英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第156話
~オーロックス峡谷~
「届け――――」
「させん!」
戦闘開始早々エリオットが魔導杖を掲げてクラフトを放とうとしたその時レーヴェはクラフト―――零ストームを放ち
「ガーちゃん、守って!」
「―――――」
ミリアムの指示によるアガートラムがエリオットの前に出て防御態勢を取ってレーヴェが放った衝撃波の竜巻からエリオットを守り
「大丈夫ですか!?」
ミリアムと戦術リンクを結んでいるセレーネがリンクアビリティ―――ライブリーエールでアガートラムが受けたダメージを回復した。
「戦いの音色!!」
「セイッ!!」
「!」
そしてレーヴェはエリオットのクラフト―――アタックシンフォニーによって攻撃能力が上がった瞬間に放たれたガイウスのクラフト―――ゲイルストームを回避し
「石化弾発射!!」
「…………」
マキアスが放った銃弾を剣を一振りして真っ二つにした!
「エイミング―――デバイス!!」
「ッ!?ほう……」
しかしマキアスの銃弾を無効化する瞬間にできる隙を狙ったクレア大尉の正確無比な狙撃を受け
「「アークス、駆動―――ハイドロカノン!!」」
「挟み撃ちによるアーツの発動か。ムンッ!!」
自分を挟み込むような位置で放たれたエリオットとセレーネのアーツを闘気を込めた剣で一振りしてアーツを打ち消した!
「ガーちゃん、お願い!!」
「―――――」
「ハァァァァァ……セイッ!!」
「!!」
その時アガートラムがクラフト―――メガトンプレスで、ガイウスがクラフト―――サベージファングでレーヴェの上空から襲い掛かり、上空からの奇襲に気付いたレーヴェはミリアムの方向へと跳躍して回避して反撃をしようとしたが
「させません!αオンワン!!」
「……!」
クレア大尉が次々と放ったエネルギー弾から回避する為にミリアムへの反撃を止めて回避行動に移ったが、エネルギー弾は執拗にレーヴェを追っていた。
「追尾機能つきか。ならば――――空破斬!!」
「キャッ!?」
レーヴェは高速の衝撃波を放って自分に襲い掛かるエネルギー弾を斬ると共にクレア大尉に攻撃し
「疾風突!!」
クレア大尉が怯んだ隙を狙って凄まじい速さでクレア大尉に襲い掛かった。
「クレアはやらせないよ~!」
「!オライオンか……”戦術リンク”。敵に使われれば厄介な事この上ないな。」
しかしクレア大尉と戦術リンクを結んでいたミリアムがクレア大尉の前に出ると共にアガートラムでレーヴェの攻撃を間一髪受け止めた。
「これはとっておきだ!――――爆ぜろっ!!」
「!!」
その時マキアスがクラフト―――ヒュージバレットを放ち、放たれた特殊な弾丸を回避する為にレーヴェはミリアム達から距離を取った。
「七色の光の矢よ!――――プリズミックミサイル!!」
「…………」
更にそこに追撃するかのように次々と放たれたセレーネの7色の光の矢に対して、回避行動を取ろうとしたが
「アークス駆動―――ダークマター!!」
「!?クッ……!」
エリオットのアーツによって発動した重力を発生させるアーツを受けて動きが封じられると共にセレーネの魔術をその身に受けた。
「隙は逃しません!目標補足!フリジットレイン!!」
「竜巻よ、薙ぎ払え!!」
「チッ……!セイッ!!」
そこにクレア大尉のクラフトによる氷の破片が降り注いだその時、ガイウスが槍を回転させて竜巻を発生させ、それによって氷の破片をレーヴェの全身に命中するように仕向けて凍結させようとしたが、レーヴェは全身から闘気を解放して自身を凍結しようとする氷の竜巻を打ち破り
「ハァァァァァ……!」
「……ッ!」
一番近くにいたガイウスに連続の斬撃を叩き込み、ガイウスは十字槍を巧みに使って防ごうとしたが全ては防げず傷つき
「破砕剣!!」
「グッ!?」
最後の強烈な一撃によって吹っ飛ばされた!
