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カップルの失踪

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5部分:第五章


第五章

 二人は扉の向こう側に入った。そこはすぐに降りる階段があった。
 その階段を降りていく。そして辿り着いたのは。
 また扉だった。今度は鍵はなかった。
 そこを開けて中に入るとだ。まずは見たこともない四本足のつがいの動物達がそこにいた。暗い、何か手術室の様な部屋でだ。
 寝ている。暗がりの中でよく見えないが大型の動物だ。熊に似ているがだ。何かが違っていた。熊に似ていて熊ではなかった。
 それを見てだ。趙虎がアラガルに話す。
「ただ、ここにいる訳じゃないみたいですね」
「そうだね。この動物はね」
「どうしてここにいるかですけれど」
「それが問題だね」
「とりあえずどうしますか?」
 趙虎はアラガルに問うた。
「これからは」
「あの扉を開けるか」
 扉がだ。またあった。二人の目の前にだ。
 その扉を見てだ。アラガルは話すのだった。
「僕の予想ではね」
「あの扉の向こうにこそですね」
「秘密があるよ」
 こう趙虎に話すのだった。
「だからね」
「開いてそして」
「秘密を解き明かそう」
「はい、それじゃあ」
 趙虎も頷いてだ。そのうえでだ。
 彼等はその扉の前に向かい。扉を開いた。するとそこは。
 何かしら無数のだ。巨大なカプセルが連なっていた。そして中央には手術台があった。カプセルの中には液体があり動物達がいた。
 そして手術台にはだ。これまた。
 見たことのない動物達がいた。またつがいだ。そしてだ。
 そのつがいの動物達は赤い前足のある蛇だった。それがいた。大きさは人間程のものだがだ。やはり異様な動物達であった。
 カプセルの中の動物達はだ。眠っている。まるでまだ目覚める時ではないようにだ。
 そして手術台の蛇達もだ。目覚めてはいない。二人が手術台の周りを見るとだ。
 様々な器具や機械がある。それがまた異様だった。何かがおかしい、そうした場所だった。
 アラガルはだ。その部屋の中を見回してから趙虎に述べた。
「ここで動物達を」
「どうしていたんですかね」
「改造なりしていたんだね」
 そうしていたというのだ。
「ほら、どの動物達もね」
「変わってますね。明らかに」
「この動物園にいる動物達と同じね」
「というかこの動物達もやっぱり」
「うん、動物園の中に入れられるんだね」
「やがては」
「あの動物達は改造されていたんだ」
 アラガルは考える顔で言った。
「既存の動物達を元にね」
「問題はです」
 ここで趙虎が言った。
「その元になった動物達ですけれど。何でしょうか」
「それが問題だけれど。んっ!?」
 ここでだ。アラガルは見た。見てしまった。
 部屋の奥のカプセルの中にだ。いたのだ。
 裸の若い人間がだ。男も女もいた。それを見てだ。
 アラガルは悟った。恐ろしい事実をだ。それを悟ったのだ。
 そしてそれが趙虎もだ。二人は同時に言った。
「カップル達を捕まえて」
「そのうえで」
「これまで存在していない動物達に改造していたのか」
「遺伝子や細胞を操作して」
「如何にも」
 その言葉と共にだった。二人の前からだった。
「その通りだよ。私はカップルを捕まえて」
「動物にしていた」
「細胞や遺伝子を操作して」
「如何にも。そうしていたのだよ」
 あの白衣の男だった。彼が出て来て二人に話すのだった。
 
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