃れることができた私たち。今はシャルルたちが翼を広げ、レビィさんが計算で割り出してくれたマグノリア上空にある冥府の門の本拠地へと向かっています。
「うわぁ!!」
「何これ!?」
「体が勝手に~!!」
「吸い寄せられて」
すると、突然シャルルたちがバランスを崩しながら四角い島に吸い寄せられていきます。でも、彼女たちに抱えられている私たちには、何がどうなっているのかよくわかりません。
「ぶつかるぅ!!あぎゅ!!」
「きゃっ!!」
「プギャッ!!」
「くっ!!」
ハッピー、シャルル、セシリーは体勢が悪くて壁に激突してしまったみたい。普段から戦いなどでそう言うことには慣れているリリーは、うまく着地して事なきを得ているようでした。
「これは・・・重力!!」
立ち上がって辺りを見回すみんな。彼らは頭が地上に向いているのに落ちずにいることから、重力が展開されて吸い寄せられたのだとすぐに把握していました。
「オイラたち、逆さまになってるの?」
「そんなことより、敵が出てきたわ!!」
「いっぱいいるよ~!!」
シャルルたち目掛けて突撃してくる冥府の門の皆さん。すると、ハッピーたちの手元のカードが光出します。
「全員!!カードから解凍!!」
その光っていたカードはカナさんのカード。彼女は全員のカードを辺り一面に散らすと、元の人間の姿へと戻します。
「いくよ!!」
「「「「「オオッ!!」」」」」
カナさんの掛け声でこちらに向かってくる敵に向かって一斉に駆け出します。
「「「「「妖精の尻尾!!出陣!!」」」」」
ここにはシリルやナツさんたちが捕らえられている。皆さんを救出しないと。私たちは大好きな仲間たちを救出するため、大勢の敵との戦闘に入りました。
第三者side
ウェンディたちが冥府の門の兵隊たちと交戦をしている頃、シリルとミラが捕らえられているラボでは、ラミーが目の前の女性を改造するために動き出そうとしていた。
「外が騒がしいなぁ。ま、いいけど。まずはね!!そのキレイな顔をグチャグチャに!!ファッファッファッファッファッ」
ラミーがそう言うと、ミラの体に絡み付いている触手から彼女の体に悪魔因子が流し込まれていく。それは、ミラの血管を通って全身に広がろうとしていた。
「ファッファッファッファッファッ♪どう?悪魔の因子を流し込まれる気分は?」
意識のないミラを笑みを浮かべながら見ているラミー。その間にも、ミラの体からは悪魔の因子が流し込まれた血管が浮き出ていた。
「お前は今から醜く醜く~く生まれ変わるの!!」
不気味な笑いをしながら目の敵にしていたミラの顔から血管が浮き出ているのを見て楽しそうに腰を振っているラミー。彼女はミラが無様な姿になるのをより近くで見たいのか、ケースに顔をピッタリとつける
「悔しいのぅ、悔しいのぅ」
いい気になっていたラミー。しかし、ここで一つの誤算が生じる。悪魔の因子を流し込まれているミラ。彼女の目がカッと開き、ラミーはギョッとする。
それと同時に、彼女が入れられているケースに次第にヒビが入っていき、ガラスが壊れてしまった。
「ひぃぃぃ!!な・・・何!?何よこれ!?」
何が起こったのか理解できずうろたえるラミー。そんな彼女の前に、触手に絡まれた銀髪の女性が歩み寄る。
「ごめんね、悪魔因子は元々持ってるの。サタンソウルを使うために。おかげで復活しちゃった」
ミラが意識を取り戻した理由。それは彼女自身が悪魔の魂を体内に入れていたから。悪魔に改造するためにラボに連れてきたことが、彼女を復活させてしまうきっかけになったのであった。
「ひぃぃぃ!!」
バタバタとしながら後ろに逃げていくラミー。彼女は後ろを見ないでミラから距離を取ったため、後ろにあったケースに激突していた。
「!!」
慌てるラミーを見下ろしていたミラ。彼女は後ろから何かを感じ、そちらを振り返る。
「・・・シリル!!」
そこにいたのは自分と同じようにガラス張りのケースに閉じ込められていたシリルだった。
「待ってて。今助けるから!!」
彼女は自分にまとわりついている触手を脱ぎ捨てると、仲間の少年が入っているケースを片手で粉砕する。
「ファーーーーー!?」
かなりの強度を誇るそれを魔法も使わずに破壊した魔人を見て、絶叫しているラミー。ミラはケースが壊れたことで液体が流れ出て、支える力を失ったシリルを抱き抱える。
「シリル!!しっかりして!!」
触手を引き剥がした後、体を揺すりいまだに目を閉じている少年を起こそうとするミラ。しかし、なかなかシリルの目は覚めない。
「シリル!!」
「んん・・・」
しばらくすると、ようやくシリルが目を覚まし、ゆっくりと目を開ける。彼の目に最初に飛び込んできたのは、普段は結ばれている前髪を下ろしているミラの顔だった。
「ミラさん?ここは?」
「わからないわ。ただ、もしかしたら・・・」
眠らされてここまで連れてこられたため、現在地を把握しきれていないミラとシリル。しかし、おおよそ推測することはできる。ここがもしかしたら、冥府の門の本拠地なのではないかと。
