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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルート

作者:sorano
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第34話

~西クロスベル街道~



「あ………………」

破壊され、スクラップと化したオルディーネを見たクロウは愕然として地面に膝をつき

「か、勝った……」

「俺達があの”神機”に勝ったんだ……!」

「オォォォォォォオオォォォ―――――ッ!!」

機甲兵や戦車を操縦する警備隊は呆然とした後歓びの雄叫びを上げた。

「勝利に酔うのはまだ早いですよ!まずはあの男を拘束し、拘置所に連れて行きなさい!あの男は”通商会議”を襲撃したエレボニア側のテロリスト達―――”帝国解放戦線”のリーダーです!」

「なっ!?あの男がですか!?」

「イエス・マム!!」

「畜生……畜生――――――ッ!!」

エルミナの指示によって動いた警備隊によって拘束されたクロウにはもはや抵抗する力すら残っていなく、クロウは喚きながら警備隊によってどこかに連れて行かれた。

「フフ、”帝国解放戦線”リーダー”C”………ひょっとすれば彼ならヴァルド・ヴァレスのように”素質”があって、良い手駒になってくれるかもしれないね……!何せ状況も彼と似ているしね……!フフ………さてと。彼らにも挨拶をしておかないとね。。私を見ればさぞ、驚くだろうね……クク……」

一方その様子を遠くから見守っていたヨアヒムは醜悪な笑みを浮かべた後転移魔術でその場から消えた。



オルディーネが破壊され、クロウが警備隊によって拘束されたその頃、東クロスベル街道とマインツ山道に展開していた”赤い星座”の猟兵達は殲滅され、クロスベル領空でアイオーンと激しい戦いを繰り広げていたフェミリンスとメルカバ伍号機もアイオーンを破壊の一歩手前まで追い込み、またウルスラ間道でも展開されていた国防軍は全て無力化され、クロチルダもエステル達との戦いによって疲労し、ナユタ達との戦いによって疲労して元の姿に戻ったグリアノスを肩に乗せて地面に膝をついていた。



~クロスベル領空~



フェミリンスとメルカバ伍号機によって追い込まれたアイオーンは変形してエネルギーを溜め始めて膨大なエネルギーを放ったが

「―――無駄です!!」

フェミリンスがメルカバ伍号機の前に出て大規模な結界を展開して防御し続けた!



