世界をめぐる、銀白の翼
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
なのは ~またまた説明なの?~
時空航行船、アースラ内
あの戦いの後、クロノによって蒔風達三人はここにつれてこられていた。
『ユーノ君、ここって一体・・・』
『時空管理局の次元航行船の中だね。簡単に言うと、いくつもの次元世界を自由に行き来するための船だよ』
『あんまり簡単じゃないかも・・・』
『つまり、違う世界に行くための乗り物ってことか』
『そうだね』
『そうなんだ・・・』
「ああ、バリアジャケットとデバイスは元に戻しても大丈夫だよ。あと君も元の姿に戻ったら?」
「あっ、そうですよね・・・って、元の姿?」
なのはがバリアジャケットを解除しながら疑問を口にする。
「そうだね・・・んっ」
ユーノが光と共に元の姿に戻る。
なのはと同じくらいの歳の、少年に姿を変えた。
「ユーノっち!そいつが人の・・・ああ、違うか。そっちが元か」
「そうだね。舜に会ったときはもうフェレットだったからね」
「え?え?・・・えぇ~~~~~~」
「どうした、なのは。豆がハトポッポしたような顔をして」
「それを言うなら鳩が豆鉄砲食らったじゃ?」
「おお!それそれ!」
蒔風とユーノがさも当然そうに会話をする。
しかし、なのははガタガタと震え、ユーノを指さして慌てはじめた。
「じゃなくて!ユ、ユ、ユ、ユーノ君って・・・嘘、そんな・・・えぇー!?」
「あ、なのはは知らなかったんだっけ」
「え?なのはに最初に会ったのはこの姿じゃ・・・・」
「最初からフェレットだったよー!」
「だから温泉でいったろ。こいつは男だって」
「そういう意味だったの!?」
「うーん・・・あ!そ、そうだったね!この姿は初めてだったね・・・」
「そうだよね!」
「そしてなのはちゃんはそんなユーノを部屋に入れたまま堂々と着替え、あまつさえ女湯に連れ込もうとしたんだよな~」
「っ!!(カァ~~~~~~~)」
バシバシン!!!
次の瞬間、ユーノは叩かれ、蒔風は叩かれたうえにアッパーを食らった
「なんで~~~(泣)」
「お前は自業自得だ。なんでオレまで・・・?」
「早くしてくれないか?」
そんなこんなでクロノが先を促すので、三人は先に進む。
扉が開いた先には
「なにこれ?」
「和風?」
「わふ~」
「どうしたの?舜君」
「いや・・・・」
そう、和風だった。
盆栽が並び、ししおどしがあり、茶道のセットが置かれている。
そしてそこには一人の女性が座っていた。
「お疲れ様。三人共、どうぞどうぞ。私はリンディ・ハラオウン。この船の艦長です」
カコーーーン
そして三人が座り、話を始める。
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「なるほどねぇ・・・あのロストロギアは君が発掘したものだったの・・・」
「だから・・・僕が回収しようと・・・」
「立派だわ」
「でも、無謀すぎる」
なのはたちの身の上話が終わり、リンディが感心し、クロノが戒める。
「あの・・・ロストロギアってなんですか?」
なのはが質問をし、
「あぁ。異世界の遺産・・・って言っても、わからないわよね」
「ん?・・・ああ、大体わかったよ」
「え?」
蒔風がいきなり言うので、リンディもクロノも驚く。
内容を、蒔風が簡単に要約する。
「つまりはいろんな世界の、昔のよくわかんないモノのことを、ロストロギアと言うらしいな」
「そ、そうね」
「で、安全なものなのか危険なものなのかもわからないから、こうして回収すべきもの・・・でもあるんですよね?」
「そうだが・・・君は知らなかったんじゃないのか?」
「ん?ああ、ま、そこは気にしないで・・・すみません話の腰を折ってしまって」
「いいえ・・・で、あなたたちの集めているジュエルシードは次元干渉型のロストロギアよ」
「いくつも集めて起動させれば、次元断層が起き、大変なエネルギーが起きる」
「ああ、なのはとフェイトのデバイスがぶつかったときのあれか」
「そうだ。たった一つの発動でも、あの威力・・・複数起動させたら、どうなるか・・・」
「でも・・・それを抑え込んだ者がいるの」
クロノとリンディが蒔風の方を見据える。
「・・・え?オレ?」
自分を指さしながら蒔風が素っ頓狂な声をあげた。
「そうだ。君はあの黒衣の魔導師・・・フェイト・・・とかいったか。あの少女とともにおこなったといっても、それを抑え込んだ」
「さらには強引にならまだしも、我々の知らない方法で、しかも同調して」
「強引なほうが大変なんじゃないんですか?」
なのはが当然のことを聞く。
大きな力を無理やりねじ伏せるのは確かに大変そうだ。
それにクロノが応える。
「止まれ、って願えば、多少だがそれが叶う。だから多少強引にやる方がまだ易しい・・・と思うんだが・・・」
「あなたは何者なの?魔力もないのにあの戦闘力・・・」
リンディの発言のあとに、クロノがモニターを出し映像を映す。
そこには先ほどの獄炎弾を撃つ蒔風に、数日前のフェイトとともにジュエルシードを抑え込む姿があった。
「教えてくれないか?」
「いいよん♪」
「こっちもそれなりの・・・はい?」
クロノが断られることを前提に会話を進めようとするが、蒔風がそれを粉砕した。
「いいっての。隠す必要はないでしょ。そうだねぇ・・・・」
そして今度は蒔風が説明を始める。
「奴」のこと、世界を回ってること、自分のまわる世界の次元などを
「僕たちの世界よりも高次元を!?」
「そそ」
「信じ・・・・られるか・・・」
「あなたたちはどうなの?信じているの?」