「ぶっ放せ~!」
「―――――」
「負よ………我が敵を滅せよ!!」
そこにアガートラムのレーザー―――ヴァリアントビームに対し、クラフト―――ケイオスソードを放って相殺したが
「アークス駆動―――グランドシュトローム!!」
「風よ!―――エアリアル!!」
「クッ……!?」
クレア大尉とガイウスが発動したアーツによって足止めされると共にダメージを受けた。
「中々やるな……――――!」
アーツの発動が終わったレーヴェが目の前の光景――――ミリアム達の時間稼ぎによって竜化したセレーネを見て目を見開いたその時
「氷金剛破砕撃 (ダイヤモンドアイスバースト)―――――――ッ!!」
「……………ッ!!」
竜化したセレーネから極寒の吹雪のドラゴンブレスが解き放たれ、吹雪のドラゴンブレスは水に濡れた身体を冷やし、レーヴェの身体の動きを鈍くした!
「エリオット!もしこれでダメだった場合は頼むぞ!」
「うん、任せて!」
「行くぞ!ナイト…ルーク…ビショップ!」
エリオットに指示をしたマキアスは走りながらショットガンから次々と銃弾を放った。するとレーヴェの周囲にチェスの”ナイト”、”ルーク”、”ビショップ”の巨大な駒が現れて結界を展開し
「ミラーデバイス、セットオン!!」
それと同時にクレア大尉はミラーデバイスをレーヴェの周囲に展開した。
「これでチェックメイトだ!!」
「オーバルレーザー照射!!」
そしてマキアスがショットガンから放ったレーザーが結界にぶつかって爆発を起こしすと共に凄まじい衝撃波が発生したその時、クレア大尉は銃口からレーザーを放ち、放たれたレーザーはミラーデバイス達によって何度も跳ね返った後魔法陣を展開し、凄まじい衝撃波を発生させた!マキアスのSクラフト―――トリニティクローズとクレア大尉のSクラフト―――カレイドフォースを受けたレーヴェは戦闘不能になっていたかと思われていたが
「フッ、まさかここまでやるとはな。正直驚いたぞ。」
「なっ!?今の喰らってまだ立っていられるなんて!?」
「さすがにそう簡単に勝たせてもらえないか……!」
何とまだレーヴェは立っており、それを見たマキアスとガイウスは驚き
「ミリアムちゃん!エリオットさんを守って下さい!」
「うん、任せて!ガーちゃん!」
「――――――」
クレア大尉がミリアムに指示し、ミリアムがそれに応えてエリオットの前に移動してアガートラムで絶対防壁の結界を展開してエリオットと自分を包み込んだその時!
「燃え盛る業火であろうと砕き散らすのみ…………はぁぁぁぁぁぁぁ!――――滅!!」
レーヴェが自身の絶技をマキアス達に叩きつけ、マキアス達は大ダメージを受けたが
「超電磁砲―――――ッ!!」
「さぁ始めるよ!」
セレーネはダメージを受けてもなお、怯んだ様子は見せなく極太の雷光エネルギーを口から解き放ち、更にエリオットが魔導杖で地面を叩いてパイプオルガンを目の前に発生させた!
「何……!?フッ、さすがは”竜”といった所か……!」
セレーネの反撃に驚いたレーヴェが不敵な笑みを浮かべたその時
「清廉たる女神の息吹よ…我が旋律に宿り、仲間達に癒しを………フィナーレ!!」
エリオットがオルガンの演奏を終え、演奏によって発生した7色の魔法陣が光を放ち、傷ついた仲間達の傷を完全に癒した!
