英雄伝説～運命が改変された少年の行く道～（閃Ⅱ篇）

～オーロックス砦～



「ウフフ、見切れるかしら！？」

「グッ！？」

ケストレルは素早い動きでヴァリマールに詰め寄って法剣を振るってヴァリマールにダメージを与え

「セイッ！！」

「隙だらけよ！」

「うあっ！？」

更に反撃して来たヴァリマールの攻撃を回避して反撃してダメージを与えた。



「リィン、これを使って！」

「わかった！」

「レゾナンスビート！！」

その時エリオットと戦術リンクを結んでいたヴァリマールはエコーズビートの強化版のEXアーツ―――レゾナンスビートで自身に自己回復能力を付与させた。



「ウフフ、燃え尽きなさい……！」

その時ケストレルは大技の構えをしたが

「させるか！セイッ！ヤアッ！」

「ああっ！？」

ヴァリマールのクラフト―――閃光斬を受けて怯み

「そこだっ！ハアッ！！」

「クッ！？」

更にヴァリマールに追撃されてダメージを受けた。



「このっ！」

「グッ！？」

その時ケストレルは一気にヴァリマールに詰め寄って法剣を振るってダメージを与え

「貫け！」

「クッ！？」

ヴァリマールから距離を取った後クラフト―――ダークフェンサーを放ってヴァリマールに追撃した。



「女神よ……どうか御慈悲を！」

「ありがとう、エリス！」

その時エリスと戦術リンクを結んでいるヴァリマールはEXアーツ―――ホーリースコールを発動して受けたダメージを回復し

「これで威力を弱めなさい、リィン！」

「はい、教官！！」

「クッ！？」

続けてサラ教官と戦術リンクを結び直したヴァリマールはEXアーツ―――鳴神を発動してケストレルにダメージを与えると共にケストレルの攻撃能力やスピードを下げ

「一気に畳みかけろ！」

「ああ！―――シバリールーン！！」

そしてユーシスとの戦術リンクを結び直した後ケストレルの防御能力を下げるEXアーツを使った。



「調子に乗るんじゃないわよ！燃え尽きなさい！！」

「グッ！？」

その時法剣に炎を纏わせたケストレルはクラフト―――フレイムスラッシュを叩きつけたが攻撃能力が下がっていた為ヴァリマールにとっては大したダメージにならなかった。

「燃え盛れ……滅！！」

「キャアッ！？」

そして自らに近づいてきた隙を見逃さないヴァリマールはクラフト―――龍炎撃を叩きつけてケストレルを怯ませ

「そこだっ！セイッ、ヤアッ！！」

「クッ！？」

続けてクラフト―――閃光斬を叩きつけて追撃した。



「リィン、今の内に回復した方がいい。」

「ああ！――――ハァァァァァッ！！」

ケストレルから距離を取ったヴァリマールはフィーと戦術リンクを結んでいる状態で失った霊気(マナ)を回復し

「代わって、フィー！」

「ん。」

「頑張って、リィン……！」

「！ありがとう、ゲルド！！」

更にフィーと交代したゲルドによってヴァリマールはEXアーツ――――プレコグニションを発動した。するとケストレルの行動がリィンの脳裏に映った。



「やってくれたわね、坊や……！ハアッ！！」

ケストレルはクラフト―――ダークフェンサーをヴァリマールに放ったが

「ハッ！」

EXアーツ―――プレコグニションによってケストレルの行動が予めわかっていたヴァリマールは襲い掛かる刃を回避し

「燃えなさいっ！」

「甘い！セイッ！」

「キャアッ！？」

続けてクラフト―――フレイムスラッシュで襲い掛かってきたケストレルの攻撃を回避した後反撃してケストレルを怯ませた。

「一気に畳みかける！一の型―――閃光斬！！三の型―――天衝剣！！秘技―――百烈桜華斬！！」

「グッ……！？」

そしてヴァリマールは次々と剣技をケストレルに叩きつけてケストレルのダメージを蓄積した。



「敵は怯んでいるわ！一気に決めなさい！」

「ああ！――――ゲルド！」

敵の様子を見たセリーヌの助言を聞いたリィンはゲルドに呼びかけ

「うん……！」

「「神技―――聖王剣！！」」

