ドリトル先生北海道に行く
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第十二幕その四
「もうこうしたことは」
「大丈夫ですよ、では」
「その時はですか」
「お任せ下さい」
こう先生に言うのでした、そしてです。
先生達はあの山に入りました、そのうえでウルのところに行きますと。
ウルはもうです、待ち遠しい感じでした。
そのウルにです、先生は笑顔で言いました。
「では今からね」
「うん、僕の冬眠の寝床をだね」
「作るよ」
「作るんだ」
「うん、そうだよ」
その通りという返事でした。
「これからね」
「作るって」
「そう、やっぱり君が入られるだけの穴はね」
「それはだね」
「ないからね」
だからこそというのです。
「作るんだよ」
「そうするんだ」
「ないのなら作ればいいからね」
「ううん、それでなんだね」
「これを持って来たんだ」
先生はそれを手にしてウルに見せました、それは何かちいますと。
「シャベルをね」
「人間が使う道具だね」
「そうだよ、このシャベルを使ってね」
「穴を作るんだ」
「もう一番大きな穴は見付けているからね」
ウルが入られないまでもです。
「後はその穴をだよ」
「ああ、そうなんだ」
「拡げるんだね」
「そうして作るってことだね」
「つまりは」
「そうだよ」
先生は動物の皆にも笑顔でお話しました。
「そうしようと考えていたんだ」
「成程ね」
「ここでも先生の知恵が出たね」
「困った時は考える」
「それが先生だしね」
「だから考えてみたんだ」
実際にというのです。
「そしてこうしようとね」
「結論を出して」
「そしてだね」
「実際にそうするんだね」
「穴を拡げるんだね」
「そうするよ、いいね」
こう言ってでした、実際にです。
先生はその昨日見付けていた一番大きな穴に向かいました、そしてその穴に来てすぐにでした。
王子、トミーも入れて三人で、でした。穴の左右と下を掘ってでした。
その穴を拡げていきます、それを見てです。
ウルは目を見張ってです、こう言いました。
「あっ、どんどんね」
「うん、穴がだね」
「拡がっていってるね」
「こうすれば君もこの穴に入られるね」
「そうだね、それじゃあ」
ウルもでした、ここで。
自分も穴のところに行ってです、前足を使ってです。
堀りはじめました、そうしてです。
掘ることが出来る生きものも協力してでした、穴をどんどん拡げてでした。
そうしてです、かなりの広さに拡がりました。ウルはその穴を見て言いました。
「あと少しで」
「うん、君もだね」
「この穴に入ってね」
「休める様になるね」
「そうなるよ」
「それじゃあだよ」
「このままだね」
「掘っていくよ」
どんどんというのです。
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