| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

妖精vs.冥府

 
前書き
今週のFAIRYTAIL見て思ったけど、ウェンディとグレイたちがはぐれたらヤバイ気がするのは気のせいかな?
アクノロギア現れたりしないよね?大丈夫だよね?心配だぁ!! 

 
「戦争だぁ!!冥府の門(タルタロス)は一人残らずぶっ潰してやる!!」

医務室からギルドのリクエストボードやらがある場所へと移動した面々。そこでは今、怒り狂っているナツさんをウォーレンさんたちが必死に押さえ付けている。

「落ち着けナツ!!」
「みんな同じ気持ちだ!!」
「離せこの野郎!!ぶん殴るぞ!!」
「もう殴られてるけどな」

あのまま医務室にいては、せっかくフリードさんたちにマスターがウソをついたのに、ナツさんの怒り具合でそれがバレてしまうと判断し、大急ぎでここにやって来たのだ。ポーリュシカさんに追い出されたのも、一つの理由ではあるけども。

「仲間がやられたんだ!!黙ってらんねぇ!!今すぐ突撃だろ!!じっちゃん!!」

腕をブンブン振り回すナツさん。彼の意見には本当はみんな賛成したい。しかし、ある問題が立ち塞がっている以上、できないのが現実なのだ。

「それに異論はない。だが情報が少なすぎる」
冥府の門(タルタロス)・・・目的もわからんが、本部の位置は評議院ですらわからない」

以前話したように、冥府の門(タルタロス)にはベールに包まれているところがたくさんある。だから、いかに仇を取りたくてもどうやって取ればいいのか悩んでしまうのが現状だ。

「そうだよナツ!!相手の場所がわからねぇってのに、どうやって突っ込むんだよ!!」
「んなの、他の闇ギルドに聞けばいいだろ!!」
「他の闇ギルドの本部はどこにあるんだよ!!」
「知るかよ!!」
「じゃあ、どこにも突っ込めねぇだろ!!」

突破口が見出だせずにさらにイライラを募らせていくナツさん。どうすればいいのかなぁ。

「一つわかってるのは、狙いは評議院ってことね。現評議院だけでなく、元評議院まで狙ってる」

ERAを襲って爆破したのも、ヤジマさんを狙ったのもすべては何か理由があるから。その理由が何かはわからないけど、彼らに繋がる手がかりはこれくらいしかないか。

「だったら、元評議院のとこにいけば、向こうから来るってことじゃねぇか?」
「しかし、元評議院の住所は秘匿情報。知るものはいない」

グレイさんがいい案を出してくれるのだが、すぐにその作戦が実現不能な点を突かれる。

「なんで?」
「住所が知られたら、悪者が報復に来ちゃうでしょ?」
「なるほど~」

ハッピーの疑問にシャルルが説明する。セシリーもわかっていなかったらしく、説明したシャルルを尊敬の眼差しで見つめている。

「手詰まりか・・・」
「いいや、そうでもないよ」

険しい表情で酒樽を抱えているカナさん。すると、一人の男性が彼女の見える位置に姿を見せる。

「ロキ」

その男性はルーシィさんの星霊であるロキさん。彼はルーシィさんに呼ばれなくとも自由に人間界にやって来ることができるので、こうやってギルドにちょいちょい顔を出しているのである。

「元評議院の住所はぼくが知ってる。全員ではないけどね」
「ロキ」

なんとロキさんが元評議院の人たちの住所を数名ほど知っているらしい。それにルーシィさんが驚いていたが、俺とウェンディにはある疑問が浮かぶ。

「秘匿情報の住所を・・・」
「なんでロキさんが知ってるんですか?」

たった今マカオさんから知るものはいないと言われたはずの元評議院の住所。それなのに、なぜ普段は星霊界にいるロキさんが知っているんだろうか。

「それはね・・・」

ロキさんはその素朴な疑問を受けて俺とウェンディのそばにやって来る。

「ゴニョゴニョゴニョ・・・」
「「/////」」
「女ね」

元評議院の住所を知っている理由を聞かされた俺とウェンディは思わず赤面する。なんて情報の入手の仕方なんだろうか。いや、それは単なる偶然だからいいのかな?

