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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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めっちゃ天使

 
前書き
携帯変えたらなんかすごい扱いづらい・・・
文字が大きすぎて書きにくいぜ!!(笑) 

 
トレジャーハンターたちを討伐した俺たちは、フレアさんからお話を聞くために森の中で見つけた木の切り株に腰かけています。

「私、小さい頃この村にいた」
「どういうこと?だってあんたは普通の・・・」
「これから大きくなるんですか?」

巨人の村に住んでいたフレアさん。しかし、彼女の体の大きさはルーシィさんと同じくらいだ。つまり、巨人というには程遠い。これから村人たちのようなサイズになっていくのかと考えて聞いてみたが、彼女は首を振る。

「ううん。私は普通の人間。この村で育ててもらったの」

どうやら彼女はこの村の人たちに拾われ、育ててもらっていたらしい。それなら、普通の人間であることも納得できる。

「村のみんなは親切にしてくれたけど。でも、私だけみんなと違うのが嫌で、村を出ていったの」

皆さんが普通に接してくれていても、何か違う部分があると疎外感を感じてしまうことがある。彼女の場合、周りから見れば明らかに自分だけ違っているから、相当気にしていたのだろう。

「それまで、自分と同じ大きさの人間、見たことなかった。それが逆に怖くなって・・・私・・・」
「それでレイヴンに入ったの?」

本当は優しい彼女を見て、なぜ大鴉の尻尾(レイヴンテイル)なんかに身を置いていたのかルーシィさんは常々気にしていた。だけど、話を聞いていると、徐々にではあるがその理由を理解することができる。

「私、お金稼ぐ方法知らなくて・・・何も知らずに大鴉の尻尾(レイヴンテイル)に入った。あのギルドは妖精の尻尾(フェアリーテイル)を嫌ってて、悪口とかいっぱい聞かされて・・・でも、私、何もわからなかったから、それが当たり前だと思ってて・・・こんなんになっちゃって・・・」

申し訳なさそうに顔を俯けるフレアさん。だけど、悪いのは彼女じゃない。ただちょっと、運が悪かっただけ。

「気にしなくていいですよ」
「はい。もういいんです。仲直りしましょ」
「うん。ごめんなさい」

俺とウェンディが優しくそう言うが、フレアさんの表情は暗いまま。たぶん大魔闘演武でルーシィさんに汚いことをしてしまったから、罪悪感に苛まれているのだろう。

「ううん。ぜんぜん気にしてないから」

ルーシィさんにそう言われ、少しだけ顔をあげるフレアさん。それを見て話題を戻していく。

「フレアさんが久しぶりに故郷に帰ってきたら、村がこうなってたんですよね?」
「うん」

ウェンディの問いに静かにうなずくフレアさん。

「一人だけ小さい私に、みんなは優しくしてくれた。村の人たちがこんな姿になってるの・・・辛い・・・」

楽しかった昔の記憶を思い出し、目から溢れるものを押さえきれない彼女。彼女の目から溢れた雫が、頬を伝って地面へと落ちる。

「泣かないで!!みんなまだ生きてるんだから!!」
「うん」

ルーシィさんにそう言われ、立ち上がって涙を拭うフレアさん。

「永遠の炎なら、みんなの氷を溶かせるかもしれない。付いてきて。案内する」

走り出したフレアさんの後を追いかける。永遠の炎を見つけないことには、それを元通りにすることもできない。炎さえなんとかなれば、きっと村人だって元通りにできるはずなんだ。

「永遠の炎はこっち」
「ナツたちとも、早く合流しなくちゃ」
「エルザさんとグレイさん、どこにいるんでしょうね」
「さっきから全然見えないんだよね」

目で遠くの方まで見ているのだが、村に残っているはずのエルザさんも、最初に走り出したナツさんも、それを追いかけていったグレイさんも見つけられない。もしかしたら、この氷のせいで見辛くなってるのかな?