~メルカバ伍号機・ブリッジ~



「よっしゃ、フェミリンスさんが主砲を防いでいる間に一気に決めるで。――――”アレ”を使う。」

「グラハム卿……!?」

「まさか……!」

敵の様子を見ていたケビンの判断を聞いた星杯騎士達は驚き

「待って……!いきなりすぎる!”聖痕”を使っての砲撃を使わなくてもフェミリンスさんの援護に徹しているだけで確実に破壊できる!」

リースは血相を変えて叫んだ。



「せやな………けど肝心な事は全部”神”頼りで援護くらいしかできんようでは名を継いだ姉さんに顔向けできん。みんな、サポートしてくれ。」

一方ケビンは優しげな微笑みを浮かべて答えた後星杯騎士達に指示をし

「……承知しました。」

「モード”S(スティグマ)”を起動……!」

指示をされた星杯騎士達は重々しい様子を纏って頷いた後操作を始めた。

「ケビン……後でこの事を知った姉様に怒られてもしらないよ……」

「ハハ、姉さんの事やから間違いなく怒ってきそうやな……ま、それも懐かしくてええやないか。」

辛そうな表情をしているリースの言葉を聞いたケビンは苦笑した後寂しげな笑みを浮かべた。



「………何をするつもりかわかりませんが、リースさん。”聖痕”の加護を受けた貴女ならケビンさんの負担を減らす事はできます。なので、彼に力を貸してあげてみては?」

「………わかりました。」

その時エイドスの言葉を聞いて何かを察したリースは頷いた後ケビンの側に移動し

「リース……」

自分の側に来たリースをケビンは複雑そうな表情で見つめた。



「―――”影の国”でケビン自身が言ったでしょう?私はケビンの”相棒”だって。そして……私はケビンの隣でずっと歩いて行くことを。」

「……せやな……だったら遠慮なく力を貸してもらうで!ついでに後でオレと一緒に怒られて姉さんの怒りの一部を受け持ってくれ。」

「うん……!あ、でも姉様の説教はケビン一人だけが受けて。」

「リ、リース……お前な……」

リースの口から出た予想外の答えを聞いたケビンは表情を引き攣らせ

「―――冗談。後で私も一緒に怒られてあげるから。というか姉様の事だからケビンの無茶を見逃した私にも怒る事は目に見えているし。」

「ったく、相変わらず姉妹揃ってマイペースやな……」

そして静かな笑みを浮かべて言ったリースの言葉を聞くと呆れた表情で溜息を吐いた後リースと手を繋いでかつて”影の国”でルフィナを撃ったように互いの身体を合わせて正面を見つめ

「フフ………」

その様子をエイドスは微笑ましそうに見守っていた。



「「『我が深淵にて煌く蒼の刻印よ……………』」」

そしてケビンとリースが同時に祈るとケビンの背に蒼き”聖痕”が顕れると共にリースの背にも小さな蒼き”聖痕”が顕れた!

「「『天に上りて煉獄を照らす光の柱と化せ………』」」

二人が祈り続けると”聖痕”は輝き出した!

「――――”メルカバ”の全導力を収束!」

「”聖痕”パターンを認識!外部への展開を開始します!」

「「守護騎士第五位(第五位の従騎士)、”千の護手”(リース・アルジェント)が命ずる………”聖痕砲”メギデルス――――展開!!」」

ケビンとリースは同時に叫ぶとメルカバがある兵器を発動した!



~クロスベル領空~



フェミリンスがアイオーンの主砲を防いでいると正面に巨大な蒼き”聖痕”を顕させたメルカバ伍号機がフェミリンスと並び、膨大なエネルギーを放ち、放たれた”聖痕”のエネルギー砲はアイオーンの主砲が放つエネルギーをも呑みこんでアイオーンを貫いた!

「―――止めですわ!イセリアルブラスト!!」

それを見たフェミリンスは結界を展開するのを止めて、さらに上空へと舞い上がって膨大な神力や魔力が纏ったエネルギーをアイオーンに放った!そしてメルカバ伍号機とフェミリンスの膨大なエネルギーをまともに受けたアイオーンは連鎖する爆発を起こしながら木端微塵になった!





