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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルート

作者:sorano
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外伝~”神殺し”と”姫将軍”の”力”~前篇

12月25日―――





~月の僧院~



「―――それでは手筈通り、俺達が暴れはじめてある程度してから”僧院”への侵入をしてくれ。」

「うむ!」

「「はい!!」」

物陰に隠れて国防軍の様子を窺った後に言ったセリカの指示にハイシェラ達は頷いた。

「………まさか防衛の為だけにエリゼ達の話にあった”騎神”とやらを持ち出すなんてね。オルディーネは少々厄介な相手ね……―――セリカ、当初は貴方にアリオスの相手をしてもらう予定だったけど、オルディーネの相手をしてもらってもいいかしら?」

その時オルディーネの姿を確認したルファディエルはセリカに視線を向け

「ああ。―――エクリア、俺の代わりにアリオスの相手を任せてもいいか?」

「お任せ下さい。」

ルファディエルの言葉に頷いた後のセリカの指示にエクリアは会釈をして答えた。



「さーて、いっちょ暴れますか♪」

マリーニャは口元に笑みを浮かべて両手に短剣を構え

「―――セシル。貴女は私達の後方で援護しているだけで十分よ。いくらアリオスがいるとはいえ、決して前に出ないでよ。」

ルファディエルはセシルに指示をし

「ええ、わかったわ。ツァイト君、よろしくね。」

「うむ、任せておけ。」

指示に頷いたセシルはツァイトに微笑み、微笑まれたツァイトは頷き

「くかかかかっ!それじゃあ始めようぜぇ!!」

ギレゼルは陽気に笑いながら言った。



「お、おい………たったこれだけの戦力で本当にここを守り切れるのか?」

セリカ達が攻撃を仕掛ける少し前兵士は不安そうな表情をし

「いくら”風の剣聖”がいるとはいえ、相手はミシュラムにいた”赤い星座”の猟兵達を皆殺しにした連中だぞ?そんな連中に勝てるとはとても思えないが………」

話しかけられた兵士も表情を青褪めさせてアリオスに視線を向け

「……どのような敵が来ようと私が全て斬り伏せる。警戒を怠るな。それに今回の戦いにはあの”神機”と同等の存在―――”騎神”もいる。」

さまざまな兵士達に見つめられたアリオスは静かに呟いたが

「………………………」

兵士達は不安そうな表情をしたまま返事をしなかった。



「…………………(やはり俺ではカシウスさんのようにはできないのか………!)」

その様子を見たアリオスは無念そうな表情で両手の拳を握り

「……!?上だ!避けろ――――」

何かに気付いたクロウが警告をしたその時!



「二つ回廊の轟雷!!」

「ぎゃあああああああああああっ!?」

凄まじい雷が兵士達を襲い、それを喰らった兵士達は悲鳴を上げて地面に倒れて気絶した!

「!!」

それを見たアリオスが目を見開いたその時セリカが単身、アリオス達の目の前に現れた!



「ヒッ……!あ、”嵐の剣神”………!」

「よ、よりにもよって……!」

セリカを見た兵士達は悲鳴を上げ

「狼狽えるな!敵は一人だ!連携して制圧するぞ!――――裏疾風!!」

アリオスは兵士達を鼓舞した後、クラフトでセリカに強襲しようとしたが

「させません!」

「!?」

セリカの背後から現れたエクリアが放った無数の魔力弾による牽制攻撃を回避する為に攻撃を中断して背後へと跳躍した。



「―――マリーニャ!」

「わかっているわよ!まずは一人目!!」

「え―――――ギャアッ!?」

そしてエクリアが声をあげるとセリカ達の背後から俊足で現れたマリーニャが放ったクラフト―――瞬殺の極みによって脇腹から大量の血を噴出させた兵士の一人は地面に倒れて気絶し

「ヒャッハーッ!!」

「ハァァァァッ!!」

「この一撃で沈めぇっ!!」

「ぐぎゃっ!?」

「ががっ!?」

マリーニャに続くように現れたギレゼルとメヒーシャがそれぞれ放った闇や光の魔力を纏わせた連続突き、そしてメティサーナの大鎌による一撃をその身に受けて次々と地面に伏せ

「セリカ様……御力を!セナケリプの雷光!!エニグマ駆動!ラストディザスター!!」

「がああああああああああっ!?」

さらに続くように現れたシュリが放った魔術によって多くの兵士達が悲鳴を上げて地面に倒れた!