「みんな待ってて。必ず元に戻してあげるから」

横目で凍りついている巨人たちを見ながら永遠の炎を目指すフレアさん。ナツさんとグレイさんがいないと炎を元に戻せないから、俺は彼らを見つけることに全力を注ぐぞ!!



















しばらく走り続けているが、全く誰の姿も捉えることができない。本当に皆さん、どこに行っているんだ?

「あれ?」

そんな感じで辺りをキョロキョロと見回しながら永遠の炎目指して走っていると、ある不思議な現象が起こる。視線が少しずつ下がっていっているのだ。そしてその現象は、一緒にいたウェンディたちも襲っており、全員一度立ち止まる。

「ちょっ・・・何これ!?」
「小さくなった」

立ち止まると自分たちが子供の姿になっていることに気付く。体が縮んだせいで服がダボダボになってしまい、落ちないようにと上と下を押さえているルーシィさん。フレアさんはドレスのような服だったため、うまい具合に落ちずに済んでいる。

「誰かの魔法でしょうか?」

服の袖で手が完全に見えなくなっているウェンディ。彼女は元々体が小さかったこともあり、スカートが完全に地面に落ちてしまっている。

「子供になる魔法って・・・」

しかし、人のことを言えないことに自身の格好を見てから気が付いた。俺もウェンディと大して背丈が変わらないから、小さくなるとアスカちゃんくらいの大きさになってしまう。おかげで、ズボンが完全に落ちてしまっている。

「金髪・・・かわいい」
「あんたもね」
「そんなこと言ってる場合じゃないですよ」

小さくなったルーシィさんを見て顔を赤くしているフレアさん。褒められた彼女は同様に小さくなっている少女を褒める。でも、そんなことを言っている余裕なんて本当はないとわかっているウェンディが、じと目で見ながら突っ込んでいる。でも・・・

(じーっ)

その突っ込みを入れている少女・・・というか幼女の方をガン見する。その視線に気付いた彼女は、こちらを振り向く。

「シリル?どうしたの?」

なんでこんなに見られているのかさっぱりわからないといった感じのウェンディ。彼女が不思議そうに首を傾げるその仕草を見て、思わず顔が赤くなってしまった。

「ウェンディ・・・超可愛いよ」
「えぇ!?/////」

いつものウェンディももちろん可愛いのだが、小さな子供を見ている感覚が追加され、可愛さが増長されている。

「その・・・シリルも可愛いよ/////」

顔を赤くして、目を反らしながらそう言うウェンディ。その恥ずかしそうな姿を見て萌えてしまった俺は、彼女に抱きついた。

「うわ~ん!!めっちゃ天使!!」
「シリル~!!」

互いに相手がすごく可愛くて、思いっきりハグし合っている俺とウェンディ。

「やば・・・超かわいい」
「金髪の次にかわいい」

その光景を見てルーシィさんとフレアさんがそう言う。しかし、俺たちはあることを忘れていた。これは誰かの魔法・・・つまり、術者が倒されたら元に戻るということを。

「あ!!」

何かに気付いて声を出すルーシィさん。彼女は自分の手を見て、元の大きさに戻っていることに気付いたのだ。

「元に戻った!!」
「ちょっと残念」

小さくなっていたせいで落ちかけていた服を整えながら喜んでいるルーシィさんと、ルーシィさんが元に戻ったことで残念そうにしているフレアさん。しかし、今俺たちはそれどころではない。

「「・・・」」

相手の可愛さに惹き付けられてハグハグしていた俺とウェンディ。だが、二人は大きさが元に戻ると、相手のある部位から目が離せなくなっていた。

「白!?」
「黒!?」

突然何かの色を叫ぶ水竜と天竜。俺たちが見つめ合っていたのは、相手のお尻。つまり・・・下着なのである。

「「/////」」

さっき体が縮んでしまった際に、緩くなったズボンとスカートが地面に落ちていった。ただ、こんなに早く戻るとは思ってなかったので、それを拾うことをしていなかった俺とウェンディ。
抱き合っていた時はよかった。服全体が緩くなっていた分、上着で下着を隠すことができていたから。だけど、元に戻ると当然服はジャストサイズになる。そのため、隠れていた下着が露になってしまったのだった。

