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オズのボタン=ブライト

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第一幕その十一

「やるよ」
「すいません」
「いいさ、御前さん達この国に来たのははじめてだろう?」
「はい、ボタン以外は」
「だったらな」
「カドリングの地図もですか」
「そっちもやるよ」 
 こう言ってくれたのでした。
「だから持って行きな」
「すいません、カドリングのことは詳しいつもりですけれど」
「しかしそれは王宮からの道だよな」
「都の」
「それならだよ、ここからカドリングの中に行くのは慣れてないならな」
 それならというのです。
「だからな」
「この地図を持って行ってですか」
「行けばいいさ」
「それじゃあ有り難く」
「ああ、持って行きなよ」
 その地図をというのです。
「そうしなよ」
「わかりました」
 カルロスはおじさんの言葉に笑顔で頷きました、こうしてでした。
 一行は地図を貰ってです、そのうえでまずはリンキティンク王の宮殿を目指すのでした。そして宮殿の方にです。 
 少し歩いていくとでした。皆の前にです。
 赤い木々の林が見えました、その林を見てでした。
 ボタンは五人にです、こう言いました。
「あの林の木はお弁当の木だよ」
「あっ、そうだね」
 その通りだとです、カルロスはボタンに応えました。
「あの木はね」
「もうお昼だしね」
「丁度お腹も空いてるよね」
「うん、それじゃあね」
 カルロスもボタンの言葉に頷いてです。
 皆にお顔を向けてです、こう提案しました。
「じゃあ今から」
「ええ、それじゃああの林まで行って」
「お昼にしましょう」
「それぞれお弁当を手に取って」
「皆で食べよう」
「早く行こう」
 ボタンは陽気に皆に声をかけます。
「そして食べよう」
「うん、今からね」
 カルロスが五人に応えてでした、そのうえで。
 皆はそのお弁当の木の林のところまで行ってでした。それぞれそのお弁当を手に取りました。そのブリキの箱を開けますと。
 パンにです、コールドチキンと。
 それに無花果が付いていてです、葡萄のジュースもあります。
 そのお弁当を見てです、恵梨香はにこりと笑って言いました。
「美味しそうね」
「うん、しかも量も多いしね」
「パンも鶏肉もね」
 ジョージと神宝もその大きなお弁当箱を開けて言います。
「無花果も三個も入っていて」
「全部食べたらお腹一杯だね」
「そうね、それじゃあね」
 ナターシャも微笑んでいます、そのお弁当箱を開けて。
「皆で食べましょう」
「じゃあこれから食べよう」
 勿論ボタンもお弁当箱を開けています。
「お弁当をね」
「いただきますをして」
 恵梨香はそこから言うのでした。
「食べましょう」
「それは忘れたら駄目だよね」
 カルロスも恵梨香に応えます。
「食べる前には」
「食べる前にはいただきますで」
「食べたらね」
「ご馳走様よ」
 この二つは忘れたら駄目だというのです。 
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