世界をめぐる、銀白の翼
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
なのは ~全力全開!!そして謎の影なの~
フェイトとなのはが飛び上がる。
二人の戦いが始まった。
言葉はもはやなく
輝く魔法と二人だけが飛び交う戦場
砲撃においてなのはが勝り
接近戦においてフェイトが勝る
離れて撃ち
近づき攻める
互いが互いに仕掛け、躱し、防ぎ、飛ぶ
戦いの舞台から離れた公園
そこに蒔風たちはずっといた。
「なのはは勝てるだろうか・・・・」
ユーノが不安そうな声を出す。
「どちらとも言えないな。なのはは確かに強くなったし、魔力量も大きい。フェイトの方は経験値が高いからな」
「フェイトは、スピードで動き回って相手の懐に入り込み、攻撃する近接戦闘を得意としているんだ」
「なのはは離れたところからの砲撃と、その精度がすごいから、当たればひとたまりもない」
蒔風が中立的な意見を
アルフがフェイトの、ユーノがなのはの持ち味を述べる
「つまりは・・・自分の領分で攻撃しきった方が勝つ、か」
「でも・・・フェイトは・・・・」
「ん?」
アルフがさらに先を言う。
「それ以外が苦手なわけじゃないんだよ」
その瞬間、フェイトのバインドがなのはを捕らえる。
「捕まった!」
「まずい・・・フェイト、本気だよ!!」
『なのは!いまサポートを・・・』
ユーノが叫んだ。
しかし
「だめぇ!!」
なのはが叫ぶ。
「一対一の、最初で最後の、全力全開の勝負だから!!だからここは、一人でやらせて!!」
『でも・・・フェイトのそれは本当に・・・』
「ゴチャゴチャ言うな!!なのはは、一対一での本気の勝負と言って、フェイトもそれに応じたんだ!ここで手を出すなら、俺はお前らを許さないぞ!?お前らも、あいつらの顔に泥塗りたくないだろ?」
アルフがなのはの身を心配し、忠告しようとするがそれを蒔風が押し留める。
「でも・・・・」
それでもなお心配なのか、アルフが声を出す。
そこで蒔風がなのはに問う。
『なのは、行けるよな!?』
それに答えるなのはの声は、絶対に退かない覚悟が込められていた。
『当然!!まだまだ諦めないよ!!!』
動けないなのはの目の前で、魔法の力が溜まっていく。
(絶対に・・・負けない!!!!)
《Phalanx Shift》
「フォトンランサー、ファランクスシフト。撃ち砕け・・・・ファイア!!!」
そしてフェイトのフォトンランサーが命中していく。
何十、いやその数は百に届くであろう数の砲撃がなのはを襲い、爆発になのはが呑まれる。
フェイトの顔に、思わず苦しげな表情が浮かび
「なのは!!!」
ユーノが思わず叫んだ。
しかし、その声にはだれも答えない。
更なる追撃の為に、フェイトが魔力を溜める。
そして爆煙が晴れたその先に、なのはがいた。
まだ電撃が身体に残り、少し痺れるが問題はない。
なのははその砲撃に耐えきっていた。
レイジングハートの補助と、なのはの成長が、それを可能なものとしていた。
「バインドって、攻撃のあとなくなっちゃうんだ・・・」
なのはが多少の痺れが身体から抜けたことを確認すると、レイジングハートをフェイトに向け、叫ぶ。
「じゃあ、今度はこっちの、」
《Divine Buster》
「番だよ!!」
なのはの砲撃がフェイトに放たれる。
迎え撃たんと溜めた魔力を放つフェイト。
しかしてそれは塵へと変わり、衰えを知らず少女に向かう。
フェイトは防壁を張りそれをしのぐ。
しかし直撃のディバインバスターは優しくはない。
たが、フェイトは回避という選択を頭からかなぐり捨てた。
吾の砲撃の爆煙からなのはの姿が現れた瞬間、フェイトは堪えてみせると誓った。
あの子も、自分の攻撃に堪えたのだ。
自分が堪えれないなんてことが!!!
「あって・・・・たまるかァァァァァァァ!!!」
衝撃に晒されるマントはボロボロとちぎれ、突き出す腕の手袋は次々と裂けていく。
が、フェイトは堪えきった。
息は荒く、腕は下がり、顔を落とす。
そんなフェイトの上空、レイジングハート先端に、桜色の魔力が溜まる。
その光に、フェイトが再び顔を上げる。
(そ・・・そんな!!あれだけの砲撃をして、まだあんな魔力・・・・まさか!!!)
「集束・・・魔法!!!」
その事実にフェイトは驚愕する。
出会った時は、魔力の大きな素人だったのに、なんでこんなに強くなれたのかと。
「考えてみりゃ簡単なことだったんだよな」
離れたところの、公園に立つ蒔風が、誰にでもなく語る。
同時に、なのはの言葉が紡がれる。
二人の言葉が、申し合わせていたかのように、交互に発せられる。
「受けてみて。ディバインバスターのバリエーション!!」
「なのはとフェイトの間には、大きな大きな壁があった」
フェイトが逃れようとすると、なのはのバインドがフェイトを捕らえる。
「私とレイジングハートで考えた、知恵と戦略」
「その壁はあまりに高く、どこまで飛んでも、どこまで眺めても、上の見えない、とてもじゃないけど乗り越えられない壁」
空気中に霧散した微細な魔力をかき集め、自らの魔力とし、ありったけを注ぎ込む!!
