転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1340話
地球にいる木星蜥蜴を、連合軍と共同で片付けるという事が決まってから数日。
現在俺はシロガネに乗ってサツキミドリ2号の近くに存在しているニヴルヘイムから出航の準備をしていた。
……いや、正確には出航準備をしているのを眺めていたってのが正しいか。
俺は別にシロガネのブリッジクルーという訳でもないので、現状やるべき事はなにもない。
ナタルが円や美砂、量産型Wに指示を出しているのを、ブリッジにある予備の椅子に座って眺めているだけだ。
「円、連合軍に通信は?」
「もう終わってるわ。向こうの方も緊張はしているみたいだけど、取りあえず落ち着いているみたい」
「ふふっ、まぁ、かなり頑張って要望を通したんだから。いっそここで騒いだら置いていった方がいいんじゃない?」
ナタルとエザリアの言葉に、美砂がからかうように言葉を挟む。
現在話題になっているのは、ニヴルヘイムから少し離れた場所にある、リアトリス級の戦艦についてだ。
当然このリアトリス級の戦艦はシャドウミラーの艦ではなく、連合軍から派遣されてきた艦だ。
連合軍の中でも旗艦を勤めることもあるクラスの艦なのだが、今回俺達に同行するのは、さすがに旗艦という訳ではないリアトリス級だ。
元々は連合軍側からシステムXNの転移を体験してみたいという要望があり、最初は観戦武官として何人か派遣するという方向で話が進んでいたんだが……ムウの提案というか口出しにより連合軍側からも戦艦が一隻同行することになった。
連合軍も転移装置というのは是非体験してみたいって事で、とんとん拍子に決まった形だ。
……もっとも、実際に転移するのはそれを決めた連中ではないんだけど。
哀れにも今回の件に抜擢された軍人は、今頃上司を心底恨んでいるんだろう。
実際には今まで幾度となく使用されてきたシステムなんだし、危険は殆どないんだけどな。
ナデシコの連中も特に何かがあった訳じゃなかったし。
ちなみに今回の連合軍との共同作戦にナデシコは参加する予定はない。
名目としてはニヴルヘイムの護衛という形でサツキミドリ2号に停泊したままだ。
ミナトやエリナと最近会ってないんだよな。
「ほら、話もその辺にしろ。……では、転移座標の入力を開始する。地球では既に攻撃準備が整えられているんだな?」
ナタルの窘めるような言葉に、円と美砂は真面目な表情になって頷きを返す。
「ええ。地上での準備は全て済んでいるようよ。それにしてもこれだけのチューリップが地球にいるのに、よく今まで無事だったわね」
「何でも休眠状態にあるチューリップが多かったそうよ。もっともナデシコのイネスとかいう人の説が本当だとしたら、チューリップはゲートの出口……いえ、出入り口なのかしら。どっちかは分からないけど、とにかく木星蜥蜴の本拠地と繋がっていると考えれば、単純に向こうから戦力を送ってきていなかっただけなんでしょうね」
美砂の言葉に円がそう返す。
それは恐らく間違っていないだろう。
ただ、それはチューリップと戦って連合軍が勝てなかったから、そのままの状態で放置されていた訳だが……さて、今回の件でチューリップを撃破されても同じ事を繰り返していられるかな?
