英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)
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第121話
スカーレットがいる部屋をフロントで聞いたリィンは扉をノックしたが、返事は返ってこず、それを不思議に思いつつもリィンは部屋の中に入った。
~バリアハート・ホテル”エスメラルダ”~
「あ――――」
部屋に入ってベッドに寝かされているスカーレットに気付いたリィンがスカーレットに気付くとスカーレットは目を開けてリィンに視線を向けた。
「やっぱり君か……私の恨み言を聞きに来てくれたのかしら?」
「助けた事をそんなに恨まないで欲しいんだが……」
「……冗談よ。生きようが死のうがテロリストとして極刑を下されようが、もうどうでもいい事だものね。」
「ふう、相変わらず投げ槍だな。まあともかく、思ったより元気そうで良かったよ。」
スカーレットの様子を見て溜息を吐いたリィンは近くの椅子に座ってスカーレットに現状を聞いた。
「そうか……特に不自由なんかはなさそうだな。というか何で見張りの兵士も置いてないんだ……?」
「それに関してはあれがあるからでしょうね。」
「え―――――!まさか。」
スカーレットの視線につられるように視線を向けたリィンは天井に設置されてある監視ビデオに気付いて表情を引き締め
「大方あたしが逃げられないように設置したのでしょうね。それに市内はメンフィル兵達が巡回しているだろうから、例え逃げたとしてもすぐに捕まえられるだろうし。」
「……………………」
スカーレットの推測を聞いたリィンは複雑そうな表情をした。
「フフッ、それにしてもまさかメンフィルにクロイツェン州全土が贈与されるなんてね。これがメンフィルに喧嘩を売ったエレボニアの運命なのでしょうね。」
「運命……か。そう言えば前はシスターだったんだよな……?確かアルテリア法国で修行をしたって言っていたけど……」
スカーレットが呟いた言葉を聞いたリィンはパンダグリュエルでしたスカーレットとの会話を思い出して尋ねた。
「ええ……もう随分昔の事のようね……懐かしいわ……」
「じゃあ本当に……?って、すまない。決して疑っているわけじゃ。」
「やれやれ……これでも帝国一と言っていいくらい敬虔な家庭で育ったのだけど。……だから、勧誘された時は本当に嬉しかったわね……」
リィンの反応を見て苦笑した後昔を思い出したスカーレットはリィンをジッと見つめてやがて口を開いた。
「知らないでしょうけど、一口に教会と言っても色々な部署があるのよ。私を勧誘してくれたのは”封聖省”という所のとある部署だった。教会内でもかなり特殊な任務を負う機関でね。実力者ばかりが揃っていたわ。フフ……私も若かったからそんな人たちに認められたのが随分嬉しくてね。特別な力はなかったけれど故郷を出て、一生懸命に修行してどうにか『従騎士』になれた……」
「『従騎士』…………―――!もしかして”守護騎士”という人達と何か関係があるのか?」
スカーレットの話を聞いて何かに気付いたリィンは真剣な表情で尋ね
「あら、驚いた。まさかその名を知っているなんて。ちなみに”どこまで”知っているのかしら?」
リィンの問いかけを聞いたスカーレットは意外そうな表情でリィンを見つめた後尋ね返した。
「……その”守護騎士”という人達が七耀教会の裏組織を纏めている人達と言う事くらいしかしらない。」
「そう…………ま、大雑把に言えばその言葉通りね。…………結局、アルテリアの日々はあっけなく終わってしまった……初任務の直前に……あの報せが来て……帝国に戻ったけれど……結局……何も守れは……」
「……もしかして以前話していた”故郷”の事か?」
悔しそうな表情で語るスカーレットを見たリィンは複雑そうな表情で尋ねた。
「フフ、そう言えばそんな話もしたわね。いいわ、大した昔話じゃないけれいど。それでも聞きたいというのなら―――」
リィンの言葉を聞いて苦笑したスカーレットはかつての出来事を話し始めた。
