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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルート

作者:sorano
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外伝~鉄機隊~

~トリスタ~



「大地よ、吼えよ――――地裂斬!!」

「グアッ!?」

「ががっ!?」

戦闘開始早々アイネスはハルバードを地面に叩きつけて衝撃波を放って兵士達を怯ませ

「雷よ!――――豪雷剣!!」

「ギャアアアアァァァア――――ッ!?」

「グアアアアア―――――ッ!?」

その隙に剣に闘気によって発生した雷を宿したデュバリィが薙ぎ払い攻撃を放って兵士達の身体を真っ二つに斬って絶命させた!



「ヒィィィィッ!?」

「よ、よくも俺達の仲間を……!」

「死ね――――ッ!」

仲間達の死に恐怖や怒りを感じた残りの兵士達は銃口をデュバリィとアイネスに向けたが

「フフ、死ぬのは貴方達よ!」

「あがっ!?」

「グアッ!?」

「ギャッ!?」

エンネアが放った急所を狙う弓技――――デビルズアローによって心臓や喉元を貫かれて絶命して地面に倒れた!



「フン、この程度か!他愛ない相手だったな。」

「まあ相手は碌に実戦経験も積んでいない雑魚ばかりだから、当然の結果よ。」

戦闘を終えたアイネスは鼻を鳴らして侮蔑の視線で絶命した兵士達の死体を見つめ、エンネアは静かな表情で呟いた。

「援軍が来ないという事はどうやら”紅き翼”との戦闘で兵力を割いた為に相当手薄になっているようですわね。――ならば好都合。速やかに士官学院にいる兵士達を殲滅しますわよ!」

「ああ!」

「ええ!」

デュバリィ達はトールズ士官学院に向かって走りだした!



~トールズ士官学院・正門~



士官学院の正門にはリィン達による士官学院奪還を警戒した貴族連合軍の兵士達が集結し、迎撃態勢を取っていた。

「!!来たぞ!」

「馬鹿な!?学生如きがあの包囲網を潜り抜けただと!?」

士官学院に向かって来る人影に気付いた兵士達はそれぞれ武器を構えたが

「――――彼らが相手でなくて、残念だったな。」

「なっ!?」

「か、甲冑の女騎士……?」

「学生共ではないだと!?」

「貴様らは一体何者だ!?伝統あるこの学院に貴様らのような賊如きが足を踏み入れていい場所ではないぞ!」

デュバリィ達の登場にそれぞれ困惑し、兵士達を率いる隊長はデュバリィ達を睨んだ。



「その言葉、そっくりそのままお返しするわ。”賊”はトリスタを占領して民達を幽閉している貴方方でしょう?」

「我らは”鉄機隊”!至高の武たる存在―――”鋼の聖女”アリアンロード様直属の部隊だ!」

「貴方方に恨みはありませんが、私達の目的の為に死んでもらいますわ!―――覚悟!!」

そしてデュバリィ達は再び戦闘を開始した!



「全て打ち砕く!」

先制攻撃代わりにアイネスは跳躍してハルバードを隊長に叩きつけ

「えー――――――――」

アイネスの奇襲――――兜割りに呆けた隊長は痛みを感じる事無く、真っ二つに縦に斬られて絶命し

「オォォォォォ――――ッ!」

「グアアアアア――――ッ!?」

「ガアアアアアアアア―――――ッ!?」

続けてその場で回転して竜巻を発生させ、近くにいる敵を引き寄せて纏めて攻撃するクラフト――――地風斬で近くにいた兵士達を引き寄せて身体を横に真っ二つに斬って絶命させた!

「う、うわぁぁぁぁぁぁ――――ッ!?」

「た、隊長―――――!?」

「き、貴様―――――ッ!」

「隊長達の仇を討て――――ッ!」

目の前で自分達の隊長や仲間が無残な死体となった事に恐怖を感じた兵士達は悲鳴を上げ、また怒りを感じた兵士達はアイネスに銃口を向けた。



「―――遅い!」

「え―――――」

「あ―――――」

しかしデュバリィが放った神速で駆け抜けて斬撃を叩きこむクラフト――――残影剣によって一瞬で首を刈り取られて絶命し、首を刈り取られた兵士達の死体は地面に倒れ

「これでも喰らえですわ!」

「な――――」

「ヒ――――」

続けてデュバリィは衝撃波の刃を放つクラフト――――瞬迅剣で更に兵士達の首を刈り取って絶命させた!