木星蜥蜴のAIがどう判断するのかは分からないが、新しい戦術を考えなければいけなくなるのは、最低限間違いないと思う。
「では、これより転移を開始する。全員、くれぐれも油断はしないように。ムウ、スレイ、そちらの準備は?」
『こっちはいつでもOKだ。シャドウやメギロートの方も準備OK。連合軍の度肝を抜いてやるから、楽しみにしててくれよ。頑張って成果を上げたら、今夜も楽しみにしてるぜ』
『こちらも準備は整っている』
ムウの言葉にナタルの頬が薄らと赤く染まる。
全く、シャドウミラーの代表として派遣されてきているのに、緊張感が足りないな。
いや、俺も毎晩きっちりと楽しんではいるんだけどな。
人数の多さを考えると、寧ろ俺の方が緊張感が足りないと言えるだろう。
……オウカとイザークの関係がどうなっているのかが気になるけど。
「ムウ、今は任務ですよ」
ナタルもそう言ってムウを窘める。
それから咳払いをして、意識を切り替えるようにして口を開く。
「システムXN、起動」
「了解、システムXNを起動します」
量産型Wがナタルの言葉を復唱してシステムXNを起動する。
「転移座標入力」
「了解、転移座標を入力します」
「転移フィールド生成開始」
「了解、転移フィールドを生成します」
量産型Wが告げると同時に、シロガネとリアトリス級が光の繭のような転移フィールドへと包み込まれる。そして……
「転移」
「了解、転移します」
復唱した瞬間、既にシロガネとリアトリス級は宇宙から地上へと転移を完了していた。
そして転移が完了して数秒、早速とばかりに連合軍から通信が送られてくる。
勿論それは俺達と一緒に転移したリアトリス級ではなく、元々俺達が合流する予定だった艦隊の旗艦の方のリアトリス級からだ。
『いや、素晴らしいですな。初めて見ましたが、転移というのは便利ですなぁ!』
映像モニタに映し出されているのは、俺にも見覚えのある顔だ。
それもグリューノとかとの会談ではなく、俺がナデシコに乗っている時に見た顔。
「ミスマル提督、そちらの準備は?」
ナタルの言葉に、ミスマル――娘の方でははなく父親の方――が頷きを返す。
今回の件は日本から程近い位置にある無人島で行われるだけに、連合軍の中から出されたのは極東方面軍の艦隊だった訳だ。
特にミスマルは極東方面軍の中でもかなりのお偉いさんで、更に実力派でもあるって事で、こうして連合軍側の総責任者という形で派遣されている。
一部ではミロンガ改とナデシコを接収した時の事があったので、その辺でどうするのかと口にする者もいたのだが、色々と連合軍の中でもあって、結局はミスマルが選ばれたらしい。
『こちらは準備を完了しています。そちらの準備が出来次第、いつでも構いませんぞ』
ユリカがテンカワ以外の事では優秀なように、ミスマルも娘以外の事では優秀らしい。
旗艦のリアトリス級、俺達と共に転移してきたリアトリス級、駆逐艦、ミサイル艦、各種戦艦といった具合に結構な数を揃えている。
……今回の敵はチューリップ1隻だけなんだから、このくらいの戦力があれば俺達がいなくてもどうとでもなりそうな気がするんだけど。
ともあれ、こうして準備万端整えているのは俺達に対する牽制の意味合いもあるのだろう。
「では、3分後にタイミングを合わせて攻撃開始という事で構いませんね?」
『了解した。では準備に取り掛かります』
ナタルとミスマルが軽く打ち合わせをして、出撃の時間を合わせる。
もっとも、こっちは既にムウやスレイといった面子はシロガネの格納庫で機体に乗り込んで準備を完了しているし、量産型Wのシャドウ、メギロート、イルメヤといった機体も準備は完了している。
一応イルメヤがいるのは、バッタとかジョロを鹵獲出来るかもしれないからだ。
それと、俺の方の準備も完了はしている。
……俺が出撃を禁止されていたのはニーズヘッグでの出撃な訳で、今回ちょっと試してみたい事があるんだよな。
これが上手くいけば、次からはわざわざ苦労するような事もないだろうし。
連合軍にとってもシャドウミラーにとってもいい感じになる……と思う。
「ほう、では連合軍とネルガルの関係は急速に?」
『ええ、アカツキ会長もその辺には気を使っているようでしてな。現在ナデシコの技術を使った艦を使って新型を開発中との事です』
「ナデシコの技術? しかし、相転移エンジンは……」
『さすがに相転移エンジンを動力炉とするのは難しいですが、それ以外の部分でもナデシコは色々と最先端の技術を使っていますからな。それをフィードバックさせる形で新型の開発は進んでいます』
ミスマルの言葉を聞いている限りだと、連合軍の戦艦とナデシコの丁度中間になる感じの艦ってところか?