「あ・・・」

ロキさんの言葉に恥ずかしがっていると、あることを思い出す。それは交換留学の時にレオンに案内されたある人物の自宅。

「そういえば、俺も評議院の住所わかります。一人ですけど」
「「「「「!!」」」」」

ソロ~と手を上げてそう言うと、ロキさんから詳しい住所を聞いていたポーリュシカさんをはじめとする皆さんが全員こちらを向く。

「クロフォードさんのこと?」
「うん。元評議院って言ってたし」

エクシード救出のための保険として俺たちの弁護をお願いした人物。レオンから聞いた話だとそう言ってたし、間違いないんじゃないだろうか?

「何!?」
「クロフォードだと!?」

ウェンディが発した名前を聞いて皆さんがザワザワと騒がしくなる。あれ?もしかしてそんな人いないとか、そういう雰囲気なのかな?

「それ元議長だぞ!?」
「なんでそんな人知ってんだ!?」

マカオさんとワカバさんが立ち上がりながらそう言う。あの人元議長だったの!?全然知らなかったよぉ。

「シリル、彼の住所は?」
「えっと・・・あれ?」

ロキさんから一通りの住所を聞き、地図に目印を付けたポーリュシカさん。彼女に問われて答えようとしたが、パッと住所が出てこない。その理由は簡単だ。

「あの・・・道順しか覚えてないです・・・」

しょぼんと沈みながらそう言う。レオンに案内された時、万が一道に迷ったらと思って目印になりそうなものは覚えてきた。だけど、森の中だったし、詳しい住所まではわからない。

「ウェンディは?」
「ごめんなさい。私、道順も曖昧だから・・・」

ウェンディもあたふたしながらそう答える。せっかく最重要人物の情報があるのに、それを生かすことができないなんて・・・

「何、ならばシリルに道案内をさせればいい。それでことは足りるはずだ」

歯痒い思いをしていると、エルザさんがナイスな意見をくれる。そっか!!それなら住所がわからなくても、何の問題もないや!!
元議長の元には俺が道案内をすることでケリがつき、マスターの指示でそれぞれの元評議院の住所にいくメンバーが選出される。

「ロキとシリルの情報から、五名の元評議院の住所が判明した。まずはチームで各々の住所にいき、冥府の門(タルタロス)から元評議院を守ること。
そして口を堅いと思うが、なるべく情報を引き出せ。他の元評議院の住所、冥府の門(タルタロス)、そして狙われる理由。
もしもラクサスたちを襲った者、魔障粒子を扱う者に会ったら、警戒しつつ血液を採取してきな。ラクサスたちを治すワクチンを作れるかもしれない」

ポーリュシカさんの指示にうなずく面々。チームわけは以下のように決定した。

ナツ、ルーシィ、ウェンディ、ハッピー、シャルル、セシリー
ガジル、レビィ、ジェット、ドロイ、リリー
グレイ、ジュビア
エルフマン、リサーナ
エルザ、ミラジェーン、シリル

選ばれた魔導士たちは身支度を整え、他のギルドの皆さんと同じようにロビーに集まる。全員が見上げる先、そこにはステージに上っているマスターの姿があった。

「敵は冥府の門(タルタロス)!!六魔将軍(オラシオンセイス)悪魔の心臓(グリモアハート)に並ぶバラム同盟の一角!!しかし!!ワシらはその二つを撃破してきた!!
冥府の門(タルタロス)も同じように、我々を敵に回したことを後悔するだろう!!」

拳を掲げ、仲間を鼓舞するマスター。俺たちは彼のその熱い想いに同意し、真剣な眼差しを送り続ける。

「仲間がやられた。それは自身の痛み。仲間から流れた血は我が体から流れた血と同じ。その痛みを、苦しみを、闘志と変えて敵を討て!!
我らは正義ではない!!我らは意志で動く!!我らが絆の誇りにかけて、家族の敵を駆逐する!!」
「「「「「オオッ!!」」」」」

意志を一つに、それぞれが自分が与えられた役割へと動き出す。俺もエルザさんとミラさんと元議長、クロフォードさんの元に行くために動き出す。

「シリル!!」

エルザさんたちの後をついていく俺に、後ろから一人の少女が声をかける。その声で一度足を止め、後ろに振り返る。

「気を付けてね!!」
「うん!!ウェンディもね!!」

愛しい少女が体の前で両手を握り締めながらエールを送る。今回彼女とは別行動を取ることになっている。なので、次会う時までお互い無事でいられるようにと、こちらからも声をかける。

「シリル!!急ぐぞ!!」
「はい!!」

ウェンディに手を振りながら、先をいく緋色の女性と銀髪の女性の元へとかけていく。絶対ラクサスさんたちの仇は取る。これ以上奴等の好きにさせてたまるものか!!
