「わらわの力、思い知れっ!連射魔弾・広範囲!!」

「ががっ!?」

「ぐぎゃっ!?」

シュリ達の後に現れたレシェンテが放った魔力弾の嵐によって多くの兵士達が怯み

「―――アークス駆動!かの者達に空の加護を!フォルトゥナ!!」

「雷精さん~、手伝って下さいです~!!アークス駆動です~!エアリアル~!!」

「………やみ………来て………ティルワンの死磔………!!あーくす……くどう………?………ルシフェンウィング………!!」

「時空に封じられし時の刃よ!今こそ現れろ!シャドーアポカリフ!!」

「光よ、降り注げ!爆裂光弾!!アークス駆動!リーンカルナシオン!!」

「いっくよ~!雪達磨くらっしゅ!!アークス駆動――――エンドオブワールド!!」

「我が焔をその身に受ける事、光栄に思うがいい!双角蛇の轟炎!!アークス駆動――――ロードインフェルノ!!」

「ぐああああああああああっ!?」

セシルのアーツによって魔法能力が強化されたサリア、ナベリウス、ツァイト、ルファディエル、リリエム、リ・クアルーが次々と放った魔術やアーツによって次々と地面に伏せ

「なっ!?」

「メ、メイド!?」

「な、なんなんだよ、奴等は……!?」

それを見たまだ無事な兵士達は驚いた。



「よし、行くだの!」

「ええ!」

「はい!」

セリカの言葉に答えるようにセリカ達の背後からハイシェラ達が現れて僧院目掛けて突撃し

「そうはさせん!」

「そう簡単にここは通さねえぞ!」

ハイシェラ達の行動を妨害する為にアリオスとオルディーネはそれぞれハイシェラに攻撃を仕掛けようとした。しかし――――

「レイ=ルーン!!」

「!!」

エクリアが片手から放った極太の魔力レーザーを回避する為にアリオスは攻撃を中断し

「雷光!滅鋼斬!!」

「グアッ!?」

跳躍したセリカに雷の魔法剣をボディに叩きつけられたオルディーネは怯んだ。そしてその間にハイシェラ達は駆け抜け、それを見た兵士達は攻撃を仕掛けようとしたが、マリーニャ達が次々と攻撃を仕掛けて兵士達の行動を妨害し、ハイシェラ達はついに僧院の出入口に到着し



「フン、結界なぞ張っても無駄だのっ!!セェイッ!!」

ハイシェラは結界が張られてある扉をなんと膨大な魔力や闘気を込めた拳で結界ごと扉を木端微塵に粉砕した!

「なっ!?」

「け、結界が張られた扉を拳で破壊……!?」

「め、滅茶苦茶だ……!」

それを見たアリオスは驚き、兵士達は信じられない表情をし

「力づくで結界を解くなんて………非常識すぎでしょう。」

エオリアは表情を引き攣らせた後溜息を吐き

「フハハハハハッ!偉大にして伝説で恐れられた”地の魔神”たる我の力、ようやく思い知ったようだの!」

「フフ、最近のハイシェラは色々言われたい放題でしたものね。」

エオリアの様子を見た後高笑いをするハイシェラをリタは苦笑しながら見つめた。



アハハ………いや~、今のはさすがに驚いちゃったよ。



その時カンパネルラの声が聞こえ

「!!この声は……!」

声を聞いたエオリアは目を見開いた。するとその時



ウフフ………”嵐の剣神”を囮にしてボクに挑もうという覚悟……見せてもらうよ。



カンパネルラの声が聞こえた後、ハイシェラ達の目の前に人形兵器が2体現れたが

「我相手には不相応なガラクタだの!!沙綾!紅燐剣!!」

「フフ、ハイシェラ相手によくそんな事が言えますね?剛震突き!!」

ハイシェラは剣技を放って一瞬で人形兵器の一体を木端微塵にし、リタは槍に憑依して突撃してもう一体の人形兵器の真ん中を貫き、貫かれた人形兵器は爆発すると共に破壊された!