「貫け―――ピアスアロー!!」

「グアアアアア――――ッ!?」

「ギャアアアアァァァア――――ッ!?」

二人に続くように放った闘気に矢を纏わせて貫通する矢を放つエンネアのクラフト――――ピアスアローを受けた兵士達は身体に風穴ができ、その部分から大量の血を噴出させて絶命した!そして三人は協力して凄まじい勢いで正門付近で迎撃態勢を取っていた兵士達を殲滅した!



「―――殲滅完了。後は校舎内にいる兵士達だけですわね。三人で手分けして一気に終わらせますわよ!」

「「了解!」」

兵士達を殲滅した三人はそれぞれ三方向に散って校舎内にいる兵士達の殲滅を開始した!



「え――――――」

「て、敵襲――――」

校舎内を見回っていた兵士達は突如現れたアイネスに驚き

「遅い!――――地雷撃!!」

「グアッ!?」

「ガッ!?」

アイネスはハルバードで大地を打ち砕いて衝撃波を発生させるクラフト――――地雷撃で兵士達を吹っ飛ばし

「止めだ!」

更に追撃の手を休めずに吹っ飛ばした兵士達に一気に詰め寄ってハルバードを一閃して兵士達の首を刈り取った!



「おい、騒がしいぞ!?一体何があ……った……?」

するとその時増援の兵士達が現れて周囲の惨状を見て呆け

「う、うわぁぁぁぁぁぁっ!?」

「う、撃て―――――ッ!」

廊下に倒れている兵士達の死体を見て恐怖の表情でアイネス目掛けて銃撃を放った。

「我が盾となれ、秩序の盾!」

しかしアイネスは防御結界と自動的に傷ついた身体を回復させるクラフト――――秩序の盾で銃撃を防ぎ

「全てを屠るこの一撃……耐えられるか!?クリティカルブレー――――ドッ!!」

兵士達目掛けて跳躍して武器に膨大な闘気によって発生した炎を纏わせてハルバードを叩きつけた!

「「グギャアアアアアア――――――ッ!?」」

闘気によって発生した炎で一撃必殺の威力を放つSクラフト――――クリティカルブレードを受けた兵士達は絶命し、無残な死体となった!



「なっ!?あぐっ!?」

「何者だ、貴様は!?うがっ!?」

エンネアは自身を見つけた見回りの兵士達を見つけた瞬間矢を放ち、エンネアが放った矢でそれぞれ喉元を貫かれた兵士達は絶命して地面に倒れた。するとその時別の見回りの兵士達が現れてエンネアを見つけた。

「!甲冑の女騎士……!おい、こっちにもいたぞ!あがっ!?」

「クソッ!?敵は一体何人いるんだ!?がっ!?」

「本来ならこんな不意打ちのような真似はしたくないけど、これは”戦争”だから仕方ないわね。」

自身の姿を見て援軍を呼んだ兵士達の眉間を矢で貫いたエンネアは溜息を吐いた。そして援軍の兵士達が現れたが――――

「”魔弓”と呼ばれているこの私の恐ろしさ、その身で味わいなさい!踊れ、矢よ!」

「グアアアアア――――ッ!?」

「ガアアアアアアアア――ッ!?」

「ギャアアアアァァァア――ッ!?

エンネアが放った数本の光の矢はまるで意志を持っているかのように飛び廻りながら何度も兵士達を襲い

「これで止めよ!ベリアル・ワルツ!!」

更に弓に巨大な光の矢を番えていたエンネアが矢を放つと飛び廻った後纏めて兵士達目掛けて襲い掛かる数本の矢に命中して大爆発を起こし、エンネアのSクラフト――――ベリアル・ワルツが終わると矢によって急所を貫かれていた兵士達は絶命して地面に倒れていた!



「な――――」

「て、敵しゅ――――」

「残影剣!!」

正面から入ったデュバリィは自身を見つけた兵士達に一気に詰め寄って剣を振るって兵士達の首を刈り取って絶命させた!

「……この学院の長や教官達を救出して先に事情を説明しておくべきですわね。」

兵士達を絶命させたデュバリィは職員室に視線を向けた後職員室に突入した!


