小さかったあの娘
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2部分:第二章
第二章
4.モラル
モラルは確かに邪魔なもの けれど人はそれがあるから
人になれるんだ 邪魔だけれど必要なんだ
その必要なものがないのは やっぱり駄目なんだ
モラルのない悪党 人の心のない悪党
それはもう人じゃないんだ 心のない悪党は人じゃない
嫌なことだけれど守らないといけない
だから人はモラルを持つんだ
そうやって生きていくものなんだ それは難しいけれど
人はルールを持って それを守っていくもの
他人を思いやるのもルールのうちさ
モラルは一言で言うとそう 優しさなのかも
人としての優しさ
ルールはいらないって言うけれど やっぱりいるんだ
人であるんだから やっぱり必要なんだ
それがあるから人は人になって しっかり生きていく
ルールを知らない奴 ルールを守ろうとしない奴
それはやっぱり駄目なんだ 人の心がないから
だからこう考えればいいんだ
他の人にしてはいけない
困るようなことをしてはいけないと こう考えればいい
人は他の人を想って 生きていくから
そうして考えるとルールもわかる
ルールはたった一言で言うと 思いやりなんだ
人の持つ思いやり
人はルールを持って それを守っていくもの
他人を思いやるのもルールのうちさ
モラルは一言で言うとそう 優しさなのかも
人としての優しさ
5.譲れないもの
人がそれぞれ持っている心は 誰にも譲れない
その人が持っているからこそ綺麗なものなんだ
だからそれは欲しがらない そっと見ているだけでいい
触れたら壊れてしまい二度と戻りはしない
そんな脆いものでもあるから
決して触れることなく 離れて見守るんだ
心は宝 心は星
儚くて切ないものでもあるのだから
誰にも譲れないものなんだから
見守るだけで 他人が手に入れてはいけないんだ
決して
人の中に輝くその心は 誰にも渡せない
その人が持っているからこそ素晴らしいんだ
だからそれは奪わない 離れて見るだけでいい
間違えたらそれで終わってそれっきり
そんな弱いものでしかないんだ
だから大切にしていて 護っていくものなんだ
心は命 心は月
弱くてか細いものでしかないのだから
誰も奪ってはいけないものだから
見守るだけで その人だけで持っているものなんだ
絶対に
誰にも譲れないものなんだから
見守るだけで 他人が手に入れてはいけないんだ
決して
6.ガラスの中の猫
澄んだガラスの中に映る 小さな猫達
有り触れた細工だけれど 目に止まったよ
猫はいつも心にいて 目の前にいてくれるけれど
ガラスの中の猫達もこうしていてくれる
緑色に光る目に無邪気な心
それがあるだけでいいんだ それだけでいい
何もかも失い荒れ果てた僕の心も
側にいてくれるだけで癒してくれた猫だから
多くは望まないから 側にいて欲しい
垂れた耳の子猫に願うことは一つだけ
ずっと一緒にいて欲しい ガラスの中で
光るガラスの中にいる 綺麗な猫達
よく見る細工でしかないのに 気に入ったよ
猫はいつも側にいて 僕を宥めてくれるけれど
今度はガラスの中の猫達も来た
小さな細い声に気まぐれの優しさ
あまり大したものじゃないけど それで充分だ
やさぐれてどうしようもなかった僕を
そこにいてくれただけで元に戻してくれたから
その姿を僕に見せて それだけでいいんだ
柔らかい毛の子猫に頼むことは一つだけ
ずっと慰めて欲しい ガラスの心を
垂れた耳の子猫に願うことは一つだけ
ずっと一緒にいて欲しい ガラスの中で
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