光輝く剣をケストレルに叩きつけた！

「キャアアアアアアッ！？フフッ、ここまでか…………」

強烈な一撃に耐えられなかったケストレルは地面に膝をついた！



「やったか……！」

「兄様……！」

敵の戦闘不能を確認したユーシスとエリスは明るい表情をし

「よく凌いだわ、リィン！」

「！リィン、お願い！出来る事ならあの人を助けてあげて……！」

サラ教官はヴァリマールに視線を向け、ゲルドは懇願する表情でヴァリマールを見つめた。



「クスクス……さすがは”C”のクラスメイトだわ。”蒼の騎神”に負けず劣らず、素敵な戦いぶりだったわ。これでもう、思い残すことはない―――」

一方ケストレルからは満足した様子のスカーレットの声が聞こえて来た。

「まずい……リィン君！彼女の機体も、あの超加速の為に導力機関の限界を超えたんだ！このままじゃ―――！」

「させません―――！」

カレイジャスにいるジョルジュの警告を聞いたヴァリマールは剣を構え、そして！

「ああ、そうだ―――これ以上目の前の”死”を見過ごすわけにはいかない。！行くぞ、ヴァリマール！」

「応――――！」

「―――はああああああっ！！」

「え――――」

「せいやあっ！！」

今にも爆発しそうなケストレルに一気に詰め寄って剣を振るってケストレルを上半身と下半身に別れさせて上半身を掴みとり、素早くその場から離脱した。すると下半身の部分が大爆発を起こして木端微塵になった！



「ふうっ……」

間一髪爆発から逃れたヴァリマールは無事なケストレルの上半身を地面に下ろした。

「リィン……！」

「フン……無茶をしたものだな。」

「無茶は止めてくださいっていつも言ってるではありませんか！」

「よかった……ありがとう、リィン……」

「それはもしかして……あの機甲兵のコクピット？」

サラ教官やユーシスは感心した様子でヴァリマールを見つめ、エリスは心配そうな表情で声を上げ、ゲルドは優しげな微笑みを浮かべ、フィーは驚きの表情で尋ねた。



「ああ……何とか上手くいったみたいだ。一応無事を確かめておかないとな。」

「フフ、やるじゃないの。よし―――それじゃあとっとと突入するわよ！」

「うん、父さん達が砦の部隊を引きつけてくれているうちに……！」

「先に内部のクリアランスをしておく。リィンは後から来て。」

「了解だ、気を付けてくれ！」

「―――これより砦の探索を開始する。目標は我が父、アルバレア公の拘束―――気を引き締めて行くぞ！」

「Ⅶ組A班並びに協力者一同、突入！」

そしてユーシスとサラ教官の号令を合図に突入メンバーはオーロックス砦に突入した！



突入メンバーを見送ったリィンはセリーヌと共にヴァリマールから出て来た。

「―――ヴァリマール、彼女は？」

「内部ニ生体反応―――命ニ別状ハナイヨウダ。」

「そうか……」

ヴァリマールの答えを聞いたリィンは安堵の表情をした後機甲兵のコクピットを開けた。

「よっ……と。」

「……ぅ…………」

コクピットを開けると重傷を負っていながらも意識はあるスカーレットが操縦席にいた。



「……大丈夫か？」

「……余計な、マネを……もう少しで……もう少しで”あの場所”に還れたのに……」

リィンに呼びかけられたスカーレットは悔しそうな表情をした後リィンから視線を逸らした。

「……悪いがそんな道を選ばせるわけにはいかない。あんたの事情を完全に知っているわけじゃないが……それでも、こんな風に終わっていい人間とは思えない。きちんと裁きを受けて……罪を償う道を探してくれ。」

「フン……とんだ甘ちゃん、ね。それにこんな事をしても無駄……よ……………………」

リィンの言葉を聞いたスカーレットはリィンを睨んだ後気絶した。



「……気を失ったか。でも……間に合ってよかった。」

「ハハ―――同感だぜ。」

そしてリィンが呟いた言葉に応えるかのように聞こえて来た声に驚いたリィンが視線を向けるとそこにはオルディーネがいた！