「えー―――」

「か、甲冑の女騎士……!?」

「甲冑の女騎士……―――という事は貴様が”紅き翼”の別働隊として、報告にあった部下達を殺戮している者達か!何者だ、貴様は!」

職員室に入るとそこにはヴァンダイク学院長を含めた教官達が幽閉され、他には貴族連合軍の隊長と見張りの兵士達がいた。

「我が名はデュバリィ。”鉄機隊”の筆頭隊士!”紅き翼”との決戦に邪魔な貴方方を排除する為にこの場に現れましたわ!」

「て、”鉄騎隊”!?」

「”鉄騎隊”じゃと……?」

「まさか”槍の聖女”が率いていたというあの……?」

「それに……”紅き翼”って事は”Ⅶ組”の連中やトワ達の事だよな?何で大昔の存在を名乗る連中があいつらとの決戦を望んで、貴族連合軍の兵士達を殺しているんだ?」

デュバリィの名乗りを聞いたハインリッヒ教頭は驚き、ヴァンダイク学院長とベアトリクス教官は不思議そうな表情で、マカロフ教官は真剣な表情でデュバリィを見つめた。



「”デュバリィ”……?―――!我らと手を切った裏切り者の”裏の協力者”か!」

「フン、貴方のような末端の兵士にまで私の名が伝わっていたとは。どうやら私やクロチルダ様も貴族連合に指名手配されていたようですわね。」

隊長の言葉を聞いたデュバリィは鼻を鳴らして不愉快そうな表情で隊長達を見つめた。

「お、おのれ……!我らと手を切ったどころか、敵の軍門に降るとは……!薄汚い裏切り者が……!全員で突撃して殺せ――――ッ!」

「ハッ!」

「!やめるのじゃ!お主らの腕では―――――」

そして兵士達はヴァンダイク学院長の制止の言葉を無視して同時にデュバリィに襲い掛かったが

「豪雷剣!!」

「「「ギャアアアアァァァア――――ッ!?」」」

剣に雷を纏わせたデュバリィの一閃によって絶命した!



「ヒッ……!?」

「何という事を…………」

絶命した兵士達を見たハインリッヒ教頭は悲鳴を上げ、ベアトリクス教官は悲痛そうな表情で兵士達の死を嘆いた。

「な、ななななななななっ!?」

「校舎内にいる兵士達も二人によって殲滅されている頃でしょう。―――後は貴方を殺せばトリスタと士官学院内にいる兵士達の殲滅は完了ですわ。”裏の協力者”であった私にこんな事を言える権利はありませんが、あえて言わせて頂きます。――――内戦を引き起こした貴族連合に所属した事に後悔を抱きながら死になさい。」

一瞬で部下達がが殺した事に混乱している隊長にデュバリィは近づき、対する隊長は後ずさってデュバリィから距離を取ろうとしたが壁にぶつかって、追い詰められた。

「お、おのれ……!かくなる上は……!」

追い詰められた隊長は懐から紅色の液体が入った瓶を取りだした。



「そんなものを出してどうするつもりですか。」

「ククク……これは先日我らの新たな協力者となった方が開発した強化薬―――――”グノーシス”だ!」

「へ。」

隊長の言葉を聞いたデュバリィは呆け

「”グノーシス”じゃと!?」

「まさかかの”教団”の!?クロスベル以外にもまだ”教団”の生き残りがいたのですか……!?」

ヴァンダイク学院長とベアトリクス教官はそれぞれ血相を変えた。そして隊長は瓶に入っていた液体を一気飲みした。



「不覚……!―――貴方達も下がりなさい!」

隊長の行動を見てすぐに何が起こるか理解したデュバリィは後ろに跳躍して隊長から距離を取り、ヴァンダイク学院長達に警告した。

「うっ!?クククク……湧いてきたぞ………力ガ―――――――ッ!!」

するとその瞬間隊長は異形の魔人へと変化した!

「う、うわぁぁぁぁぁぁっ!?」

「オ、オイオイ……俺達は悪夢でも見ているのか……?」

「あれが”グノーシス”による”魔人化(デモナイズ)”とやらか……!」

「……凄まじい鬼気ですね……」

異形の魔人へと変化した隊長を見たハインリッヒ教頭は悲鳴を上げ、マカロフ教官は信じられない表情をし、ヴァンダイク学院長は厳しい表情をし、ベアトリクス教官は不安そうな表情をしていた。



「オオオオオオオオ――――――ッ!」

「フン、”グノーシス”の力に振り回されている愚か者がこの私に勝てると思っていたとは。この私を甘く見た事、後悔させてあげますわ!」

異形の魔人の攻撃を軽やかに回避したデュバリィは不愉快そうな表情で魔人を見つめた後剣を構え

「さあ、行きますわよ……!オォォォォォォ――――――ッ!!」

剣を一振りして自分の左右に自身の分け身を出現させ、分け身達と共に神速の速さで魔人に何度も斬撃を叩き込み、そして!