恥ずかしくて顔を赤くしながら、一度くっついていた体を離していく。そして、相手に正面を向けたまま、落ちていたズボンとスカートを拾って何事もなかったかのように履き直す。

「シリル。わかってると思うけど・・・」
「うん。大丈夫」

まだ少し赤い顔をこちらに向けながら懇願するような、涙目とも似ている瞳をしているウェンディ。それに対し、俺は一度うなずいてから答える。

「「何も見てないってことで」」

俺もウェンディも相手のパンツなんか全く見ていない。そういうことにすれば、なんとかなるんじゃないだろうか?よくわからないけど。

「二人とも・・・それは難しいんじゃ・・・」
「色まで言ってたし」

しかし、横からその様子を見ていた二人の女性がそう言う。そりゃああんなものが目の前にあったら、見入ってしまうのは当然だ。だがこの場合、気にした方が負けなんだ。

「あ!!あっちからナツさんの匂いがします!!」
「本当だ!!行きましょう!!ルーシィさん!!フレアさん!!」

無理矢理話を変えようとする俺とウェンディ。匂いなんかほとんどしてなかったけど、彼女たちは気付くわけないし、大丈夫だろう。

「シリル・・・ウェンディ・・・」
「なんか可愛い」

指さした方角に向かって歩き出した俺とウェンディの背中を見て、憐れむような視線を送るルーシィさんと、微笑ましいような顔をしているフレアさん。トラブルもあったけど、気を取り直して皆さんを助けに行こうということになり、再び歩き始めたのであった。




















「あ!!」
「いました!!」

適当に恥ずかしさを誤魔化すために進んでいた道の先に、マフラーとズボンを着直しながら歩いている人影を発見する。それは、間違えることはない、同じ滅竜の魔を持つ存在だった。

「ナツ!!」
「ん?」
「よかったぁ。合流できて」
「ひと安心ですね」

声をかけられてこちらに視線を移した青年。先を行かれた時はどうしようかとも思ったけど、また会うことができて本当によかった。

「もう!!勝手に走っていかないでよ!!」
「桜髪・・・」
「え!?」

怒鳴るルーシィさんの後ろからヒョコッと顔を覗かせるフレアさん。最初は居なかった女性の登場に、ナツさんは驚愕している。

「お前!!」

ビクッ

敵対意識丸出しの彼の反応に体を震わせてルーシィさんの影に隠れる。怯えている彼女を守るように、ルーシィさんが割って入る。

「大丈夫。敵じゃない。フレアはこの村の出身なんだって」
「へぇ。じゃあお前も巨人なのか?」
「違う」
「巨人さんに育てられた人間なんです」
「だから巨人さんじゃないですよ」
「ふぅ~ん」

まだ信用しきれていないのか、眉間にシワを寄せている青年。彼のその目を見て、フレアさんは怯えながら質問する。

「な・・・何?」
「だったらこの街の状況、つれぇよな。ギルドの名にかけて、俺たちが必ず元に戻してやるから」

彼のその言葉を聞いたフレアさんは、大きく目を見開いている。たぶん、こんなに優しくしてもらうことなんてあんまりなかったのかもしれない。それで、驚いているのかも。

「永遠の炎なら、村を元に戻せるかもしれないんです!!」
「それで、フレアに案内してもらってたの」
「ついでにナツさんたちも探してたんですよ」
「そっか」

事情を話す二人に紛れて嫌みの一言でも入れてみたのだが、ナツさんは全く気付いていない。気付いてくださいよ・・・

「俺の手がかりの声は、この山で聞こえたと思うんだけどなぁ・・・」

そう言って凍りついている巨人が二人前に仁王立ちしている大きな山を見上げるナツさん。この山に、声の正体があるということなのだろうか?