「これが私の全力全開!!」
「でも、知ってるやつは知ってるんだ。その壁は・・・・」
「スターライト!!!・・・・・」
「乗り越える必要なんかなかったってな。その壁が、どれだけ薄っぺらいものだったのかを知っているんだ」
「ブレイカーーーーーーッッッ!!!」
「だからそんな壁、ぶち壊してやれ。思いっきりぶつかったあとに、分かり合えることだってあるんだからな」
フェイトを砲撃が襲う。
バインドで防御することも出来ず、直撃した。
星の輝きを冠したその砲撃は、フェイトを呑みこみ、下の海に一瞬だけ穴を空け、その着弾点の海水を吹き飛ばした。
砲撃が止み、フェイトが海に落ちるが、なのはがそれを引き上げる。
フェイトを抱えながら飛ぶなのはも、もう体力はそんなになく、フェイトが目を覚ますと、自分で飛べるかを聞き、その手を離す。
二人が二言三言、言葉を交わす。
そしてフェイトが負けを認め、なのはにジュエルシードを八つすべて差し出すために、バルディッシュからそれを取り出した。
その瞬間
あのとき襲ったの紫電が飛来した
「圧水掌!!」
ドババン!
ババァァァ・・・・・
公園から蒔風がそこに圧水掌を叩き込む。
水が紫電ではじけ飛び、一瞬の雨を降らす
「まったく・・・癇癪持ちは嫌われるぜ?プレシアよ」
『舜君!!』
『早く戻れ!なのは!』
蒔風がなのはに戻るように促す。
なのはとフェイトが蒔風たちの方に向かう。
その間も雷は来たが、蒔風が圧水で傘を作り、それを防いだ。
なのはたちが地上に下り、蒔風がなお迫る雷を払い続ける。
「ユーノ!早く転移を!」
「ああ!なのははジュエルシードを確保して!」
フェイトは自分で持っていたが、なのはのものはユーノとアルフの周辺に浮いて置かれていた。
今はそれらすべてがここにある。
「うん!レイジングハートお願、きゃあ!!」
「どうした!!!!」
なのはが悲鳴を上げ、蒔風がそちらを向く。
プレシアによるものではない。
すでに雷はおさまっている。
その方向には、真っ黒な粘土で作ったような、人型の何かが存在していた。
「ユ、ユーノ君。あれ・・・・」
「ッッッ!しまった・・・ジュエルシードを取られた!!」
ユーノとアルフが転移魔法の準備の為に目を離した瞬間、その何かがジュエルシードを七つ、奪っていったのだ。
「てめぇは!」
蒔風がその存在が何であるかを確認し叫ぶ。
その瞬間、更に一旦攻撃の止んだ雷が飛来し、ジュエルシードを九つ奪っていった。
「ジュエルシードが!!!」
「そんな!!」
なのはとユーノが愕然とする。
すべてのジュエルシード21個のうち、九つはおそらくプレシア奪われ、得体のしれない奴に七つもとられたのだ。
なのははとりあえず、手元に残る五つのジュエルシードを回収する。
「ユーノ、アルフ。二人を連れてアースラに戻れ」
蒔風がユーノとアルフに促す。
「舜は?どうするつもりなんだ!!それにあの黒いのからジュエルシードを取り返さないと!!」
「それはオレがやる」
ユーノの言うことももっともだ。
しかし蒔風が一人でやると言い張った。
「舜君は・・・あれを知ってるの?」
なのはの質問に、蒔風の口元がにやりとしたものに変わる。
「知らないわけないだろう。あれは・・・「奴」の欠片だ!!!」
「「奴」って・・・舜君の追ってる!?」
「ああ、本人が来てないところから、解析は済んでないが手出しはしようといったところか」
「だったら私たちも・・・」
「だめだ。お前らは体力も魔力もカラだろ。危険だからここはオレに任せて帰れ」
「でも!!!」
舜君が心配だ、とここに残ると言い張るなのはだが
「ユーノ!!準備できたか!!!」
「あ、ああ。でも・・・」
「だったら行け」
ドカッと蒔風が魔法陣の中に四人を放り込む。
「舜君!!!」
「大丈夫さ。ジュエルシードを取り戻して必ず帰る」
なのはにそう声をかけ、蒔風が「欠片」に向かう。
後ろから転移魔法の発動した音が聞こえた。
「行ったか・・・・さぁて、本体は今どこにいんだ?」
「$#68?=9&<」
「言語能力は与えられなかったか。まあいい。オレにとってはやっと、」
「&#%理81g殺!!」
「欠片」が騒ぐ。
それは言葉にせずとも、明確な殺意と悪意を含んでいた。
「プロローグが見えてきたってとこかな!!!!」
蒔風が「欠片」に向かう。
二人の戦ったその証を、取り戻すために
一方、アースラ艦内ではジュエルシードを奪った雷を追い、ついにプレシアの根城を突き止めていた。
物質転移は跡が残りやすく、容易に見つけることができたのだ。
多くの武装魔導師が乗り込む。
ここから、物語は加速する
しかし、一人の少女の物語はまだ始まってもおらず。
一人の少年の戦いはやっとプロローグの前に辿り着いたばかり。
to be continued
後書き
アリス
「次回、蒔風の戦い。そしてフェイトの秘密!?」
回次たまはで
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ア「めんどいことすな!!!」
君との出会いで胸に輝く勇気は
思いがけないほどに大きく解き放たれた
運命に負けないように一生懸命動き出そう
計算違いの展開が未来を切り開いて行く
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