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歌集「春雪花」

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 報われぬと

  思いてもなお

    捨てきれぬ

 恋ぞ侘しき

     有明けの月



 どれだけ愛したとしても、彼に愛されることはない…。

 最初から解っていたことなのに…それでも彼を愛して止まない…。

 こんな辛い恋など捨てれば良いものを…虚しく見上げた空の朝方の月に、そっと…愚痴を洩らした…。



 涙降る

  胸の痛みと

    切なさを

 恋しき君は

   知る由もなし



 心の中では…いつも泣いている。
 彼はいない…ただそれだけのことなのに…。

 この気持ちに気付かなければ…平穏だったのかも知れない…。

 私はこんなに苦しいのに…彼はそんなこと考えもしないだろう…。


 きっと…これから先も、彼は私の想いには気付かないまま…。




 
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