ウェンディside

「シリル!!急ぐぞ!!」
「はい!!」

手を振りながらエルザさんの方へとかけていくシリル。フワフワと揺れる髪や後ろから見る小さな体躯は、まさしく女の子そのものだけど、私の大切な男の子。頼りない時もあるけど、いつでも私を支えてくれて、ピンチの時に助けてくれる王子様。珍しい治癒魔法を使うもの同士だから、一緒にいることも離れることもあるけど、それでもいつも近くにいるように思っている。なのに・・・

「なんだろう、この感じ・・・」

胸に手を当てそう呟く。別行動を取る時でも、こんな風な・・・不安な気持ちになることなんかほとんどない。大魔闘演武の最終日の時は、駄々をこねすぎててちょっと不安にもなったけど、その時とは何か違う・・・感じたことがないような想いが胸の奥につっかえている。

「どうした?ウェンディ」
「早く行きましょ、冥府の門(タルタロス)よりも先に元評議院のところに行かなくちゃ!!」

私がシリルがいなくなった方を見て立ち尽くしていると、同じチームになったナツさんとルーシィさんに声をかけられました。

(気のせい・・・だよね?)

まだ不安が消えたわけではありません。だけど、今は気にしていても仕方ない。シリルならきっと大丈夫。私はそう信じています。

「はい!!今いきます!!」

顔をパンッと叩いて気合いを入れ直し、ナツさんたちの元へと走ります。
嫌な感じはしますけど、シリルはきっと大丈夫!!私はそう信じてるから!!






















第三者side

一抹の不安を感じながら、ナツとルーシィと共にロキが教えてくれた元評議院の住所へと向かったウェンディ。そして、彼女に余裕綽々の様子でエルザとミラと元評議院議長、クロフォードの元へと向かったシリルは・・・

「うぷっ・・・」

乗り物酔いに襲われていた。

「シリル、大丈夫?」

妖精の尻尾(フェアリーテイル)の所有している一頭の鹿。それに跨がり最重要人物の元へと急ぐ三人の魔導士。その中で真ん中に座り、前の鎧の女性にグッタリとしがみついている水竜を見て、ミラが心配そうに声をかける。少年はカクカクと首を縦に振るが、とてもそうは見えない。

「シリル、分かれ道だ。どっちにいけばいい?」

しかし、エルザは彼のその様子に構っている時間がないのは重々わかっていた。心配してやりたいところだが、ここは心を鬼にして、シリルにクロフォードの元へと案内させる。

「み・・・ぎ・・・です・・・」
「右だって」
「了解」

一瞬前を向いてどの分かれ道かすぐさま判断し、掠れるような声で指示する。それをミラが通訳し、エルザが鹿の進路を操作する。

「ねぇ、エルザ。一回休まない?」
「なんでだ?」

シリルの後ろに座っているミラがエルザにそんな提案をする。急いでいるのは彼女もわかっているはずなのに、そんな提案をしてくるのには何か理由があると悟ったエルザは、前を向いたまま彼女に問う。

「シリルが落ちそうなの」
「え?」

エルザにしがみつき、なおかつ後ろからミラに抱き締められているシリル。しかし、鹿の上はやはり不安定なようで、揺れる彼を落とさないようにするのはなかなか難しい。そのため、一度シリルの回復を待とうと考え、そんな提案をしていたのだった。

「・・・わかった」

少し悩んだ末、川が流れている場所に鹿を停車させる。

「わ~い!!水だぁ!!」

鹿が止まった途端、真っ青になっていたシリルが元気になり、川に向かって走っていく。彼の後に鹿から降りた女性二人は、片方はため息をつき、もう片方は頬に手を当て笑っている。

