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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)

作者:sorano
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外伝~”白の神機”ヴァイスリッター~

~オルキスタワー・屋上~



「おじさま―――――ッ!」

「………………」

オルディーネに踏みつぶされたディーター大統領を見たエリィは悲鳴を上げ、キーアは辛そうな表情で目を伏せて黙り込み

「蒼い………神機……?」

「なああああああっ!?」

「新手の”神機”だと!?」

「おいおいおい………!こんなのアリかよ!?」

オルディーネを見たティオは呆け、ロイドとダドリーは驚き、ランディは厳しい表情で声を上げた。



「―――どういう事ですか!?その”騎神”―――”蒼の騎神オルディーネ”は”帝国解放戦線”リーダー―――”C”の所有物のはずですよ!?」

「”帝国解放戦線”だとっ!?」

「”帝国解放戦線”……”通商会議”で仕掛けて来たエレボニア側のテロリストか。」

ノバルティスを睨んで叫んだエリゼの言葉を聞いたダドリーは信じられない表情で声を上げ、ヴァイスは厳しい表情で呟いた。



「クク、”神機”を作る参考に”蒼の深淵”に何もしない事を条件に”彼”を調べさせてもらったんだが、こういうこともあろうかと”彼”に”蒼の深淵”に黙ってちょっとだけ手を加えさせてもらったんだよ。昨日”彼”の乗り手である”起動者(ライザー)”から彼の修理をする為に預けられたが、まさかこんな形で使う事になるとはね。」

「!!」

「なるほどね……あなたの命令でも動かせるようにしたって事ね。さすがは”結社”の十三工房を束ねる責任者と言った所だけど……パテル=マテルに加えて神機を生身で倒したロイドお兄さん達もいる状態で勝てると思っているのかしら?しかもエフラムお兄様達が破壊した関節部分はまだ直っていないようだし。」

ノバルティスの説明を聞いたエリゼは目を見開き、レンは不敵な笑みを浮かべて問いかけ

「フフッ、何を言ってるんだい?パテル=マテルに加えてアイオーンをも撃破する程の達人者等、自動操縦であるオリジナルの”騎神”のデータを取る相手として絶好の相手じゃないか!それに万全な状態じゃなくても私が撤退する時間稼ぎをする役割くらいは果たしてくれるさ!」

ノバルティスは狂気の目を宿して叫んだ。



「狂っている……!」

「”蒼の深淵”……結社の”第二柱”ね。」

「仲間を裏切ってでも研究に専念するとか理解できません……」

「あのアビルース・カッサレの狂気には届かないけど……それでも狂人である事には変わりないわね。」

ノバルティスの言葉を聞いたロイドは厳しい表情で呟き、ルフィナの話を聞いたティオは疲れた表情をし、ロカは厳しい表情でノバルティスを睨んだ。



「さあ、オルディーネ!私以外の”敵”を殲滅するがいい!」

そしてノバルティスはオルディーネを見つめて命令したが

「ガガ……ギギ………」

オルディーネからは混乱した様子の機械音が聞こえて来た。



「どうした!?早く奴等を殲滅しろ!」

その様子を見たノバルティスがオルディーネを睨んで叫んだその時

「ワ……レ……主……起動者(ライザー)……キサマ…………デハナイ……!」

「な―――――ギャアアアアアア―――――ッ!?」

オルディーネはダブルセイバーを振るってノバルティスの身体を真っ二つにした!



「な、何故だ、オルディーネ…………」

下半身がなくなったノバルティスは信じられない表情でオルディーネを見つめたが

「うふふ、普通の人形兵器と違って意志を持っている”騎神”を弄った事でバグが起こったのかもしれないわね。――――メルカーナの轟炎!!」

「グアアアアアア―――――ッ!?………………」

不敵な笑みを浮かべたレンの火炎魔術によって下半身と共に骨まで焼き尽くされ、塵と化して絶命した!



「ギギ……ガガ…………テキ……センメツ……」

一方オルディーネはロイド達に視線を向け

「クッ……!まさか暴走しているのか!?」

「チッ、とんでもねぇ置き土産を置いて死にやがって!」

「あんなもん、ブッ潰して鉄屑にしてやればいいだけだっ!!」

その様子を見ていたダドリーとランディは厳しい表情で声を上げ、ギュランドロスは声を上げ

「―――レン姫!パテル=マテルと共に手伝って貰ってもいいか!?あんな物を市内に放つわけにはいかん!あのような危険な存在は今ここで破壊する!」

「ええ、レンも元々そのつもりよ!どうせエレボニア侵攻時に阻んでくるし、起動者(ライザー)も操っていない状態という破壊するのに持って来いの機会(チャンス)、逃す訳にはいかないわ♪」

ヴァイスに視線を向けられたレンは小悪魔な笑みを浮かべて答えた。



(申し訳ございません、兄様………………出来る事ならせめて兄様の妹である私の手で”蒼の騎神”に引導を渡したかったのですが…………)

一方オルディーネをエリゼは複雑そうな表情で見つめていた。するとその時



汝、我を求めるか?