まぁ、連合軍の本音としては相転移エンジンは是非とも欲しいんだろうが。
そもそも、ナデシコが連合軍の艦と比べてあれだけ高い戦闘力やエステバリスを運用出来るのも相転移エンジンがあるからこそだし。
……やっぱり相転移エンジンを売らざるを得ないんだろうな。
このまま地球側が不利な状況になられても困るし。
『それに、連合軍としてはシャドウミラーから相転移エンジンを購入出来ないかどうかというので交渉中ですからな。そちらが上手く纏まれば、新型艦には相転移エンジンを積む事も出来るかもしれません』
丁度俺が考えているのと同じような事がミスマルの口から漏れる。
「私は軍人ですのでそちらについてはノータッチですが、上手くいけばいいですね。……さて、そろそろ時間です」
『こちらも準備は完了しています。では……』
「はい。円、格納庫に出撃を」
「了解。……ムウさん、スレイ、出撃して下さい」
円の声で通信が送られるのと同時に、シロガネからムウのアシュセイヴァーと、スレイのシャドウ・カスタムが出撃していく。
そんな2機を追うかのように、シャドウやメギロート、イルメヤといった機体が出撃していく。
「では、お互いに頑張りましょう」
『ええ、シャドウミラーと連合軍が協力して行う最初の作戦です。お互いに是非とも頑張りましょう』
そうして通信が途切れ、ナタルは次々に指示を出していく。
もっとも、今回の主役はあくまでもシャドウやメギロート、イルメヤといった量産機であり、シロガネは基本的に攻撃を控えめにするという事になっている。
そうである以上、シロガネがやるのは攻撃よりも出撃しているムウやスレイのサポートといったものが多くなる訳で……
「さて、なら俺の方もそろそろ動くか。ナタル」
「……本当にやるのか? ニーズヘッグを使ってならともかく、シャドウミラーの代表がわざわざ生身でやる必要はないと思うのだが」
「そう言うなって。やる必要があるからやるんだよ。それに、俺の場合はもし間違って攻撃が飛んできても意味はないからな」
「そうそう、ナタルもアクセル君の事は心配するだけ損よ。今まで、何回も、何十回も死んでなきゃいけないような目に遭ってるのに、その全てから生きて帰ってきてるんだから」
俺とナタルの言葉に美砂が口を挟み、その横では円も同意するように頷いている。
この2人……いや、言ってる事は正しいんだけどな。
「……分かった。無事で帰ってくるように」
ナタルも美砂や円の言葉にそれ以上は何を言っても無駄だと判断したのか、そう告げてくる。
「じゃあ、言ってくる」
そう告げると、次の瞬間には俺の足下に影が生み出され、そこへと身を沈めていく。
そうして次に姿を現したのは、シロガネの装甲の上。
そのまま空中を飛びながら幾つもの爆発光が見える方へと向かって飛んでいく。
気配遮断を使おうかと思ったが、気配遮断は肉眼ならともかく機械を通すと意味がない。
そしてこの戦場で肉眼を使って敵を見つけているような者はいないか、いても極少数だろう。
そうである以上、気配遮断は使っても意味がない。
もっとも、シャドウやメギロート、イルメヤ、連合軍からは戦闘機による戦闘だ。
人間大の大きさの相手をわざわざ攻撃したりはしないだろう。
……木星蜥蜴は別だけど、な。
そんな風に考えている間に、丁度タイミング良くバッタが俺の方へと向かってくる。
どうやら俺の存在に気が付いたのだろう。
ミサイルを発射せず、体当たりをする為に突っ込んで来る。
人間に見えたんだろうから、わざわざ弾数制限のあるミサイルを使わずとも速度の乗った体当たりで十分だとAIが判断してもおかしくはない。
だが……甘い。
真っ直ぐに俺の方へと向かってくるバッタの体当たりを、身体を斜めにして命中寸前に回避。同時にバッタの装甲へと手を触れ……次の瞬間バッタの姿は消えていた。
「無人機だけに、空間倉庫に収納出来るのは助かるな。次の目的は……」
わざわざ生身で出撃してきたのは、別にバッタを鹵獲する為ではない。
バッタ程度であれば、それこそイルメヤのスパイダーネットがあれば十分鹵獲出来るのだから。
そのまま空を飛びながら、俺を目指して近づいてくるバッタを次から次に収納していき……やがて俺の姿は敵の後衛部分へと到着する。
カトンボ、ヤンマ、チューリップ。
それらが陣形を組んでいる場所だ。
そこまで大きくなると、俺に気が付かないか、気が付いても相手にしていないのか全く無視している。
そんな中……
「収納、と」
まず真っ先に最大の目標であるヤンマが攻撃をする為にディストーションフィールドを解除したのに合わせて中へと入り込み、装甲に触れて収納する。
突然姿を消すヤンマ。
それから、次々にヤンマ、カトンボ、チューリップの姿が消えていき……最終的に俺が入手した艦の数は20隻にも達していた。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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