「ウェンディも連れてくるべきだったな」
「そうね、失敗しちゃったかな?」

乗り物酔いに効く魔法を使えるウェンディ。彼女は現在ナツとルーシィと行動を共にしているのだが、彼女たちが向かった住所ははっきりとしているので、道案内が必要なこちらのルートに連れてくるべきだったと話し合っていた。

「ん?」

すると、エルザが何かに気付き、鞄から巨大な半透明の球体を取り出す。それは、仲間と連絡を取り合うための通信用魔水晶(ラクリマ)であった。

「どうしたの?」
「連絡が来ているようだ」

地面に通信用魔水晶(ラクリマ)を置く。すると、そこに映ったのは自分たちと同じように元評議院の元へと向かったグレイとジュビアがいた。

『どうじゃった?』
『ダメだ。こっちは手遅れだった』

どうやらギルドに残っているマスターたちへの連絡だったらしく、彼らのか会話が聞こえてくる。この魔水晶(ラクリマ)は全員と連絡が取れるようになっており、互いの状況を確認するのに役立つのである。

『なんじゃと!?フォッグ老師が!?』
『えぇ。もう・・・』

グレイとジュビアが向かった元評議院は、すでに冥府の門(タルタロス)にやられていたらしい。

『街中で暴れまわるものがいたらしくて・・・』
『目も当てられねぇ状況だよ』

彼らが他のメンバーに見えるように街を映すと、そこはたくさんの傷跡が残され、人が住むことすら困難になっている。

『なんということじゃ・・・』
『ガジルたちは?』
『ベルノ老師の様子はどう?』

続いてガジルとシャドウギアの面々に問いかける。しばらくすると、通信用魔水晶(ラクリマ)彼らの顔が映し出された。

『遅かった・・・』
『こっちは、派手に暴れた様子はない』
『暗殺だったと推測される』

悔しさに顔を歪ませるガジル。彼に代わり、レビィとリリーが状況を説明する。

『ちくしょう・・・あと少し早ければ・・・』
『ガジル・・・』

普段は見たこともないくらい悔しそうにしているガジル。それには何か理由があるのだと、他のものたちもすぐに悟った。

「まずいな・・・」
「そうね。まさかこんなに早く動いてるなんて・・・」

彼らの報告を聞いてエルザとミラの表情に焦りが見える。その間シリルは、川の水を飲みながら、乗り物酔いに備えてあらかじめ道順の確認をしていたりする。

『よかったぁ!!やっと繋がった!!』
『ルーシィか!?』

少し時間が経ってから、金髪の女性が魔水晶(ラクリマ)に映される。その女性は、ギルドを出た際よりもボロボロになっている。

『持ってきたやつ壊れちゃって、これ、街にあるやつなの』
『そっちの様子は?』
『ミケロさんは無事よ』

ついにきた朗報にギルドが沸く。報告するルーシィの後ろに、傷だらけで倒れているナツと彼を看病しているウェンディの姿が小さく映っている。

『ナツが大ケガしちゃったけど』
『勝ちだ』
冥府の門(タルタロス)の一人を倒しました』
『勝ちだ』
『だそうです』

よほど激しい戦いだったらしく、髪も服もボロボロのナツ。彼らの後ろでは、アフロになっているハッピーと街の状況をマカロフたちに話すシャルルとセシリーも見られる。

『ミケロからは何か情報を引き出せたのか!?』
『それが・・・』

身を乗り出すマカロフ。ルーシィはなんとか救い出したミケロを映すが、彼は壁にもたれ掛かり、何かをブツブツと呟いている。

『白き遺産・・・フェイス・・・ワシは何も知らん・・・本当に何も知らん・・・』
『フェイス?』

聞き慣れない言葉に訝しげな表情をするマカロフ。ミケロは灰人のようになりながら、ゆっくりと口を紡ぐ。

『そう・・・評議院が保有する・・・兵器の一つ・・・』

それを聞いた途端、この通信を聞いているものすべての表情が強張った。そんな中、倒れていたナツが上体を起こしミケロを見据える

『兵器だぁ?なんで評議院がそんなもんを・・・』
『魔法界の秩序を守るためでしょうね。私だって思うところはあるけど、今は話を進めましょ』