~同時刻・ウルスラ間道~



「ハァ、ハァ……まさかこれ程の使い手だったとはね………さすがは”教授”を破っただけはあるわね……」

「国防軍も全て無力化し、貴女も満身創痍。大人しく投降してください。」

同じ頃疲労困憊の様子でいるクロチルダにヨシュアは降伏を促した。

「悪いけど、そのつもりはないわ。」

その時クロチルダは杖を掲げて転移魔術を発動し

「あ……!」

「―――撤退をするつもりね。」

「クロスベルから逃げてこれからどうするつもりなのよ!?」

クロチルダの行動を見たミントは声をあげ、サティアは静かな表情で呟き、エステルはクロチルダを睨んだ。



「”幻焔計画”を成就させる為とだけ言っておくわ。」

「―――哀れな女だ。既に”盟主”とやらは死んでいるのに、まだ”結社”の”計画”を実行しようとするとはな。」

「へっ!?」

「なっ!?」

「!!??どういう事よ、それは!?」

セリカの言葉を聞いたエステルとヨシュアは驚き、クロチルダは血相を変えてセリカを睨んだ。

「”鋼の聖女”アリアンロードはリウイ達―――メンフィルに寝返り、自身が持つ”結社”の情報をリウイ達に提供した。―――例えば”盟主”の居場所等をな。」

「ええっ!?」

「あ、あんですって~!?」

「”結社最強”と称えられ、”蛇の使徒”でもある彼女が何故メンフィルに………」

「嘘よ!アリアンロードがそんな事をする訳がないわ!」

セリカの話を聞いたミントとエステルは驚き、ヨシュアは信じられない表情をし、クロチルダはセリカを睨んで指摘した。



「俺の話をどう思おうがお前の自由だ。―――だが、昨日俺はリウイ達と共に”盟主”を討った。それは”真実”だ。」

「な――――」

そしてセリカの説明を聞いたクロチルダが絶句したその時クロチルダは自身が発動した転移魔術によってその場から去って行った。

「―――行ったか。」

「ちょっと、セリカ!?今の話、どういう事よ!?どうして”蛇の使徒”がリウイ達に寝返るのよ!?」

クロチルダが消えるとエステルはセリカに詰め寄って事情の説明を促した。



「単刀直入に説明しますと”鋼の聖女”アリアンロードはシルフィア様の生まれ変わりだったのです。」

「ええええええええっ!?」

「あ、あんですって~!?って、そうだ!サティアさん、今のセリカの話、本当なの!?」

エクリアの話を聞いてミントと共に驚いたエステルは未来から来ている存在であるサティアに真偽を問いかけた。

「ええ、事実よ。”蛇の使徒”の第七柱―――”鋼の聖女”アリアンロードは私達が”影の国”で出会った”軍神(マーズテリア)”の”神格者”―――シルフィアだったのよ。」

「………………」

「驚いたな……まさか敵組織の最高幹部に生まれ変わっていたなんて……」

「というかそれだったら、どうしてすぐにリウイ陛下達の元に行かなかったのでしょう?」

「……恐らくその人にもかつての私達のように色々と複雑な事情があったのじゃないかしら。」

「クレハ様……」

サティアの話を聞いたエステルが口をパクパクしている中、アドルは目を丸くし、ナユタの疑問を聞いたクレハは複雑そうな表情で推測し、その様子をノイは辛そうな表情で見つめていた。



「まさか彼女がシルフィアさんの生まれ変わりだなんて……(もしかして”影の国”の”試練”で彼女達が現れたのもそれが関係していたのか……?)」

一方ヨシュアは真剣な表情で考え込み

「そう言えば……先程セリカさんはその”結社”の”盟主”という存在を討伐したと仰いましたが……」

「ああ。先程話に出たアリアンロードの案内によって奴やリウイ達と共に”盟主”と戦い、討伐した。」

「ええっ!?じゃ、じゃあ本当に結社の”盟主”は殺されたんだ……」

「なお、リウイ様達は今回の騒ぎに乗じて残りの”蛇の使徒”も全て討伐するとの事です。」

「あ、あんですって~!?」

「……”盟主”が討伐され、”蛇の使徒”全員が討伐されたとなると”結社”は事実上崩壊する事になるだろうね……」

セリカとエクリアの話にミントとエステルが驚いている中、ヨシュアは真剣な表情で呟いた。

「……色々と考える事はあるでしょうが、今はクロスベルの解放が先ではないですか?」

「っと、そうね!みんな、もうひと踏ん張りよ!」

そしてエレナの言葉に我に返ったエステルは号令をかけ

「おおっ!!」

エステルの号令に力強く頷いた仲間達はクロスベルに向かった。



その後クロスベルに突入したエステル達はオルキスタワーの正面門で繰り広げられている魔導兵器とクロスベル警察や遊撃士達を始めとした陽動部隊による攻防に加わり、次々と魔導兵器を破壊し始めた。



そしてオルキスタワーへの突入を果たしたロイド達はついに屋上に到着し、白いアイオーンを操縦するディーター大統領との戦いにも勝利したが、何とアイオーンは霊子の供給によって立ち上がった。



霊子の供給で再び立ち上がったアイオーンだったが、突如供給が切れた事によって力を失い、クロスベル中に展開されている魔導兵器も霊子の供給が途絶えた事によって消滅し、ディーター大統領は突然の出来事に混乱していた。 
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