「え――――」

何者かの声が頭に響いてきた!



汝には我を”魔導”の力によって駆っていた者と違い、我が主になる”資格”がある。



我が力を求むのならば、我に名を―――――



「……………………まさか………………」

頭に響く声を聞いて何かを察したエリゼは信じられない表情でアイオーンを見つめ

「…………――――力を貸して―――――”白の神機”――――ヴァイスリッター!!」

目を閉じて考え込んだ後その場で祈りを捧げながら叫んだ!



「エ、エリゼさん……?一体何を……」

「!!まさか――――」

エリゼの行動を見たロイドが仲間達と共に不思議そうな表情をしている中、何かに気付いたレンは血相を変えてエリゼとアイオーンを見比べていた。

(オウ)―――――!!」

するとその時アイオーンから機械音が聞こえ

「ええっ!?」

「”神機”から声が……」

アイオーンの機械音を聞いたエリィは驚き、ティオは呆然とした。するとエリゼは結界に包みこまれ、アイオーンの中へと吸い込まれて行った!



「なああああああっ!?」

「ディーター大統領と同じ現象を……!」

「まさか……今度は貴女が操縦できるようになったのかしら?」

その様子を見ていたロイドとダドリーは信じられない表情で声を上げ、ルフィナは驚きの表情でアイオーンを見つめて尋ね

「―――はい、どうやらそのようです。不思議な事に頭の中に操縦方法が入って来ているお蔭で、この子を――――”ヴァイスリッター”を自分の手足のように動かせます……!」

”白騎士”を意味する名前を真なる主となったエリゼに授けられたアイオーン―――”白の神機ヴァイスリッター”からはエリゼの声が聞こえた後、ヴァイスリッターは格闘技の構えをした。



「ハハ、相変わらずとんでもねぇお嬢ちゃんだぜ!ってか、その構え……まさか”八葉一刀流”の無手の際の構えか?」

「ええ……―――”無の型”です。正直オルディーネ相手に太刀無しで挑むのは厳しいですが……」

ランディは口元に笑みを浮かべて声を上げた後ある事に気付いてヴァイスリッターに尋ね、ヴァイスリッターからエリゼの答えが返って来た。

「―――パテル=マテル、異空間倉庫よりブレードを召喚してその白い機体―――ヴァイスリッターに渡してあげなさい!」

「―――――」

するとその時レンの指示によってパテル=マテルは機甲兵用のブレードを召喚した後ヴァイスリッターに手渡し

「レ、レン姫?」

「太刀としては役不足だろうけどそれを使って、エリゼお姉さん!太刀―――剣が無いよりはマシでしょう?」

「ありがとうございます、レン姫。”太刀”程ではありませんがこれなら……!」

ブレードを受け取ったヴァイスリッターは八葉一刀流の構えをし

「わたしも援護します!エイドロンギア、召喚します……………!」

ティオも続くように異空間からオルキスタワーの探索の途中で見つけたエプスタイン財団が開発し、何者か――――マリアベルによって奪取された”オーバルギア”の新型兵器――――”エイドロンギア”を召喚し

「リンク完了………これよりパテル=マテル並びにヴァイスリッターの援護を始めます!!」

転移の光に包まれた後エイドロンギアに乗って、ティオが操縦するエイドロンギアはパテル=マテルとヴァイスリッターの間に滞空した!



「ガ……ギ…………テキ…………殲滅スル………戦闘モード……現起動者(ライザー)クロウ…………」

一方オルディーネは片腕でダブルセイバーを構えて攻撃態勢に入り

「ロイド!レン姫達が操る人形兵器達と協力して目の前の障害を破壊するぞ!」

「はいっ!みんな、行くぞっ!!」

「おおっ!!」

ヴァイスの言葉に頷いたロイドは仲間達に号令をかけ

「行くわよ、パテル=マテル!!」

「――――――!」

「兄様には申し訳ありませんが貴方はここで破壊させてもらいます、”蒼の騎神”オルディーネ!私に力を貸して、ヴァイスリッター!!」

「承知シタ。我ガ主ヨ、存分ニ我ガ力震ウガイイ―――!」

レンとエリゼもそれぞれ号令をかけてそれぞれが操縦する人形兵器でロイド達と共にノバルティスの手によって哀れにも暴走してしまった”蒼の騎神”オルディーネとの決戦を開始した! 
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