「前にも言ったと思うけど私の家は帝国の中西部で大きな農場をやっていてね。広大な土地がどこまでも続くようなのどかでいい所だった。両親も働き手に慕われていて、まあ自慢の故郷だったわね。そんな故郷に、突如鉄道網が敷かれる話が持ち上がったのよ。
”鉄血宰相”肝入りの国家事業……私達の土地はあっという間に接収されて……対価として大金が支払われた。『そのミラで代わりの土地でも探すがいい』―――つまりはそう言う事でしょう。生憎あたしは帝国を離れていてね。……報せを受けて帰国した頃には全てが終わっていたわ。
父は農場だけが生き甲斐だった……けれど代わりになるような土地はどうしても見つからなくて……結局、残ったのは欲しくも無い大金だった。」
「クロウからも似たような話を聞いた事があったな……市長だったお祖父さんはその件の半年後に亡くなってしまったそうだけど…………その、お父さんは?」
スカーレットの話を聞いたリィンは複雑そうな表情で尋ねた。
「……同じよ。自棄になって酒に溺れて、…………泥酔したまま事故死したわ。その後は、もうバラバラね。家族もどこで何をしているんだか。」
「そう……だったのか。―――ありがとう、話してくれて。」
スカーレットの過去を聞き終えて複雑そうな表情をしていたリィンは静かな表情で感謝の言葉を述べた。
「フフッ、礼を言うのはむしろこっちの方よ。あたしがこの世を去ってもあたしの故郷の話を覚えている人がいれば、死んだ父もちょっとは浮かばれるでしょうしね……」
「え……ど、どういう事だ!?まるで今すぐ死ぬみたいな事を言ってるように聞こえるぞ……!?」
寂しげな笑みを浮かべるスカーレットの言葉を聞いたリィンは血相を変えて尋ねた。
「あたしはテロリストよ。どうせこの後待っているのは極刑である処刑でしょうし、メンフィルがあたしの身柄をエレボニアに渡さず裁くにしても処刑だと思うわよ。かつて”通商会議”の際”列車砲”で各国のVIP達ごと”鉄血”を葬ろうとしたからね。確か通商会議に参加したメンフィルのVIPは”聖魔皇女”と”殲滅天使”の上、”特別実習”で君のクラスメイト―――”姫君の中の姫君”もあの場にいたでしょう?皇族どころか、国の跡継ぎの命を脅かした”賊”をメンフィルが許すと思っているのかしら?―――ユミル襲撃やケルディック焼討ちを指示したアルバレア公爵どころかその妻も処刑したメンフィルが。」
「………それは…………」
スカーレットに問いかけられたリィンは反論できず、辛そうな表情で黙り込み
「それにもし処刑をしなかったら、あたし自ら処刑にするように嘆願する気よ。
「何だって!?どうしてそこまでして死にたいんだ!?」
自ら処刑を望むスカーレットの話を聞くと血相を変えた。
「燃えカスになったあたしには生きる気力ももうないわ………”癒しの聖女”もわざわざあたしの傷を治すとか、余計な事をしてくれたものよ…………」
「………………”生きる気力”……………(何とかスカーレット自身に”生きたい”って思わせる方法はないのか……!?)」
スカーレットの様子を見たリィンは悔しそうな表情で考え込み
(…………マスター…………)
(リィン様…………)
(リィン…………)
(……難しい問題ですね。)
リィンの思念を受け取ったアルティナは敵であった自分と契約した際の出来事を思い出して複雑そうな表情をし、メサイアとアイドスは辛そうな表情で見守り、リザイラは重々しい様子を纏った。
(……その女に”生きたい”って思わせる方法はなくもないわよ。)
(え……ほ、本当か、ベルフェゴール!?一体どんな方法だ!?)
その時ベルフェゴールは真剣な表情で念話を送り、ベルフェゴールの念話を受け止めたリィンは尋ねた。
(一応確認するけど、どんな”理由”でもいいから、それを”理由”にその女に生きてもらいたいのよね?)
(ああ。頼む、もしあるなら教えてくれ……!)
(……わかったわ。それじゃあ…………―――その女を犯しなさい。それも徹底的に。)
(なっ!?ベ、ベルフェゴール!?一体何を……!?)