「プリズム……キャリバー―――――ッ!!」

止めに光を纏わせた剣を一閃して魔人の身体を真っ二つにした!すると魔人は再生する事なく絶命した!



「フン、おとといきやがれですわ!」

魔人の死体を蔑みの表情で見つめていたデュバリィは剣と盾を収めてヴァンダイク学院長達を見回した。

「全員、怪我はないようですわね。」

「……うむ。学院内での騒ぎもお主達の仕業か?」

「ええ。今頃私達の仲間が学院内に徘徊している貴族連合軍の兵士達を殲滅していますわ。それとトリスタ内にいる兵士達も殲滅しておきました。」

「せ、”殲滅”…………」

「って事はトリスタや士官学院内は兵士達の死体だらけという事かよ……」

「…………デュバリィ殿と仰いましたね。助けて貰った身でありながら、こんな事を聞くのは厚かましいと理解していますが、それでも聞かせてください。何故貴族連合軍の兵士達の命を奪ったのですか?貴女程の使い手ならば、命は奪わなくてもすんだのではないでしょうか?」

ヴァンダイク学院長の問いかけに答えたデュバリィの話を聞いたハインリッヒ教頭は信じられない表情をし、マカロフ教官は厳しい表情をし、ベアトリクス教官は悲痛そうな表情で問いかけた。



「当初は無力化の予定でしたが、今まで”不殺”を貫いてきた”紅き翼”の者達がトリスタの防衛をしている貴族連合軍の兵士達を殺し続けています。予定では彼らがトリスタや士官学院内にいる兵士達を殺す予定だったそうですが、まだ学生である彼らの手をこれ以上血で汚させない為にも先に私達の手で殲滅したのですわ。」

「!!」

「何じゃと!?それは本当なのか!?」

「ええ。セドリック皇太子の”勅命”によってトリスタ並びに士官学院内にいる貴族連合軍の兵士達の”殲滅”、そしてトリスタとトールズ士官学院の奪還を命じられたとの事ですわ。」

「セ、セドリック殿下が!?」

「あのセドリック殿下がそのような”勅命”を……」

「一体何故殿下はそんな”勅命”を出したんだ……?」

デュバリィの口から語られた予想外の答えにハインリッヒ教頭とベアトリクス教官は信じられない表情をし、マカロフ教官は真剣な表情で考え込んでいた。



「…………それで、お主達は一体何者で、何の目的があって”紅き翼”に力を貸すような事をしたのじゃ?先程お主が斬り捨てた者がお主達はかつて貴族連合に手を貸していた存在と口走っておったが……」

「―――我が名はデュバリィ。結社”身喰らう蛇”の”第七柱”―――”鋼の聖女”率いる”鉄機隊”の筆頭隊士。私達が貴族連合の兵士達を殲滅した事情ですが――――」

そしてデュバリィは自分達が学院やトリスタにいる兵士達を殲滅した理由などを説明した後、ある事を依頼した。

「……と言う訳で、私達と彼らの勝負が決着するまでは学院にいる学生達共々外に出ないでもらいたいのです。後少しだけ窮屈な思いをして頂く事になってしまいますが、お願いしますわ。」

「……承知した。わしらにとってお主達は恩人じゃからな。学生達にも事情を説明をしておこう。」

「―――助かりますわ。それでは失礼します。」

ヴァンダイク学院長が自分の依頼を承諾するとデュバリィは部屋を出た。



「デュバリィ。」

「校舎内にいる兵士達の殲滅は完了したわ。」

デュバリィが部屋を出るとアイネスとエンネアが近づいてきた。

「……後は彼らを待つだけという事ですわね。では手筈通りに所定の位置につき、彼らが姿を現し次第彼らとの決戦を始めますわよ!」

「ああ!」

「ええ!」

そしてデュバリィ達はそれぞれ三方向に散って、それぞれ所定の位置についてリィン達を待ち構え始めた! 
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