「僕は・・・この話を聞いた時には正直信じていませんでした。なのはが狙われるなんて、突拍子もないし。最主要人物なんて言われてもわかりませんでした。でも」
「でも?」
「今は信じています。舜の言うことのすべてがわかったわけではありませんが、それでも、彼は信じられる人間だと、僕は思います」
「私も、信じてます。私が狙われるって言っても、実感ないけど・・・」
「そう・・・」
「確か時空管理局って、世界間を取り締まる警察みたいなもんなんですよね?」
「そうだが」
「だったら、エリアサーチの機材とかあります?」
「あるが・・・どうするんだ?」
「いえちょっと。借りられるなら、「奴」を探してみようかなって・・・・」
「無理だ。第一、こちらの文字がわからないだろう」
「あ、その心配は大丈夫です。おれ、言葉には強いから」
「どういうことかしら?」
「違う世界をめぐると、当然言語の違う世界もあります。でも、その世界でも活動を迅速に行うために、ある能力があるんです」
「ある能力?」
「全言語同時翻訳です。どんな言葉や文字を見聞きしても、俺の意志ですべて日本語に聞こえるし見えます。その逆のまたしかりです。オレがどんな言語で話そうとも、相手はその人が意識している言語で聞こえます。だから、文字の心配はないんですよ」
「そ、そうなのか・・・しかし、無理だ。いまはジュエルシードの探索に使っている。他のことにはとても・・・」
「ああ、ああ、いいよ。無理言ってんのはこっちだから」
「そう・・・・それでジュエルシードのことですが、このことは私たち、時空管理局が受け持つことになります」
「だから、君たちは元の世界で、元の世界に戻るといい」
「え!?」
「このことを忘れて、元通りの生活に戻るといい」
クロノが優しく言う。
その通りなのだ。
この事件は時空世界に大きく影響を及ぼしかねない事件だ。
民間人であるなのはたちを巻きこめないし、どうこうさせるべき事件でもない。
「でも・・・・」
「なのは・・・」
「ふぅ、正論だな」
「舜君?」
「正論すぎる。確かに、素人が口出しできる事件ではないようだ」
「では・・・」
「しかし、今までオレたちは、いや、なのはは、ジュエルシードの回収をここまでやってきたんだ。それに」
「それに?」
「俺たちは素人じゃない。オレはもちろん、なのはも立派な魔道師だ」
「舜君・・・」
「そうね・・・すぐに、といっても気持ちの整理ができないでしょうし、今晩じっくり、三人で話し合いなさい」
そして話し終えた三人はクロノに連れられ、元の公園に送られた。
そこから三人で帰宅した。
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夜
ユーノと蒔風がレイジングハートを使いアースラに交渉していた。
曰く、なのはの魔力や蒔風の力は管理局にとっても利益なる。
だから、この件に協力させてほしいと。
『なるほど・・・中々考えてますね』
「それに「奴」が現れた際に、管理局の人がいると助かるしな」
横から蒔風が話す。
「「奴」は結構派手に暴れる。戦いの後の処理なんかを手伝ってもらえると、助かるしな」
『あなた・・・勝てるの?聞いた話じゃその人、かなり強いらしいんじゃないの?』
「今まで勝ってきた。これからも。オレは世界最強だからな」
『・・・思ったんだけど、君は本当にに九歳か?』
クロノが蒔風に聞く。
「ん?実はオレさんは、十九歳なのよん(キラッ)!!」
『・・・冗談はさておいて』
「そんなぁ~~」
クロノが蒔風を一蹴し、リンディが話題を元に戻す。
『そうね、そういうことなら協力してもらいましょう』
『母さ・・・艦長!!』
『戦力は多い方がいいし・・・ね。クロノ執務官』
『はい・・・』
『条件は二つよ。三人とも、身柄は一時時空管理局の預かりとすること』
「ん。それと?」
『それから指示を必ず守ること。よくって?』
「・・・・・」
「わかりました」
蒔風が頷き、ユーノが答える。
こうして、なのはたちの協力が決定した。
その晩、なのはは蒔風とともに母の桃子さんに、魔法のことなどは伏せて、できる限り説明した。
「お母さん・・・」
「そうね・・・なのはがまだ悩んでるなら、危ないって止めるけど・・・でも、もう決めちゃってるんでしょ?」
「うん・・・・」
「ちゃんと最後までやり通すって決めたんなら、しっかりやりなさいね?」
「うん!!ありがとう、お母さん!!」
「舜君も、行くの?」
「はい」
「だったらなのはのこと、よろしくね。舜くん、見た目より大人びて見えるから」
「必ず守ります。でも多少の無茶まではやらせてあげたいんです」
「それはもう!!やらせてあげてね?あの子がこんなにものめり込むこと、なかったから」
「はい!!」
その晩、蒔風となのはは、アースラに向かった。
なすべきことを、なすために。
to be continued
後書き
はい、今回も蒔風空気気味でしたね。
アリス
「そうですね~~。そうそう、一つ質問を」
なんでしょう。
アリス
「蒔風のする「説明」って、どの範囲まで説明してるのですか?」
一、「奴」が世界を食らうために、最主要人物を狙ってること
二、自分が「奴」を追って、いくつもの世界をめぐっていること
程度ですね。
アリス
「ということは蒔風の知る「奴」の正体や、蒔風の世界がどうなってるのかは説明してないんですね?」
してないですね
彼にとって、嫌な記憶ですから。
アリス
「次回、海上大決戦!!!」
ではまた次回~~~~
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