「・・・ん?」
シリルを抱えたまま周囲を見回していたミラ。しかし、彼女の腕の中にいる少年は、あることに気付いていた。
「ちょっ!?」
それは、自分が全裸であること。そして、目の前の女性も自分と同じ格好であること。
「あう!!」
彼女に見られたのではないかという恥ずかしさと、彼女の全身を見てしまったことから顔を赤らめミラに体を密着させるシリル。その行動は、相手の体を見ないことと、自分の体を見せないようにするための対策だったのだが、ミラは気付いていない。
「どうしたの?シリル」
不思議なものを見る目で自分にくっついているシリルを見ているミラ。天然の彼女が気付くことはないと悟ったシリルは、ストレートにこう言った。
「ミラさん・・・服、探しませんか?」
「あら?そうね」
ようやく自分と相手が一糸纏わぬ姿だと理解したミラ。二人の妖精は、体を隠すために服の代わりになるものを探し始める。しかし、この時彼らは気付いていなかった。シリルの体に薄くも確かに刻まれた、悪魔の印に・・・
ウェンディside
「うじゃうじゃと・・・邪魔だっての!!」
迫ってくる複数の兵を一瞬で凍らせるグレイさん。彼の後ろから、別の兵が斬りかかろうと飛びかかります。
「グレイ様の背後から・・・抱き付こうとするなんて!!」
「・・・」
その兵は勘違いしたジュビアさんに一蹴されていました。戦いの最中に敵に抱きつく人なんて、いないと思いますよ?
「うがあああああ!!」
ガジルさん目掛けて鉄の棒を降り下ろす悪魔。ですが、それは彼の硬い腕に防がれ、変形してしまいました。
「ギヒッ」
彼はニヤッと笑うと、相手の武器を掴みそれを食べ始めます。
「まじぃ・・・」
鉄の味がお気に召さなかったガジルさんはその棒を投げ捨てると、頬を大きく膨らませ、魔力を集めていきます。
「鉄竜の・・・咆哮!!」
「「「「「うわあああああああ!!」」」」」
彼のブレスを受けて吹き飛んでいく冥府の門のメンバー。ガジルさんは周囲にいる敵にガンを飛ばしながら、戦いを続行します。
シャアアアアア
風を切る音と共に私に向かって翼を広げた悪魔が飛んできます。
「天竜の・・・翼撃!!」
両手を広げて風を放つ。それを受けた敵は押し返されていきますが、仲間に乗っていた他の悪魔たちがこちらに一斉に降りて奇襲してきます。
「天竜の・・・咆哮!!」
すぐ目の前まで迫ってきていた敵。ですけど、私が素早くブレスを放つと、なんとか彼らを凪ぎ払うことができました。
「ルーシィキーック!!」
「MO!!」
向こうではルーシィさんとタウロスさんが共闘して次々に敵を倒していきます。途中ロキさんが勝手に現れましたが、彼は戦闘が得意なこともあり、ルーシィさんの力となっているみたいでした。
「クソッ、どんだけいるんだ?」
「キリがねぇ」
「動けねぇラクサスたちも守らなきゃいけねーし」
皆さんが敵を次々に圧倒しているにも関わらず、四方から敵兵は絶えず私たちに襲い掛かってきます。
「なんで病人まで連れてきた!?」
「そうしなきゃ、ギルドごと吹っ飛んでたんだよ」
魔障粒子に犯されてしまい、動くことができないラクサスさんやフリードさんたち。彼らも守りながら戦わないといけないし、シリルたちも助けなきゃいけない。なのに、私たちはここから先に進むことが全然できません。
「それにしても、突破口がねぇ」
「どうやって城にいけばいいんだ?」
ただ耐えている状況に苛立ちを募らせているロメオくんとワカバさん。でも、二人のいう通り、ここからどうすればいいのかな?
「この重力場のせいで、うまく翼も使えないし」
「敵が多すぎて先に進めないよ~」
シャルルとセシリーたちの魔法で一気に先に進めないかとも思いましたが、どうやら難しいみたいです。
「オイラたち今下の面にいるから、上にいくには・・・」
「どうすれば・・・」
「こんなところで消耗している間にも・・・エルザたちが・・・」
徐々に疲労が蓄積し、押し込まれてきています。
「突破口はまだ見つからんのかぁ!!」
マスターがそう叫ぶと、地面の一ヶ所が大きく膨れ上がります。そしてそこから、黒い煙が上がりました
「なんだ!?」
「地面が・・・」
煙が晴れると、そこには巨大な穴ができています。その中から現れたのは仮面を被った女の人と、捕らわれたと思われていたエルザさんが出てきました。
「エルザ!!」
敵だと思われる女性を吹き飛ばすエルザさん。彼女が現れた穴を見て、全員が同じことを思い付きました。
「突破口!!」
地面に空いた巨大な穴。その中を通って上の面に進めばいい。突破口を見つけた妖精たちの反撃開始です!!
後書き
いかがだったでしょうか。
シリルとミラのハグがやってみたかったので一緒に捕まっててもらったんです(笑)
ウェンディにバレたら袋叩きにされそう・・・
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