それかけた話題を元に戻す。ミケロはフェイスについての情報を語り始める。

『いくつもある兵器は・・・その危険度、重要度によって、管理方法が変わってくる。例えば、エーテリオン・・・この大陸中すべてを狙える超魔導砲。その威力は、一国をも一瞬で消滅させるほどの力。
この発射には、現評議院9人の承認と、上級職員10人の解除コードが必要になる』
『つまり、評議院がみんな殺された今は・・・』
『評議院はエーテリオンを使えないってことか?』
『エーテリオンを無力化することも、奴等の狙いの一つか』

ミケロの説明で冥府の門(タルタロス)が評議院を襲撃した理由を悟った妖精たち。続けて、今回彼らが狙っているフェイスについての情報を求める。

『フェイスとは一体どんな兵器なんじゃ!?』
『・・・』

マカロフの質問に眉間にシワを寄せて答えるべきかどうか悩んでいるミケロ。それにマカロフが大声を張り上げる。

『秘匿義務があるのはわかる!!しかし今はそれどころではないんじゃぞ!!』

彼の呼び掛けが通じたのか、ミケロはようやく、口を開いた。

『魔導パルス爆弾。大陸中すべての魔力を消滅させる兵器』
『な・・・』

予想していなかった兵器に、言葉を失う面々。しかし、それは当たり前の反応であった。

『大陸中の魔力を・・・』
『『消滅!?』』

魔導士ギルドを束ねる機関が、その魔導士の源である魔力を消し去る兵器を持っていたのだ。驚かない方が驚きである。

『全魔導士が、魔力欠乏症になる』
『それだけじゃない!!冥府の門(タルタロス)が使う力は、魔法じゃなくて呪法だとか言ってた!!』
『全魔導士が魔法を使えず苦しむ中で、冥府の門(タルタロス)だけが自らの力を使える世界・・・』
『なんというとんでもない兵器を!!』

すると、ミケロの元に立ち上がったナツが歩み寄る。彼はその老人の胸ぐらを掴み上げた。

『それはどこにあるんだ?奴等より先に、俺たちがぶっ壊してやる!!』
『し・・・知らんのじゃ・・・本当に。
封印方法は、三人の元評議院の生体リンク魔法だと聞いたことがあるが・・・その三人が誰なのかは、元議長しか知らない情報じゃ』

鬼の形相で迫るナツに怯えながら答えるミケロ。その彼がウソをついているようには到底見えない。

『生体リンク魔法・・・』
『つまりそれって~』
『三人の命が、封印を解く鍵・・・』
『だから奴等は情報を聞き出そうともせずに、評議院を殺しているのか』

ハッピー、セシリー、ウェンディ、グレイがそういう。

『でも、それって逆に言えば、情報を得る必要がないということ。冥府の門(タルタロス)はフェイスの隠し場所まで掴んでいるということでしょうか?』

ジュビアの鋭い指摘。それはほぼ当たっていると考えていいだろうと全員が納得する。

『封印してる三人の元評議院が殺されたら、フェイスが冥府の門(タルタロス)に渡るぞ、じじぃ!!』
『急いでその三人を捜し、守らねば!!その三人のことは、元議長が知っているのだな?』
『お・・・おそらく・・・』

自信なさげなミケロ。しかし今は、彼のその言葉だけが唯一の頼りである。エルザとミラ、そして彼女たちの元に戻ってきたシリルの魔水晶(ラクリマ)にマカロフの顔が映される。

『エルザ!!ミラ!!シリル!!急いで元議長のところに行くんじゃ!!』
「はい!!」
「わかりました!!」
「了解です!!」

マカロフの命を受け、乗ってきた鹿に跨がる三人の妖精。

「飛ばすぞ!!ミラ!!シリル!!」
「わかったわ」
「しばらく真っ直ぐで!!」

先程までよりもさらに速度を上げて目的地を目指すシリルたち。三人の頼れる妖精が、魔法界のために動き出す!!






 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
次は久々のクロフォード登場です。たぶんカミューニあたりも少し出てくるかな? 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