え”………もう終わり?アハハ、仮にも防衛用の人形兵器なんだけどなあ………



すると呆けた声を出した後渇いた声で笑うカンパネルラの声が聞こえ

「フウ……これじゃあ私の出番がないじゃない。」

エオリアは溜息を吐いた。

「―――カンパネルラとやらよ!すぐに貴様の首を刈り取ってくれるだの!」

「フフ、それじゃあさっさと終わらせちゃいましょう。」

「ええ!」

そしてハイシェラ達は僧院の中へと突入した!

「!!追えっ!!なんとしても”大鐘”の元に辿り着かせるな!」

「イ、イエス・サー!!」

それを見たアリオスは血相を変えて指示をし、指示をされた兵士達はハイシェラ達の後を追おうとしたその時

「ここは行き止まりだ。」

なんと真の姿になったツァイトが跳躍して出入口の前を陣取った!



「ヒィィィィィッ!ば、化物……!?」

「お前が”神狼”か……!」

ツァイトを見た兵士達は悲鳴を上げたり、慌て始め、オルディーネの操縦席にいるクロウは厳しい表情をした。するとその時ツァイトの背に乗っていたセリカの仲間達が次々とツァイトから降りて攻撃をし始め

「やれやれ……相変わらず恐れられているな。」

全員が降りるとツァイトは元の狼の姿に戻って呟き

「フフ、その内みんな慣れてくれるわよ。」

「それはそれでどうかと思うがな………」

微笑みながら言ったセシルの言葉を聞いたツァイトは苦笑し

「クッ……!出入口付近を陣取られたか……!」

一方それを見たアリオスは唇を噛みしめた。



「―――貴方の相手は私です、”風の剣聖”。」

「……随分と舐められたものだ。まさか侍女がこの俺を一人で抑えられると思っているのか?」

「―――お前の相手は俺だ。オルディーネ―――いや、クロウ・アームブラスト。」

「チッ、さっきは不覚を取っちまったが、オルディーネを駆る俺に勝てると思うなよ……!エリゼ嬢ちゃんがこの場にいないのは残念だが……テメェを倒してエリゼ嬢ちゃんへの”借り”を返させてもらうぜ、”嵐の剣神”!」

エクリアと対峙しているアリオス、セリカと対峙しているオルディーネの操縦席にいるクロウはそれぞれ自分達が相手する強敵達を睨んだ。



「その言葉、そっくりそのままお返しさせて頂きます。フェミリンスに一太刀も浴びせる事ができなかった貴方がフェミリンスの力を受け継ぐこの私に勝利できるとお思いですか?」

「…………一つ訂正させてもらおう。”嵐の剣神”という名は俺の”本来の異名”ではない。ある意味俺はお前にとって”天敵”になる存在だ。」

「何……?”フェミリンスの力を受け継いだ”だと……?」

「何だと?一体どういう意味だ……!?」

エクリアとセリカが語った言葉が気になったアリオスとクロウはそれぞれ二人に問いかけた。するとその時エクリアとセリカは全身から膨大な神気を解放すると共にそれぞれの背後に”姫神フェミリンス”と”正義の大女神アストライア”の幻影を浮かばせた!



「なっ……!?」

「お前はまさか……アイドス!一体何者なんだ、お前は!?」

それぞれが対峙する人物の背後に浮かんだ幻影を見たアリオスとクロウは驚き

「――――改めて名乗りましょう。私の名はエクリア・フェミリンス。かつては”姫将軍”と呼ばれた者であり、”姫神フェミリンス”の子孫にして”闇王”リウイ・マーシルンと”聖皇妃”イリーナ・マーシルンの守護者。そして……”神殺し”セリカ・シルフィルの”第一使徒”。それが”今の私”です!」

「―――”神殺しセリカ・シルフィル”。”古神アストライア”を”殺して”生き続ける忌まわしき”世界の禁忌”――――それがディル=リフィーナで呼ばれている俺の”本来の異名”と伝承だ。―――見せてやろう、”神殺し”である俺の”力”を。”神”の名を付与されたその人形を”殺され”たくなければ、全身全霊でかかって来い。」

エクリアとセリカはそれぞれ名乗った後戦闘を開始した! 
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