「ありがとう、エリオット!友よ、力を!」
「ピ――ッ!」
「何っ!?」
エリオットのSクラフト―――レメディオラトリオで回復し、ダメージから立ち直ったガイウスはクラフト―――ハンターウィングでレーヴェの注意を反らせ
「暗黒の力よ、抑え込め!」
「クッ………!?」
その隙にマキアスはクラフト―――ダークイレイザーでレーヴェの動きを制限した。
「フォルテ!!ミリアムちゃん、今です!」
「これで終わりだ――――ッ!ギガント―――――ブレイ――――クッ!!」
その時クレア大尉のアーツで攻撃能力が上昇したミリアムがSクラフトをレーヴェに叩きつけ
「やるな…………」
レーヴェは自身に蓄積したダメージについに耐えきれず、地面に膝をついた!
「はあ……はあ……か、勝ったの……?」
「ああ……!」
「ぼ、僕達があのレオンハルト教官に勝てたなんて……」
「今でも信じられない思いですわ……」
レーヴェの戦闘不能を見た瞬間、疲労が一気に襲ってきたエリオットは息を切らせ、ガイウスは静かな笑みを浮かべ、マキアスと人の姿に戻ったセレーネは信じられない表情をし
「えへへ、やったね!クレアがいて本当に助かったね~。」
「フフ、ミリアムちゃん達のおかげですよ……」
喜んでいるミリアムの言葉にクレア大尉は微笑みながら答えた。
「驚きました。まさか本当にレーヴェさんに勝つなんて。」
「士官学院が貴族連合に制圧されてから僅か2ヶ月でここまで来るとはな……―――正直、驚いたぞ。」
一方ツーヤは目を丸くしてセレーネ達を見回し、レーヴェは静かな笑みを浮かべて平気そうな様子で立ち上がった。
「ええっ!?」
「何でそんな平気そうに立ち上がれるの~!?」
「まあ、サラ教官もオレ達全員を相手に戦えたくらいだから、レオンハルト教官も余裕だろうな……」
「サラ教官といい、レオンハルト教官といい、僕達の担任教官達は非常識としか思えない程強すぎだろ………」
レーヴェの様子を見たエリオットとミリアムは驚き、ガイウスは苦笑し、マキアスは疲れた表情をした。
「えっと……お姉様、わたくし達は”合格”でいいのですよね……?」
「うん、文句なしの”合格”。現時点であたしどころかメンフィル皇家自身がセレーネとリィンさんの婚約を正式に認めた事になるよ。」
「よ、よかった~……」
セレーネの質問に答えたツーヤの話を聞いたエリオットは安堵の表情で溜息を吐き
「後はリィンさん達に望みを託すしかありませんね……―――ルクセンベール卿、一応確認しておきたいのですがオリヴァルト殿下達が”試練”を乗り越えた際は、メンフィルとクロスベルはリベールの口利きに確実に応じて交渉のテーブルに就いて頂けるのでしょうか?」
クレア大尉は静かな表情で呟いた後ある事を思い出し、ツーヤに尋ねた。
「はい。――――ただし、あくまでメンフィルとクロスベルが交渉のテーブルに就く事に応じるだけで、エレボニアが国として生き延びれるかどうかは皆さんの交渉次第です。」
「そうですか……―――わざわざ教えて頂きありがとうございます。それを聞けただけでも安心しました。」
ツーヤの答えを聞いたクレア大尉は静かな表情で会釈した。
「―――最もクロスベルで受ける”試練”の相手もそうだが、リベールで受ける”試練”の相手もお前達の時と同等か、下手をすればそれ以上の難易度かもしれんがな。」
「ほえっ!?それじゃあ……!」
「リィン達も僕達の時のように、滅茶苦茶強い人と戦う羽目になるって事ですか!?」
「アハハ……そうなりますね。」
レーヴェの話を聞いて驚いているミリアムとマキアスにツーヤは苦笑しながら説明し
「今はリィン達の武運を祈るしかないな……」
「はい……(お兄様……皆さん……どうかご武運を……!)」
ガイウスの言葉に頷いたセレーネは空を見上げてリィンや仲間達の武運を祈った。
ページ上へ戻る