しかしベルフェゴールから返って来た予想外の答えにリィンは信じられない表情をし
(ベ、ベルフェゴール様!?)
(…………何故その必要があるのですか。)
メサイアは驚き、アルティナは表情を厳しくし
(…………なるほど。”そう言う事”ですか。)
(……リィン、ベルフェゴールはね。貴方に憎しみや怒りを持って貰う事でスカーレットに”生きたい”って思わせるようにスカーレットを犯すように言ってるんだと思うわ。―――かつて彼女が憎んでいた仇が生きていた時の彼女のように。)
ある事に気付いたリザイラは納得し、アイドスは静かな表情でベルフェゴールの意図を説明した。
(!!)
(あらら、答えを言う前に言われちゃったわね。さすがは”生”を大切に思っている”女神”と言った所かしら?さて―――どうするの、ご主人様。犯すのならいつものように邪魔者が入らないように結界を展開してあげるわよ。)
アイドスの答えを聞いたリィンは目を見開き、ベルフェゴールは苦笑した後真剣な表情で問いかけた。
(本当に……それしかないのか………?怒らせるにしても憎ませるにしても、もっと他の方法はないのか……?)
(私が思いつく限りないわね。故郷も仇も失って抜け殻のようになっているのだから、そこに憎しみの炎を再び宿すとしたら普通の女性なら誰もが大切にしている貞操を無理矢理奪って、徹底的に犯す事よ。幸いその女は”処女”だし。)
(……何で調べた訳でもないのにその…………スカーレットが”純潔”である事がわかるんだ?)
(うふふ、私は睡魔族の女王種よ?その程度の事がわからない訳がないでしょう?第一女性が”処女”であるかどうかの判断なんて、私じゃなくても睡魔族なら誰でも見分ける事ができるし、他の種族だって見分ける事ができる種族はたくさんいるわよ。それでどうするの?)
(………………わかった。結界を展開してくれ。)
(ええ。―――はい、結界を展開したわ。アイドス、貴女も念の為に認識障害の結界もしてもらえるかしら?)
(―――わかったわ。リィン、結界が解けない限り誰も来ないから後は頑張って。)
そしてリィンの頼みに応じたベルフェゴールは結界を展開し、ベルフェゴールに続くようにアイドスも結界を展開した。
「……スカーレット。もし、俺が貴女を犯したら貴女は俺をどう思う?」
「ハ……?フフッ、何を言い出すかと思えば。坊やにそんな事ができる訳がないでしょう?そんな嘘にあたしが引っかかるとでも思っているのかしら?」
結界が展開された後呟いたリィンの言葉に一瞬呆けた後苦笑しながら指摘したが
「……普通に考れば嘘だと判断するのが当然だな。―――だけど残念ながら俺は”本気”だ。」
「え。」
「……命を落とす前に今まで犯した罪の償いの一部として、”女としての死”も与えてやる……!」
「え……ちょ、ちょっと!?ま、まさか……!本気であたしを犯すつもりなの!?」
布団を剥がして自分にのしかかり、犯そうとしているリィンの行動に一瞬呆けたスカーレットはすぐに我に返って信じられない表情で声を上げ、リィンはスカーレットが身に纏っている病衣の胸元を大きく開けてスカーレットの豊満な胸を顕わにした。
「ちょ、ちょっと……!止めて……!?誰か!坊やがあたしを犯そうとしているわ!」
リィンの行動に抵抗しようとしたスカーレットだったが、オーロックス砦での戦いのダメージによって傷は治っていても疲労は回復していない為、満足に身体を動かせず声を上げて助けを呼んだが部屋内の異変に気付いて入ってくる者は誰もいなかった。
「助けを呼んでも無駄だ。ベルフェゴールがこの部屋に結界を張って外に声が聞こえないようにしている上アイドスによる認識障害の結界も展開しているから、今は誰もこの部屋に入ってこれないし、この部屋の存在に誰も気付かない。」
「なっ……!?」
リィンの説明を聞いたスカーレットは信じられない表情で絶句した。その後リィンはスカーレットの処女を奪い、徹底的に犯した。
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