「山じゃない」
「あ?」

すると、ルーシィさんの後ろに隠れていたフレアさんが、彼の隣に並んで氷の塊を見上げる。

「村の守護神。永遠の炎」
「え・・・?」
「「「!!」」」

フレアさんから巨大な山の正体を聞かされ、思わずそちらに全員の視線が行く。

「これが、永遠の炎」
「「「「えぇ!?」」」」

衝撃的すぎる事実に耳を疑う。言われてみると炎の形に見えなくもない。だけど、こんなに大きな炎、今まで見たことがない。

「山じゃねぇのか?」
「巨大な炎が凍りついて、山に見えてるんだ!!」
「炎が凍りつくなんて・・・」
「見てみるまで半信半疑だったなぁ・・・」

ウォーロッドさんがあまりにも冗談を連発するせいで、どれが事実なのかイマイチ信じきれていなかった。だけど、実際に炎が凍りついているのを見て、その疑心が確信に変わる。

「永遠の炎なら、村を元に戻せるって希望があったけど・・・その炎さえ凍りついてるんだ・・・」

腕を組んで整理しているルーシィさん。彼女が状況を確認していると、突然森の方から何か大きな音が聞こえてくる。

「なんか来るぞ!!」
「すごい振動です!!」

何かがこちらに向かって来ているのは明らか。俺とナツさんは女性陣を後ろに下げて、音の正体の方を見据える。しかし、目を凝らしてようやくわかったその人物たちは、意外な人たちだった。

「グレイ!?」
「ハッピー?」
「シャルル?」
「セシリー?」

ナツさんを追いかけてはぐれてしまったグレイさんと、彼を探すために空を飛んでいたエクシードトリオ。その四人が、必死な形相で走って来ているのである。

「お前ら!!逃げろ!!」
「「「「「??」」」」」

いきなり出てきて何言ってるんだ、と思ったのも束の間。彼らの後ろを追いかけているあるものを見て、彼らが逃げ惑っている理由がすぐにわかった。

「なーっ!?」
「何!?あれ!?」
「魔鳥!?」

グレイさんたちを追いかけているもの。それはとても大きな体をした、一つ目の魔鳥だった。見たことのない巨大生物に、全員が目を大きく開いている。

「わかんないけど、オイラたちを食べるつもりだよ!!」
「敵よ敵!!」
「助けて~!!」

短い足をパタパタと動かして逃げているエクシードたち。そんな彼らに、ナツさんがもっともなことを言う。

「倒せばいいだろグレイ!!」
「無駄な魔力を使ってる場合じゃねぇんだ!!」
「あ!?」

グレイさんならあんな謎の生物も倒せると思うけど、それをやっている暇が彼にはないらしい。

「この村の氷、もしかしたら溶かせるかもしれねぇ!!」
「へ?」
「ウソ!?」
「ホント?」

ナツさんの炎でも、グレイさんの魔法でも溶かせなかった氷。しかし、彼はこの短時間のうちに何かヒントを得たらしいのだ。

「レイヴンの?なんであいつが・・・」
「んなこたいい!!この氷溶かせるんだな!?」
「確実じゃねぇが、やるさ!!やってる!!」

決意を新たにしている彼の顔を見て、ナツさんがそちらに走り出す。

「よーし!!そういうことなら、あの鳥は俺がやる!!この山が永遠の炎なんだ!!」
「何!?」
「お前はこれを溶かしてくれ!!できるか!?」
「よーし!!」

互いにやれることはわかっている。長年付き合ってきた間柄だからこそ、少ない言葉で理解しあえる。

「「頼んだぞ!!」」
「ナツ!!」
「グレイ!!」

スレ違い際にハイタッチをする火竜と氷の魔導士。巨人たちを救うために、二人の青年が自身の力を最大限に発揮する!!








 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
シリルとウェンディのお色気ハグシーンは作者が勝手に頭に過ったことをやってみただけです。別にだからといって何かが起こるわけではありませんので。 
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