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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  バカとテストと召喚獣 ~会議と護衛と黒い影~

Bクラスが攻めてくる。



この情報はすでに学園中に広まり、皆驚きを隠せないでいた。

本来試召戦争は下位クラスが上位のクラスに教室環境改善のために仕掛けるものだ。
つまりBクラスがFクラスに戦争を仕掛けても、正直メリットはない。

しかも、もし負ければ設備交換。
どう考えてもおかしなものである。



「じゃあなんでBクラスは攻めてきたのさ?」

明久が雄二に聞く。

今は昼休み。
屋上にFクラスの主要メンバーと蒔風が集まって話し合っている。

「Bクラスの代表はあの根本だ。俺達への復讐とかそんなとこだと思うのだが・・・・」

「しかしそれは根本一人の感情じゃろう?あやつにBクラスの皆が乗ってくるかのう?」

「根本って誰さん?」

「Bクラスの代表なんだが・・・・」


Bクラス代表・根本恭二
卑怯な手を使う奴として有名で、Bクラスのクラスメイトからの人望も低い。
かつて試召戦争でFクラスに負け支持率は更に下がり、敗軍の将として辱め(女装させられたまま下校。更には写真集まで作られた)を受け、Fクラスにはそれなりに恨みがある男だ。



「まぁ秀吉の言う通り、そこがわからん。あの根本に、しかも個人的な理由の試召戦争にBクラスの奴らが乗るわけがない」

「Bクラスの奴らも脅迫させられてるんじゃない?」

「奴ならやりかねないが・・・それだけの手段があるとも思えない。とにかく、情報を待つしかないな」


現在、ムッツリーニがBクラスに斥候に向かっている。
皆その情報待ちなのだ。


「・・・・報告」

「ムッツリーニ!Bクラスはどうだったの?」

「みなの目がおかしかった」

「おかしいとは?」

「催眠術の類いの可能性がある」

「催眠術!?」

「なんでそれがわかるのか疑問だが・・・・」

「ちょ、それシャレにならないじゃない!警察沙汰よ!?」

「確かなのか?」

「正気でないのは確か」

「・・・・どういうことだ・・・・根本は最低最悪の人間だが、催眠術なんてことが出来るような奴じゃないはずだ」

「先生に報告するべきです!」

「待ってくれ」

「蒔風?」

「試召戦争は明日開戦だよな?」

「相手方はそう言ってきたな」

「ちょっと時間をくれないか?」

「まさか・・・「奴」ってのが?」

「わからない・・・・だから調べる」

「調べるのが間に合わなかったらどうする?」

「もし「奴」なら今騒ぐと策を放り捨てて攻撃してくるかもせれないからな・・・・下手にやめないでそのまま開戦してくれ。明久には護衛をつかせる。念のために、他のみんなにも・・・・これを」

「これをって・・・・剣じゃないか!こんな危ないもの・・・・」


蒔風が「青龍」を取り出し明久に渡そうとする。


「あ、確かに。だったら・・・小獣召喚」


ポン、とかわいい小さな音がなると、子犬程度の大きさの、しかもデフォルメされたチビ青龍が顕れた。


「「かわいいー!」」


そのチビ青龍を美波と瑞希が抱え上げる。


「青龍、モテるじゃないか」

「・・・困ります・・・・・」


「喋った!?」

「ああ、こいつはオレの召喚獣・・・お前らのとは違うが。そのうちの一つ、青龍だ。明久の護衛に付ける」

「わしらの護衛はどんなやつなのじゃ?」

「興味あるかい?」

「他にもいるんですか!?」

「早く見せて!」

「はいはい・・・小獣召喚」


更に蒔風が他の召喚獣を小獣で出す。


「じゃあ、お願いね」

『了解』


結果として雄二に玄武、秀吉に白虎、美波に天馬、瑞樹に朱雀、ムッツリーニに麒麟があてがわれる。


「こいつらは基本的には目につかないようにいるから、見えなくても心配するな」

「そうなんだ・・・・」

「ちょっと残念です・・・・」


「・・・・人の目のないところなら呼び出せば来るけどな」


「主!?付き合えと!?」

「だってあんな顔されたら・・・・ねぇ?」

「いーじゃん、女の子みんなかわいーしさ!この子もかわいーし」

「白虎君。彼は男子だぞ?」

「ええ!?」

「驚かないでくれんかのぅ・・・それにしても蒔風はワシが男とわかっていたようじゃが・・・」

「大体わかるわ!!確かに女っぽくてそんじょそこらの女子よか可愛いけど・・・・」

「それはそれで傷つくのじゃが・・・・」

「秀吉は男だとわかったさ。てかそんなんもわからなきゃ「奴」の気配なんかわからん」

「蒔風・・・・!!!いや、舜!!これからは舜と呼ばせてくれんか!?」

「いいけど・・・・」

「あ、じゃあ僕のことも明久でいいよ」

「それは構わんが・・・名前で呼んではずかいいと思うのはおかしいかな?」

「まあ、最初はそうかも知れないけど・・・」

「もう慣れたしの。これがデフォじゃ」

「オレもちっとずつ慣れっか・・・ま、おれはこれから早退する。先生にはうまく言っといてくれ」

「分かった」

「では・・・・さらば!!」



蒔風がフェンスを飛び越え、校庭へ飛び降りる。

皆が驚いて下を見ると、そこにもう蒔風はいなかった。



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暗い路地裏を男が走る。
男はもう一人を抱えており、そちらは気絶しているようだ。


担いでる方は、何かに追われ、息も絶え絶えである。


「くそっ・・・あの野郎まさか本気でここまでの手段を用いてくるなんて・・・・・」


ヒュンッ、ドンッ!!!

「ッ!?うわ!!!」

「逃がすかよ。お前がいたんじゃ邪魔なんだよ。もうちっとおとなしくしてくれ」


二人を追う人物が背後から現れ、話しかけてきた。


「あそこまでやるんて・・・・お前は・・・・・ッ」

「世界のためだよ」

「なにがだ!!この・・・・・」

「まあいい、そいつからこの世界の情報も大体得た。用済みだ、まとめて死ね」

「なン・・・・・」




キュボッ!!!!ゴガゴゴン!!!!

黒き波動砲が撃ち出され、二人を飲み込む。
しかしそれは夜の闇に溶け、誰の目にも映らず、知られることはなかった・・・・・


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そして次の日




蒔風からの連絡もなく、試召戦争は始まった。





to be continued

 
 

 
後書き
アリス
「次回、試召戦争開始」


では、また次回





【世界史】
デカルトの残した有名な命題「コギト エルゴ スム」の日本語訳を、括弧の中に言葉入れて完成させよ

( )思う、ゆえに( )あり


姫路瑞樹の答え
我思う、ゆえに我あり

教師のコメント
正解です。
いかなるものを疑ったとしても、この自分自身の存在は疑いようのない事実だということですね。


吉井明久の答え
あれ思う、ゆえにそれあり

教師のコメント
ニュアンスでは厳しいかと
 
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